更新日:2007年12月10日

リビングフード・ダイエット


ダイエットと健康維持って、女齢30を超えるとかなり手強いテーマ。数々のダイエットに挑戦してきた食いしん坊エディターが、今欧米で話題のホリスティックな食事セラピー「リビングフード」でボディもソウルもすっきり(の予定)! 日々のリトリートの中での発見、ハウツーを刻々とレポートします。

文・写真=山祥ショウコ

   

カリブからの手紙3:家を失ったミランダその2




   遅まきながらようやく最近、iPodを手に入れて、今Podcastにめちゃめちゃハマっています。日本に帰って来て以来、絶対邦訳できないイギリスの辛口ブラックユーモアに飢えていたので、BBCのPodcast番組は砂に水が染み入るがごとし。聴きまくっています。BBCはインターナショナル番組よりも、ナショナル番組のほうが、キワドくて面白いっす。もともと日常会話に「ボケ×ボケ」の人が多い四国出身で、子供の頃から上方落語と吉本で育ったようなもの。東京の放送コードでは許されないヤバいギャグに慣れ親しんだ子供時代を振り返ると、BBCがツボにどんぴしゃなのも、納得です。

   さて、ちょうど2週間ほど前でしたか、BBC Radio News Podcastで、「ハリケーン・カトリーナでの被害者救済基金の運営問題」が取り上げられていて、ミランダのことを考えたりしていました。

   ニューオーリンズ出身で、ハリケーンで家を失い、カリブのスパにやって来たものの、毎日ベッドで寝てばかりいたミランダ(何人かの方から「それで、ミランダはどうなったの?」というメールもいただきました)。彼女が気力を取り戻すきっかけとなったのは、実は「音楽」にあったのです。

   昼間は寝てばかりのミランダが出たそのクラスは夜7時からの「メンタルサポートワークショップ」のひとつでした。太陽が海に沈んでしまえば、ケーブルTVがあるでもなし、夜のアクティビティは本を読むかDVDをみんなで観るか、くらいでしたから、ディナーの流れでなんとなく参加する気分になったのでしょう。

   その夜のクラスは「呼吸のワーク」でした。食生活を変えていくことは、自分では気づいていなくても心にも体にも負担がかかるもの。また、私たちは空腹を満たすために食べる、というよりも、心を満たすために食べていることが多いものです。そういう食べ方に対する欲望を、呼吸をコントロールすることによってコントロールする、というもの。北欧出身のインストラクター・ルシールが、いろいろな呼吸法を紹介したのち、ワークショップの最後にCDプレイヤーを取り出して音楽をかけたのです。

   「さあ、最後に音楽をかけます。音楽は心の栄養よ。私たちは食べ物の栄養のことばかり気にするけれど、心がどんなジャンクフードを摂っていても気にしないでしょう。でも、心だっていい栄養を摂ることが大切なの。さあ、音楽に乗って、体を好きなように動かしてください。このシンガーは私が大好きな女性で、元々ブルース歌手だったんだけれど、一度引退し、その後85歳で再デビューしたのよ。彼女の唄に合わせて、踊って!」

   ルシールがかけた曲は、しわがれた、しかしハリのある、なんとも人生の重みに満ちた力強い女性のスローなブルースでした。とはいえ、音楽を聴いてすぐ踊るなんて、国籍がなんであれ、気恥ずかしいものです。でも、その曲を聴いたとたん、一番最初に体を動かしたのは、ミランダだったのです。

   「アルバータ・ハンターね!」とミランダ。「そのとおり、よく知っているわね」とルシール。「私はニューオーリンズ出身よ。この歌手のことを知らない訳がないわ」ミランダはそう言って、CDが終わるまでずっと疲れ知らずで踊り続けていました。私たちも一緒に踊りましたが、ミランダの音への没頭ぶりは、「さすが本場!」という感じでした。

   南部出身のミランダにとって、ブルースはそれこそゆりかごの中から聴いていた音楽。ニューオーリンズでは天災に遭い、家を失い、気力を失って遠いカリブ海に静養に来た彼女の眠り続けていた魂をぐっと動かしたのは、他でもない故郷の音楽だったのです。

   その夜をきっかけとして、気づけばミランダは昼の授業にも出席するようになっていました。昼休みには海辺で日光浴し、授業が休みの日にはシュノーケリングに出かける。いつもいつも眠っていた彼女が、どんどん積極的に外に出るようになったのです。

   「ああ、リビングフードって、単に食べ物のことだけじゃないんだな」と感じたのは、このミランダの復活を目の当たりにしてからのことでした。スパではTVもない。ニュースもない。新聞もない。ましてやネットも共有のPCが1つのみ。でも、スパから5ヤードのところにカリブ海があり、一日中海の音がBGMです。夜は虫の鳴く音以外は何も聞こえません。そんな環境で数日過ごすうち、心にたまっていた「毒素」も少しづつ抜けていき……白紙になったミランダの心に、彼女が心から愛してきた音楽、魂を揺り動かす音楽が、ずん、と響いたのだと思います。

   そしてまた、こういう風にも感じました。「幸せって、何かの条件や状況で決まるものではない」と。アルバータ・ハンターのしわがれた唄声に乗って、無心に、音に集中して体を動かしていたとき、ミランダはその場で踊っていた誰よりも幸せを感じていたはずです。でも、ブルースを聴く前と聴いた後で、ミランダの今置かれた状況が劇的に変わったわけではありません。変わったのは、ミランダの「心」なのです。

    では、「幸せ」を感じるための秘密とは、何なのでしょうか? そこにはどうやら無心になれる「集中力」が関係していそうなのです。この項、まだまだ続きます。


────────────────────────────
5月19日の体重:53.0kg(PMSおよびウェイトトレーニングのせいか?)運動:ウォーキング1時間半、ジムでのウェイトトレーニング1時間(体力の低下を感じたので、筋肉をつけることにしました。あんまり客層がよくなかったジムを思いきって変え、プログラムを作成してもらい、今けっこうハマっています)  アルコール:シャトー ラトゥール(取材の残りワインをヴァン・ショーで) 起床:5時 就寝:9時

<5月19日の食事内容>
朝:豆乳、すいか
昼:コーヒー、クラブハウスサンドイッチ
夜:グレープフルーツといちごのジュース、玄米のグリーンピースご飯、ひじき煮(勝浦朝市で買って来たのを煮て冷凍してあったのです)、キュウリの自家製漬け物、赤ワイン

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2006年08月06日 22:11

皆様、こんにちは! このまま梅雨に突入でしょうか、というお天気ですね。コメントありがとうございます。

yasudaさん、私もクイーンの大ファンです。そういえば、『アリーmyラブ』のアリーは自分のテーマソングを決めていましたっけ。と考えてみると、音楽って「自分を活気づける」ものとして活用できるんですね。ちなみに私のテーマソングはトム・ジョーンズの『恋はメキメキ』です。彼は今回ナイトとして叙勲されたというウワサは本当でしょうか。

ジャスミンさん、再びコメントありがとうございます。体力の低下を感じて始めた筋トレなので、非常に基本的なことしか今はやっておりません。ですが、やはりしばらくは体重増加するでしょうね。私も経過が楽しみなので、またご報告いたしますね。

owariさん、素敵なコメントありがとうございます。食べ物、見るもの、読むもの、聴くものすべて自分の体と心につながっていますよね。そうえいば最近の社会調査でTVの視聴時間が長い人ほど、体重増加の傾向にあると出ていました。

それではこれから豆乳を飲んで、ジムに行って参ります!
yamasho

投稿者 yamasho : 2006年05月23日 10:38

いつも楽しみにしています。食事を制限したり、運動したりということもダイエットには大事な要素ですが、リビングダイエットを読むうちに、特に、カリブのレポートを読んでいると、ダイエットとというのは体重といっしょに心の余分なもの(ストレスだったり、悲しみだったり)も落としてくれる、併せて体重の増加には日々の心の状態が密に絡んでいるということを感じます。「幸せ」を感じるための「集中力」、、、とても興味深いです。
早く、続きが読みたいです。

投稿者 owari : 2006年05月22日 13:30

私も筋トレを始めようと思っていたところです。 ジムの事、プログラムの事、その後の経過等参考にしたいので、色々と教えて下さい。

投稿者 ジャスミン : 2006年05月22日 09:15

音楽の力って不思議です。

私は仕事(ライター)の前にQUEENのDon't stop me nowを聞いてからカメラと三脚を持って出かけます。
何か元気になり、フレンドリーにもなれるのです。

投稿者 yasuda : 2006年05月21日 07:06


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リビングフード=Living Foodを毎日の食事の基本とするフード・ライフスタイル。「Living=生きているって……蛸のおどり食い?」ではないのです。生きているとするのは「酵素」。私たちがいただく食物に含まれる酵素を壊さないでそのまま取り入れる、という考え方です。欧米では最近、栄養素よりも酵素(エンザイム)の体内での働きに注目が。酵素不足が健康や体重増加と因果関係があるらしい、とか。 酵素は生の果物や野菜だけでなく、チーズやヨーグルトなど発酵食品にも含まれているので、醤油や味噌、キムチなどもアクセントとして楽しめるはず。


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