さて、『かめびし醤油』のあまりの美味しさに惚れ込んで、香川県・引田まで訪れた「お醤油旅話」の続きです。前回私がちらとお伝えしたお醤油に関する驚愕の事実とは……麹造りから始めて昔ながらのもろみ蔵を使い、天然醸造でお醤油を作っているお醤油屋さんは、『かめびし醤油』さんを含めてもはや日本に3軒ほどしか存在していないのであります。

宝暦3年(1753年)から続く『かめびし醤油』さん。「麹造りから製品まで」をモットーに240年。なかなかできることじゃありません。
皆様、3軒ですよ、3軒。日本中のどの家庭にも絶対1本はあるお醤油なのに、なんでそういうことになってしまったのか。醸造/発酵系で考えてみても、例えば日本酒やフランスにおけるワイン造りの世界と、比べるとその異常な少なさが気になります。
実は、お醤油、江戸時代までは「醤油屋の蔵には小判がざくざく」と言われるくらい儲かったのです。長崎の醤油がヨーロッパに輸出され、それが元になってイギリス・ウスターシャー地方で作られたソースがウスターソース、という話もあります。ところが、明治維新以後、近代化にともない組合化/協業化が進んで、お醤油造りそのものがどんどんオートメーション化してしまった。そのあおりを受けて、個人のお醤油屋さんが次々に協業に参加/あるいは廃業し、今に至る、というわけです。現在醤油メーカーのほとんどは自動生麹装置で造られた麹を、組合から購入して、お醤油を造っているのだとか。うーん、合理化という題目のもと、なんだかちょっとごまかしが出て来たのね。いろいろ教訓を含んでおります、この醤油ヒストリー。
そんな中『かめびし醤油』さんは「一麹、二櫂、三火入れ」がキモと言われて来たお醤油造りの伝統を守り、醤油の味を決める大事な部分である麹造りを「自分のところでやる」と、こだわってきたわけです。しかも「むしろ麹製法」という、非常に手のかかるやり方で麹を作っているのです。これが「究極にウマい醤油の秘密その1」。


もろみ蔵で熟成されているもろみ。中にはなんと26年もの(!)もあるのだとか。甘い香りがぷーんと漂い、幸せな気分です。
ウマさの秘密その2は「もろみの長期熟成」。国産小麦、国産大豆、天日干し原塩などいい材料を使っているのはもちろんのこと。100年は持つ、と言われている木桶で、最低でも1年3ヶ月熟成させているのです。その間、何度となく撹拌(櫂入れ)し、まるで我が子を育てるように大事にもろみを育てて行くのだそう。
できたもろみを大きな風呂敷に包んで積み上げ、絞ればお醤油の出来上がり、なのですが、ここでもぎゅうぎゅう絞り上げるということはしないのだとか。なぜなら、大豆の油分が出て来てしまうからです。

この風呂敷に包んでもろみを絞ります。どうです、このお醤油色に染まった生地。もう、これだけでウマそうです。
ここまで手をかけられつくられているのだから、美味しいのは当たり前。『かめびし醤油』のお醤油は、市販の醤油に比べ、とろりと濃度も濃い。味わいも、ちょっと舐めると、香りがわーっとたって、その後でうまみのハーモニーが口の中に広がる感じ。ところが、市販のお醤油に慣れた日本の人は、このお醤油が使いこなせなかったりするそうで……いわば「軽の運転に慣れちゃうと、ベンツやポルシェの加速がコワい」てなもんでしょう。
逆に海外で活躍中のシェフなどから引き合いがあるのだとか。あの「キハチ」の熊谷喜八さんもこのお醤油を絶賛しておりました。私がナパ・ヴァレーやサンフランシスコで取材したレストランでも、お醤油をマリネベースに使ったり、ドレッシングに使ったりしているところ、けっこうありましたし。
で、こんなすごい醤油を造っているこちらの17代目は一体どんな人かというと、実はカフェグローブ世代の女性なのです。……続きは次回!

『かめびし醤油』さんの近所にあったお正月の飾り付け。かわいい。
●かめびし醤油についてはこちら>
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1月17日の体重:54.5kg(ウチの体重計ではかり直したら、お正月の爆食で体重激増。ヤバい!) 運動:ヨガ30分 アルコール:ビール1杯
<1月17日の食事内容>
朝:豆乳カフェラテ、みかんジュース
昼:玄米がゆ、里芋入りお味噌汁、大根のぬか漬け、にんじんジュース
間食:スタバでヘーゼルナッツシロップ入り豆乳ラテ
夜:イカの唐揚げ、ビール、大根のぬか漬け