更新日:2010年8月09日



マスコミをおちょくる

カテゴリ:ゆるい話題ですカテゴリ:ロンドン  2010 8月09日

  ちょっと前ならノリピー事件に押尾学事件、小沢氏の献金疑惑など政局ニュース……マスコミがその時々の人気のトピックに飛びついて、バランスが悪いほどにそればかり報道するのは洋の東西を問わず。

  でもイギリスで少しでも安心できるのは、マスコミの姿勢を痛烈にからかって楽しむカウンターパンチとしてのカルチャーがあること。毎週、その時々のニュースの内容やその報道のされ方をおちょくる1時間程度の番組がゴールデンタイムのBBCなどに数本あり、それぞれのメディアの意向や事情、お家芸もなんとなくわかってきてためになります。

  そんな文化だからこそ成立するのがこういうニュース。リベラル寄りの高級紙『Guardian(ガーディアン)』のサイトで先週末にアップされたビデオです。


この動画記事のタイトルは、「この動画の撮影で、動物虐待は行われていません」というお決まりのフレーズ。これもすでにおちょくっているのでしょう。

  6月に、ロンドン都心で、家で寝ていた赤ちゃんが野性のキツネに襲われて大怪我をするというとても気の毒な事件がありました。用心深く臆病で知られるキツネが、いくら窓が大きく開いていたとしても、人家の2階まで上がって子どもに噛み付くというのは前代未聞で、ノリピー覚せい剤ほどではないにせよ、マスコミも「キツネが凶暴化!」「キツネが増えすぎ!」とヒステリックに報じました。

  保守派メディアの中には「赤ちゃんが殺されてからでは遅い、キツネ狩りはやっぱり必要! 再合法化を!」というような声を紹介するものも出てきました。キツネ狩りはイギリス上流階級の「伝統的なスポーツ」ですが、たくさんの猟犬でキツネが走り疲れて倒れるまで追い込むため、残酷すぎるとして数年前に違法化されています。でもキツネ狩りをしたい人もまだ多いのです。

  「このメディアの興奮ぶり、キツネ狩り合法派の声まで紹介する無節操ぶりに、このままではキツネ狩りが復活してしまうかもしれないと危惧した」映画監督とその友だちが企てたのが、「汚いキツネどもは俺たちが退治してやるゼ」と覆面でキツネをたたき殺す若者たち……を演じてウソのトピックを仕立てるというもの。「ヒステリックになっているマスコミは、キツネに関することなら、どんなアホな内容でも報道するんだってことを確認してみたかった」とこの動画内で動機を説明しています。

  ウソのキツネ狩りの様子をビデオに撮り(友だちの犬やキツネの剥製を借りりるなど気合入ってます)、ネットにその様子をアップしたところ、目論見はヒット! タイムズにガーディアン(この記事が掲載されているのもガーディアン)など、多くのメジャーメディアが報道したのでした。BBCのロンドンニュースでも紹介されて、ヤッター!状態。

  もちろんこの第一報のニュース(若者が社会の味方気取りでキツネを撲殺)にはネットなどで非難が殺到、人々の怒りはちょっと想像の範疇外だったようで、「ニュースで心を傷めた方には心からお詫びします」と謝っています。

  で、この「ウソでした」という第二報のニュースに対しての読者コメント欄を見ると、ケシカランと怒っている人もいますが、けっこうな数の「いや、マスコミをおちょくったのはよくやった!」という声もあります。

  これが日本だったらどうでしょう? ちょっと許されない雰囲気になりそうな気がします。そもそも、マスコミ自身がおちょくられることに慣れていないので、怒ってしまってこんな記事は紹介しないかもしれませんね。


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ミツバチが来ない

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2010 5月28日

  何度かここでも少し書いてきましたが、ロンドン郊外の家のそばに市民農園を借りています。

  30坪弱の区画で、育てているのはごく普通の作物。ジャガイモ、ネギ、ブロッコリーやズッキーニ、トマト……などなどです。4年目に入り、雑草だらけで荒野のようだった区画もようやく畑らしくなってきました。

  でも今年気付いたことがひとつ。毎年、うるさいほどやってくるミツバチの姿がとても少ないのです。庭のリンゴの木にもミツバチがあまり来ていません。


去年のミツバチ。ネギ系ハーブ、チャイブの花が大好きでよく集まっていました。

  2006年頃から、ミツバチが巣から忽然と失踪するCCD(コロニー崩壊症候群)現象が相次いでいるというニュースを耳にするようになりましたよね。不思議なCCD以外でもミツバチは減り続けていて、北米やイギリスなどではミツバチが3割ほども減ってしまったとか。

  日本に昔からいるニホンミツバチはとくに数が減っていないらしいのですが、養蜂家の多くは蜜を集める能力の高い同じセイヨウミツバチを使っているため、日本でもミツバチの激減現象は起きているそうです。

  ミツバチの減少は即農業への大打撃なので、原因究明の努力がかなり払われているようなのですが、今のところ特定できていません。農薬説、ウイルス説、電磁波説……どれも疑わしいけれど、決定的ではない。

  最近の研究発表では、上記の原因はおそらく大きな要素ではなく、気候変動による異常気象が主な原因ではないかとしているそうです。

  今年は日本も気温変化が極端ですよね。イギリスもです。冬の間、備蓄した蜜で生きのびてきた働きバチは、さぁ春!と思って外に飛び出していったけれど、花の時期がズレていてそこに蜜や花粉はなく、エネルギー切れで巣に戻れなくなるものが多いのだろうとのこと。なんだか切ない。

  自分の見ている前でも、着々と地球の様子が変わって行く。何か怖いことを目撃しているのかもしれないなぁと、ちょっと心塞ぐ春です。


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夏の瓶詰めを作りながら

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:今日できることをしようカテゴリ:地球温暖化  2009 11月04日

  日本列島もぐっと冷えてきましたね。あわてて毛布を出したり、冬支度をしています。

  ロンドン郊外で耕している畑も、冬支度をしてきました。まずは夏野菜の最後の収穫をして、土を休ませる作業です。


左からトマト、ズッキーニ、サヤインゲン、カボチャ。ズッキーニとサヤインゲンは毎年豊作確実なのですが、トマトは年によって変わります。今年は大豊作で食べきれず、瓶詰めをたくさん作りました。


今年始めて作ったカボチャ。ハロウィンで中をくりぬいてランタンにするアレです。イギリスはハロウィン(アメリカの行事)はあまりやらないので、ハロウィン前におおむねスープにして食べてしまいました。日本のカボチャよりも水っぽくて煮付けには向きませんが、クリームを加えてポタージュにするとおいしいです。


畑3年目にして初めてキャベツに成功! キャベツなどのアブラナ科は害虫が多いので、無農薬だとなかなか難しいのです。うっかりしていると山鳩にもがっつりおいしいところを食べられてしまいます。それだけにこのキャベツは格別の美味でした。

  野菜を収穫したら、その植物本体は引っこ抜き、作成中の堆肥の山に加えます。半年から1年ほどするとこれがいい堆肥になるので、畑の土に鋤きこんでまた野菜のもとになってもらうわけです。

  空いたスペースには、堆肥や近くの牧場がくれた馬のフンを発酵させたものを入れてよく混ぜます。しばらく休ませてすぐに苗を植えてもいいのですが、冬場はあまり育つ作物が多くないので、ここは雑草が生えないように黒いポリシートで覆ってしまうことに。新しい栄養が入った土が、数ヶ月の間たくさんのミミズや微生物の働きでふかふかになることをイメージしつつ。


ポリシートで覆った間に少しだけ春キャベツとカリフラワーの苗を植えました。冬の寒い中、順調に育ってくれるかな。

  そして、収穫したもののうち、できるものは冬に備えて保存食にします。まずはジャムが筆頭ですね。私の畑にはカシス、レッドカラント、ブラックベリーなどのベリー類の木がたくさんあるので、食べきれないほどのジャムを作りました。

  今年豊作だったトマトは水を加えないで煮てピューレにし、瓶詰めにしました。当分水煮トマトは買わなくてすみそうです。赤カブのビートは酢漬けに。


夏の収穫を保存食に。瓶詰め作業は、なんだか来たるべき冬のために夏を瓶詰めしているような気持ちでした。左からルバーブジャム、ブラックカラント(カシス)ジャム、レッドカラントジャム、トマト、グリーントマトのチャツネ、ビートの酢漬け。

  イギリスの夏は日本の北東北や北海道の夏に近く、やや短く日差しの勢いもそれほど強くありません。その短い夏や太陽のパワーをできるだけため込むかのように野菜を育て、冬のためにせっせと保存食を作るその「感じ」には、人間がずっとやってきたことなのかなぁという実感があります。

  化石燃料という「太陽の力の化石」を燃やして温めた温室育ちの野菜を世界中から空輸して美食をできたこの20年ーーこれも先進国の私たちだけの話ですがーーそれもそろそろ終わりですよね。いまいちどこういった季節にそった暮らしができるように、もういちど準備しておきたいなぁと思った今年の収穫シーズンでした。


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秋の光

カテゴリ:ゆるい話題ですカテゴリ:ロンドン  2009 10月10日

  先日のメルマガEspressoの「ひとこと欄」で、以下のひとことを書いたところ、ユーザーの方や読んでくれている知人から思いがけなくたくさん反響をいただきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イギリスは、トチの木やカエデが色づき、
街路樹の下にどっさりと落ち葉がつもり、
公園などを歩くと落ち葉が放つあの甘い香りに
包まれるようになりました。秋ですね!
たぶん高緯度なことと関係があると思うのですが、
こちらの秋の夕陽はすっかり傾むきながらもなかなか沈まず、
色も燃えるような強いオレンジ色なのです。
このオレンジ色に映える紅葉の美しさといったら息を飲むほど。
そして昨日、我が家の庭にハリネズミが棲んでいることが判明!
冬眠する彼らのために、暖かい木製の巣を
大急ぎで用意することにしました。
時間の流れを強く感じる、素敵な季節を楽しんでいます。
(ファウンダー・アオキ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  どんな夕陽なの?見たい!という声が多かったので、西ロンドンにあるリッチモンドパークを自転車で通りかかるときに、いくつか撮影をしてきました。


ロンドンは冬にもそれほど寒くはならないけど、東京にくらべると秋は駆け足でやってくる。もう朝は7℃くらいまで冷え込むことも。厚手のコートに手袋をした人が、白い息をはきながら犬の散歩をしています。


もともと王族の鹿狩り領地だったこの公園には、いまも野生の鹿が600頭くらいいます。餌付けされていないので、威風堂々。


考えてみれば、もう冬至まであと2ヶ月ちょっと。このあいだまで夏だったのに、気付けば光の色はもう完全に冬。この日も、夕陽はこのあとどんどん赤みを増し、最後は家々がピンク色になるほどでした。


白鳥も、絵になります。

  このリッチモンドパークはカメラマンにも人気のスポットで、ネット上に美しい作品がたくさんあります。たとえばこのスティーブ・モーガンさんのサイトはおすすめのひとつ。Google Mapでもきれいな写真がたくさん出てきます。

  もうすぐ東京にまた戻りますが、日本の秋も堪能するべく、自転車女子友だちと、紅葉狩りツーリングの計画を立てたりしています。食べ物もおいしくなる季節、なんだか書いていてウキウキしてきました。



おまけ。リッチモンドパークは代々木公園の18倍の広さがあるので、公園というより都会の中の田舎といった印象。端から端が10kmくらいあります。iPhoneとiアプリのAutoStitchを使ってパノラマを撮ってみました。
●画像を大きく>


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ロンドンの小学校で、日本のマンガを再発見

カテゴリ:ロンドン  2009 9月30日


  うむむ、そうなるのか……。と唸ったのは、こちらロンドンのある公立小学校の3年生のクラスでのこと。「インターナショナル・デイ」という企画のお手伝いで、日本をテーマに選んだクラスを訪問したのです。

  『となりのトトロ』を見ながら焼きそばを作って食べたり、「はじめまして」といった挨拶の言葉を覚えたり……と納得のいくメニューの中に、日本のMANGAを描いてみよう!というものがありました。

  そのときに先生が配布した参考資料の内容は、顔の描き方(十字を最初に描いてから目や鼻の位置決めをするアレ)、マンガ的髪型のパターン(鬼太郎やスーパーサイヤ人もあった)、ギャグ表現のデフォルメの仕方など。「聞き耳を立てていることがわかるように耳を巨大にして描くのです」と画像の意味が説明されているのを見ると、美術史の時間にイコノグラフィーのテキストを見ているような気分で、なんだかムズ痒い。


「耳は体のパーツの中でも動かないもののひとつです。マンガでコミカルな表現をする際も、耳はあまり動きません。でも、耳の使用を示唆するために耳の大きさがデフォルメされることはあります」という丁寧な説明のついた解説。このほかに「髪型や髪の色を変えることによって、キャラクターの性格や特徴を表現することができます。『ゲゲゲの鬼太郎』や『ドラゴンボール』などを参考にしてみましょう」というコーナーも。

  日本で育ったマンガ世代なら、こういったマンガ表現の約束事は説明されなくても自然に身につけているけれど、MANGAを発見してまだ日の浅い世界の人たちからすると、こうやって大急ぎで学ばないと、というところのようです。

  たしかに、落ち込んでいるときの額の縦線とか、怒ったときのこめかみの十字路のようなマークとか、突然見てもわからないですよね。そういえば、以前こっちの人に、冷や汗をかいた顔を描いて見せたら「どうして泣いているの?」と言われたこともあったっけ。マンガならではの表現だったんですね。うーん、面白い!


各クラスでワークショップをしたのちに、全校生徒が集まって、それぞれがテーマに選んだ国について発表しました。そのとき先生が「よくできましたね。今の時代、地球を共有しているいろいろな国について知ることはとても大切です」とおっしゃったのが印象に残りました。あとは生徒ひとりひとりから小額を集め、途上国に寄付をするということもしていました。


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またまた、パリを自転車で巡りました

カテゴリ:ゆるい話題ですカテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2009 9月18日

  お仕事で、ロンドンからパリに出張してきました。最近は、パリに行くときはいつもブロンプトン(折り畳み自転車)持参でユーロスターで行きます。

  以前この欄でレポートしたことがありますが、自転車を持って行くと、ユーロスターが到着する北駅からそのままチャリッと走り出すことができます。宿が駅のそばかどうか、終電は……、タクシーはいくらだろう……などの心配もなし。自由な気分でパリ探索をスタートできることにやみつきになっています。


ロンドンのユーロスター発着駅セント・パンクラスにて。ハンドルのみ残して畳んだブロンプトンを押して歩きます。2時間ちょっとでパリ北駅に着いたら、さっと数秒で組み立てて、オニヴァ!自宅からパリの宿まで、最もCO2が少ない移動方法です。

  そしてパリに行ったら絶対食べるのが、ベトナム料理のフォー(PHO)。タイ屋台料理のクィッティアオ・ナームと似た平べったい米麺ですが、こちらのほうが有名ですね!


13区にあるフォーの有名店「PHO 14」のスペシャルフォー。鯛茶漬けあるいはしゃぶしゃぶよろしく、生の牛肉の薄切りにあつあつのスープをかけて、色が変わるところを楽しみます。

  この「PHO 14」でいつも出て来るのが、この細長い葉っぱ。パクチーの香りがして、歯触りはレタスのようで絶品! 店員さんに名前を聞いたら「ンゴ・ガイ」と言うというのでネットで調べたら、英名「ソートゥース・コリアンダー」と言うようです。


モヤシの上に乗っているのが「ンゴ・ガイ(英名:ソートゥース・コリアンダー 学名:Eryngium foetidum)」。20cmくらいの長さの葉で、パクチーと同じ香りだけれど、ややあっさり。

  可能なら種を手に入れて畑で育てたいと思っているのですが、ややマイナーな香草のようで、いまのところ情報がつかめていません。

  ちょっと空き時間があったので、5区の植物園の南にあるモスクを見学しました。モザイクの壁と、オアシスの水中庭園のように見える中庭がすばらしかった。


モザイクの幾何学模様や植物模様が美しい回廊の壁。


シンメトリーに整えられた中庭。敷き詰められたアクアブルーのタイルを水に見立てて、天上のオアシスのような理想郷を表現しているようです。

  中庭のそこここに、噴水や「チャポチャポ」と心地いい水音を立てるための水の階段があって、ゆったりと眺めていると本当に水の楽園にいるような気分に。

  まだベトナムにもイスラム圏にも行った事がないので、いつかは見に行きたいなぁと思いつつ、飛行機でまたさらにCO2を出して行くより、ここでとりあえずは我慢かな……などと思っていました。


また例のインベーダーを見つけちゃいました。フランスはさすが多いですね。このインベーダーはボーナスポイントのようです。やったー!?


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口に入れるものを考える

カテゴリ:ロンドン  2009 6月16日

  いまイギリスのスーパ—で、卵や乳製品、お肉を買うとします。そうすると、スーパ—独自の製品だけで3種類ほどの選択肢があります。安い順に、(1)ベーシック品(2)フリーレンジなど動物福祉や環境に配慮した品(3)2+オーガニックの製品。お値段は、製品にもよりますが、(2)は1の1.5倍くらい、(3)は1の2倍前後の値段がついていることが多いようです。

  日本の場合(1)と(3)はありますが、(2)のフリーレンジやそれに準ずることを売りにした肉や動物由来製品はほとんど見かけません。これがもっと増えてくれたらなぁと思うので、少し説明させてください。

  イギリスは動物愛護の国と言われたりしますが、それはけっこう本当で、動物愛護の観点からのベジタリアン人口も多く、街角では動物実験反対を掲げるチャリティの署名台がよく立っています。自分の飼い犬であっても、ずっと鎖につなぎっぱなしで散歩をしないようなことがあると、大抵はすぐに近所の人に通報されて、警察の訪問を受けることになります。動物の虐待で懲役刑を受ける人も珍しくありません。

  動物の置かれている状態に敏感な世論なだけに、必然的にその目は食用にされる動物たちにも向けられ、「このお肉(卵・乳製品など)は、幸せに育った動物のものなんですよ」と肉・肉由来製品に表示することがこの数年でだいぶ一般的になってきました。スーパ—や認証団体によって基準は多少ばらつきがありますが、1匹あたりのスペースが決められていたり、屋外で過ごす時間があるかなど、短い一生ながら、ずっと苦痛や恐怖の中で過ごすなどといった非人道的な状況がないことをおおむね保証してくれています。ハンサム・シェフとして日本でも有名になったジェイミー・オリバーもこのキャンペーンのひとつに参加していました。


私がよく使うスーパ—「Waitrose」のレシピ小冊子は、今回丸1冊すべてのメイン食材に「動物福祉に配慮をする契約農家からのもの」「持続可能な漁法によるもの」といった説明がついていました。魚貝の場合、動物愛護というよりは水産資源の急減が言われているので、「引き網ではなく釣り糸による漁法で獲られた魚です」などといった表現を最近よく見かけます。

  私がよく行くスーパ—も、この動物愛護に気を使っていることを謳う製品が多くなってきたので、安心して選ぶことができています。なるべく(3)のオーガニックを買いたいところですが、お財布が心もとないときでも、(2)ならなんとか手が出せるというもの。その気分で日本に帰って来ると、食べる人のためのオーガニックを謳うソーセージや乳製品はたくさん見つけられますが、動物自体がどう過ごしたのかについての目線はまだほとんどないので、ちょっと不満です。

  もう5年も前になりますが、このコラムで卵のための養鶏場の鶏たちのことを書いたことがあったので、そのリンクもここに追記しておきます。


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プチ農業、その後の報告

カテゴリ:ロンドン  2009 4月29日

  以前このコーナーでアロットメント(市民農園)を始めたことを報告しました。年の半分日本にいるのでちっとも思い通りには行かないのですが、3年が経ち、次第に雑草が減り、それぞれの野菜の育ちかたや弱点もわかってきました。すこーしずつ進歩を感じています。


借りているアロットメントは、家から歩いて5分くらいのところにあります。イギリスのGrow Your Own(野菜を作って食べよう)ブームはますます高まっていて、twitterで知ったのだけれど、ついにロンドンのイズリントン地区のアロットメントは175年待ちなのだとか。おとといも、雑草を抜いていたら30代とおぼしきカップルが近づいてきて、「このアロットに申し込むにはどうしたらいい?」と質問されました。

  cafebloの人気ブログ「農家のムスメのスローライフ」のように、日本でもじわじわと農業に注目が集まってきていますが、たしかに楽しいです。病みつきになります。頭が緑色の図像でいっぱいになるほど。たとえば今の季節は、種まきや、小さなセルで育てた苗を屋外に定植する時期。何を蒔こうか、あれを今から蒔いて間に合うか、そんなことを考えてばかりです。たくさん登場している野菜作り雑誌や種カタログと首っぴきで、1つの野菜でもたくさんある品種を選びます。


あさつきの代わりに使えるチャイブはもう立派な株になり、ほとんど世話要らず。毎年ネギ坊主のような花をたっぷり咲かせて種をばらまくので、ほっておくとどんどんチャイブのエリアが広くなっていきます。


まだ遅霜が下りることもあるイギリスなので、定植するのは寒さに強いものから。これは「コブラ」という品種のサヤインゲン。周りに見える青い粒はナメクジ対策のペレット。環境に害を与えないというこのナメクジ薬が去年ようやく登場、ケミカルなものより効き目は弱いようですが、今はこれに望みを託しています。

  オーガニック堆肥作りも頭の中の重要なパートを占めています。キッチンから出る野菜の皮や卵の殻は、これも以前ご報告したミミズコンポストか、プラスティック製の巨大バケツをひっくり返したような普通のコンポストへ。ミミズコンポストは順調に4年目を迎えました。寒い冬の間はやっぱり食べる量が減りますが、これからの季節は毎日両手のひら2杯くらいの野菜くずを処理してくれます。


ブラックカラント(フランス語でカシス)には小さな実がつきはじめました。レッドカラント、ブラックベリー(キイチゴ)などとともに、今年も大量のジャムを作ることになると思います。今から空き瓶をたくさん集めておかないと!


長野で農家をやっていた祖母にもらったアスパラガスが芽を出しました。これを畑に植えられるのは来年。今年は植木鉢で苗を大きくします。後ろに見えるのはルッコラの芽。

  今年の目標は、雑草を完全にコントロール下に置くこと……と地味ですが、除草剤を使わない人にとっては、これはかなりの決意なのです! まだ先代の借り主から引き継いだときにはびこっていた多年草の雑草も多いので、かなり苦難の道なのですが、がんばります。今日もこれから、畑に行ってきます!


今年もたくさん出てきたミョウガの芽! 夏にはたくさん花芽をつけてくれるかな。楽しみ。


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ロンドンは18年ぶりの大雪で

カテゴリ:ロンドン  2009 2月03日

  月曜日、ロンドンとイングランド南東部では18年ぶりの大雪が降りました。私が住んでいるのはサリー(Surrey)県というロンドンの南西隣で、このあたりは最も雪が多かったようで、30cm以上は積もりました。

  ロンドンは緯度で言えば北海道のずっと上、カムチャッカ半島の南端のあたりになります。でもメキシコ湾流のおかげで冬場でも寒さは東京より気持ち寒いかなという程度で、それほど変わりません。なので雪も、年に1回積もるかどうか。


いつも人気のない空き地にも、老若男女問わず人がいっぱい。ソリで遊んだり、雪合戦をしたり、写真を撮ったり。うちの町って、こんなに人がいたのね、と思うほど。

  そんなわけで、ロンドンも東京に負けず劣らず雪に弱く、今日はほとんどのバスが止まり、電車はごくわずかな運行、幹線道路も事故が相次いで首都の交通網はほぼ麻痺。子どもたちの学校もサリー県はすべて休校。イギリス全土でも今日は5人に1人が会社を休んだとか。もちろん我がご近所さんたちも全員仕事を休んで、朝から大人も子どもも雪合戦。昼には隣の集落のパブまで雪の中の散歩に行こうと誘いが来たので、私もしばしMacの電源を落として参加することにしました。


典型的なイギリス様式の雪だるまその1。


典型的なイギリス様式の雪だるまその2。

  コキュコキュ音をさせながら膝下まである新雪を踏んででかけてみると、なんと、近所は人だらけ! もともと散歩好きのイギリス人、雪景色を見るためにみんな繰り出してきたようです。どう見ても笑顔の犬もクルクルと跳ね回っています。ふだん顔も見たことがない人が、子どもと楽しそうに歩いています。


散歩の途中、すれ違うたびにみんな一言二言交わします。このラブラドール君は完全笑顔。脚の毛に雪玉をびっしりつけて男性に抱きかかえられているコッカースパニエルちゃんは明らかにご機嫌斜め。

  さらに驚いたのは、すれ違う人たちがみんな挨拶をすること。ほっぺたを赤くして、「いやー大変ですねぇ」「なんてきれいな景色なんでしょう」などと口々に。郊外と言ってもこのあたりはロンドン気質なので、ふだんは知り合いでなければなかなか口などきかない町が、一夜にしてフレンドリーな雰囲気の町になっていました。古いランドローバー(ジープ型の4駆)をオープンカーにして乗っていた作業服姿のお兄ちゃんたちに、買い物中の人たちがふざけて雪つぶてを投げると、お兄ちゃんたちも荷台の雪で応戦。たぶん知らない人同士です。


牧草地の向こうのオークにも雪がきれいにかかって神秘的な美しさ。ふだんは遠くに聞こえる幹線道路の音も、今日はまったくなし。

  「これだけ降るとやっぱ違うね、生活がスローになって、数十年前みたいだ。歩くペースも遅くなって、知らない人同士がこんなに口をきくなんてね。もっと頻繁に雪が降ればいいね!」とうれしそうに声をかけてきたのは、買い物帰りの40代とおぼしき男性。ホントにそうです、とついこちらもニッコリ。

  町の商店はほとんどが臨時休業。ワイン専門店の扉には、「悪天候につき、本日はすでに閉店いたしました。ご不便をおかけしまして申し訳ありません
(じゃ、スキーに行ってきま〜す♪)」というメッセージがありました。テレビなどのニュースは、ロンドンがいかに自然に弱く準備不足か、交通網の遮断でいったいいくらの損失に繋がったかを試算して嘆いています。でも、たしかにお金は増えなくても、人々は思いがけずスローで幸せな時間が代わりに手に入ったのですから、それはそれでいいのではと、きれいな景色を眺めながら、思わず早めに赤ワインのコルクを抜いた夕暮れでした。


ワイン専門店には「悪天候につき、本日はすでに閉店いたしました。ご不便をおかけしまして申し訳ありません(じゃ、スキーに行ってきま〜す♪)」という貼り紙。ウキウキ気分が伝わってきます。


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イスラエルのガザ攻撃って何?という方に

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:今日できることをしよう  2009 1月13日

  10日の土曜日、世界一斉にイスラエルによるパレスチナのガザ地区への攻撃に反対するデモが行われました。東京の様子は編集部のコバヤシが「デジログ日誌」で報告してくれていますが、私は今ロンドンにいますので、ロンドンのデモに参加してきました。


大寒波に見舞われているイギリス。この日も最高気温が1℃という中、集合場所のハイドパークに主催者発表で10万人、警察発表で2万人、BBCによれば「自分たちが見るところでは5万人」の人が集まりました。


集まった人たちは、やはりムスリムの人たちが多かったけれど、ごく普通のおしゃれ女子&男子もたくさんいました。

  パレスチナ問題は日本ではあまり知られていませんが、第2のアパルトヘイトと言っても差し支えないほどの状況がもう何十年も続いている人権問題です。場所は地中海のいちばん東の端。領土紛争なのですが、過去の中東戦争の結果イスラエルがパレスチナを占領し、東京よりも人口密度の高いガザ地区を封鎖して、経済的にも人権的にもひどい状態に追い込んでいます。

  ニュースで映るガザ地区がスラム街のようなのは、各国からの資金援助があっても、イスラエルがガザ地区への物資の持ち込みを極端に制限しているために、建物が建てられないからだそうです。イスラエルはしばしば食糧や医療品でさえガザ地区に入ることを止めています。一般市民がガザ地区から出ることも許していません。今回のような攻撃となれば、市民は文字通り逃げ場もなく、建て増しを重ねた脆い建物の中でじっと耐えるしかないのです。

  それでも、先進国政府はお金持ちでアメリカの中枢に食い込んでいるイスラエル寄りなので、形式上は「爆撃停止を」など言いますが、基本的にはイスラエル政府に強いことは言いません。日本政府ももちろん、しれっとしています。


ハイドパークを出て、イスラエル大使館前へ。「Free, free, Palesitine!」「パレスチナの土地を川から海まで(復活させて)!」といったシュプレヒコールが飛び交います。


行進の中には、「Jews Against the War on Gaza(ガザ攻撃に反対するユダヤ人)」というプラカードを掲げた人たちも。えらいっ!


あの「ブッシュ靴投げ」事件以来、靴は米英の武力攻撃に反対する意思表示の方法として人気に。今回はイスラエル大使館の前に靴がたくさん投げ込まれていました。写真はムスリム系の男の子たちに撮らせてもらったけれど、白髪の上品なおばさんも自分のヒール靴を棒の先に載せて歩いていて、カッコよかったです。

  ロンドンのデモは、攻撃停止を呼びかけるアニー・レノックス、ブライアン・イーノ、ビアンカ・ジャガーなどのセレブのスピーチの後に、イスラエル大使館に向かって行進を開始。来ている人たちの1/3くらいがムスリムかなぁという顔ぶれでした。それでも過半数は確実にノン・ムスリムの人々。年代も10代から70代くらいまで幅広く集まっていました。東洋人はやや少なかったかもしれません。

  残念だったのは、ごく一部の若い人たちが、イスラエルの保守政権に献金しているとして知られているスターバックスの窓を割ったり、イスラエル大使館前で警官隊と小競り合いになって怪我人が出たこと。しかし、暴力に暴力で返せば、世界中の「暴力の絶対量」が増えて行くだけということを目の当たりにした気がします。


大使館のそばでは、イスラエルの旗に火がつけられる場面も。ドラマチックだけれど、イスラエルの人々やユダヤ系の人の気持ちになれば、たとえ自分たちはやりすぎかもしれないと思いかけていたとしても、その気持ちにフタをしてしまうきっかけを提供してしまうような気もする。

  この件で、知人からいいWebサイトを教えてもらいました。「もしも東京がパレスチナだったら…」という例えです。パレスチナで起こっていることが、かなりリアルにわかりますし、パレスチナ=東京、イラク=栃木、レバノン=千葉、ヨルダン=神奈川……となっていて、興味深く読めます。ぜひご覧ください。

●もし東京がパレスチナだったら…(media debugger)
http://d.hatena.ne.jp/m_debugger/20090109/
1231504735


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このリストは、次のエントリーを参照しています: イスラエルのガザ攻撃って何?という方に

» にんじんと、遠くで人がたくさん死ぬこと。 from Another world is possible, if...
夕ごはんの支度をしながら、ふんふんふんとラジオを聴いていた。(世界中どこに行くにも持ち歩いている短波ラジオ。) 「パレスチナのガザ地区での戦争で、イ... [続きを読む]

2009年01月19日 20:36

まさに(((゜д゜;)))ガクガクプルプル、
ウォンだけじゃない!ポンド安

カテゴリ:ロンドン  2008 12月12日

  今、世界各国に住む日本人の友人知人たちとメールで交わすもっぱらの話題はやはり円高。日本円で収入を得ている人はほっと息を吹き返し、現地通貨で仕事をしている友人は「日本への帰省はしばらくおあずけ……」とため息をついています。

  私はホッとしているひとりです。この夏まで1ポンド250円くらいあったものが、今や140円。2万5000円だった商品が1万4000円になったのです。さらにイギリスを襲っている不況風は東京のそれよりだいぶ厳しいので、小売店は例年はクリスマス後のセールをもう始めています。250円の記憶がまだ新しいので、あれも欲しいこれも欲しいとついなってしまうけれど、ぐっと我慢の日々です。


駅の高いところにかかっている広告ビルボード。「ん? 犬が雪景色の中に?」

  この不況は世界中を覆っているけれど、アメリカと同じく金融が得意でこの十数年ちょっと異常なバブルに湧いていたイギリスは、とくにダメージが大きそう。すでに銀行の取り付け騒ぎもあったし、ポンドは対ユーロで史上最低を日々刻んでいるし、市民に近いところでも、ウルワース(Woolworths)などいくつかの超大手小売店が姿を消そうとしています。


「セントバーナードだ。救助犬かぁ。ん? 首に下げているのが樽じゃないぞ?」

  まさに(((゜д゜;)))ガクガクプルプル……という雰囲気だなぁと思っていると、ウォータールー駅の広告がふと目に留まりました。スイスの山岳救助隊で活躍していたというセントバーナードが、遭難者を探している風情。首に下げているのは、遭難した人に飲ませるブランデーの入った樽……ではなく、経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(FT)』。隅に小さくサイトのURLのほか、言葉は一切なし。


シグニチャー・カラーのうっすらサーモンピンクの紙に「FINANCIAL TIMES」の文字。「フフ、なるほどねー。FT読んだくらいで助かればいいけどね……」。

  金融の猛吹雪の中だけど、FTを読んで助かってネ、といううまい広告だなぁと、しばし見とれてしまいました。


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次のオリンピックはロンドン。東京は?

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2008 8月30日

  cafeglobeでの連載「マイ・スイート・リトル・バイク」でロードバイクに乗り始めて以来、以前からの自転車好きに拍車がかかっている今日この頃です。先日ロンドン都心に出かけた際も、折りたたみ自転車ブロンプトンを電車に載せ、都心は自転車で走り回りました。

  よく、パリが女ならロンドンは男と言われるように、重厚でいかめしい雰囲気の街並みが多いロンドン。その雰囲気も私は好きですが、好景気が続いたこの10年ちょっとで、古い建物が美術館としてよみがえったり、新しい橋がかかったり、観光地としての魅力もまたぐっと高まったと思います。都市デザインって、なぜか無条件に心をワクワクさせてくれますよね。


ウォータールー橋から見える、イギリス国会であるウェストミンスターと今やロンドン屈指の観光スポットのロンドン・アイ(観覧車)。ビッグベンも見えます。テムズ河沿いはきれいな街灯も増えて、なかなかロマンチック。

  自転車で走っていると、「あ、あのビルも再開発しているんだ」というところによく遭遇します。大英帝国の絶頂期、ビクトリア時代(19世紀末)の建物のファサードだけをレンガ数枚分だけ残し、あとをそっくり近代的に立て替える工事もよく見かけます。たしか大手町でもこの手法を部分的に取り入れたビルがありました。

  イギリスでよく感心させられるのが、この古いデザインとコンテンポラリーな意匠の組み合わせです。上の写真のロンドン・アイのほとんど輪っかが浮いているように見えるデザインもビッグベンなどといい調和を見せているし、歴史的なお屋敷の中庭に入って遊びたくなる噴水が作られたり。有名なテート・モダン美術館も使われなくなった発電所をリノベーションして世間をあっと言わせました。


美術館が入っている18世紀の建物、サマセット・ハウスの中庭には、噴水が。パーティがはねたのか、ほろ酔い気分の人たちが裸足で入って遊んでいた。ちなみに冬はここにアイスリンクができて、これまたきれい。その様子はcafeglobeのバックナンバーで


サマセット・ハウスの出入り口、ロマネスク風アーチにほどこされた石膏模様。この建物は当時流行ったネオクラシック様式。ローマ時代のコラムなど装飾たっぷりで瀟酒な雰囲気。


第二次大戦後建てられた火力発電所を見事に生き返らせたテート・モダン美術館。入り口から入ったそこは巨大なタービン室で、あまりの空間の広がりに圧倒される。最上階にはガラス張りのペントハウスをつけ、夜はそこだけが浮いたように光って幻想的。テムズ対岸にはセントポール寺院のドームが暗闇に浮かび上がってそれはもうドラマチック。

  2012年に向けて、ロンドンはオリンピックの準備に入っています。豪華な北京オリンピックを見て、「ロンドンはあれに対抗することはできない」という不安な声も聞かれますが、たぶんイギリスはやや質素に、でもセンスのよさで勝負に来るでしょう。そこはかなり期待できる気がします(閉会式でベッカムがボールを蹴ったアレはちょっとイマイチでしたが)。

  東京も立候補していますが、豪華東洋趣味の北京、モダンデザインのロンドンの後に東京は何を押し出すのか。そのビジョンがないと、たとえ招致できても難しそうな気が。いっそ完全カーボンニュートラルのグリーンオリンピックなんかだったら面白いかも? スタジアムの照明から選手村から人びとの移動から、みんな自然エネルギー。技術の日本の最高のプロモーションになりそうですよね。そのくらい目標を高く持ってやってみるのはどうか。

  そう思って東京都の基本方針を見てみたら、なんと、オリンピックで出るCO2を計算し、それ以上のCO2を他で削減する計画があるのだとか! カーボンニュートラルどころかカーボンマイナスだそうです。輸送なども相当考えると。これがホントにできたら立派、世界に誇れます(排出権を買ってマイナスとかのまやかしでないことを祈りつつ)。でもあんまり話題になっていないのはなぜ? 期待している人が少ないから? 国外にいると愛国心が盛り上がるというのは本当ですね、そんなことを考えました。


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エキセントリック王子の遺伝子組み換え反対発言

カテゴリ:ロンドン  2008 8月15日

  いままたイギリスに来ています。猛暑の日本と違い、今年のヨーロッパはやや冷夏で、気温は上が20度、下が10度を切るかどうかという涼しさです。PCに向かっていると、ふと膝掛けがほしくなる夜もあるほど。

  こちらでもオリンピックはもちろん華やかに報道されています。英国(GB)のメダルはいまのところ水泳や自転車などほとんどを女性が稼いでいるのがちょっと印象的。「おーい、どうした男子たち」なんて特番も言っています。もっとも、これから得意の陸上などが始まるのできっと変わって来ると思いますが。

最近の穀物・食糧価格の急騰で
遺伝子組み換え作物推進派が活気づく

  そんなこの数日、オリンピック報道の中ちょっと興味を引かれたのが、皇太子チャールズさんの「ちょっと待て、遺伝子組み換え作物は絶対ヤバい!」発言と、その報道でした。


インタビューを掲載したのは『デイリー・テレグラフ』紙(右)。「遺伝子組み換えは大きな間違い」「大企業が作る大量生産食物に依存する未来は、何百万という農民を土地から追い出すことになる」と発言、それにたいして賛否さまざまな議論が巻き起こっている。
テレグラフサイトの記事
BBCの記事

  ご存知、チャールズさんは亡くなったダイアナ元妃の夫、エリザベス女王の長男でイケメン王子ウィリアムのお父さんです。有機農業やサステイナブルなライフスタイルの実現に熱心で、南西イングランドの御料地でオーガニック農園を経営したり、近所にCO2排出ゼロで暮らせる村を作ったり、なかなか精力的です。最近日本のスーパーでも見かける「ダッチー・オリジナル(訳すと“御料地特製”)」のビスケットは彼の会社の製品。ベーコンからワインまで、売り上げは上々のようです。

  イギリスも、王室は政治はやらないことになっているのですが、そんなチャールズさんなので、チベットのデモを武力で鎮圧した中国政府に抗議してまっさきに北京オリンピック開会式の欠席を表明したり、ちょくちょく政治的なことにも意見しています。遺伝子組み換え作物(GM/GMO)についても以前からハッキリ反対を表明していましたが、今回改めて新聞のインタビューに登場して発言をしたのは、昨年末からの穀物価格の急騰で、GMを使わないと急増する世界人口を養えないという意見が最近増えていることに危機感を感じたからでしょう。

  私自身も、日本にいるときには毎朝聞いているNHKラジオ総合の朝のニュースで、内閣府が「学校の先生などがGMの安全性に懐疑的という調査結果が出た。これはよくない、GMへの正しい理解を広める必要がある」と発表したという、まるでGMの安全性を疑うのが間違っていることかのように言う情報操作的ニュースを聞いて怖さを感じていたところなので、このチャールズさんの発言がどう迎えられるのか興味を持ったのです。

遺伝子組み換えに
慎重でいたい理由ふたつ

  私自身はいまのところGMにはとっても懐疑的、少なくと日本やEUなどが急いで商業生産に入るべきではないと考えています。長くなるので細かいことはまたにしますが、反対する理由を大きく2つにまとめると、

(1)人工的に切り貼りした遺伝子を自然界に放ってしまえば、それが後から危険な遺伝子だったと判明しても、二度と人間の手では取り除けないこと。

(2)GMは著作権がとられていること。育ててとれた種を翌年蒔いてはいけなかったり、プリンタを買ったらそのメーカーの高いインクを買い続けなければいけないように、GM作物に必要な肥料や農薬をセットで買わなければいけなかったりする。GMの開発には莫大な投資が必要なので、GMが広がるほど、一部の巨大企業や先進国が儲かる仕組みになっている。

というところでしょうか。

  また、急増する世界人口を賄うためにはGMの開発が急務だと推進派は言うけれど、すでに世界の穀物生産は現在の人口を養うのに十分な量なのだそうです。要は必要な人が食べ物を買えない、この格差のひどい世界経済の仕組みを先になんとかすべきなのです。

  日本なら、まずは減反政策で雑草が生えるままになっている田んぼを使って自給率を上げるべき。農業に興味を持つ若い世代は増えているのだから、そういう人たちが農業に入ってきちんと食べて行ける仕組みを作るべきではないでしょうか。

福岡伸一さんがおっしゃっていた
科学ではなく、人びとが心と直感で考える問題

  ひとつ確実に言えるのは、GMの安全性/危険性は今の科学ではハッキリとはわからないということです。推進派も懐疑派も、どちらも十分な科学的証拠を持っていません。まさに、福岡伸一さんがおっしゃっていた、「善」や「美」のフェーズで私たち市民ひとりひとりが考えるべき問題です。

  チャールズさんの発言は、さっそく「王室がそんな発言するな!」「科学者でもないくせに」といったような批判を含め、それなりに議論を巻き起こしています。その意味で、なかなか価値ある投げかけだったのではないかと思います。

●GM問題について、推進派の意見も含めてよくまとまっているサイト「遺伝子組み換え入門
http://www.no-gmo.org/gmguide/gmguide.htm

●GMに限らず、食と農業についての意見が参考になるサイト「安田節子ドットコム
http://www.yasudasetsuko.com/

●GMについてのcafeglobeのバックナンバー記事
遺伝子組み換え食品は避けたい? ならこのガイドブックを!
http://www.cafeglobe.com/cool/eco/ec061011.html


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ゴミの分別、私がいちばん燃えるのは!

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2008 2月06日

  できるだけ余計な二酸化炭素を出さない生活。というとかなり地味〜に、つまらなそうに響くかもしれないけれど、私はけっこう楽しんでいます。

  食事を作るとき、ゴミを捨てるとき、仕事をしているとき、植木に水をやるとき、お風呂に入るとき、ベッドに潜り込むとき……暮らしのあらゆる選択の場面で余分なエネルギー、とくに化石燃料や原子力から来るエネルギーを使わないようにできるかな? と考えるのは、ゲームのような感覚です。こういったことを実践するようになって20年ほどが経ちますが、今でももっといい方法を発見したり、小さな驚きやナルホドという納得に満足することはしばしばです。

  自分にすぐできる範囲で環境のためにすぐできることの代表が、ゴミを減らすことですよね。お菓子の空箱まで徹底的に分別していますが、その中でも私が燃えるのが、生ゴミの堆肥化です。


ロンドンでは、地区にもよりますが、生ゴミの回収が始まっています。キッチンの中ではこのような小さめの蓋付箱に集め、ふたまわり大きな蓋付バケツに移して回収の日に出すのです。でも今住んでいる家は幸い庭があるので、庭のコンポスト容器に持って行くまでの容器として使っています。

  生ゴミは水分が多いので、運ぶにしても燃やすにしてもかなりの燃料を使います。臭うし、処理の方たちにとっても負担が大きいはず。でも、自宅で堆肥にまでできれば、フードマイルならぬ“ゴミマイル”ゼロ、ハーブや野菜が喜ぶ栄養たっぷりの土まで手に入ってしまう。オーガニックの食材を多く使って料理しているなら、堆肥もオーガニックに近くなります。オーガニックの堆肥は、買えばけっこう高いです。

  というわけで、日々野菜屑から揚げ物をしたてんぷら油まで、どんどこコンポスト容器に放り込んでは、土になっていくのを想像してほくほくしている次第です。


庭の隅に置いてあるコンポスト容器。日本のとほぼ同じで、上から生ゴミを放り込む式で、底はなし。底があるタイプもあるようですが、ミミズやダンゴムシなど土の中の生き物たちの力を借りられる底なしタイプのほうが分解はだいぶ早いようです。また、庭にコンポストを置くと、ゴミを食べる虫たちが増えるので、虫を食べるハリネズミや小さなヘビ、鳥などの小動物が増え、生態系が豊かになるのだとか。ウチにもハリネズミが居着いてくれないだろうかと首を長くして待っています。


コンポスト容器を先月移動させて、堆肥を “収穫”した跡。近所で借りている市民農園にほとんど持って行ってしまったのでちょっとしか残っていませんが、4ヶ月ほど放置したら見事に土になっていました。でもアボカドの皮はなかなか分解しないみたい。木みたいな堅い皮ですからね。時間があれば皮だけ刻んでからコンポストに入れれば分解しやすいかも。

  とはいえ失敗もしています。だいぶ昔、庭いらずというふれこみに惹かれて東京のマンションで挑戦したEMぼかし方式の生ゴミ処理器では大失敗。何度やり直してもうまく発酵しないし、いつもハエのウジが湧いてしまって、ルームメイトには恐怖体験をさせてしまうし、大変な思いをしました(EMぼかしをうまく使いこなせている方いらしたら、ぜひコツを教えてください!)。

  以前この欄でご紹介したミミズ方式コンポストは、いちおう上手くいっています。1年経った頃、30リットルくらいの美しいミミズ土を収穫。これは本当に匂いも何もしなくて、水はけもいいし、目をみはるほどキレイな土で感激しました。でもミミズたちの食べるスピードは期待したほどではなくて、これだけではすぐ生ゴミが余ってしまうので、上記の据え置きコンポストと併用しています。


ミミズ方式で収穫した土を乾かしているところ。これが黒いクスクスのように粒ぞろい、匂いなし、ベタつきなしの優等生土で驚きました。植物にとってはごちそう土です。もっとミミズが早く食べてくれるとベストなのですが!

  東京などの都市部に暮らしていると、電気式の生ゴミ処理機以外ではなかなか難しいとは思います(夏場に直射日光の当たらないベランダがあればミミズ方式は問題なくできるとは思います)。でも、ちょっとでも庭があるラッキーな人は、ぜひ挑戦してみてください。缶瓶や紙を分別し、生ゴミを除くと、自分の家から処理場に出て行くゴミはプラスティックの包装くらいで、お隣さんの1/3か1/4くらいになります。運動をして体重が減った!ときのような、そんな爽快感ですよ。


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世界最大のオーガニック・スーパーは……おいしかった

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2008 1月24日

  みなさま、COOL!カテゴリは楽しんでいただけてますでしょうか。スタートしたはいいものの、今度は記事の更新で大わらわの日々です(>_<)

  さて、今回は去年ロンドンにオープンしたWhole Foods Market(WFM)を遅まきながらやっと覗いてきたのでご報告です。

  WFMは、アメリカとカナダに270店舗を持つ世界最大のオーガニックスーパー。N.Y.などではすでに有名だったこのWFMがロンドンで選んだのは、ノッティング・ヒルなどの高級住宅街にも近いケンジントン・ハイストリート。しばらく前まで、冴えなーい感じのデパートが入っていた大きなビルの地上地下3階にドカンと入っていました。


スーパーというよりは高級デパートの趣のWhole Foods Market。もともとはアメリカテキサス州オースチンで25年前にスタート、現在は年商4700億円!

  その広さや品揃えのすごさはWikipediaAllAboutにおまかせするとして、私が最も「すごー!」と感心したのは、サラダコーナーでした。緑色の、どんぶりのように大きなプラスティックのボウルを抱え、合計50メートルくらいありそうなアイランド型の冷蔵ディスプレイを巡って好きな葉っぱ、ナッツ、豆、もやし、キノコ、フルーツ、パスタ、チーズ……などなどをボウルに放り込んでいき、最後にドレッシングをかけ、レジで計量してお勘定。


私が選んだのは、ほうれん草(生)、ズッキーニ(生)、レンズ豆のモヤシ(生)、ブロッコリー(生)、地中海風豆のマリネ、豆腐のマリネ、紫芋、モロッコ風クスクス、ポテトウェッジ(これだけ体に悪い感じだけど、どうしても一口ガツンとした炭水化物が欲しかったのです)。見るだけで血液サラサラになりそう。でも、計量してショック。これで2000円弱でした……。でも、驚くほどおいしかったのも事実。

  おそらく50種くらいあるお総菜(というか洗った葉っぱ?)のうち、3分の1くらいはローフード、リビングフードでした。ブロッコリーやズッキーニ、トウモロコシ、豆もやしなども当然のごとく生。チーズ以外の動物性タンパク質はなし。やっぱり野菜中心のローフードは西洋の食・コンシャスの間ではもう定番になっているだなぁと痛感しました。そうそう、渡辺葉さんがニャニャム嬢たち(猫)にローフードをあげてましたね。山祥ショウコさんも実践されてます。

  歩き疲れるほどのお店の広さ、売れ残ったらどうなるんだろうと心配になるほどたっぷりと気前のいい生鮮食料品ディスプレイ、イギリス発で人気を博していたナチュラルデリ「Fresh & Wild」の買収と、アメリカ式(?)なスケールの大きいビジネスっぷりに少し抵抗感を覚えつつあったのだけれど、先日のWFMのCEOジョン・マッケイさんの講演記事にはにはとても共感しました。

  長い記事なので要点だけかいつまむと、
“近代的な「工業化された農業」のおかげで食料生産は効率化され、家庭のエンゲル係数も下がった。でも、工業化農業は大量の化石燃料を消費しているし、動物の虐待もひどい。消費者も、食卓に登っている動物がどんな目に遭っているか、また食品業界の嘘にも喜んで気づかないふりをしている。たとえば、スーパーで食品ラベルに「ナチュラル」と書いてあったら、まず怪しむべきなほどだ。でも、近年のオーガニックやローカルな食材などサステイナブルな食に対する人気の高まりは、人々が長らくかかっていた催眠から目覚め始めている証拠。工業化農業の次の「エコロジカルな時代」の夜明けが始まっているのだ”
といったところです。

  大きな会社なので、いろいろな批判もありそうだけれど、とりあえずこの記事を読む限りでは、しっかりしているのかなと思います。WFMの店頭に並んでいた商品の値段はどれも驚くほど高くて首をすくめてしまったけれど、本当に正しく生産された食べ物は今の私たちの感覚よりだいぶ高くて当然だろうし、そういう食べ物を丁寧にきちんと噛んで食べきることがこれからは必要なのだろうなと、緑のボウルを抱えて思った一日でした。


ハイストリート・ケンジントン駅からハイドパーク側(東)に向かって徒歩30秒ほどの大きなビルにWFMは入っている。ちなみにこのビルは、1920年代のイギリス式アールデコとして名高いThe Barkers Building。タワーのガラス窓や、その1〜2階部分にほどこされたレリーフがとてもきれいなので、建築好きさんも満足のはず。


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» Cafeglobe.comに初のエコカテゴリ「Cool!」が登場 from greenz.jp
Cafeglobe.com(カフェグローブ・ドット・コム)にエコカテゴリCOOL!がオープンし、環境問題の中でも温暖化にスポットを当てた情報を提供してい... [続きを読む]

2008年01月24日 16:24

ロンドンのコレクションでピープル・ツリーに大注目

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2007 10月03日

  先日、4大コレクションのひとつであるLondon Fashion Week(以降LFW)を覗いてきました。


ロンドン・ファッション・ウィークは、サウスケンジントンにある自然史博物館(Natural History Museum)で開かれる。ふだんは動物の進化の展示とかティラノサウルスの化石なんかがお目当ての家族連れでにぎわう場所に、いきなりキメキメなバイヤーやエディターが大量に発生。

  私のお目当ては、LFWの一部門「estethica(エステティカ)」。「esthetic(美的)」と「ethic(倫理・正しいこと)」を組み合わせた造語からわかるように、エコ&サステイナブルなファッションを盛り上げるための試みで、去年からスタートしています。

  cafeglobeでこれまで何度もご紹介をしてきた、サフィア・ミニーさんが代表を務める日本生まれのフェアトレードブランド「ピープル・ツリー」が、このエステティカのいわば牽引役、筆頭ブランドとして出展しているのです。

    サフィアさんは最近はロンドンに少し軸足を移して、イギリスでピープル・ツリーを展開しています。で、これが、ちょっとすごいことになりつつあるのです!

  イギリスではフェアトレードに関する人々の意識が日本より少し先行してすでにだいぶ高くなっていることもあり、セルフリッジでの扱いがあっという間に決まったのが数年前、去年からはTOPSHOPでの取り扱いもスタート。今年(2007年)の春夏からは、モードを意識したラインや、有名デザイナーとのコラボラインも登場し、『VOGUE NIPPON』では、モデルのリリー・コールやヘレナ・クリステンセンが着ての特集も組まれました。


現在イギリスで発売中の「カプセルコレクション」(日本では「ロンドン・セレクション」として10月中旬以降に発売予定)。デザイナーは舞台衣装などで活躍中のアイルランド人女性Olwen Bourkeさん。「フェアトレード・ファッションは退屈なんかじゃないことを示したくて、モダンで時流に乗ったシルエットにこだわった」。


ブースで、「あなたのその服、誰が作っているか知ってる?」というメッセージボードを掲げたピープル・ツリーのスタッフちゃんたち。洋服も、彼女たちもかわいい。


マークス&スペンサーの大物なども訪れて、テレビの取材クルーもいて、上へ下への大騒ぎになったピープル・ツリーのブース。白いチュニックを着ているのは、8月にデザイン部門長に就任したキャロルさん。以前はMonsoonやWAREHOUSEなど大手ハイストリート・ブランドのデザイナーだったキャリアを持つ。

  しかしなんといってもすごいニュースだったのが、ジェーン・シェパードソンさんのピープル・ツリーへの参画。ジェーンさんは今日のTOPSHOPを創り上げた女性で、イギリスのリテール業界ではスーパー大物。日本で言うなら伊勢丹やバーニーズでその名を轟かせた藤巻幸夫さんのような感じでしょうか。


「フェアトレード市場がどこまで伸びるかは、私も正直わからない。でも、地球のことを考えたらもうこういう道(フェアトレードやオーガニック)しかないのは明らかよね」とジェーン・シェパードソンさん(写真左)。
サフィアさんが着ているのも、カプセルコレクションのパフスリーブ・ブラウス。

  デザイナーによるラインは当面英国を中心に展開されますが、日本でも限定販売は予定中とか。人にも地球にもやさしいフェアトレードがいいなと思っていても、ことファッションに関してはやっぱりデザインは生命線。これまでは納得のいくものを見つけられなかった人でも、新しいピープル・ツリーなら見つかる可能性は高いです。ぜひご注目を!

●ピープル・ツリー(オンラインショップもこちらから)
http://www.peopletree.co.jp/

●People Tree UK
http://www.peopletree.co.uk/

●London Fashion Week
http://www.londonfashionweek.co.uk/

【cafeglobeバックナンバー】
●“社会貢献するビジネス”を確立させた女性パイオニア
http://www.cafeglobe.com/cafe/eco/ec070425.html

●フェアトレードの価値観をみんなのライフスタイルに浸透させたい!
http://www.cafeglobe.com/news/frillme/ft050428.html

●展示会報告 おしゃれ魂と勇気を刺激! エコスタイル in UK
http://www.cafeglobe.com/cafe/eco/ec060529.html

●TOPSHOPとは? イギリスのハイストリート・ブランド事情
http://blog.cafeglobe.com/archives/fromeditor/
2007/05/post_35.html



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あなたの心を駆り立てるものがあるなら、
それを追いかけなさい

カテゴリ:フェミニズムというかヒューマニズムカテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2007 9月11日

  昨晩遅く、ラジオのニュースで「ザ・ボディショップ」の創業者アニタ・ロディックさんが脳内出血で亡くなったという一報が伝えられました。

  私がcafeglobeを始めようと思ったきっかけをくれたのが、アニタでした。大学の夏休みに訪ねたロンドンでモスグリーンの門構えのボディショップに出会い、その後、ボトルのリユースや動物実験反対などを声高に掲げていたことに衝撃を受けたのを覚えています。ホームレスの人たちに収入の機会を与える雑誌『ザ・ビッグイシュー』に最初に資金を提供したのがアニタと夫のゴードンと知ったときも、鳥肌が立ちました。


昨年、「STOP VIOLENCE IN THE HOME(家庭内暴力の根絶)」キャンペーンで来日した際に撮影した写真。子どものようにはしゃいでみせたり毒舌も相変わらずだったけれど、新幹線の窓の外を見る横顔は、体調もあり、“残り時間”をより強く意識していたのかもと思わせる。

  元祖ヒッピー世代。でもただのヒッピーなら、平和や環境を叫んで資本とぶつかったり(それも必要なこと!ですが)、隠遁してしまったり。アニタはむしろ事業家として会社を成功させ、そのブランド力や得た資本の力で、いわば経済界の内側から、世の中の利益最優先の企業に「稼ぐだけでいいの?」と挑戦状を突きつけた人。「ありもしない効果を宣伝して儲ける化粧品産業なんて大嫌い」といった歯に衣着せぬ名言は集めればきりがないほどです。フェアトレードの概念をいち早く取り入れたのもボディショップでした。


手元にあった「STOP VIOLENCE IN THE HOME(家庭内暴力の根絶)」キャンペーンのリップ。ほかに、ボディショップのキャンペーンで面白かったのが、90年代の「スーパーモデルと呼ばれる女性は世界に8人しかいないけれど、スーパーモデルのような体型でない女性は世界に30億人います」というセルフ・エスティームを高めようという呼びかけ。毎日広告や雑誌記事などで何十何百というモデルの姿にさらされているうちに、あれがあるべき姿と思い込まされてしまっていることに気づこう、リアルな女性はあんなプロポーションじゃない、というメッセージに勇気付けられた人は多いはず。

  10年前の雑誌編集者時代、そのアニタにインタビューをする機会を得ました。世界では超のつく人気起業家・環境&人権の活動家。分刻みのスケジュールで合同インタビューしか予定のない中、日本のボディショップ広報の方に粘りに粘っていただいて、プレスディナーの途中で通訳なしで30分だけならという条件でなんとか枠を確保。

  南イタリアはカラブリア州で開かれた国際プレスディナーの席、ふたりで抜けてレストラン裏口の階段に座り込んでの30分は、今思い出しても胸が熱くなる経験でした。環境問題をどうしたらより多くの人に伝えられるか、女性がもっと自由に生きられる社会にするためにはどうしたらいいか……私にとっては、記事のためのインタビューというより、個人的な希望や不安にこたえてもらう人生相談だったといえそうです。

  いくつもの宝石のような言葉をもらったのですが、ひとつが「社会を変えたいなら女性のネットワークを作りなさい」というアドバイスでした。「日本の女性は世界中を旅行していて視野も広い。彼女たちの潜在的なパワーはすごいわ。まず女性が変われば男性はすぐ変わるから」。この言葉が、私の中でcafeglobeの構想に繋がっていったことは言うまでもありません。そして、じつは一緒に創業をした社長の矢野とも、この国際プレス発表会で記者同士として知り合ったのでした。何か運命的なものもあったのかもしれません。

  アニタの言葉でもうひとつ深く心に刻まれているのが、「あなたの心を駆り立てるものがあるなら、それを追いかけなさい」というものでした。

 「あなたの持ち時間はこうしている間にも刻一刻と減っているのよ。心を駆り立てるものがあるなら、躊躇せずに追いかけなさい。私も、私の残り時間は一瞬でも無駄にしたくないと思ってる。どうやって最大限に使い尽くそうか、いつも考えてるわ」。笑顔で腕を広げて、がっしりとハグしてくれたアニタ。私と大差ない小柄なからだなのに、とても大きくて温かかった。


ボディショップの経営から退いてからは、環境・人権キャンペーナーとして忙しく活動していた。画像は彼女自身のキャンペーンサイト。アニタからの更新は、9月6日のアムネスティ・インターナショナルの活動に関する投稿が最後になっている。

  36年前に次女を出産したときに受けた輸血でC型肝炎ウィルスに感染していたことが2年前にわかった、と彼女は今年2月に発表をしていました。最近は軽い心臓発作があったり、肝硬変も進んでいることも公言。日曜日に頭痛を訴えて入院、月曜日の夕方に夫とふたりの娘に看取られて亡くなったそうです。64歳。晩年は家族や友人に包まれて過ごしたいと言っていたアニタ、きっと満足して旅立っていったのではないかな。いや、「あの世なんてないと思う。あっても知ったこっちゃないわ」とも言っていたから、「ちょっと短かったけど、まぁ我ながらよくやったわ」と満足して人生の幕を下ろしたのでしょうか。

  図らずも、更新2回続けて偉大な女性が亡くなった話になってしまいました。でも、メメント・モリ。残り時間をあらためて意識する、いいきっかけにしたいと思っています。


●AnitaRoddick.com
http://www.anitaroddick.com/

●The Body Shop バリューズのページ(日本)
http://www.the-body-shop.co.jp/values/index.html


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» ボディショップのアニタ・ロディックさんが亡くなる from MIZO生活
カフェグローブの青木陽子の東京-ロンドン編集後記で、ボディショップのアニタ・ロディックさんが亡くなったことを知りました。 青木さんが心に残... [続きを読む]

2007年09月13日 21:36

余命半年と言われたら

カテゴリ:ロンドン  2007 9月05日

  ジェーン・トムリンソンさんというイギリスの女性が亡くなりました。7年前に転移性の乳がんで余命半年と宣告されてから、最後の力を振り絞ってロンドンマラソン、トライアスロン、イギリス自転車縦走、ついにはアメリカ大陸自転車横断などを次々に成し遂げ、それらの応援として4億円超のチャリティ募金を集めたのですが、おとといの夜、ついに亡くなったことが報じられました。43歳。


ジェーンさんが中心になって立ち上げた、イギリス中部の都市リーズで行われる10kmラン「THE LEEDS 10K」のサイト。参加費はガン治療研究や重病の子どもたちのための福祉団体に寄付される。ジェーンさんは成人した娘ふたりと10歳の息子のお母さんでもあった。宣告後も小児科のレントゲン技師として仕事を続けていたという。

  イギリスでは、個人が長距離走や一定時間内の山登りなど、難しいチャレンジをするよと宣言し、それを成し遂げたら寄付をしてもらう約束を友だち(や知らない人でも)から募り、集まったお金を何らかのNGOや福祉団体などに寄付する習慣があります。最近では『Little Britain』で一躍スターになったお笑いのデビッド・ウィリアムズ氏がドーバー海峡を泳いだりしていました。私も友人から「来月トライアスロンやるから、完走できたら募金よろしく」と頼まれたことがあります。

  ジェーンさんは、余命半年の宣告を受けてから、痛みをおして次々にチャレンジをし、寄付集め、そして何より完走したときの笑顔などで多くの人を勇気付けてきました。イギリス縦走、アメリカ横断は、途中で何度も化学療法のためにストップしながらだったとか。余命半年が何年も頑張っているので、もしやこのままポジティブなエネルギーで完治したりして?とひそかに私も期待していたんですが、やっぱり病には勝てなかった……。

  でも、きっとご本人はすごく充実した7年間だったのではないかと思います。余命半年とか言われたら、私なら贅の限りを尽くして遊ぶぞーなんて以前は思っていましたが、こういう時間の使い方のほうが、「生きててよかった度」は高まるんだろうなぁ。世の中には強い人がいて、いいエネルギーを分けてくれる、自分も少しでもそうありたいと殊勝に思う一日でした。

●THE LEEDS 10K

●ジェーン・トムリンソンさんの訃報を伝えるBBCの記事


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デトックスブームで人気の水だけど

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2007 8月26日

  今日更新のローマ発の記事「World News Cafe」でも紹介されていますが、「ミネラルウォーターを買うのをやめて、水道水を飲もう」という動きがじわじわと広がり始めているようです。

  7月上旬にN.Y.市長が「N.Y.の水は清潔で何の問題もなく飲める。環境に悪いボトル入りのミネラルウォーターをレストランで頼むのをやめましょう」と呼びかけたのに応えるように、ロンドン市も「レストランのメニューからボトル入り水を外そう」「水道水を頼むのは、ケチじゃない、環境を考えた知的でファッショナブルな行為」と市民に呼びかけをしました。

  ご存知の通り、欧米では一般的にレストランでテーブルについてもお冷やは出てきません。ロンドンも出てこないのですが、「tap water(水道水)をください」と言えばジャグ入りの水を持ってきてくれます。もちろんタダ。でも、なんとなく「ミネラルウォーターって言わないと、ケチっぽい?」「水道水だとおいしくないかも」と躊躇してしまう雰囲気があるのは確か。そこで、市政などがイニシアチブをとって、人々の意識を変えようということなのです。

  もっとも、このキャンペーンを待たずとも、ボトル入りミネラルウォーターの環境負荷を指摘する声は以前からずっと続いています。World News Cafeの記事で紹介されているように、まずはペットボトルの生産に石油が消費されます。重たい水をボトルに詰めて、掘削地から船やトラックで消費地まで運搬し、お店やコンビニではキンキンに冷やして……水というより石油やウランを飲んでいるようなものという指摘です。とくに海外からの水は、フードマイルならぬウォーターマイルが気になります。

  自分の生活を考えても、とくにデトックスブーム、モデルの誰それがミネラルウォーターの2リットルボトルを持ち歩いている……と言われ始めた頃から水を飲んだり持ち歩いたりのが常識のようにもなってきて(それ自体はいいことですが)、ペットボトル入りの水がますます身近になってきたような気がします。最近では、水がバッグに入っていないとちょっと不安になりさえします。機能を謳った水の宣伝も、はなやかですし。そういうスペシャルな水を飲むと、なにやらまるで体が浄化されるかのような、すがすがしい気分を味わえるし。


普段使っている水筒です。左はアウトドア用のプラスティックの水筒で、軽くて広口で洗いやすい。右はSIGGボトルのベビーサイズ。小さいので、大抵のバッグに忍ばせておくことが可。自宅でフィルターをかけた水を詰めて出かけます。

  でも、やっぱり環境のことを考えると、いつもミネラルウォーターを買っているわけにはいかないと思います。さらに言えば、ペットボトルの水はものすごく高いのです。東京でも水道水のざっと200~500倍の値段がついています。考えてみれば、ガソリンよりも高い液体ってことにもなる。

  というわけで、私はしばらく前から水筒人生です。冬場は温かいお茶を魔法瓶で持ち歩くことも多いのですが、最近はアウトドア用の水筒に、フィルターを通した水を詰めて出かけます。冷たい水が飲みたいナーと思うことも正直ありますが、アーユルヴェーダや漢方的には冷たい水は消化不良などを招いて体の中の毒素を増やすとか。コレが体にも地球にもいいんだワ、と納得しつつ、チビチビと飲んでいます。

●水筒のススメ(バックナンバー)
※わずか5年前に書いた記事ですが、読み直してみて、環境に対する社会の認識がだいぶ変わったなぁと我ながら感じます。


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» ぼくの本棚 149:ウオーター・ビジネス by 中村靖彦 from 社長TVブログ
世界中の砂漠化が進行している。とりわけ中国では人口増加や森林破壊により黄河流域が... [続きを読む]

2007年09月14日 16:31

イギリスで大ブーム、プチ農業

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2007 8月08日

  去年、ロンドンから少し郊外に引っ越したのをきっかけに、十年来の夢だったアロットメント(市民農園)を借りました。広さはざっと20坪くらい、年間15ポンド(約3500円)。それまで借りていた人があまり手を入れていなかったので雑草畑だったのを、1年かけてようやくそれらしい姿にまで持って来ました。


ジャガイモ、ズッキーニ、青シソ、ビーツ(赤カブ)、サヤインゲン、大豆などを育てています。完全オーガニックなので、雑草と虫との体力精神力消耗戦……といった趣の一年でした。さらに去年は30年ぶりの渇水、今年7月は記録を塗り替える大雨と、早くもお天道様に振り回されています。

  イギリスでは、2003年頃からこのアロットメントや庭・ベランダ菜園のブームがじわじわと始まり、いまやガーデニングと並んで一大国民的趣味の座を占めた感じです。北ロンドンではアロットメントの空き待ちが10年!という地区もあるとか。昨日テレビを見ていたら、例のセレブシェフのジェイミー・オリバーが野菜づくりに密着するテレビ番組もスタートしていました。


ジェイミー・オリバーの新番組「ジェイミー・アット・ホーム」。毎回1種類の野菜を取り上げ、育て方のコツから料理レシピまでを紹介する。


アロットメントに人気殺到、と伝えるタイムズの記事。このタイムズのほか、BBCも大きなアロットメントサイトを運営している。「野菜を作ろう!」といった専門誌も続々創刊。これまでもガーデニング大国ではあったけれど、それは花中心。それが去年初めて野菜の種の出荷数が花の種を上回ったとか。

  この「プチ農業ブーム」が突然沸き起こったのは、イギリスで起きた90年代半ばからのグルメブームで食の楽しみに人々が目覚めていたこと、オーガニック野菜人気が高まっていたこと、温暖化対策としてフードマイル(地産地消)を心がけようという意識の広まり……などなどいろいろな下地がうまいぐあいに「野菜づくり」でクロスしたから。とくに20~40代の女性やカップルがブームの先頭を切っているというのも納得。

  8月は夏の盛りですが、今年は7月の大雨と低温で季節が少し遅れたので、収穫が早い葉もの野菜や、霜が下りるまで大丈夫な豆類を大急ぎで育てています。その後は秋と冬に向けてダイコン、春キャベツ、ネギなどを蒔く予定。アロットメントを始めて、常に数ヶ月~半年先を見据えて暮らすようにもなってきました。

  いろいろ発見や驚きの多い土いじり生活、またレポートしたいと思います。

前の前に借りていた人が丹精していた、ブラックカラント(カシス)やレッドカラント、ラズベリーなどフルーツの低木を一緒に引き継ぎました。雑草だらけですが、こんなに鈴なり!


宝石みたいにきれいなレッドカラント。多すぎて去年は半分も収穫しきれず、それでもジャムを作ったら40瓶ほどになってしまった。じつはまだ去年のジャムが残っている……。アロットメントは食べきる闘いでもあります。

●Jamie at Home (Channel 4)

●Allotment Central (Times Online)


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「早い、安い、うまい」ファッション

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2007 5月09日

  原宿にも去年登場したTOPSHOPをはじめ、ZARA、H&Mなど、イギリスで「ロー・コスト、ハイ・ファッション」と言われるショップの大箱旗艦店が建ち並ぶロンドンのオックスフォード・ストリート。東京に強いて例えれば明治神宮前か渋谷のような存在でしょうか。いつ行っても観光客と買い物客でハイな雰囲気に満ち満ちてます。

  そのオックスフォード・ストリートに、このところメキメキと業績を伸ばしている激安トレンドショップ「プライマーク」が満を持して登場、先月のオープニングではあまりの混雑に失神する人も出る騒ぎになっていたので、どれほどのものなのか、覗きに行ってみました。


老舗百貨店セルフリッジからそう遠くない一角にドドーンと登場した「プライマーク」旗艦店。数年前までは、ロンドン郊外の移民や低所得者層が多い町角で見かける激安カジュアル店だったのに、あっというまにオックスフォード・ストリートまでのし上がってきた。

スーツのインナーによさそうなTシャツが600円

  高級百貨店セルフリッジからもそう遠くない大きなビルの1階と2階を使った店内は、平日だというのに人だらけ。レジはざっと40人(!)待ち。それもそのはず、値段がすごいのです……。

  スーツのインナーにちょうどよさそうなベーシックなTシャツなら2.5ポンド(約600円)。今ロンドン中の女の子が着ている、70sプリントのチュニックなどが5ポンド(約1200円)。オジー・クラーク風ワンピースで10ポンド(約2500円)。今は円安なので、ロンドナーにとってはさらにこの2/3くらいの値段実感だと思っていただければ、この値段のショックさがわかるはず。


洗濯籠かのように洋服満載の買い物籠を持った人たちも少なくない。ちょっぴり、ユニクロが日本に登場したときのフィーバーを思い出した。

  たしかにチュニックやワンピは生地がかなりペラペラ。でも「流行りものだしワンシーズン着れればOK!」という需要にバッチリ応えている。まさに、ファーストフードならぬファーストファッション。「早い、安い、うまい」ではなくて「(トレンドアイテムの展開が)早い、安い、おしゃれ」。

ケイト・モスコラボラインのTOPSHOP

  人いきれでフラフラになりながら店を出て、職業的使命感から(?)TOPSHOPへ。先週公開された「ケイト・モス」コラボラインをチェックしようと思ったのです。


「ケイト・モス」ラインのショー・ウィンドウ。タグには「ケイトのワードローブにインスパイアされたデザイン」とありました。シグネチャー・アイテムはウェストコート(前開きのベスト)。そういえば、ケイト・モスはH&Mのイメージモデルを務めているときに例のドラッグ問題が発覚し、H&Mはすぐに彼女をクビにしたという経緯がある。そのケイトをライバルのTOPSHOPが採用したのは、イケイケなビジネス姿勢で有名なオーナー社長フィリップ・グリーン氏ならでは。でもケイトはまたコカインをやっているという噂が流れているので大丈夫かな?

  TOPSHOPもプライマークほどではないにせよ、あきれるほど安い。「こんなにかわいくて、まさに旬のデザインで、このお値段なら買っちゃうわ~」とつい手にとってしまう。でも同時にやっぱり、この値段じゃぁ綿花栽培者や縫製工場の人たちはどんな収入を得ているのかしらと心配にもなります。ペラペラでもワンシーズン着倒せば十分という考え方も、環境負荷を考えると絶対にやめるべきなのも確実(ファッションと環境についてはぜひこちらの記事を!>)。

  「欲しい! 」という気持ちと「これでいいのだろうか」という気持ちが激しく交錯するまま歩きつかれるほど広い店内をうろついていたところ、サフィア・ミニーさんの「ピープル・ツリー」コーナーも発見(ピープル・ツリーについてはぜひこちらの記事を>)。同じようにかわいいアイテムを、作り手の人たちにもきちんとした報酬をとってもらって作っているピープル・ツリーがTOPSHOPに入っているのは、皮肉なようでもあるけれど、TOPSHOPの良心なのかもしれないなぁと思いつつ、文字通り棒のようになった足で自転車のペダルを踏み踏み、家路に向かったのでした。


TOPSHOPオックスフォード・ストリート店にあるピープル・ツリーのコーナー。暗く写ってしまったけれど、お店の中ではけっこういい場所にあります。

●プライマークのサイト
http://www.primark.co.uk/index1.html

●TOPSHOPのサイト
http://www.topshop.com/

●ピープル・ツリーのサフィア・ミニーさんインタビュー
環境とか未来とか……通信(cafeglobe 2007年4月25日)
http://www.cafeglobe.com/cafe/eco/ec070425.html

●サフィアさんのインタビューはこちらでも
Frill Me, Thrill Me! (cafeglobe 2005年4月28日)
http://www.cafeglobe.com/beauty/frillme/
ft050428.html


【追記: 2007年9月3日】

今日の英紙『The Guardian』に、「早い、安い、うまい」系大手アパレル(通称ハイストリート・ブランド)に洋服を提供しているインドなどの工場で、とくに女性たちがひどい低賃金と労働環境で働かされているというレポートが掲載されていました。

●The sweatshop high street - more brands under fire
(スウェットショップ通り - さらに多くのブランドが批判の対象に)
http://business.guardian.co.uk/retail/story/
0,,2161302,00.html

ハイストリート・ブランドが直接経営する工場ではなく、あくまで現地の下請け法人ではありますが、あの低価格にはやはり相当の理由があると言わざるを得ません。
でも辛いのは、ある程度のお値段がついている洋服でも、スウェットショップで作られたものではないと言い切れないことですよね。でもそれを言い訳にしちゃいけないか。

何はともあれ、すでに持っている服を大切に、アクセサリーなどを工夫して、あるいはときには自分で作り変えたりして長く着倒していこうと思います。


──────────────────────────
★追伸です
しばらく前にご紹介した映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(これが日本語公式タイトルになったのですね) がそろそろ日本でも公開になるとか。
ここでご紹介した後、観てみましたが、やっぱりキョーレツ、痛い笑いが好きな方向けです。かならずしも観た後にすべて気分爽快!とはいかないかもしれませんが、とりあえずオススメ申し上げておきます。自己責任映画ですね、いわば。苦情が好きな方は観ない方がいいでしょう。

●英米のエンタメ界を席巻している映画
(『ボラット 栄光ナル……』の紹介(2007年2月13日)


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» PRIMARK、う〜ん、安いから買うか? from ・・・London NK・・・
物価高のロンドン、本当に中心地のZone1の地下鉄の料金(ロンドンは 中心から郊外に向かって同心円状に6つのゾーンに分かれていて、中心地 のゾーン1は... [続きを読む]

2007年05月10日 05:47

英米のエンタメ界を席巻している映画

カテゴリ:ロンドン  2006 11月06日

  マジメなトピックについて書いたばかりですが、先々週イギリスで、先週アメリカで封切られた映画『Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan(ボラット、栄光のカザフスタンのためにアメリカ文化を学ぶ)』が英・米・カザフスタンの3ヵ国で話題沸騰のようなので、ちょっとご紹介します。

  サーシャ・バロン・コーエンというイギリスの人気コメディアン扮する、カザフスタン人記者ボラットがアメリカを訪れて文化についてレポートする珍道中……という設定なのだけれど、一部紹介されている動画などを見る限り、このボラットがもう強烈にヤバい。人種差別主義者で性差別主義者で反ユダヤで、絵に描いたようにポリティカリー・インコレクト(反倫理的)。そして趣味もめちゃくちゃ悪い……。


「ボラット氏」はちゃんと自分のサイトも持っている。動画もあり。カザフスタンの人々に失礼なのを承知で言えば、たしかに、中央アジアあたりってこういうサイトがありそう……と思わせてしまうところが、そしてまた自分のそういう偏見に気づかされてしまうところが、本当になんというか、痛いというか痒いというか、くーっ、たまらないのです。●Official Borat Homesite >

  「えっ、あなたの国では女性は奴隷ではないのですか」とか、「私たちの国では犬を撃つのが国民的趣味」「私の11歳の息子に最近生まれた子どもは、マドンナっていう女装の歌手に売ろうと思っている」「私の故郷では障害者をいじめて遊ぶのが普通」とか、たどたどしい英語でしゃぁしゃぁとまくしたてる。エッジーな笑いが好きな人には大ウケのようで、CNNの記者は「笑いすぎて健康を害する人もいるかも。注意マークをつけたほうがいい」とまで賞賛。CNNやCBSのニュースやトークショーにもボラットとして登場してここでも差別ネタのオンパレードをしてます。

  このバロン・コーエン、出世作はテレビシリーズの『Ali G(アリ G)』。これまた倫理的に大問題で、ロンドン郊外の低所得者エリアに住むちょっと頭の弱いラッパー「アリ G」が、政治家や宗教指導者、CIA長官などをたずねて(相手には若者向けの番組の収録と嘘をついている)、「とか言っちゃって、マリアとヨゼフはヤッちゃってたんでしょ」「袖の下もらってるくせにィ」的なことを面と向かって聞いて相手の狼狽振りを楽しむという仕立て。くだらない質問の間に、ときどき誰もが聞きたいけれど聞けないようなことをアホの振りで聞くから痛快だったりするのです。微妙なユダヤ人ネタも、彼自身がユダヤ人で、ケンブリッジ大でユダヤ人の人権と歴史について勉強したという背景があってかろうじてクリア。

  ところで、いきなり笑いのネタとして世界のコメディ舞台に引っ張り出されたカザフスタン(バロン・コーエンとカザフスタンは何の関係もない)は、動揺してはじめは批判声明を出していたけれど、最近「“ボラット氏”をわが国に招待したい。わが国に差別がないことを見てほしい」と正式に招聘。観光客が増えるのではないかと好意的な意見も出ているようだけれど、いまのところこの映画の国内上映は禁止とか。


映画のオフィシャルサイト入り口。これも入るとカザフスタン政府のサイトのような作り。ボラット氏のサイトのほうだったか、怒ったカザフスタン政府は「.kz」ドメインをバロン・コーエンに使用しないように申し入れるという顛末もあったとか。●Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan >

  日本で公開の予定があるのかまだわかりませんが、機会があったらぜひお試しください。腹が立っても私は責任とりませんが。YouTubeで「Borat」と検索すると大量に出てきます。


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» Borat  「ボラット」 from 表参道 high&low
昨年何かと話題を提供した‘Borat:Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Na... [続きを読む]

2007年05月12日 08:48

» ボラット ─ 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習 from Deeplog
下品過ぎて発禁処分を受けていたという問題作「ボラット」が、 急転して全世界での公開が決まったそうです。 作品については、様々なメディアやブログ... [続きを読む]

2007年04月19日 20:25

» ボラット from 辛口だけれど映画が好きです
ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習Borat: Cultural Learnings of America for Make Be... [続きを読む]

2007年04月02日 17:06

» ボラット from What a CLICHE!
ボラット:栄光ある国家カザフスタンのためにアメリカ文化を学びに行く(『Borat [続きを読む]

2006年11月14日 11:09

» イギリスの超おすすめコメディアン from メディア探究
イギリスのコメディアン、ボラット(Borat)の主演映画が全米で公開されて大ヒットしているらしい。 前からYouTubeでお気に入りだったんだけど、このbora [続きを読む]

2006年11月13日 20:06

ニョロニョロの次は、ヌルヌルとの仁義なき戦い

カテゴリ:ロンドン  2006 5月11日

   とっぷりと日も暮れた夜の10時頃。キャンプ用の懐中電灯と割り箸、塩水を入れた瓶を手に、私はひとり庭に出る。夜露に塗れた芝生を踏んで、目指すはハーブや野菜の苗を並べた一角である。

   あーやっぱり今日もいる……。懐中電灯の明かりの中に、白っぽいの、黒っぽいの、大きいの、小さいの。キラキラと銀色の足跡も鮮やかに、ナメクジたちが芽を出したばかりの私の苗を狙って集まってくるのだ。おのれ我が子の敵……とばかり、敵意を込めて、見つける端からつまんでは塩水に落としていく。

   塩水に落とされたナメクジは「ギャー!」とばかりに身をくねらせて、そのうち静かになる。とっても気の毒なんだけれど、心を鬼にしてナメクジ狩りを続ける。彼らの数の多さ・旺盛な食欲はすさまじく、ほっておけば、せっかく育てた苗も数夜で全滅確実なのだ。


9割くらいの芽が食べつくされてしまったのは、中央の2列に蒔いた、垂れ下がるタイプのミニトマト。ナメクジは気に入った味を見つけると、何度でも戻ってきてその草だけを食べる。あのネットリとした足跡には自分の匂いがついていて、ちゃんと昨晩いた場所に戻ってこられるようになっているというからオドロキ。


大切な青しそもすでに半分くらい消えてしまった。ちなみに、青しその双葉はスイートバジルの双葉に瓜二つ。やっぱり近縁なんだなぁ。

   ロンドンは東京より寒いからナメクジは少なかろうと思っていたけれど、大間違いだった。この国のじめじめとした気候は彼らには天国なのだとか。日本より種類も多くて、以前は10cm近いのを捉まえたこともある。虫には強いつもりの私も恐怖で正視できなかったけれど……(当時の家の前を流れていたテムズ河にエイッと放り込んだ。ヤツが這い上がってきたかどうかは不明)。

   世界一のガーデニング大国なのにナメクジ天国。となればもちろんナメクジ対策製品は百花繚乱。一般的にはゴキブリ退治用のホウ酸団子のように、庭のそこここに撒く毒餌が売られている。でもこれには化学物質が含まれているから使いたくない。オーガニックな手段としては、ビールを入れた瓶を土に半分埋めて落とし穴にする方法もあるのだけれど、やっぱり夜な夜な箸でつまむ方法がいちばん効果的なのだとか。


一方、まったく素通りなのが、ルッコラ(写真左)やタイム(写真右)。あの苦味や香りがきっとイヤなんだろうな。ハーブの香りはこういう虫たちに食べられないための自衛だということがとってもよくわかる。

   あとは、まだ試していないけど、ナメクジにだけ宿る寄生虫も製品として売られている。目には見えないほどの小さな線虫で、粉状のそれを水に溶かしてジョウロで撒くと、ナメクジを見つけて体に入り込み、殺してくれるのだとか。人間はもとより、ナメクジを食べる鳥やハリネズミにも害はないとのことですばらしいー! でも1箱2000円強、しかも効果は6週間しかもたないとちょっと割高なので、まだ躊躇中。

   それにしても、今回はあまりに被害がひどいので、今晩からは家の中に苗を持ち込んで、監視することに。いや、家の中までヤツらが入ってくるわけではなくて、苗の土の中に潜って隠れているであろう残兵が出てきたところでヒットしようというわけだ。

   本当はナメクジが大好物なニワトリやハリネズミ、ヒキガエルなんかが庭にいてくれればいいのだけれどなーと願いつつ、今晩がひとつの関が原、張り切って臨みます。


葱坊主にそっくりのつぼみをたくわえたチャイブ(写真左)もナメクジはお嫌いの様子。栗によく似たホースチェスナッツ(フランス語はマロニエ)の実を拾って土に埋めておいたら、こんな芽が(写真右)! ナメクジに食べられないようにか、他の草との日光の奪い合いに勝つためか、芽を高く高く伸ばしてからやっと葉を開いた。賢いなぁーと心の中で褒めてやる。でもこの子たち、いずれは数十メートルの大木になる運命。ウチでは育てられないので、あまり大きくならないうちに、どこかの森にこっそり植えてこなければ……!


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紅茶の本場英国の、愛すべきリアルなお作法

カテゴリ:ロンドン  2006 4月20日

  「よく歩いたー、あつー。すっかり汗かいてのど渇いちゃった、○○ちょうだい」

   この○○にあなたなら何を入れますか? 私ならグラスになみなみと注がれた水、夏なら麦茶とか緑茶とかが欲しいところです。が、イギリスの友人たちは大抵「ティちょうだい」と言います。日本で言えば大サイズのマグカップ(スタバのTallくらい)にたっぷり入れたミルクティ(もちろんホット)をあっという間に飲み干し、「おかわりちょうだい」と来ます。


これが我が家のミルクティ。アールグレー+豆乳です。日本で紅茶のイメージの薄手&華奢なカップ+ソーサーも英国内にはもちろん存在するのですが、かなりお上流(ポッシュ)なオバサマが小指を立てて飲んでいるイメージで、どちらかといえばギャグネタ的扱い。

   紅茶やコーヒーはくつろぐひとときのための飲み物だと思っていたけれど、イギリスでは、のどが渇いたとき、人の家やオフィスを訪ねたとき、人が来たとき、朝食と、昼食と、簡単な夕食と、各食後と、おやつと、出かける前にのどが渇かないようにと、家に帰ってきたときと、仕事から逃避したいときと、暇なときと……のべつまくなしに飲みます。超勝手な個人的観察では、みなさん日に10杯超は飲んでいるのでは。

   そして、そのほとんどは牛乳を入れたミルクティ。お砂糖はお好みで。器はドカンと巨大なマグカップが主流。お客にもこれで勧めます。お客というか、人を見かけたら紅茶を飲まないかと勧めるのがエチケットになっている感もあり、うっかりしていると何杯も飲まされます。こっちの人に合わせて飲んでいると、お腹がガブガブになって目から紅茶がしみ出してきそうな気になります。

   フツーの家ではティバッグが主流なのですが、紐も紙のつまみもついていないお得用。お値段も安くて100バッグ入りで240円前後から。ミルクティにすることが前提なので、めちゃくちゃ濃く出ます。これをマグカップに放り込み、熱湯を注いだら、スプーンでかき回したりグイグイと突ついて絞ってできるだけ濃く出します。カップの底が見えなくなるくらいが適当。ここに牛乳(最近では豆乳の人も多い)をちょろりと入れて完成。


紅茶の種類は人によって好みはさまざま。いちばん安くて普及している濃~く出るタイプの紅茶(写真のティバッグ)のあだ名は「Builder's(ドカちゃん)」。肉体労働の人が飲みそうな、質実剛健な感じ、ガッツリ強い味……というニュアンス。「アールグレーとビルダーズ、どっちがいい?」とお客に聞いたりします。

   有名な、紅茶が先か牛乳が先かという議論については、2003年に王立化学会というところが「おいしさの点では牛乳が先が正解」という見解を出したのが話題になっていました。でも、フツーの人はマグカップの中に出た紅茶の濃さを目で確認してから牛乳の量を調節できる「紅茶先」がほとんどのようです。いちいち気にしてないというのが本当のところ。

   不思議な国のアリスのお茶会シーンなどで見るような、あるいはフォートナム&メイソンで見るようなお上流的・午後のハイティ的世界もあるにはあるけれど、リアルな英国の紅茶事情はそれとはだいぶ違うようです。書いていたらやっぱりのどが渇いてきたので、これから一杯入れてきます。ごくごくっと、やってきます。

●紅茶飲みならではの言い回しはこちらで↓
Phrase171
He is not my cup of tea.
(迷える女のとっさのひとこと)


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日本の中と外での温度差

カテゴリ:ロンドン  2006 4月13日

   先週のエントリーにコメントをつけてくださったみなさんありがとうございました! また時間を見つけてできるだけ個別にお返事もしていきたいと思っています。友人たちからも直接メールで感想をもらったりしたのですが、その一人も言っていましたが、見事にほとんどの方が海外在住か在住経験者というのが、このトピックの特徴そのものだなぁと思いました。

   ちょっとズレますが、日本とイギリスを行ったり来たりしていて痛感するのは、日本の中と外で情報に温度差があることが多いことです。日本はさすが1億2000万人の規模もあり、国内の日本語メディアだけでもかなり充実した世界ができあがっていて、それだけでも十分楽しめて、大抵のことは事足りてしまう。情報の自給自足が成り立っているのに、何も言葉の壁を乗り越えていく必要は少ないというのはあると思います。

   ちなみに、昨年11月にスタートした講談社の『クーリエ・ジャポン』は、ここの温度差の面白みに注目している点でちょっと面白い。とくに「外国メディアで日本はこう報道されている!」という記事が多いようです。原典はインターネットでも読める記事が多いけれど、日本語でまとめて読めるのはたしかに便利です。ときどき誘惑されます。

   さて。前回は第二次大戦というトピックでの温度差に疑問を感じたことがきっかけで、中谷孝さんという元陸軍特務機関員をしていた方の話を聞きに行ったと書きました。大勢の前、マイクを握りしめてカチカチに緊張した中谷さんは、85歳になるこれまでとくに戦争を語る活動などしてこなかったけれど、今こそ話していかなければいけないと思った、と話し始めました。最近の政治家の発言や、戦争を「かっこよかった」とする論調などは、まさに聞き覚えがある、いつか来た道だと恐ろしい思いがすると。


コチコチに緊張なさっていた中谷さん。「今の日本を動かしているのは皆戦争を知らない世代。その人たちが知ったかぶりで言うことを信じてしまう人が増えているのがとても怖い」。

   詳しくは、中谷さんのサイト「日中戦争の中の青春」の内容にほぼ重なるのでそちらをご覧ください。ただ、やっぱり南京大虐殺はあったと確信した体験、目の前で捕虜の首が切り落とされていくのを見ていた体験などは強い印象に残りました。

   中谷さんの話を聞くこの会は、神直子さんという28歳の女性が企画したものでした。神さんは元日本兵の方々のメッセージをビデオに撮り、フィリピンで上映会を行うという、地道な活動を続けています。


神直子さん。大学のスタディツアーで訪れたフィリピンで、日本人には会いたくなかったと泣く女性に会って驚き、一方で後悔の気持ちを飲み込んだまま亡くなっていく元日本兵の話を聞き、その橋渡しとなるべくビデオでのメッセージを届ける活動「Bridge for PEACE」を開始したのだそう。
神さんのブログ「フィリピンと日本をむすぶビデオメッセージ・プロジェクト」はこちら>
神さんがこの活動に至ったきっかけはこちら>

   神さんがこの活動に至ったきっかけを話してくださる中で、今回もうひとつ印象に残ったエピソードがありました。フィリピンでいろいろな人の日本兵から受けた経験や思い出を聞いている中で、日本兵がいかに残虐かということを示す逸話として、「赤ちゃんを宙に放り投げて落ちてくるところを銃剣で刺した」というものがいろいろな場所で出てきたのだそうです。誰もその場は見ていないこと、あまりにディテールまで一致していることから疑問に思い始めて確認をしたところ、それは反日本のためのプロパガンダらしいとわかったのだとか。……というところで隣にいた中谷さんが、「それは当時の中国がルーツではないか」と発言。日本兵はこんなにひどいということをわかりやすく示すため、同様のことをしている日本兵を描いたポスターを見かけたことがあるのだそうです。絵が与える疑似体験感は強いから、それが東南アジアにも流れていったのではないか、いくら当時の日本兵でもそんなことはしない、と断言されていたのが心に残っています。

   いただいたコメントにあった、そもそもあの戦争はよかったとか悪かったとか、判断することが必要なのではないというご意見は本当にそうだと思います。私たちがすべきなのは、何があったのかをできるだけ真実に近い形でつかんで、今後に同じような人災が起きないように教訓を学び取ることなんだろうと思います。もうひとつ感じるのはは、少し戦争自体とは方向性が違いますが、日本の内外の情報の温度差に敏感になり、内側なり外側なりに働きかけてその差を埋めていく作業もしなければということでしょうか。外に耳を貸さず、内側だけで連帯を強めて意固地になっていくのは避けないと……というようなことを国外にいてつらつらと考えています。

【お知らせ】
BRIDGE FOR PEACEによる、「フィリピンと日本を結ぶビデオメッセージ・プロジェクト写真展と上映・展示会」が明日4/14~23まで東京・代官山で開かれます。
●詳細はこちら>


<左>戦争について知らなくちゃ!と慌てて読んだのがこの本。タイトルの通り、あの戦争はどういう理由で起きたのか、実際の戦いはどうだったのか、どうして最後はあんなになるまでやってしまったのか、とてもわかりやすい入門書だと思います。陸軍と海軍の勢力争いなど、その人間模様はなかなか興味深く、歴史としての戦争が一大ジャンルであることを垣間見た気もします。『あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書』保阪正康著 新潮選書 <右>当社の知恵袋、監査役Tが「これも読んでみれば」と貸してくれたのがこちら。戦後の大混乱を少年として体験した著者による、戦後のみじめさや異常な状態に置かれた人々の心理状態についてリアルに記録している。アフガニスタンやアフリカの最貧国などでは今もこんな目に遭っている人たちがいるんだろうなと想像……。『誰も「戦後」を覚えていない』鴨下信一著 文春新書


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有機農業・自給自足の共同体にお邪魔してきました その2

カテゴリ:ロンドン  2006 3月23日

<前回からつづく

   そう、「できてるじゃん」「そう、これよこれ!」「……ムキーッ!」と羨ましくて言葉を失って身悶えしてしまうような生活がそこにはあったのです。

   まず、食事の大半が自前の有機作物だから、素性が知れているし、フードマイレージも限りなく少なくて環境にもやさしい。みんなでブッフェ式の食事だから残飯自体あまり出ないけれど、残飯やお茶ガラ、野菜くずは農園の中にある豚や鶏のエサに。


元修道院の敷地を下がりきったところには川が流れている。オークや白樺がそこそこに生えている、いかにもイングランドらしい田園地帯。まだ水遊びをしたそうなセッター2匹と、「もう帰るから上がりなさい」とジェスチャーする飼い主。


大量にとれたリンゴを保管する倉庫。5頭いる乳牛からとれるミルクで、バターやチーズも自給。チェダーチーズの熟成庫まであった。


これも、ここで収穫された大量のジャガイモ。イギリス人の主食はじつはジャガイモだから、日本人がたくさんのお米を見ると安心するように、イギリス人もこれを見るとホッとするんだろうな。

   食費は安いということで、では住居費はというと、いちおうルールでは、入居するスペースをマンションのように購入することで仲間に加わるのだそう。お値段は広さなどもいろいろなのでご紹介できないけれど、驚くほど安いってことはなかったけれど、妥当ですね、という程度。普通の収入のシングルマザーでも頑張れば手が届く、という感じ。

   そういうわけで、食と住がおおむね安定しているから、ここにいる人たちはのんびりゆったり暮らしている。働き盛り世代は外で仕事を持っている人が多いけれど、ワークシェアリングで週3日だけとか、午後だけとか、そんな人が多いらしい。あとの時間はここで農作業をしたり、食事当番をしたり、食堂で新聞を読んだり、おしゃべりをしたりして過ごしている。


初夏の昼下がり。一緒にコミューンを訪問したコロンビア人のピリが、アルゼンチンかどこか南米出身という男性と何やら初対面でいきなりディープに話し込んでいた。スペイン語の人も、国境を越えて話せる人が多くてうらやましい。

   これまたすごくいいなと思ったのは、子どもたちがコミュニティの中で育っていること。親が外で働いている間も、子どもは他の子どもと敷地内で木登りをしたりガチョウをからかったりしてずっと遊んでいるから託児所いらず。食堂にいると、ときどき子どもの一人が「転んだー!!!」と泣きながら転がり込んできて、新聞を読んでいるそのへんの大人(親ではない)の脚にかじりついて、なぐさめてもらっている。ここで育ったトム(前出のスティーブの息子)は、親以外の大人もいる環境で育ったことは本当にラッキー、最高に幸せな子ども時代だったと言う。

   そして、ここには知的障害のある人も、車椅子の人も、かなりご高齢の人もいて、それぞれ自分のできる範囲の仕事を受け持って誇りを持って暮らしている。本当は人間の共同体ってこのくらいが自然なんだろうなぁと、きれいごとでなく納得する風景だった。


お母さんが大学に教えに行っている間、他の大人に教わって建物の修復を手伝う女の子。この子のお母さんは40代前半のシングルマザーで、ここには最近加わったとか。決断は正しかった?と聞いたら、「もちろんよ! 唯一後悔するとしたら、なんでもっと早くここに来なかったんだろうってことくらいね」。

   ほかにも、暖房をできるだけ薪でまかなっていること、自家用車が増えたとはいえ、カーシェアリングが当たり前に行われていることなど、エネルギーへの配慮もそこかしこにされている。ここのひとりあたりの非再生可能エネルギー消費量は、東京やロンドンの平均的な一人当たり量の半分とか1/3とか、もっと少ないかもしれない。


どっさりと積み上げられた薪は、これでひと冬と半分くらいあるのだそう。薪も燃やせば二酸化炭素が出るけれど、それは育つ過程で吸収したのと同じ量。だから、再生されている森でさえあれば、地底から化石燃料を掘り出して燃やすよりも温暖化防止という意味ではよいとされている。


イギリスの田舎は公共交通が絶望的に頼りないのでクルマが必需品。そこで、通勤や街に行く予定のある人は自分の予定を黒板に書いて、一緒に乗っていきたい人を募集する。

   ……とまぁ、いいことばかりを書きました。ま、いいことばかりなんです、ハイ。私ももちろん、「いつか仲間に入れてもらいたいって願い出ようかな」と思いながらの見学でした。だからネガティブポイントがあるなら、いまのうちに見つけておかなくちゃ、と。たしかに小さいことはいくつかありました。

   まず、正直やっぱり平均的イギリス人の味覚はちょっと……Hmmmmm……なので、自分が食事当番の日はいいけれど、中にはかなりキツい日もあるだろうということ。これがイタリアだったらなあ。やっぱりね。あと、半農になるわけなので、虫や大量の動物の糞などが苦手な人は厳しいでしょう。

   それから、このコミュニティはもう30年目なので、中心的な人たちが60前後。哲学者(職業という意味でなく)が多いから、話は面白いし人格者が多いけれど、同時に偏屈な人も多そう。相当刺激的なやりとりを覚悟しなければ。もっとも、彼らもイマドキの風の必要性は意識していて、今からは若いカップルを中心にリクルート?したいとのこと。ただし、希望をする人には事欠かないようで、そういう人たちからの手紙はびっしりと束になってまとめられていた。

   最後に、ここに行きたくなった方もいるかもしれないのですが、スティーブから場所などは書かないでと釘をさされているので、私からはお伝えできないことをご容赦ください。でも、イギリスにはこういったエココミューンをリストアップしたガイドブックもあるので、探してみると見つけられるかもしれません。そもそも、思うに、私たちもめいめい私たちらしい……たとえば日本の風土に合ったこういった暮らし方を模索するべきなんでしょう。すでに始めている人たちも少なくないようですし。世界中でいろいろな試みが増えることが、今の地球には必要なことなんじゃないかな、と思います。


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有機農業・自給自足の共同体にお邪魔してきました その1

カテゴリ:ロンドン  2006 3月16日

   友人のスティーブは、年齢を訊ねたことはないけれど、30過ぎの息子がいるからたぶん60ちょっと手前くらい。筋金入りのインテリヒッピーで、今でも小さなデイパック1つで1ヶ月くらいの貧乏旅行に出てしまう刺激的なおじさんだ。

   彼は70年代、当時の左翼仲間たちが人間と環境にやさしい暮らしのあり方を考え、有機農業・自給自足を目指して28ヘクタールの農地がついた古い修道院を購入して始めたこの共同体に参加した。以来30年弱、ゆっくりとメンバーの入れ替わりはありつつ、ずっとここで20前後の世帯が一緒に暮らしている。しばらく前のことだけれど、「そういう暮らしに興味があるなら遊びに来なさい」と誘われ、寝袋持参でお邪魔した。


ほんの40年ほど前くらいまでは数十人の修道女たちが暮らしていたという建物と敷地に約20世帯が暮らし、畑を耕したりチーズを作ったり、外に普通に通勤したりしている。

   ロンドンからクルマで1時間少々走った小さな町のそばに修道院はあった。晩秋の早い夜、とっぷり暮れた中、門を抜けて敷地に入る。ヘッドライトの中にほったらかしの三輪車、スケートボード。そして「Drive slowly, free range children.(徐行運転。放し飼いの子どもあり)」の手書き看板。


敷地を横切る私道には「Drive slowly, free range children.(徐行運転。放し飼いの子どもあり)」の看板。


食事の合図の鐘を鳴らすスティーブ。ブレアとブッシュのイラク侵攻に激怒、米英軍がイラクを離れるまで髭は剃らない!と決めたらこんなに伸びてしまった。

   ちょうど夕食時だったので、いきなりご相伴にあずかることに。鐘楼の鐘が鳴ると天井の高い食堂におなかをすかせた住人たちが続々と集まってくる。最初は挨拶したり握手したりしていたけれど、あまりに人数が多いので、途中から全員に挨拶するのはあきらめて、ニコニコとだけしておいた。今は大人45人、子ども15人が暮らしているという。

   世の中にはさまざまな目的のさまざまなコミューン(共同体)があるけれど、ここはかなり現実路線、平たく言えば最も「怖くない」部類に入ると思う。20家族が一緒に暮らすといっても、建物の中は日本のマンションのように区切られていて、世帯ごとの玄関がある。仕事を聞くと、大学講師をしている人、近所のスーパーのレジ係をしている人、年金生活の人などなど。子どもたちは地元の学校に通っているし、閉ざされたユートピアを目指しているわけではない。ただ、食事は基本的にみんな一緒にとり、大人は週9時間以上掃除や炊事などコミュニティのために働かなければいけない。そのほかに農作業の担当もある。SOHOで小さなNGOを営むスティーブの担当は、タマネギ畑約1アール。


修道院時代は集会場だったという大きな食堂兼キッチン。外から帰ってきた人はみんなここを通り、食事の準備をしている人やお茶を飲みながら新聞を読んでいる人たちとお喋りしたり、あとで羊をあっちの牧草地に移そうなどと相談したり。突っ立っていると、「あなた動物は好き? 牛の乳搾りやってみる?」と女性に声をかけられ、私は長靴を履いてにわかハイジに。


食事は基本的にベジタリアン。日曜日だけ、ここで育った豚を潰した自家製ベーコンなど肉料理が1~2品出るけれど、手をつける人は少ない。それにしても、食材の半分以上は自分たちで育てたものだから、食費は1食90円!

   70年代のスタート当初は、社会主義的理想も高く、できるだけ自給自足、クルマは持たない、電話も全員に1回線だけ、テレビなんてダメダメ……という方針だったとか。でも、みんなで話し合いながら少しずつ、電話を個別に引いたり、テレビを持ったりするのもいいことにルールを変えてきた。「今ではみんな部屋でインターネットもしてるしね。ごくフツーだよ。クルマの個人所有だけは僕は賛成じゃないけれど……」と渋い顔のスティーブ。

   でも私はもうずーっと、軽い興奮状態になっていた。現代社会に妥協しつつ、彼らが実現してみせている暮らしは、それでも私たちがブチ当たっている問題の多くに答えを出せているからだ。いや、むしろ妥協しているからちょうどいいくらい。食の問題、環境問題、ワーク・ライフ・バランス、少子化……ウウウウ! これは羨ましい!

   ……と、突然ですがそろそろ長くなってきたので、この続きは次回にします。来週をどうぞお楽しみに!


農業などのお手伝いを条件に、数週間ほど無料で滞在させてもらうこともできるから、いつも数人の学生が転がり込んでいる。彼らが泊まるのは、長い廊下に沿って並ぶ、修道女たちが修行をしたお祈りのための小部屋。


ここが修道院になる前、上流階級のお屋敷だったときのバンケット・ルーム。出窓がいくつもあって、ジョン・レノンのあれは「Imagine」でしたっけ、ヨーコと一緒に白装束のあの部屋を思い出す。2号前のこのコラムでご覧に入れた青い図書室はこのバンケットルームのすぐ隣。

●有機農業・自給自足の共同体にお邪魔してきました その2


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(今度は)ゴーゴー! 自転車♪

カテゴリ:ロンドン  2006 2月16日

   みなさん自転車、乗ってますか? これまでにも私が大の自転車党であることはこの欄やデジログ日誌などでたびたび書いてきましたので、覚えてくださっている方も多いかもしれません。

   健康にいいし(クルマにハネられない限りはネ)、お金もほとんどかからないし、環境にもいい。都心なら電車やタクシーより早く目的地につくこともしばしば。そして何より気持ちいい! 自由! ストレス雲散霧消! とゆーわけで、東京では自転車通勤、ロンドンでも自転車に乗る機会をいつも虎視眈々と伺っている日々です。

   で、最近のロンドンで凄まじく増加しているのが自転車通勤をする人の数なのです。ヨーロッパの国でありながら、これまでイギリスでは自転車はあまり人気がなく、大人で自転車に乗れない人が3割くらいいるのだとか。一説には、階級社会のため、自転車は貧しい階級の人々が仕方なく乗るものという偏見があったからと言われています。


仕事を終え、帰途につく人たち。朝9時前と午後6時前後は自転車が数珠繋ぎになっていたり、信号待ちでは車列の前に10台以上の自転車が陣取っていたり、ここはアムステルダム?と見まごう風景に。ほんの数年前はこんな現象はなかったのです。

   ところが、健康と環境問題への意識が高まってきたところへ、ロンドンを襲った例の爆弾テロ、そうでなくても頼りなくストの多い地下鉄という要素もあいまって、おととしあたりから自転車通勤ブームに火がついた模様。ロンドンの左翼市長が自転車振興のために年に50億円も予算をとるなど、市側の後押しもあります。先日の夕方、ホルボーン駅のそばで時間を潰した際に通る自転車を数えたところ、10分で150台弱が目の前を通っていきました。

   ひるがえって東京。もちろん東京は清潔・安全・正確なすばらしき地下鉄&鉄道網があるので自転車の必要性が低めということはあるけれど、自転車の人がもっと多くてもいいのではないかと思うのです(路駐されっぱなしのママチャリは山のようにあるけれど)。


ヘルメットの着用率は7割くらいかな。歩道は自転車は走ってはいけないことになっているので、みんなきちんと車道を走っています。自動車もちゃんと自転車を一人前のクルマとして扱ってくれるので走りやすい。大きな赤いバスも、どこかの都バスのように自転車に嫌がらせをしてきたりはしないので快適です。

   自転車なんて辛そう? それが逆で本当に気持ちいいんです。深夜まで残業をして頭がクラクラしていても、ペダルをひと漕ぎふた漕ぎして、夜の空気を吸い込めば、あっという間にすっきりしてきます。コンクリートだらけの都心でも空気の中には季節の香りがいつも混ざっていることにも気づきます。今の季節なら沈丁花のほのかな香りや、春を思わせる湿り気の匂い。走り始めこそ寒いけど、5分もすれば汗ばんできます。体中の血液をワーッとかき回して汗をかくから、冷えや肩こりにもいいようです。そういえば、編集部のKも感化されて自転車を購入、なんと環八のあたりから半蔵門まで来ては、「楽しい、楽しい」と言っています(いきなりかなりハードコアまで行ってます)。

   ただし最後にひとつだけ。自転車は本来「車両」で、道路交通法では原則として車道を走ることになっています。なので、どうしても歩道を走る場合はあくまでも歩行者優先で。自信がついたらできるだけ車道を走ったほうがいいでしょう。ヘルメットも欠かさず、前と後ろにライトをつけ、反射テープのついたリュックを背負うなど自衛も忘れずに。駅前などの迷惑駐輪も、結局は自転車への社会の反感を高めることになるので、やめましょう。


ブロンプトンの人も発見♪ ここに移っている自転車乗りさん3人のように、できれば自転車用の蛍光色に反射テープがついたジャケットやベストを着ると抜群に安全になります。

   そして、クルマを運転する際は自転車も車両として扱ってあげてください。自転車はれっきとしたクルマ。目の前のオートバイに向かってホーンを鳴らして蹴散らしたりしないのと同じように、自転車にも接してください。自転車の人に怖い思いをさせて、その人が懲りて次回からクルマで出かけるようになったら、排ガスは増えるし渋滞も悪化すると思えばやさしくしたくもなりませんか。

   ……としかつめらしいことを言いましたが、あなたも自転車に乗るようになれば、きっと考えるようになるコトなのです。ふふふふふ。自転車に乗ると、なぜか世の中がよく見えるようになってくる効果もあるのかも。では長くなりましたが、ひとりでも多くの方が自転車に興味を持ってくれることを期待しつつ、今回はさようなら~。

●ロンドン市交通局の自転車乗りのための情報ページ>

●大橋マキさんが自転車で恵比寿まで(Cafeglobeから)>


これは夏場に自分も自転車で走っているときに撮ったもの。


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ニョロニョロたちとの暮らし

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2006 1月26日

   去年の初夏、チェルシー・フラワー・ショウをレポートした回に謎の予告をしたままになっていた「ニョロニョロ」たちを今回はご紹介します。

   それはearthworm、つまりミミズたち。ミミズを飼って、キッチンから出る生ゴミなどを食べさせ、ミミズが作る栄養たっぷりの土をいただこうというわけです。ギョッとする方も多いかもしれませんが、環境意識やスローライフ意識の高まりからけっこうなスピードで世界各国で広まっているようで、日本でも「ミミズコンポスト」というキーワードで検索をかけるとたくさんのサイトがヒットしてきます。


イギリスのwiggly wigglers(ニョロニョロ)という会社から購入した「Can-O-Worms」というオーストラリア製のミミズコンポスト容器。底が網目になったトレー3段構造になっていて、ミミズが食べ進むと下のトレーから土を「収穫」するという仕組み。大きさは普通のゴミ箱くらい。

   詳しいことはそういった専門サイトをご参照いただくとして、チェルシーで見つけた使いやすそうなミミズコンポストのキットをその日に注文、7月早々からミミズたちとの生活がスタートしたというわけです。


レンガ状に圧縮された、椰子の実の殻を砕いたもの。これを水でふやかしてモロモロの土状にしたものが、ミミズたちの最初のベッドとなる。


白い袋に、ミミズが500g(ざっと1000匹だとか)入っている。他の袋は、容器内のpHを整えるための餌や(ミミズは酸性の土が嫌い)、万一ミミズが元気なくなってしまったときのための餌(worm treat、ミミズの好物という名前がかわいい)。これらのものが全部セットで60ポンド(約1万2000円)。決して安くはない……。

   容器をセットしたら、袋に入って届いたミミズたちを放ちます。ダンゴムシやコオロギを集めて歩いた少女時代ははるか遠く、ちょっとおっかなびっくりで袋を開け、ご対面。「なになになになに?」という感じで頭(尻尾か?)を伸ばして周りを伺うミミズたちは赤くてツヤツヤしていて意外ときれい。虫っぽい匂いもほとんどない。これなら触れるかもと安心して、容器にもぐりこむミミズたちを見送りました。


ミミズたちを椰子殻ベッドに放ったところ。ミミズたちは「わーわーわー」と慌てた様子。


そのわずか数分後。付属のマニュアルにあった通り、光が嫌いなミミズたちはけっこうなスピードで潜っていき、あっという間に一匹も姿が見えなくなってしまった。


野菜くずやティーバッグ、紙切れや毛糸などをさっそく入れたところ。ミミズが食べられるのは、基本的には植物と紙パルプや動物の毛など。肉や魚や炭水化物は苦手だそうです。言うまでもなくプラスティックや化学繊維はだめ。

   その日から生ゴミを入れはじめ、早半年少々。ベビーミミズたちも増え、我ながらなかなか順調に進んでいます。先日いちばん下の古いトレーを覗いたところ、野菜ゴミの姿はほぼ消え、真っ黒な土がたっぷりとたまっていました。土とはいってもじつはミミズのフンなわけですが、これまた匂いもなし、まさに土です。もうすぐ「初収穫」を迎えられそうです。

   マニュアルや専門サイトなどでは、ミミズは条件がよければ毎日体重の半分くらいのゴミを食べるとあります。が、暑すぎたり寒すぎたりするとペースは落ちるので、ふたり暮らしで自炊が多いとこのゴミ箱程度のコンポストで処理できるのは出る生ゴミの半分~2/3程度といったところです。私は猫の額の庭の片隅を掘ってそこにも生ゴミを埋めていますが、スペースさえあればミミズコンポストが2器欲しいところです。

   あと1ヶ月少々もすれば、今は毎日厚い雲の向こうに隠れている太陽もだいぶ戻ってきて、種まきシーズンのスタートです。ミミズコンポストの土はふかふかで栄養分たっぷりなので、種まきには最高なのだとか。今年もプチトマト、そらまめ、唐辛子などなど、植えてみるつもりです。


去年、厚くむいたジャガイモの皮をゴミのつもりで庭に埋めておいたら、先日掘り返したところ思いもかけずジャガイモが収穫できてしまいました。芽が出てしまったタマネギもためしに埋めておいたら、これも第二世代が。野菜の生命力って強い! となんだかいとおしい気持ちに。でも食べちゃいましたが。

●Wiggly Wigglersのサイト(英語)>


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ロンドン、オーガニック食材宅配事情

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2006 1月18日

   東京でリビングフードな生活を続けている山祥ショウコさんの連載にも感化されて、週1回、オーガニック食材の宅配を取りはじめました。東京以上にオーガニック食材がブームのロンドン、似たようなオーガニック宅配は何社もある中選んでみたのは「ABEL & COLE」という会社。

   できる限りフードマイルを減らす努力をしていること(地産池消)、イギリス国外から食材を仕入れる際は航空便でなく船便を使っていること、包装を少なくしていること、生産者から公正な値段で買い付けること、植物の育て方や動物の飼育法・漁法までチェックをしていること……など、かなり熱心に語っているここを選んでみました。ネットで注文を簡単に変更・キャンセルできること、嫌いな食材を入れないでもらえるなど、細かいカスタマーサービスもいい感じです。


今週届いた基本的な旬の野菜のセット「Essential Organic Veg Box」。手にするとしっとり、しっかりした肌触りで、新鮮なことがわかります。マッシュルームが紙袋に入っているほかは個別の包装もなし。LPGのトラックで、わがエリア担当のライアンが届けてくれます。

   イギリスでとっても嫌なことのひとつに、TESCO、ASDA、Sainsbury'sなどわずか数社の巨大スーパーが絶好調で、地元の小さな商店などがほぼ壊滅的に痛めつけられていることが挙げられます。巨大なシェアから来るそのバイイングパワーは凄まじいそうで、農家など生産者は買い叩かれて、値下げ要求に応えるべく、いかに低コストで生産するかに汲々としているのだとか。まさに以前Espressoのひとことでもご紹介した映画「The Matrix」のパロディ「Meatrix」状態がますます広がっているのでしょう。

   というわけで、そんな流れに少しでも掉さそう、逆方向へのパワーを生み出そうとしているABEL&COLEのような試みに我われもささやかながら参加しようというわけなのです。まだ2週目なのであまりエラソーなことは言えませんが、先週は気合が入っていたこともあり、全て食べ切り成功! 野菜と豆たっぷりのスープやオイルをからめた野菜をオーブンで焼くローステッド・ベジタブルにすると根菜類を大量に食べられるので、今週もそれかな……。あとはブロッコリーのキッシュ(これは「バスクの砂糖壷」のマテスク里佐さんのレシピを参考にする予定)に、オニオングラタンスープに……いかに食べきるか、マンネリを回避して新しいメニューに挑戦するか、ゲーム感覚で挑戦心がくすぐられます。


今週入っていたのは、ミックス豆もやし、ブロッコリー、ニンジン、セロリ、マッシュルーム、赤キャベツ、スイード(巨大カブのような野菜)、タマネギ、以上で11ポンド(約2200円)。スーパーのオーガニック野菜より確実に安いのもグー。野菜自体もとてもおいしいので、今のところ大満足。

   これでスーパーに行く回数もだいぶ減らせそうだし、いやおうなく旬の野菜をたっぷり食べることになるし、当分なりゆきが楽しみです。

●ABEL & COLEのサイト(英語)>

●Meatrixのサイト(英語)>
この春には「The Meatrix Revolting(訳:ミートリックス・ゲロゲローッ)」が登場予定とのことなので楽しみ(言うまでもなく、これもThe Matrix Reloadedのパロディ)。
※Meatrixの日本語訳スクリプトはこちら>

●山祥ショウコさんの「おいしいリビングフード・ダイエット」、宅配野菜の回>
あれで1500円なんて、日本は野菜が安くていいな。帰ったらいっぱい食べるぞ。

●マテスク里佐さんの「バスクの砂糖壷」、野菜キッシュの回>
生クリームを買いに行かなければ。


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ロンドンのクリスマス&年越し

カテゴリ:ロンドン  2006 1月06日

   あけましておめでとうございます。今年もご贔屓のほど、どうぞよろしくお願いいたします!

   クリスマス&年末年始は今年もロンドンで過ごしました。ふだんはそれほどは宗教色が強くない英国ですが、25日のクリスマスは多くの英国人にとっては多かれ少なかれ神聖な気持ちになる日。そして日本のお正月のように、家族が集まる楽しい休暇の日。

   日本ではクリスマスは恋人たちのためのロマンティックな日と化していますが、とくに恋を語る日ではありません。街をきれいに彩るイルミネーションを見る人々の心にこみ上げるのはラブではなく、「♪もぅ~い~くつ寝~る~とぉ~♪」まさしく誰もが童心にかえるウキウキ、そんな感じです。


とはいっても現実は、24日のイブは日本の忘年会を集めたような大飲み会の日だし、25日に二日酔いの頭で親戚一同が集まればイザコザもつきもの。自虐的な物言いが大好きな英国人は、「家族のケンカと、二日酔いと、食べすぎと、つまらないクリスマス特番(テレビ)が揃ってこそ正統クリスマス」と口を揃えて言い切ります。それもまた一興というところなのでしょう。

   若いカップルの場合、今年はどちらの親の家でクリスマスのご馳走を食べるかが頭の痛い問題で、訪ねなかったほうの親がスネないように、25日と26日でハシゴをする人たちが多かったりします。さらに親が離婚して再婚していたりすると、訪ねるべき家が3軒にも4軒にもなり、かなり疲労しているのを見かけたり。

   幸い(?)私たちは今年は誰も訪ねなくていいことになったので、イブの夜はセントポール寺院の深夜ミサに行ってみることにしました。観光名所なので行ったことのある方も多いと思いますが、あの丸いドームの下の広い教会は人でビッシリ。かろうじて席を見つけ、式次第に従って立ったり座ったり歌ったり。人数が多いので聖体拝領に時間がかかり、終わったのは翌25日の午前2時前。少々厳かな気持ちで家に向かったのでした。


週20時間、クリスマス直前は毎日7時間の猛特訓を積んでいるという聖歌隊、とくに少年たちの歌声には心底聞きほれました。石造りのドームに響いて、本当に天から降ってくる天使の歌声のよう。

   クリスマスが神聖な一方、元旦は普通の祝日。それをあてこんでか、31日の大晦日の夜は友だち同士でのパーティで楽しむのが定番です。今年は義理の弟のバンド仲間のホームパーティに参加。クリスプス(ポテトチップスのこと)やチーズとクラッカーをつまみつつ、ワインやビールを飲みながら、カウントダウンを待ちます。テレビ中継でテムズ河そば、きれいにライトアップされた大観覧車「ロンドンアイ」脇で花火が上がるのを見て、私たちもクラッカーを鳴らして「ハピニューイヤー!」と言い合って周り中の人とキスをします。これも定番。



(写真上)テムズ河畔で行われている年越しイベントの生中継に注目して……(下)カウントダウンとともにクラッカー! この次の瞬間、抱きつきあい、頬っぺたにチュッチュッとキスしあいの大騒ぎに。ちなみに、蛍の光(じつはスコットランド民謡)は歌いません。日本人のように、「ゆく年」への感傷も全然なし。

   上の写真にもひとり白髪の男性が写っていますが、こちらで友だちのパーティに行くと、よく誰かのお父さんとかお母さんとかが来ています。最初は「若い人のパーティに親が来るなんて! へぇ!」とも思ったのですが、じつはけっこう普通のことのよう。友人曰く、昔はイギリスも世代間の壁が厚かったのだけど、ヒッピームーブメントやロックやパンクを経験した世代(我々の親世代)から、あまり年齢や体裁にとらわれない自由な考え方をする人が増えて、子どもの友だちとも遊ぶ親が増えているんじゃないかとのこと。いいなぁ、私もそういうオバサンになろう。こぐれひでこさんがカッコいいのも、ひとつにはこの自由さがあるからなのでしょうね。


いい感じに酔っ払ってきたら、自宅DVDカラオケで。

   ちょうど同じ今日、年越しの様子をアップされている「バスクの砂糖壷」のマテスク里佐さんとメールでやりとりしていたのですが、フランスとイギリスという、狭いドーバー海峡を挟んだ2国でも、年越しパーティの雰囲気はだいぶ違うようです。やっぱりフランスはどこかエレガントでおいしいものを食べていそう。こちら英国は、やっぱりパンクでロックなんですね……。


これはおまけ。ロンドン名物の丸い二階建てバス(車種名はルートマスター)が2005年12月で街から姿を消しました。ドアがなくていつでも乗り降り自由、車掌さんが紐を引っ張って「チンチン♪」とやっていたあのバスがいなくなって、なんだかロンドンの街角から火が消えたような。大げさじゃなくてそんな気がしています。


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ホワイトバンド、反論の反論

カテゴリ:ロンドン  2005 9月24日

   Cafeglobeのnews BBSでもけっこう盛り上がっているようだけれど、以前このBlogでも取り上げたホワイトバンドに対する疑問・反感が高まっているようです。

  「アフリカを初めとする世界の貧困をなくそう」というざっくりとした主旨のこのムーブメント、ちょっと変な誤解が広まると嫌だなぁと思って、とり急ぎ私なりの理解をここに書いておきたいと思います。

   まず「ざっくりとした主旨」と書きましたが、このホワイトバンド、本来はHIV撲滅や保有者のサポートを表明するレッドリボンと同じで、白いリボンやテープを手首に巻いて身につけることで、「世界の貧困をなくしたいという意思表示をする」というものです。意思表示が主旨であって、どこかの組織や会社が作ったものを買うことが第一義ではありません。

   もちろん、自前のリボンではすぐに汚くなってしまったりするし、白い紐状のものを探すのも面倒……というところで、売られているものを買うのは現実的な選択でしょう。日本では、いちはやくタレントを前面に出して立ち上がった「ほっとけないプロジェクト」が目だっていますが、先日のTrend Buzzでもご紹介したピープル・ツリーでも独自のホワイトバンドを売っているように(この金額には寄付が含まれています)、どこのホワイトバンドを買ってもいいのです。


ホワイトバンドを販売しているのは、ピープル・ツリーの国際援助NPO部門であるグローバル・ヴィレッジ。綿のバンドはバングラデシュからのフェアトレード。300円の価格のうち100円は、劣悪な労働環境で働かされているバングラデシュ衣料品工場労働者の支援に使われる。詳しくは●グローバル・ヴィレッジのサイトで>

寄付じゃなくても、いいのではないか

   なので、今多くあがっている「寄付だと思っていたのに寄付じゃないなんてショック」という声には、「ほっとけない」のバンドを買った方であれば、残念ながら確認不足でしたねとしかいえません。あるいは「ほっとけない」の説明不足もあったかもしれません。

   でも、私はこのムーブメントに関しては、寄付じゃなくてもいいんじゃない?とも思います。世界の貧困問題は、先進国が寄付やチャリティとして援助するだけではとても解決しないレベルまで巨大化しています。また、お金や物資で「支援」するだけでは現地に技術が定着せず、むしろ支援頼みの自立できない社会ができてしまうなどの弊害も見えています。

   そこで、最貧国の先進国からの借金を部分的にであれ帳消しにし、返済分の浮いたお金を、病院や教育などの社会インフラ作りにあててもらい、国として自分の足で立ち上がれるように支援しよう、というのがホワイトバンドのたとえばひとつの具体的な目的です。そのためには私たちの政府を動かさなければいけない。私たちの政府は民主的に選ばれている。債務帳消しに賛同する国民が増えれば増えるほど、実現する可能性や帳消しの規模が大きくなる。じゃあ、みんなに声かけようじゃないの、というわけです。

賛同しつつ、お金の使途はきちんとチェックしよう

   もうひとつの「ほっとけないプロジェクト」が胡散臭い、という声に関しては私はなんともわかりません。ただ、日本の国際協力NGOは、その現場も多少見てきていますが、少ない人数で欧米のようにプロフェッショナルも多くない中、手探り手作りでよく頑張っていると思います。企業のように広報やCRMが上手でないのは事実です。そこは少しおおめに見ていくべきだと思います。

   ホワイトバンドの主旨に賛同するなら、「ほっとけない」に集まったお金がきちんと使われていくかをしっかり監視しつつ、応援してもいいと思います。たとえばあれだけの有名人やタレントさんを動員しているけれど、まさか高額な謝礼は出していないよね?とか、PR会社や制作会社への支払いが多すぎないかとか、そんなことはたしかに気になりますよね。

アフリカの貧困に日本は責任がない、という意見のウソ

   あとちょっと気になるのが、「日本はアフリカの貧困に責任がないから、債務帳消しなどすべきでない」という声です。たしかに日本はアフリカを植民地支配したりしたことはありませんが、まったく責任がないというのは間違いでしょう。

   たとえばごく一例として。今値段が高騰している石油です。日本などの貨幣価値の高い先進国は今先を争って石油を買っていますが、値段が上がるほど、貧しい国が買える石油は少なくなります。エネルギーを使えなければ産業は発展しようもないし、食事を作る燃料がない人々は薪拾いに追われ、子どもも駆り出され、学校に行くことができなくなります。日本の石油消費量はアメリカに次いで世界第2位です。円の強さに物を言わせ、世界の4分の1の石油を買い占めている私たちに責任はないのでしょうか?

   そもそも、以前やはりこのコラムでご紹介した「世界が100人の村だったら」ではありませんが、村の中に貧しい集落があると想像してみてください。

   そこの家は村のお金持ちに昔お金を借りていて、実った収穫のほとんどは返済にあてるため、いつまでたっても貧しいまま。温暖化で日照りも頻繁になってきた。子どもを学校にやれないから、子どもは大人になっても仕事につけなくて、乾いた大地を掘り返す以外できることもない。病気になっても薬も買えないからどんどん死んでいく。

   一方の、村のお金持ち(日本もその一部)は、エアコンのきいた家に暮らし、人によっては大型の四駆まで乗り回している。私たちの資産の数パーセントにすぎない貸付をチャラにするくらい、してもいいのではないでしょうか? もちろん、貸付をチャラにする代わりに、そのお金でちゃんと自立できる国づくりを彼らがしてくれるか、そこをきちんと監視・支援するのがホワイトバンドが目指す、次のステップです。

追記(2005年9月27日):
日本の「ほっとけない」プロジェクトについては、プロジェクトの主体が私企業であり、バンドの売り上げ総額に対する会計報告がなされない可能性があるということですので、それであれば、たしかにバンドを買った人に対して誠実さを欠くと思います。売り上げ総額がどのように使われたのか、宣伝キャンペーンの使途・金額、制作費など、会計報告は必要だと思います。

追記2(2005年11月15日):
Cafeglobeにて、11月8日に行われた「ほっとけない」プロジェクトの記者会見報告記事をアップしました。その後の経緯をご説明していますのでぜひご覧ください。
●「Trend Buzz」No.071
すでに400万本! 話題のホワイトバンド
記者会見を聞いてきました


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いちばん小さな畑 アルファルファもやしづくり

カテゴリ:ロンドン  2005 9月09日

   毎日食べたものと体重変化を報告するという勇猛果敢なブログをつけているライターのやましょうさんに感化されて、私もスプラウトづくりをはじめたことは、ちょっと前のEspressoのひとことで告白した通り。

   ネット通販で購入したアルファルファの種を、一晩水に浸してから水を切り、あとは1日に数回水ですすいでは茶漉しで水を切って、暗い場所に置いて……を1週間続けました。そうしたらこの通り!


左のガラス瓶が始めて2日め、右が8日めの状態です。こんなに大きくなります。世界でいちばん小さな畑だ!


2日め(写真上)はまだ根っこがニョロリと出てきた状態。8日め(下)だと、ティースプーンすりきり1杯程度の種が、一人前のサラダ一皿くらいになります。

   あと2日くらいしたら「収穫」して、オリーブオイルのドレッシングで食べてみる予定です。小さな畑、まずは大成功。次は白ゴマのもやし、本家緑豆もやしをやってみる予定です。


初夏にクレマチスの苗を植えたら、今満開になりました。このクレマチス、冷涼なイギリスの気候でも元気に育つ強い花なので、こちらではとても人気があります。

後日の追伸:
Cafeglobeの「デジログ日誌」のほうに、その後のもやし報告をアップいたしました。
http://blog.cafeglobe.com/digicame/


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ロンドンの地下鉄テロ、振り返って日本 その1

カテゴリ:ロンドン  2005 7月29日

50名以上の犠牲者を出した7月7日のロンドンのテロを「デジログ日誌」で短く報告した後、以前からの予定通り東京に戻ってきました。その後、例の21日の未遂に終わったテロがあり、無実のブラジル人の射殺事件があり、7月29日現在、未遂テロの実行犯1人が逮捕され、彼らを指揮した主犯とされる容疑者がザンビアで拘束されたという報道がされています。

日本でもよく報道されているこの事件なので、細かいことは省いて、私の印象に残った、テロに対するイギリス社会や人々の様子、言わずもがな次の標的かもしれない日本の社会が学べることなどを考えてみます。長くなるので今回はその1。

さすが肝が据わっていたイギリス人

まず、どうしても外国のことなので漠然としか想像できないものですが、東京だったら、山手線の新橋駅と銀座線の赤坂駅、九段下駅、そして六本木あたりでバスが爆発……たとえばそんな状況を想像してみてください。ブラジル人青年が誤認射殺されたのは、誤解を恐れずに敢えて言えば新大久保駅でしょうか。

その7日のテロの直後、へぇぇと感心したのは、人々の打たれ強さ、というか肝の据わり具合でした。80~90年代に続いたIRA(北アイルランド独立を訴える組織)による爆弾テロで鍛えられたのか(※)、ナチス・ドイツの空爆に耐えて打ち勝ったという誇りなのか、「暴力なんかで我々がビビッて態度を変えるとでも思うのか」「さぁ、いつもの生活を続けよう」ということを人々がいろいろな言葉で繰り返していました。同時に、イスラム社会やムスリムとの亀裂が起きないように「これは宗教対立ではない」「ほぼすべてのムスリムは平和を願っている」というメッセージも繰り返されました。

もっともこれには、911直後に逆上してしまったアメリカ人に対して「手本を見せてやる」という、「アメリカの兄貴分イギリス(と自覚している)」ならではの意識も少なからずあったのかも。また、かなり意気軒昂だったロンドナーたちも、21日の未遂事件が幸い不発だっただけで、同規模の被害になっていた可能性があったと知ってからは、やはり暗い表情になってきているとか。


最も古い区間はビクトリア時代(100年前)に建設されたという、世界一古いTube(地下鉄)。しょっちゅう故障して止まるため、今回のテロが第一報では電圧異常による爆発と伝えられたことから、しばらくはみんな「またかよー」とウンザリしていた。

被害者や遺族を追いかける報道はない

報道のあり方で日本とはだいぶ違うと思ったのは、爆発で犠牲になった方の伝え方。こういったテロに限らず、イギリスの警察や行政は、事件や事故が起きたとき死者や負傷者の名前はすぐには公表しません。遺族などに確認をとり、了解をとった上でやっと順次発表されていく感じです。ましてや、憔悴しきった遺族を追いかけて撮影したり、葬儀場の外から実況中継したりするようなことは一切なし。スキャンダル大好きなタブロイド紙でさえそれはしません。

一方で、遺族や行方不明者のパートナーなどが驚くほど毅然とした態度で取材に応え、犯罪を糾弾するアピールを読み上げたりする姿はよく見かけます。今回は、爆破されたバスを運転していた男性も、自爆したとされる犯人の親も、堂々とアピールを発表していました。日本なら、犯人の親の生活や人格に欠陥があるのではと詮索するような報道もありそうなものだけれど、それもないようです。

ふだんから、カメラやマイクを向けられたときに自分の意見をはっきり言うことが得意なイギリス人。日本の社会がよくも悪くも「共感」などのファジーな感情で成り立っているのに対し、イギリスの社会は言葉を積み上げて作られているんだ、ということを意識させられる瞬間です。(つづく)


ロンドンの旅行代理店に勤める友人によると、テロ後に日本人旅行客のキャンセルが相次ぐ……というほどにはなっていないとか。でも今後もテロの可能性が高いことが明らかになってきているので、長期的にはロンドンの大切な収入源の観光へのダメージは避けられそうにない。

※昨日の7月28日、IRAは今後は一切武力に訴えないこと、平和的な政治活動で活動していくことを発表しました。累計数千人ともいわれる犠牲者を出した、武力紛争がいちおう終結することになります。


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歴史に残るエピック「LIVE 8」体験記

カテゴリ:ロンドン  2005 7月05日

国家的プロジェクトかと見まごう盛り上がり

♪それは20年前のことでした♪
♪これから始まるイベントをお楽しみください♪
♪みなさんはなんて素敵な観客♪
♪さぁ一緒に歌ってね♪

「サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド」をポール・マッカートニーとU2のボノが歌ってスタートした「LIVE 8」。替え歌かのようにぴったりな歌詞のビートルズの名曲に、観客はしょっぱなから大盛り上がり。

あの「LIVE AID(ライブエイド)」から20年。今回もボブ・ゲルドフ(LIVE AIDの立役者)らの呼びかけに、今をときめく・あるいは誰もが愛してやまない超大御所ミュージシャンたちが次々に名乗りをあげてイベントが立ち上がりました。もちろん今回も、政治的メッセージはこれでもかのてんこ盛り、今週イギリスのグレニーグルで開かれるG8に対し、アフリカなどの最貧国の債務放棄などを正面切って求めています。

日本では地上波テレビでのライブ放映がなかったこともあり、残念ながらそれほどの話題にはならなかったようですが、こちらイギリスではそれはもう国家的プロジェクトかいという注目度&メディアの扱いでした。放映はBBC2という、NHK教育テレビに相当する(もうちょっと大人度・インテリ度が高いけど)地上波が、人気の司会者ジョナサン・ロスを起用して終日オンエア。タブロイド紙・高級紙はもちろん、経済紙の『ファイナンシャルタイムズ』までが歴史的エピックとして一面で大々的に扱う興奮ぶり。


我々ももちろんテレビの前にしかと陣取り。コールドプレイの演奏にリチャード・アッシュクロフト(元ヴァーヴのヒョロヒョロのボーカルね)が飛び入りしたのに鳥肌を立てたり(クリス・マーティンがバックボーカルなんてこんなときでなきゃあり得ない!)、ときどき中継される各都市のライブのローマ編でデュランデュランが出ないかハラハラしたりしておりました。

アナン国連事務総長まで飛び入り参加

細かいことは中継を細かくレポートしているこちらのブログに譲るとして、ブラッド・ピット、ビル・ゲイツなど続々支援表明に現れたセレブの中でも私がもっともゾクッとしたのは、コフィ・アナン国連事務総長の登場と「貧困に喘ぐ声なきアフリカの人々を代表してお礼を言います。Thank you.」という主旨のコメント。


……そしてとっぷりと夜が更けても、まだ同じ姿勢で観ている私たち。ロンドンが11時すぎに終わっても、ウィル・スミス引っ張るフィラデルフィアがちょうど佳境になってきていてなかなかスイッチを切れない。

イベント中も、今この瞬間にもアフリカでは3秒に1人の子どもが貧困が理由で死んでいること――薬さえあれば、栄養さえとれれば助かる命が、地球上の富の偏りのために年に1800万人失われているといったメッセージが、ミュージシャンらの言葉で、映像で繰り返し流されていきます。

とくに今回は、「目標はチャリティのお金集めではなく正義そのものなのだ」というメッセージが印象的。ボブ・ゲルドフは、「普通の人たちがこうして団結することで、G8という世界を変えることができる人たちに要求を突きつけることができる、この動きこそが大切なのだ」と繰り返しアピールしています。そうそう、この一体感! 私たちにも変化が生み出せるんだ、団結すれば、高慢な政治家や利己的な資本を動かせるんだという高揚感に、ハイドパークの20万人だけでなく、テレビの前の私たちも酔わされていきます。


フィナーレ近く、ステージの上には「LIVE 8. G8. BE GREAT.」という文字が。念押しするように、G8に再度プレッシャーということのよう。

引き続き政治にプレッシャーを

もっとも、酔って気持ちよくなって終わりでは全然ダメ。先日のG8財務相会合で決まったアフリカ諸国を中心とする4兆円超の債務削減(じつは日本とアメリカが渋っていた)、最近ブッシュ大統領が公言したアフリカ支援の予算を2倍にすることは(でもブッシュは津波支援のときも公言した額を守らなかったので要注意)、どちらもすでにこのLive8などの動きが背中を押したことはほぼ確実。さらに支援額を大きくしていくこと、アフリカ諸国の政治腐敗や独裁に対して働きかけていくことなどをどこまで押し込んでいけるか、まさにこれが変化への最初の一歩なのでしょう。とりあえずは明日始まるG8の動きに注目です。

また、とりあえず終了したLive 8のムーブメントを引き継ぐ形になっているのが、さまざまな人権系NGOを傘の下に収めた「Make Poverty History」。コンサート出演者たちが身につけていた白いシリコン製のリストバンドはこのアピールに賛同していることの印で、日本でも「ほっとけない 世界のまずしさ」というNPOが共同設立したキャンペーンサイトでチャリティ販売が始まっています。あなたもこれを手首に、世界の変化に注目してみませんか。

●Live 8のオフィシャルサイトはこちら(日本語あり)>


「Make Poverty History(貧困を歴史にしよう)」のホワイトバンド。1つ1ポンド(200円)以上ならいくら寄付しても可ということだったので、多めに寄付する代わりに少し余計にもらってきました。日本バージョンとはちょっと刻みが違うようです。


ホワイトバンドを身につけた友人のモリース。このバンド、男性にやたら似合う。


BBCの推測では、イギリスでは960万人が放映を見たのだとか。イギリスの人口は日本の半分なので、日本にしたら2000万人弱が見たってことで、これはやはりすごいかも。ちなみにこの日はウィンブルドンの決勝なども重なり、週末だというのに街はもぬけの殻に。月曜日の朝、オフィスで口々に交わされたのは「I've got square eyes.(テレビを見すぎると目が四角になると言うことから)」というヒトコト。

その後の追記:
ホワイトバンドについては、当Blogの9月24日のエントリー「ホワイトバンド、反論の反論」として思うところをまとめました。ご覧ください。


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ガーデニングの最高峰イベントに行って来ました

カテゴリ:ロンドン  2005 6月08日

園芸界のウィンブルドン

  この春はどうも天候不順のロンドン。もう大丈夫だろうと思って撒いたハーブの種も、やっと芽を出しても成長が止まってしまうほど冷え込む夜が続いています。それでも夏至に向かって日はぐんぐん長くなってきています。イギリスの国民的趣味、ガーデニングの最盛期がスタートしました。

  毎年口火を切るのが、5月末に開かれる「チェルシー・フラワー・ショウ」。そのステイタスの高さは、世界の園芸界のウィンブルドンといった趣です。毎年あっという間にチケットが売り切れてしまうので、今年は早めにオンラインで申し込みをして、行ってまいりました。

まるで上野動物園のパンダの前

  テームズ河沿い、高級住宅街のチェルシーにある会場周辺はすでに大混雑。人ごみをかき分けるように入場すると、会場内も大混雑。通路の左右にぎっしり並ぶ園芸用品や植物画アートの出店をひやかしながら、メイン会場である巨大テントへ。


ガーデニング関係の出店がぎっしり。種メーカーもこの日ばかりは全種類の種を並べて出店、私は「Garlic Chive(ニラ)」と「Shiso」をゲット。中央の女性が提げているピンクのバッグ様のものは、やわらかいプラスティックのバケツで、土を混ぜたり運んだりするのに使います。


上野動物園のパンダの檻の前のように、一方通行の通路をゆっくり歩き回りながら、英国中の園芸農家が丹精した花や植物を見ていきます。このオレンジ色やピンクの人工的なまでに豪華な花はゼラニウムとか。直径15cmくらいもあります。


冷涼なイギリスの気候でも楽しめるからか、こちらでは1ジャンルとして浸透している「アルパイン・ガーデン」。岩をくりぬいた植木鉢に、日本で言うところの高山植物がみっちり、箱庭的な美しさは日本人受けもよさそう。


ウィンブルドンといえばイチゴ、とは「どしゃぶりセンチメンタル」に登場している伊達公子さんも言っていますが、確かにイギリス人はイチゴが大好き。これは高さ3mくらいに積み上げられたイチゴの滝。


野菜もデコラティブに飾りつけられていました。このコーナーも大人気。

イギリス人が園芸好きになったわけ

  見たことのある花、見たこともない花、生きているとはとても思えない異様な花……すさまじい種類の展示です。最近の流行は竹や笹のようで、同じコーナーにはどう見てもススキらしい植物も。中年の女性が「ビューティフル!」と言ってなでているのを見るとやや複雑な気持ちになります。

  イギリス人がこんなに園芸好きになったのは、大航海時代からの歴史がおおいに関係しているのだとか。イギリスやスペインなどが競って世界を探検した時代、東洋から持ち帰られる珍しい植物に上流階級が夢中になり、庭をエキゾチックな植物で飾ることはおハイソなファッションだったようです。それで今でもボンサイ、バンブーなどに果敢に手を出す気風につながっているのかも。


お約束のボンサイコーナー。ストイック、ワビサビな日本盆栽のほか、やや派手で大ぶりな中国盆栽も紹介されていました。見ている人に男性が多かったけど、洋の東西を問わず盆栽が男性にアピールするならそれは興味深い現象だな。


イギリスのハーブの第一人者、ジェッカさんの展示コーナーには、「Eastern Salad Herb Mix」としてミズナ、ミブナの名前も。なかなか研究熱心!


イギリス人がいちばん好きな花といえば、バラ。毎年何十もの新品種が発表されているとか。このアプリコット色の「Ambridge Rose」は、イランイランのような濃厚な甘い香り。近々苗を注文する予定。

  このショウに触発されて、私も狭い庭の手入れにいっそう気合を入れてみることに。じつはここで、すごく面白いあるものを見つけて注文しました。それが何かは、商品が届いた頃にご報告したいと思います。ニョロニョロッ。


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青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
マスコミをおちょくる (8月09日)
ミツバチが来ない (5月28日)
夏の瓶詰めを作りながら (11月04日)
秋の光 (10月10日)
ロンドンの小学校で、日本のマンガを再発見 (9月30日)
またまた、パリを自転車で巡りました (9月18日)
口に入れるものを考える (6月16日)
プチ農業、その後の報告 (4月29日)
ロンドンは18年ぶりの大雪で (2月03日)
イスラエルのガザ攻撃って何?という方に (1月13日)
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