更新日:2009年6月29日



天気図を、もういちど!

カテゴリ:ゆるい話題ですカテゴリ:地球温暖化  2009 6月29日

  自転車に乗るのと、畑を持っているのとで、天気予報には敏感です。1週間の予定も雨の有無でおでかけの予定が変わるし、ちょっと出るときにも、服装や自転車の車種の選択をするため雨雲レーダーを確認します。というか、何より天気が好きです。


東京ははっきりした梅雨に見舞われているようですが、今ロンドンは、いい天気の暑い日が多くなっています。ウィンブルドン名物のパラパラッと来るにわか雨も今週はなさそうですね。写真はハイドパークのベンチ。管理人がいて、座ると料金を徴収しにやってきます。いずれにせよ、今日は暑すぎて座っていられなそう。

  でも、最近ちょっと天気予報について不満なことが。テレビニュースも天気予報サイトも、天気図を見せて説明しなくなったことです。「ここに高気圧があってここに低気圧があるので、風が吹き込みます」「寒冷前線が伸びているので急な雨に注意。気温もその後下がります」といったような説明が以前はあったと思うのですが。天気予報サイトでも、ひどい場合は天気図情報なし。

  これはイギリスやアメリカのテレビやサイトでも同じ傾向で、今後の降水確率やUVの強さ予報は1時間おきで細かく親切なのに、天気図はないということが多いようです。世界的な傾向なのかも。テレビの瞬間視聴率やサイトのPV(ページビュー)を見て、天気図は人気がないからいらないだろうということなんじゃないかと想像します。でも人気がないから伝えなければ、ますます人々が天気図から遠ざかるわけで、人々から天気の知識を奪うことにもなると思うのです。

  結果だけ知れれば十分という意見もあるかもしれないけれど、頭の上の空、大気の流れが今どうなっているかがなんとなくでもわかっていると、気持ちがいいものです。前線が頭の上を通った後は空気の匂いも変わるし、その季節らしい気圧配置が強まると、春一番や木枯らしが吹いたり、大雪が降ったり、暑くなったり、感じる季節も鮮やかになります。東京の狭い空でも雲のかたちや流れ方を楽しめるようになります。

  私にとっては、少し大げさかもしれないけれど、地球の息づかいを感じる手がかりになるのが天気図なのです。温暖化が地球の息づかいをどう変えているのかも、なんとなく感じられます。

  地球温暖化問題は、話のスケールが大きすぎるのと科学的すぎるのが理由で一般市民には理解しがたいから解決策がなかなか進まない、と専門家や政治家は言います。でも、たとえば天気ひとつでも、地球大の視点を多くの人に持ってもらうことができるはず。天気図を天気予報コンテンツの主役に戻してほしいなと思います。天気予報を「天気・気象エンタメ」にまで高めたようなテレビ番組とかできないかな。世界からの動画とか旅行情報なども含めたら、ヒット番組になりそうじゃないですか?

  大西洋に停滞している大きな低気圧のせいで南からの湿った風がぐんぐん入り、今年一番の暑さになりそうなロンドンにて。


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口に入れるものを考える

カテゴリ:ロンドン  2009 6月16日

  いまイギリスのスーパ—で、卵や乳製品、お肉を買うとします。そうすると、スーパ—独自の製品だけで3種類ほどの選択肢があります。安い順に、(1)ベーシック品(2)フリーレンジなど動物福祉や環境に配慮した品(3)2+オーガニックの製品。お値段は、製品にもよりますが、(2)は1の1.5倍くらい、(3)は1の2倍前後の値段がついていることが多いようです。

  日本の場合(1)と(3)はありますが、(2)のフリーレンジやそれに準ずることを売りにした肉や動物由来製品はほとんど見かけません。これがもっと増えてくれたらなぁと思うので、少し説明させてください。

  イギリスは動物愛護の国と言われたりしますが、それはけっこう本当で、動物愛護の観点からのベジタリアン人口も多く、街角では動物実験反対を掲げるチャリティの署名台がよく立っています。自分の飼い犬であっても、ずっと鎖につなぎっぱなしで散歩をしないようなことがあると、大抵はすぐに近所の人に通報されて、警察の訪問を受けることになります。動物の虐待で懲役刑を受ける人も珍しくありません。

  動物の置かれている状態に敏感な世論なだけに、必然的にその目は食用にされる動物たちにも向けられ、「このお肉(卵・乳製品など)は、幸せに育った動物のものなんですよ」と肉・肉由来製品に表示することがこの数年でだいぶ一般的になってきました。スーパ—や認証団体によって基準は多少ばらつきがありますが、1匹あたりのスペースが決められていたり、屋外で過ごす時間があるかなど、短い一生ながら、ずっと苦痛や恐怖の中で過ごすなどといった非人道的な状況がないことをおおむね保証してくれています。ハンサム・シェフとして日本でも有名になったジェイミー・オリバーもこのキャンペーンのひとつに参加していました。


私がよく使うスーパ—「Waitrose」のレシピ小冊子は、今回丸1冊すべてのメイン食材に「動物福祉に配慮をする契約農家からのもの」「持続可能な漁法によるもの」といった説明がついていました。魚貝の場合、動物愛護というよりは水産資源の急減が言われているので、「引き網ではなく釣り糸による漁法で獲られた魚です」などといった表現を最近よく見かけます。

  私がよく行くスーパ—も、この動物愛護に気を使っていることを謳う製品が多くなってきたので、安心して選ぶことができています。なるべく(3)のオーガニックを買いたいところですが、お財布が心もとないときでも、(2)ならなんとか手が出せるというもの。その気分で日本に帰って来ると、食べる人のためのオーガニックを謳うソーセージや乳製品はたくさん見つけられますが、動物自体がどう過ごしたのかについての目線はまだほとんどないので、ちょっと不満です。

  もう5年も前になりますが、このコラムで卵のための養鶏場の鶏たちのことを書いたことがあったので、そのリンクもここに追記しておきます。


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青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
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