更新日:2008年11月30日



プチプラ服を買う前に

カテゴリ:今日できることをしよう  2008 11月30日

  cafeglobeの「Travel & Food」カテゴリで掲載している「旅の肌ざわり」のカトマンズ編はもうご覧いただけたでしょうか?

●旅の肌ざわり
Vol. 1 ヒマラヤの麓の美しい谷、カトマンズ
Vol. 2 アーチャナとロッサニ、ふたりの人生
Vol. 3 フェアトレードで「幸せ絶対量∞の法則」

  ピープル・ツリー代表のサフィア・ミニーさん(このblogの07年10月記事をご参照ください)に「フェアトレードがどう役立つのかをcafeglobeのユーザーさんたちにぜひ伝えてほしい」と誘われ、去年5月、ピープル・ツリーの08年秋冬カタログ(現在配布中)の撮影にくっついて行った際のレポートです。


カトマンズからクルマで2時間ほどの農村で雨宿り中、近所の女性たちがピープル・ツリーのカタログの絵コンテ(撮影イメージを描いた計画図)や上がり写真を興味津々に覗いている図。

  記事にも書きましたが、ネパールはほぼ20年ぶり。大学のときに当時のボーイフレンドとバックパックを背負ってインドやタイを回ったとき以来でした。以来いろんな土地を訪ねたけれど、ネパール以上に深い印象を刻んだ国はなかったのです。

  当時からかなり貧しい国ではあって、働き盛りの男性たちが昼から路肩で双六をしているような状況でした。キャッキャと楽しそうにしているので盤を覗いてみると、サイコロの角がちびて丸まっている。そんなになるまで遊んでいるのかこの人たちは……とショックを受けたのを覚えています。でも同時に、生活は厳しいかもしれないけれど、それなりに楽しそう、人生ってこんな感じもアリなのかも……と、自分の価値観の幅がググーッと広がった瞬間でもありました。


「旅の肌ざわり」のカトマンズVol.1で、お腹を壊したと紹介した屋台のおやつがこれ。今写真を見ても、おいしそうでヨダレが沸きます。辛いスパイスに、ライムが効いているのがミソ。

  そんな思い出を反芻しながら、20歳年をとってもういちど訪ねたカトマンズ。フェアトレードが実際に本当に人々の役に立っていることを目の当たりにすることができたのは嬉しい経験でした。同時に、ヨーロッパでこの10年ほど爆発的に伸びて来たプチプラブランド(このblogの07年5月記事をご参照ください)が日本でも大人気になっているのにいっそう複雑な気持ちにもなり……。

  私もTopShopやH&Mの洋服は持っています。安さは魅力だし、デザインがいいものも多いし、「ウ〜」と悩んで買っちゃうこともあります。でも、やっぱりこの値段はおかしい!と思いますよね。どこかで誰かが泣いている。イギリスでは、BBCが「プチプラ洋服大好き! 気に入らなかったら1回だけで捨ててもいいし!」と能天気なおしゃれ若者をインドの縫製工場に体験就職させ、そこで働いている人の家庭にホームステイさせる……というドキュメンタリー番組もやっていました(フェアトレードの意義を発見するコ、こんな労働環境許しちゃダメ!と工場長に立ち向かうコなど、みんなすごい変化でした)。


BBCの番組『Blood, Sweat and T-shirts(血と汗とTシャツ)』。20〜24歳のファッションビジネスを志す女子や広告代理店を経営する男子が、インドのムンバイなどの、日本でも人気の大手ハイストリート・ブランドの服を生産している縫製工場を体験。サイトで短いダイジェスト動画が見られるので、ぜひ見てみて。

  イギリスでは、そんなマスコミの後押しもあって消費者意識が目に見えて上がって来たこともあり、TopShopもH&Mもフェアトレードやオーガニックコットンのラインを少ないながら出し始めています。TopShopはピープル・ツリーも扱っていますし。さらに激安のプライマーク(いずれ日本に来るかな?)も児童労働はないなどとアピールし始めています。これもBBCのドキュメンタリー番組に事実と違うと暴かれていましたが。

  私も、おしゃれをできれば安く楽しみたいけど、生産者がギリギリでしか暮らせないほど値切って買い付けた製品は欲しくないし、生産量を最大にするために農薬をかけまくった繊維にお金を払いたくありません。反対に、ほどほどな値段でおしゃれな洋服なら、喜んで買いたい! フェアトレードのブランドにはもっともっと増えてほしいし、既存のブランドにもフェアトレードに少しずつでも手を出してもらいたい。そのためには、私たち消費者が「選べるならフェアトレードのものを買いますよ」というサインを出していかないといけないのでしょう。キャサリン・ハムネットさんの言うように

  まずは既にフェアトレードのものがあるときはできるだけ選ぶ。好きなブランドがあるなら、お客様相談室やWebサイトの問い合わせに「フェアトレードはないの?」と聞くのは効果絶大のはず。自分のblogで話題にするのも、SNSの日記に書くのも効果はあります。

  いま私が探しているのはお財布です。以前取材した国分寺のフェアトレードのお店で買ったインド製のお財布がさすがにボロボロになってしまったので、次なるものを探しているのですが、なかなか気に入るものがなくて、我慢中です。いいものをご存知の方いらしたら、教えてください!


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青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
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