チベットはラサでの暴動が報道されています。バックパッカーを気取っていた10~20代を過ごし、スピリチュアルに少し傾倒したり、トム・ヨークなどフリーチベット派が多いブリティッシュ・ロック好きでここまで来ていることも関係あると思いますが、チベットと中国の関係については、それなりに気にしてきました。

自宅の本棚から引っ張り出したチベット本。とくに手前の『A Beginner's Guide to Changing the World: For Tibet, with Love (世界を変えるための基礎知識~チベットへ愛を込めて)』(Isabel Losada)は、ロンドン在住の女性ライターが、チベットの人々や文化に惚れこみ、チベットの主権復活のためにロンドンの中国大使館の前でデモをしたりする「活動家」入門記。すごくアツい女性で、面白いです!
緊密にウォッチしているわけではないので、あまり詳しいことは説明できませんが、チベットが中国によって1950年に侵攻され、その後占領されたことは歴史的事実です。ノーベル平和賞を受賞した有名な14世ダライ・ラマ法王は、その占領の過程でヒマラヤを越えてインドに亡命し、亡命政府を作っています。前後して、10万人以上のチベット人がインドなど世界に逃れたそうです。
その後も、宗教を禁じる中国政府は、独立を求める声を上げたチベット人はもちろん、チベット人が家や懐などにダライ・ラマ法王の写真を持っているのを発見すれば拷問をするなど、苛烈な統制を敷いているそうです。同時に、多数の漢人を入植させて、チベットの「中華化」を推し進めているとか。
最近ギョッとしたのは、ラサの有名なポタラ宮の前に広大な広場ができているらしいこと(2005年に完成したようです)。いかにも中華趣味な、だだっ広いコンクリートタイル?貼りらしき広場。その昔のポタラ宮の画像をPCの壁紙にして飽かず眺めていた者としては、四角四面で白く清潔な広場に眩暈がしそうでした。ポタラ宮を眺めるすべての観光客に、「ここは中国なんですよ~」と刷り込む、そんな狙いがあるのでは……というのは穿ちすぎでしょうか。
その後も西寧からチベットラサまで直通の鉄道が開通したりして、チベットの中国化は私がこの問題を知ってから20年弱の間にも着々と進んでいるんだろうと心を重くしていました。
そして今回の暴動。80人以上が亡くなったのか、10人ちょっとなのか、中国のメディアは厳格に報道規制されているので、真相はわかりません。もうしばらくすれば、現場を目撃した諸外国の観光客(ほとんどの人は警察に現場に向かうことを阻止されたようですが)の情報が出てくるだろうとは思いますが、天安門しかり、中国政府のこれまでの弾圧ぶりを考えると、とても心配です。ビルマもそうですが、多くの僧侶や市民が拷問などされていないといいのですが。
日本にいる私たちに、今日チベットのために何ができるというわけではないけれど、世界はチベットで起きていることに注目しているよ(どちら側にしても、下手なことはできないよ)という目線を意識的に送っておくことは有効だと思います。言わずもがな、今年は北京オリンピック。私たちの視線で、意識で、世界から苦しむ人がひとりでも減るように、目と気を配っていければと思います。