更新日:2007年8月26日



デトックスブームで人気の水だけど

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2007 8月26日

  今日更新のローマ発の記事「World News Cafe」でも紹介されていますが、「ミネラルウォーターを買うのをやめて、水道水を飲もう」という動きがじわじわと広がり始めているようです。

  7月上旬にN.Y.市長が「N.Y.の水は清潔で何の問題もなく飲める。環境に悪いボトル入りのミネラルウォーターをレストランで頼むのをやめましょう」と呼びかけたのに応えるように、ロンドン市も「レストランのメニューからボトル入り水を外そう」「水道水を頼むのは、ケチじゃない、環境を考えた知的でファッショナブルな行為」と市民に呼びかけをしました。

  ご存知の通り、欧米では一般的にレストランでテーブルについてもお冷やは出てきません。ロンドンも出てこないのですが、「tap water(水道水)をください」と言えばジャグ入りの水を持ってきてくれます。もちろんタダ。でも、なんとなく「ミネラルウォーターって言わないと、ケチっぽい?」「水道水だとおいしくないかも」と躊躇してしまう雰囲気があるのは確か。そこで、市政などがイニシアチブをとって、人々の意識を変えようということなのです。

  もっとも、このキャンペーンを待たずとも、ボトル入りミネラルウォーターの環境負荷を指摘する声は以前からずっと続いています。World News Cafeの記事で紹介されているように、まずはペットボトルの生産に石油が消費されます。重たい水をボトルに詰めて、掘削地から船やトラックで消費地まで運搬し、お店やコンビニではキンキンに冷やして……水というより石油やウランを飲んでいるようなものという指摘です。とくに海外からの水は、フードマイルならぬウォーターマイルが気になります。

  自分の生活を考えても、とくにデトックスブーム、モデルの誰それがミネラルウォーターの2リットルボトルを持ち歩いている……と言われ始めた頃から水を飲んだり持ち歩いたりのが常識のようにもなってきて(それ自体はいいことですが)、ペットボトル入りの水がますます身近になってきたような気がします。最近では、水がバッグに入っていないとちょっと不安になりさえします。機能を謳った水の宣伝も、はなやかですし。そういうスペシャルな水を飲むと、なにやらまるで体が浄化されるかのような、すがすがしい気分を味わえるし。


普段使っている水筒です。左はアウトドア用のプラスティックの水筒で、軽くて広口で洗いやすい。右はSIGGボトルのベビーサイズ。小さいので、大抵のバッグに忍ばせておくことが可。自宅でフィルターをかけた水を詰めて出かけます。

  でも、やっぱり環境のことを考えると、いつもミネラルウォーターを買っているわけにはいかないと思います。さらに言えば、ペットボトルの水はものすごく高いのです。東京でも水道水のざっと200~500倍の値段がついています。考えてみれば、ガソリンよりも高い液体ってことにもなる。

  というわけで、私はしばらく前から水筒人生です。冬場は温かいお茶を魔法瓶で持ち歩くことも多いのですが、最近はアウトドア用の水筒に、フィルターを通した水を詰めて出かけます。冷たい水が飲みたいナーと思うことも正直ありますが、アーユルヴェーダや漢方的には冷たい水は消化不良などを招いて体の中の毒素を増やすとか。コレが体にも地球にもいいんだワ、と納得しつつ、チビチビと飲んでいます。

●水筒のススメ(バックナンバー)
※わずか5年前に書いた記事ですが、読み直してみて、環境に対する社会の認識がだいぶ変わったなぁと我ながら感じます。


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イギリスで大ブーム、プチ農業

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2007 8月08日

  去年、ロンドンから少し郊外に引っ越したのをきっかけに、十年来の夢だったアロットメント(市民農園)を借りました。広さはざっと20坪くらい、年間15ポンド(約3500円)。それまで借りていた人があまり手を入れていなかったので雑草畑だったのを、1年かけてようやくそれらしい姿にまで持って来ました。


ジャガイモ、ズッキーニ、青シソ、ビーツ(赤カブ)、サヤインゲン、大豆などを育てています。完全オーガニックなので、雑草と虫との体力精神力消耗戦……といった趣の一年でした。さらに去年は30年ぶりの渇水、今年7月は記録を塗り替える大雨と、早くもお天道様に振り回されています。

  イギリスでは、2003年頃からこのアロットメントや庭・ベランダ菜園のブームがじわじわと始まり、いまやガーデニングと並んで一大国民的趣味の座を占めた感じです。北ロンドンではアロットメントの空き待ちが10年!という地区もあるとか。昨日テレビを見ていたら、例のセレブシェフのジェイミー・オリバーが野菜づくりに密着するテレビ番組もスタートしていました。


ジェイミー・オリバーの新番組「ジェイミー・アット・ホーム」。毎回1種類の野菜を取り上げ、育て方のコツから料理レシピまでを紹介する。


アロットメントに人気殺到、と伝えるタイムズの記事。このタイムズのほか、BBCも大きなアロットメントサイトを運営している。「野菜を作ろう!」といった専門誌も続々創刊。これまでもガーデニング大国ではあったけれど、それは花中心。それが去年初めて野菜の種の出荷数が花の種を上回ったとか。

  この「プチ農業ブーム」が突然沸き起こったのは、イギリスで起きた90年代半ばからのグルメブームで食の楽しみに人々が目覚めていたこと、オーガニック野菜人気が高まっていたこと、温暖化対策としてフードマイル(地産地消)を心がけようという意識の広まり……などなどいろいろな下地がうまいぐあいに「野菜づくり」でクロスしたから。とくに20~40代の女性やカップルがブームの先頭を切っているというのも納得。

  8月は夏の盛りですが、今年は7月の大雨と低温で季節が少し遅れたので、収穫が早い葉もの野菜や、霜が下りるまで大丈夫な豆類を大急ぎで育てています。その後は秋と冬に向けてダイコン、春キャベツ、ネギなどを蒔く予定。アロットメントを始めて、常に数ヶ月~半年先を見据えて暮らすようにもなってきました。

  いろいろ発見や驚きの多い土いじり生活、またレポートしたいと思います。

前の前に借りていた人が丹精していた、ブラックカラント(カシス)やレッドカラント、ラズベリーなどフルーツの低木を一緒に引き継ぎました。雑草だらけですが、こんなに鈴なり!


宝石みたいにきれいなレッドカラント。多すぎて去年は半分も収穫しきれず、それでもジャムを作ったら40瓶ほどになってしまった。じつはまだ去年のジャムが残っている……。アロットメントは食べきる闘いでもあります。

●Jamie at Home (Channel 4)

●Allotment Central (Times Online)


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青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
デトックスブームで人気の水だけど (8月26日)
イギリスで大ブーム、プチ農業 (8月08日)
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