更新日:2008年5月09日



アル・ゴア氏の話題の映画観てきました

カテゴリ:地球温暖化  2006年9月29日

   また、少々ご無沙汰してしまいました。楽しみにしてくださっていた方、ごめんなさい! 決してどこかに行ってしまっていたなどではなく、日々あくせくとcafeglobeのお仕事をしておりました。

   さて。今回は最近試写を観た映画についてご紹介します。

   『不都合な真実』。「アル・ゴアの映画」としてもう耳にしたことがある方もいるかと思います。アメリカで口コミが口コミを呼び、環境ドキュメンタリーとしては社会現象と言えるほどの動員数を記録したということで、イギリスでは公開前の夏からもう新聞やラジオで何度も話題になっていたので、これは早く観なければと思っていたのでした。

   果たして! すばらしかったです。ひとりでも多くの人に観てもらいたい。これは元アメリカ大統領候補アル・ゴア氏の地球温暖化に関するレクチャーと、彼の1000回を超えるという講演活動を追ったドキュメンタリー映画です。彼のレクチャー内容が大半なのですが、さすがよく練れていて、わかりやすい。



『不都合な真実』(2007年新春より TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー 配給:UIP映画)
火力発電所の煙突から出ている煙はもちろん、カトリーナ。アメリカでは昨年9月のカトリーナの一件は本当に大きなショックになっているらしい。映画の公開が新春に延期になってしまったのは残念だけれど、より多くの人の目に触れることになりそうなのは本当によかった!

   地球が、今どれだけ危機的なところまで来ているか、もう待ったなし、一刻の猶予もないところまで来ていることが、さまざまな例を引いて紹介されています。具体的には北極(グリーンランド)・南極の氷が溶けて海水面が上昇するという予測、世界の大都市の多くが水没し、億単位の人の移動が起きること、海流が止まり世界の気候が激変するほどの現象が10年程度のスパンで起こりえるところまで来ていること……その例のひとつひとつはこれまでにも言われてきている警告ですが、端的にわかりやすく、グラフィックも美しくまとまっていて、「伝わる力」に満ちています。



「このくらいの球があるとします。ここに木工用のニスを塗ったとします。そのニスの厚さが大気の厚さなんです。そんなにも薄い」とゴア氏。地球は人間にとっては簡単には想像できないほど大きいから、人間の活動で気候まで変わるとまでは想像しにくいのは確か。でも、地球はたしかにまぁまぁ大きいけれど、地球を覆う大気のボリュームはじつはかなり小さい。人間がガンガン石油を燃やせば、ニスの厚さくらいなら確かに大気の組成を変えてしまうことはありそうだと実感できる。(配給:UIP映画)

   もうひとつすばらしいのは、私たち市民が後押ししなければ、いかに政治が無力かがありありとわかる映画だということです。私は不勉強で知らなかったのですが、ゴア氏はなんと70年代から環境問題に対して積極的に取り組んできていたのだそうです。90年代始めか、環境保護の人類への不可欠さを訴えるゴア氏(まだ若くてスリム!)への反対陣営(父ブッシュなど)からの「環境保護を訴えるなんて、この男は人類の敵だ」といった発言なども、画面に登場します。そして彼は、あの2000年の大統領選でブッシュ現大統領に負けました。本当に負けたのか、おおいに疑問ですが、とにかく大統領にはなれなかったわけです。つい昨日、ブッシュ大統領が温暖化とハリケーンの関係を研究した報告書の発表を妨害したのではないかというニュースも流れていました。

   日本でも、まだ政治や行政が環境問題に対してイニシアチブをとっているというにはほど遠い状態です。少なくとも、こんなペースでやっていたのでは京都議定書すら守れないでしょう。日本版アル・ゴアや、政治を目指している人に力を与えるのは、政府に送り込むのは、私たちです。ぜひ映画を観てください。できればお友だちを誘って。そして見終わったら友だちに伝えてください。

●『不都合な真実』
2007年新春より TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー 配給:UIP映画

●その公式ブログ(上映予定など最新情報)

●地球温暖化に関する報告書、ブッシュ政権が発表を妨害?(CNN.co.jp)

●地球温暖化、今動き出せばまだ間に合う!(cafeglobeバックナンバー)


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2006年11月02日 15:31


危機を理解しても、その後どうするかを考えて行動しないと希望がなくなるだけです。日本の政府は地球温暖化対策に原発を国策として進めるとしていますが、これは冷静に考えれば、解決策にはなりません。地方でも取り組める、地域で取り組める、個人でも取り組める自然エネルギーこそがその解決のための最も大きな力です。ただ、この国の支援制度は環境に良いことを遣ったら損をするという制度です。ドイツなど欧州で進められている年度ごとに決まる固定価格での全量買い取り支援制度が望ましいでしょう。当方のHPではそうした情報を公開していますのでご覧ください。

投稿者 お日様大好き : 2006年10月04日 09:05

第19回 東京国際映画祭
『不都合な真実』<特別招待作品>の上映日が決定しました。

10/24(火) 於:TOHOシネマズ六本木ヒルズ
★前売券は9月30日(土)にチケットぴあにて発売いたします。

(http://futsugou.jp/blog/)
ですよね。

投稿者 worry : 2006年10月04日 09:40

不都合な真実をJALのニューヨーク便で観ました。内容が良かったので帰りの便でも観ました。私は外資のグローバル企業で働いているので、トップの人たちの上手いプレゼン技術にいつも感心するのですが、ゴアさんのスタイルと大体同じ。1000回以上講演された題目なので、非常にこなれており、スライドショーをそのまま映画にしても引きつけられます。なぜ2回も観たかというと、米国のリーダーによって地球の運命は全く違う道を歩んでいるのではないかと感じたこと。少なくともゴアが大統領になっていれば、温暖化に歯止めがかかり、イラクで米兵が死なずに済んだ。リーダーが地球観をもっているか、短期の産業の利益を追うのかの違いに目を向ければ、あの時点でリーダーが誰になっているべきだったかは明らかなように思いながら、ニューヨークからの帰路についたのです。

投稿者 yoshiya : 2006年10月08日 12:42

アメリカで封切りされたときに見ました。これでゴア氏が好きになったという知人がちらほら
(笑)、というほど彼のレクチャーは素晴らしかったし、環境保護に対する真摯な姿勢に尊敬の念を覚えます。日本でも公開されることになって本当に嬉しいです。たくさんの人に見て欲しい!

投稿者 miki : 2006年10月11日 07:51

NHKスペシャルの天候大異変を見て以来、環境問題に興味を持ち、その後新聞や雑誌、シンポジウムへの参加等で情報収集をするようになりました。不都合な真実も上映前から楽しみにしていました。基礎的な部分を良くまとめた映画に仕上がっています。(天候大異変も入手出来るようなら是非見てみてください。日本がどの様に温暖化から影響を受けるかも見て取れます。)徐々に政府からのファンドも増えてきましたがまだまだ足りない状況です。アメリカの個人投資家がエタノールや再生可能エネルギーへの投資を増やし市場が変化していっていますが、是非政府のバックアップが欲しい所です。日本では公明党のリーダの発言が(この件に関しては)上手く浸透すればいいと思っています。(それにしてもアメリカ人の環境問題に対する認識の無さは眼に余るものがあります。対してヨーロッパは個人レベルでの認識が高いですね。)日本の代替エネルギーのレベルは世界でも先端を行っています。この調子で新しい技術をより高めて市場に反映して欲しいものです。

投稿者 ポン酢好き : 2006年10月14日 04:23

共和党の多いワシントンDCで見ましたが、白髪の老人+ヒッピー風スタイルの観客が多く、京都議定書には批准しなかったブッシュのお膝元なのだということを確認してガックリ。でも、希望もあります。同じ共和党でもシュワチャンが知事のカリフォルニア州は、全米に先駆けて温暖化ガス削減法を成立させてるし、先日も連邦議員がエネルギー業界団体向けに、今後温暖化ガス削減法案の審議は避けられなくなるので、心の準備をしておくようにと言い渡したとか。ただ、やっぱり「このままでは危ない」だけでは物事は進み難いので、格付け会社や機関投資家が「環境保護」を重要要因に取上げたり、環境保護がビジネスに結びつくなど経済的メリットも必要じゃないかなーと思いました。日本は省エネ技術では世界の先端をいってるようなので、是非頑張って欲しい。

投稿者 sjoyce : 2006年10月19日 03:37

惑星の定義で話題になった2006年8月の
国際天文学連合総会(プラハにて)。

その会場で配布されていた総会の新聞がWeb上でも公開されています。
8号紙面http://astro.cas.cz/nuncius/nsiii_08.pdf
には、
イギリスの天文学者マーティン・リース卿の
「21世紀は、主要な危険が自然からでなく、人類から生ずる初めての世紀になるだろう」
という予測への言及があります。


(とくに、若いひとたちに)
今後の科学・技術の動向や地球環境に対し
大いに関心をもってほしい、ということから
科学的な知見をベースに近未来のSF小説
を書いてみました。
http://lv1uni.cool.ne.jp/tuki/moonletter.html

「参考文献」 もなにかのお役にたつのでは、と思います。

その後、アル・ゴア氏のこの映画のことを知り、
国内で見ることができるのを、ずっと
楽しみにしておりました。

投稿者 やまだ : 2006年10月25日 23:11

青木さん、はじめまして。
『不都合な真実』をわかりやすく紹介してくださってありがとうございました。この映画を私のブログで紹介するにあたり、青木さんの記事をトラックバックさせていただきました。また、サイトを参照させていただいた旨、書かせていただきました。事後承諾になって申し訳ございません。もし不都合がありましたら、お手数ですがご連絡いただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 あかね : 2006年11月02日 15:27

JALの機内で見ました。
地球温暖化問題を事実に照らして体系的に解説されていました。
自分(40歳)は何とか逃れられても、かわいい子ども(1歳半)が、将来温暖化がもたらす災いに巻き込まれる可能性がかなりあることを認識させられました。
自分が日々の生活のなかでできる温暖化対策を実行すると同時に、この映画を一人でも多くの人に見てもらうよう薦めることも自分にできる温暖化対策と考えています。
ゴア氏があれほどすばらしい人物とはしりませんでした。ブッシュが大統領になったのは人類にとって本当に不幸な出来事です。

投稿者 NAKAI : 2006年11月05日 22:56

青木さま、初めまして。お邪魔します。

日本では昨日から封切りでしたので、今日早速、
京都市内のシネマで見てきました。とてもわかり
やすい英語で、具体的かつ明快な説明とデータで、説得力のあるドキュメンタリーでした。

上記のコメントと重複しますが、アル・ゴア氏
が大統領になっていたら、かなり世界情勢も
変わっていただろうと改めて思いました。

さしあたっての鍵は、アメリカと中国の一般人口の意識改革かと思われますが、我々も自分でできる心掛けを一つ一つ着実に実行していきたいと願わされました。あの映像を常に思い浮かべつつ、
励みたいと思います。

投稿者 ユーリ : 2007年01月21日 21:31

最近アメリカでは、アル・ゴア所有の20数件の家の光熱費代が一年で何千マン円にも上るとか。。温暖化防止で活動しているのは、いいけれど偽善じゃないか!ってたたかれてますね。映画も良かったし、彼の地道な活動にも感激しましたが、人間自分の都合のいいように結局は、いきてるもんんだな。ってがっかりしました。身近なところからって言ってるけど、全然自分できてないやん!って
。。

投稿者 sakura : 2007年03月18日 23:23

sakuraさま
コメントありがとうございます。
光熱費が何千万円に上っているのかどうか、その金額・真偽は私は何も存じませんが、こういった話には私は注意が必要だと思っています。とくに環境保護・人権などのトピックに対して活動する人に対してよくある、典型的なあげ足取りの可能性があるからです。

「お前だって飛行機に乗っているだろう」
「とかいって自分だって○○をしているくせに」
という批判が多いですよね。

でも、私は仙人か聖者のように清貧きわまる生活をしている人しか環境に対して声高に活動してはいけないとは思いません。そうしたらほとんど誰も活動できなくなってしまいます。

さらに懸念されるのは、声を上げた人が批判されているのを見た周りの人が、「ああ、声を上げるとああやって叩かれるんだな」と萎縮してしまって自分から周りに働きかけることを躊躇してしまうことです。

ゴア氏が本当に数千万円の光熱費に相当するエネルギーを浪費しているなら……たとえば誰も泳がないプールを一年中濾過して暖めていたりするならたしかにガッカリではあります。でも本当かどうかしっかりした確証がない限り、噂として広めるのは上記後者の視点から、あまりよろしくないと思います。

また、浪費や贅沢・無駄という判断基準も相対的です。北アメリカの標準的な暖房冷房のかけ方は日本から見れば「浪費」だし、日本の標準的な暮らしぶりも、たとえばアフリカの人から見ればものすごい浪費でしょう。そんな日本人が環境保護を呼びかけるのは「偽善」でしょうか。たしかにある意味偽善です。

でも、環境問題の深刻さ・危急さを考えれば、いまは何よりもそれぞれの個人がまず自分の責任を考え、自分にとってすぐにできることから始めるしかないのだと思います。比較の中で「あいつはやっていない」と思う前に(たしかに思いがちですが!)、ポジティブに、自分が動くことが大切だと思っています。

投稿者 アオキ : 2007年03月24日 16:51




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青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
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illustration / Nakagawa Isami

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