また、少々ご無沙汰してしまいました。楽しみにしてくださっていた方、ごめんなさい! 決してどこかに行ってしまっていたなどではなく、日々あくせくとcafeglobeのお仕事をしておりました。
さて。今回は最近試写を観た映画についてご紹介します。
『不都合な真実』。「アル・ゴアの映画」としてもう耳にしたことがある方もいるかと思います。アメリカで口コミが口コミを呼び、環境ドキュメンタリーとしては社会現象と言えるほどの動員数を記録したということで、イギリスでは公開前の夏からもう新聞やラジオで何度も話題になっていたので、これは早く観なければと思っていたのでした。
果たして! すばらしかったです。ひとりでも多くの人に観てもらいたい。これは元アメリカ大統領候補アル・ゴア氏の地球温暖化に関するレクチャーと、彼の1000回を超えるという講演活動を追ったドキュメンタリー映画です。彼のレクチャー内容が大半なのですが、さすがよく練れていて、わかりやすい。

『不都合な真実』(2007年新春より TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー 配給:UIP映画)
火力発電所の煙突から出ている煙はもちろん、カトリーナ。アメリカでは昨年9月のカトリーナの一件は本当に大きなショックになっているらしい。映画の公開が新春に延期になってしまったのは残念だけれど、より多くの人の目に触れることになりそうなのは本当によかった!
地球が、今どれだけ危機的なところまで来ているか、もう待ったなし、一刻の猶予もないところまで来ていることが、さまざまな例を引いて紹介されています。具体的には北極(グリーンランド)・南極の氷が溶けて海水面が上昇するという予測、世界の大都市の多くが水没し、億単位の人の移動が起きること、海流が止まり世界の気候が激変するほどの現象が10年程度のスパンで起こりえるところまで来ていること……その例のひとつひとつはこれまでにも言われてきている警告ですが、端的にわかりやすく、グラフィックも美しくまとまっていて、「伝わる力」に満ちています。

「このくらいの球があるとします。ここに木工用のニスを塗ったとします。そのニスの厚さが大気の厚さなんです。そんなにも薄い」とゴア氏。地球は人間にとっては簡単には想像できないほど大きいから、人間の活動で気候まで変わるとまでは想像しにくいのは確か。でも、地球はたしかにまぁまぁ大きいけれど、地球を覆う大気のボリュームはじつはかなり小さい。人間がガンガン石油を燃やせば、ニスの厚さくらいなら確かに大気の組成を変えてしまうことはありそうだと実感できる。(配給:UIP映画)
もうひとつすばらしいのは、私たち市民が後押ししなければ、いかに政治が無力かがありありとわかる映画だということです。私は不勉強で知らなかったのですが、ゴア氏はなんと70年代から環境問題に対して積極的に取り組んできていたのだそうです。90年代始めか、環境保護の人類への不可欠さを訴えるゴア氏(まだ若くてスリム!)への反対陣営(父ブッシュなど)からの「環境保護を訴えるなんて、この男は人類の敵だ」といった発言なども、画面に登場します。そして彼は、あの2000年の大統領選でブッシュ現大統領に負けました。本当に負けたのか、おおいに疑問ですが、とにかく大統領にはなれなかったわけです。つい昨日、ブッシュ大統領が温暖化とハリケーンの関係を研究した報告書の発表を妨害したのではないかというニュースも流れていました。
日本でも、まだ政治や行政が環境問題に対してイニシアチブをとっているというにはほど遠い状態です。少なくとも、こんなペースでやっていたのでは京都議定書すら守れないでしょう。日本版アル・ゴアや、政治を目指している人に力を与えるのは、政府に送り込むのは、私たちです。ぜひ映画を観てください。できればお友だちを誘って。そして見終わったら友だちに伝えてください。
●『不都合な真実』
2007年新春より TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー 配給:UIP映画
●その公式ブログ(上映予定など最新情報)
●地球温暖化に関する報告書、ブッシュ政権が発表を妨害?(CNN.co.jp)
●地球温暖化、今動き出せばまだ間に合う!(cafeglobeバックナンバー)