更新日:2006年1月26日



ニョロニョロたちとの暮らし

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2006 1月26日

   去年の初夏、チェルシー・フラワー・ショウをレポートした回に謎の予告をしたままになっていた「ニョロニョロ」たちを今回はご紹介します。

   それはearthworm、つまりミミズたち。ミミズを飼って、キッチンから出る生ゴミなどを食べさせ、ミミズが作る栄養たっぷりの土をいただこうというわけです。ギョッとする方も多いかもしれませんが、環境意識やスローライフ意識の高まりからけっこうなスピードで世界各国で広まっているようで、日本でも「ミミズコンポスト」というキーワードで検索をかけるとたくさんのサイトがヒットしてきます。


イギリスのwiggly wigglers(ニョロニョロ)という会社から購入した「Can-O-Worms」というオーストラリア製のミミズコンポスト容器。底が網目になったトレー3段構造になっていて、ミミズが食べ進むと下のトレーから土を「収穫」するという仕組み。大きさは普通のゴミ箱くらい。

   詳しいことはそういった専門サイトをご参照いただくとして、チェルシーで見つけた使いやすそうなミミズコンポストのキットをその日に注文、7月早々からミミズたちとの生活がスタートしたというわけです。


レンガ状に圧縮された、椰子の実の殻を砕いたもの。これを水でふやかしてモロモロの土状にしたものが、ミミズたちの最初のベッドとなる。


白い袋に、ミミズが500g(ざっと1000匹だとか)入っている。他の袋は、容器内のpHを整えるための餌や(ミミズは酸性の土が嫌い)、万一ミミズが元気なくなってしまったときのための餌(worm treat、ミミズの好物という名前がかわいい)。これらのものが全部セットで60ポンド(約1万2000円)。決して安くはない……。

   容器をセットしたら、袋に入って届いたミミズたちを放ちます。ダンゴムシやコオロギを集めて歩いた少女時代ははるか遠く、ちょっとおっかなびっくりで袋を開け、ご対面。「なになになになに?」という感じで頭(尻尾か?)を伸ばして周りを伺うミミズたちは赤くてツヤツヤしていて意外ときれい。虫っぽい匂いもほとんどない。これなら触れるかもと安心して、容器にもぐりこむミミズたちを見送りました。


ミミズたちを椰子殻ベッドに放ったところ。ミミズたちは「わーわーわー」と慌てた様子。


そのわずか数分後。付属のマニュアルにあった通り、光が嫌いなミミズたちはけっこうなスピードで潜っていき、あっという間に一匹も姿が見えなくなってしまった。


野菜くずやティーバッグ、紙切れや毛糸などをさっそく入れたところ。ミミズが食べられるのは、基本的には植物と紙パルプや動物の毛など。肉や魚や炭水化物は苦手だそうです。言うまでもなくプラスティックや化学繊維はだめ。

   その日から生ゴミを入れはじめ、早半年少々。ベビーミミズたちも増え、我ながらなかなか順調に進んでいます。先日いちばん下の古いトレーを覗いたところ、野菜ゴミの姿はほぼ消え、真っ黒な土がたっぷりとたまっていました。土とはいってもじつはミミズのフンなわけですが、これまた匂いもなし、まさに土です。もうすぐ「初収穫」を迎えられそうです。

   マニュアルや専門サイトなどでは、ミミズは条件がよければ毎日体重の半分くらいのゴミを食べるとあります。が、暑すぎたり寒すぎたりするとペースは落ちるので、ふたり暮らしで自炊が多いとこのゴミ箱程度のコンポストで処理できるのは出る生ゴミの半分~2/3程度といったところです。私は猫の額の庭の片隅を掘ってそこにも生ゴミを埋めていますが、スペースさえあればミミズコンポストが2器欲しいところです。

   あと1ヶ月少々もすれば、今は毎日厚い雲の向こうに隠れている太陽もだいぶ戻ってきて、種まきシーズンのスタートです。ミミズコンポストの土はふかふかで栄養分たっぷりなので、種まきには最高なのだとか。今年もプチトマト、そらまめ、唐辛子などなど、植えてみるつもりです。


去年、厚くむいたジャガイモの皮をゴミのつもりで庭に埋めておいたら、先日掘り返したところ思いもかけずジャガイモが収穫できてしまいました。芽が出てしまったタマネギもためしに埋めておいたら、これも第二世代が。野菜の生命力って強い! となんだかいとおしい気持ちに。でも食べちゃいましたが。

●Wiggly Wigglersのサイト(英語)>


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ロンドン、オーガニック食材宅配事情

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2006 1月18日

   東京でリビングフードな生活を続けている山祥ショウコさんの連載にも感化されて、週1回、オーガニック食材の宅配を取りはじめました。東京以上にオーガニック食材がブームのロンドン、似たようなオーガニック宅配は何社もある中選んでみたのは「ABEL & COLE」という会社。

   できる限りフードマイルを減らす努力をしていること(地産池消)、イギリス国外から食材を仕入れる際は航空便でなく船便を使っていること、包装を少なくしていること、生産者から公正な値段で買い付けること、植物の育て方や動物の飼育法・漁法までチェックをしていること……など、かなり熱心に語っているここを選んでみました。ネットで注文を簡単に変更・キャンセルできること、嫌いな食材を入れないでもらえるなど、細かいカスタマーサービスもいい感じです。


今週届いた基本的な旬の野菜のセット「Essential Organic Veg Box」。手にするとしっとり、しっかりした肌触りで、新鮮なことがわかります。マッシュルームが紙袋に入っているほかは個別の包装もなし。LPGのトラックで、わがエリア担当のライアンが届けてくれます。

   イギリスでとっても嫌なことのひとつに、TESCO、ASDA、Sainsbury'sなどわずか数社の巨大スーパーが絶好調で、地元の小さな商店などがほぼ壊滅的に痛めつけられていることが挙げられます。巨大なシェアから来るそのバイイングパワーは凄まじいそうで、農家など生産者は買い叩かれて、値下げ要求に応えるべく、いかに低コストで生産するかに汲々としているのだとか。まさに以前Espressoのひとことでもご紹介した映画「The Matrix」のパロディ「Meatrix」状態がますます広がっているのでしょう。

   というわけで、そんな流れに少しでも掉さそう、逆方向へのパワーを生み出そうとしているABEL&COLEのような試みに我われもささやかながら参加しようというわけなのです。まだ2週目なのであまりエラソーなことは言えませんが、先週は気合が入っていたこともあり、全て食べ切り成功! 野菜と豆たっぷりのスープやオイルをからめた野菜をオーブンで焼くローステッド・ベジタブルにすると根菜類を大量に食べられるので、今週もそれかな……。あとはブロッコリーのキッシュ(これは「バスクの砂糖壷」のマテスク里佐さんのレシピを参考にする予定)に、オニオングラタンスープに……いかに食べきるか、マンネリを回避して新しいメニューに挑戦するか、ゲーム感覚で挑戦心がくすぐられます。


今週入っていたのは、ミックス豆もやし、ブロッコリー、ニンジン、セロリ、マッシュルーム、赤キャベツ、スイード(巨大カブのような野菜)、タマネギ、以上で11ポンド(約2200円)。スーパーのオーガニック野菜より確実に安いのもグー。野菜自体もとてもおいしいので、今のところ大満足。

   これでスーパーに行く回数もだいぶ減らせそうだし、いやおうなく旬の野菜をたっぷり食べることになるし、当分なりゆきが楽しみです。

●ABEL & COLEのサイト(英語)>

●Meatrixのサイト(英語)>
この春には「The Meatrix Revolting(訳:ミートリックス・ゲロゲローッ)」が登場予定とのことなので楽しみ(言うまでもなく、これもThe Matrix Reloadedのパロディ)。
※Meatrixの日本語訳スクリプトはこちら>

●山祥ショウコさんの「おいしいリビングフード・ダイエット」、宅配野菜の回>
あれで1500円なんて、日本は野菜が安くていいな。帰ったらいっぱい食べるぞ。

●マテスク里佐さんの「バスクの砂糖壷」、野菜キッシュの回>
生クリームを買いに行かなければ。


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ロンドンのクリスマス&年越し

カテゴリ:ロンドン  2006 1月06日

   あけましておめでとうございます。今年もご贔屓のほど、どうぞよろしくお願いいたします!

   クリスマス&年末年始は今年もロンドンで過ごしました。ふだんはそれほどは宗教色が強くない英国ですが、25日のクリスマスは多くの英国人にとっては多かれ少なかれ神聖な気持ちになる日。そして日本のお正月のように、家族が集まる楽しい休暇の日。

   日本ではクリスマスは恋人たちのためのロマンティックな日と化していますが、とくに恋を語る日ではありません。街をきれいに彩るイルミネーションを見る人々の心にこみ上げるのはラブではなく、「♪もぅ~い~くつ寝~る~とぉ~♪」まさしく誰もが童心にかえるウキウキ、そんな感じです。


とはいっても現実は、24日のイブは日本の忘年会を集めたような大飲み会の日だし、25日に二日酔いの頭で親戚一同が集まればイザコザもつきもの。自虐的な物言いが大好きな英国人は、「家族のケンカと、二日酔いと、食べすぎと、つまらないクリスマス特番(テレビ)が揃ってこそ正統クリスマス」と口を揃えて言い切ります。それもまた一興というところなのでしょう。

   若いカップルの場合、今年はどちらの親の家でクリスマスのご馳走を食べるかが頭の痛い問題で、訪ねなかったほうの親がスネないように、25日と26日でハシゴをする人たちが多かったりします。さらに親が離婚して再婚していたりすると、訪ねるべき家が3軒にも4軒にもなり、かなり疲労しているのを見かけたり。

   幸い(?)私たちは今年は誰も訪ねなくていいことになったので、イブの夜はセントポール寺院の深夜ミサに行ってみることにしました。観光名所なので行ったことのある方も多いと思いますが、あの丸いドームの下の広い教会は人でビッシリ。かろうじて席を見つけ、式次第に従って立ったり座ったり歌ったり。人数が多いので聖体拝領に時間がかかり、終わったのは翌25日の午前2時前。少々厳かな気持ちで家に向かったのでした。


週20時間、クリスマス直前は毎日7時間の猛特訓を積んでいるという聖歌隊、とくに少年たちの歌声には心底聞きほれました。石造りのドームに響いて、本当に天から降ってくる天使の歌声のよう。

   クリスマスが神聖な一方、元旦は普通の祝日。それをあてこんでか、31日の大晦日の夜は友だち同士でのパーティで楽しむのが定番です。今年は義理の弟のバンド仲間のホームパーティに参加。クリスプス(ポテトチップスのこと)やチーズとクラッカーをつまみつつ、ワインやビールを飲みながら、カウントダウンを待ちます。テレビ中継でテムズ河そば、きれいにライトアップされた大観覧車「ロンドンアイ」脇で花火が上がるのを見て、私たちもクラッカーを鳴らして「ハピニューイヤー!」と言い合って周り中の人とキスをします。これも定番。



(写真上)テムズ河畔で行われている年越しイベントの生中継に注目して……(下)カウントダウンとともにクラッカー! この次の瞬間、抱きつきあい、頬っぺたにチュッチュッとキスしあいの大騒ぎに。ちなみに、蛍の光(じつはスコットランド民謡)は歌いません。日本人のように、「ゆく年」への感傷も全然なし。

   上の写真にもひとり白髪の男性が写っていますが、こちらで友だちのパーティに行くと、よく誰かのお父さんとかお母さんとかが来ています。最初は「若い人のパーティに親が来るなんて! へぇ!」とも思ったのですが、じつはけっこう普通のことのよう。友人曰く、昔はイギリスも世代間の壁が厚かったのだけど、ヒッピームーブメントやロックやパンクを経験した世代(我々の親世代)から、あまり年齢や体裁にとらわれない自由な考え方をする人が増えて、子どもの友だちとも遊ぶ親が増えているんじゃないかとのこと。いいなぁ、私もそういうオバサンになろう。こぐれひでこさんがカッコいいのも、ひとつにはこの自由さがあるからなのでしょうね。


いい感じに酔っ払ってきたら、自宅DVDカラオケで。

   ちょうど同じ今日、年越しの様子をアップされている「バスクの砂糖壷」のマテスク里佐さんとメールでやりとりしていたのですが、フランスとイギリスという、狭いドーバー海峡を挟んだ2国でも、年越しパーティの雰囲気はだいぶ違うようです。やっぱりフランスはどこかエレガントでおいしいものを食べていそう。こちら英国は、やっぱりパンクでロックなんですね……。


これはおまけ。ロンドン名物の丸い二階建てバス(車種名はルートマスター)が2005年12月で街から姿を消しました。ドアがなくていつでも乗り降り自由、車掌さんが紐を引っ張って「チンチン♪」とやっていたあのバスがいなくなって、なんだかロンドンの街角から火が消えたような。大げさじゃなくてそんな気がしています。


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青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
ニョロニョロたちとの暮らし (1月26日)
ロンドン、オーガニック食材宅配事情 (1月18日)
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