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マッハ文朱が全日本女子プロレスで活躍していた頃に物心ついた私は、やはりマッハとか音速とか、そういうフューチャリスティック(当時)な言葉に意味もなくロマンを感じてしまう世代です。とくに2003年にコンコルドが引退したとき、ヒースロー空港で見かけたその姿にはぐっと胸を熱くしてしまったものでした。
で、そのコンコルドがロンドン郊外の乗り物博物館で公開になったので、先日いそいそと出かけてきました。

<写真左>コンコルドは濃霧の中で老いた羽を休めていました……なーんて感傷的すぎですかね、えへ。でもなんかコンコルドって、センチメンタルじゃないですか? 切ない存在というか。ちなみに、着陸の時にくちばしが曲がる有名な仕草は、空気抵抗うんぬんというわけではなく、単にパイロットの視界確保のためなんだとか。<右>音速の2倍、マッハ2で飛ぶと、空気摩擦で機体は90度を超える。「どれどれ」と見学用に露出されたアルミニウム合金の外板をさわるおじいさん。その熱膨張で機体は15cmくらい長くなるのだそうだ。「ちゃんとカーペットも伸び縮み対応だったんですよ」と案内係のおじさま。
熱烈なコンコルドエンスーと思われる案内係の方から聞かされたのは、やっぱり2000年のシャルル・ド・ゴールでの事故と、引退に至った経緯。ご存じの通り、コンコルドはブリティッシュ・エアウェイズとエアフランスが使っていました。で、BAのほうは事故まではじつは採算がとれていたんだそうです。なので、燃料タンクを改良した後はまた順調に営業する予定だった……ところに例の2001年9月11日の事件があり、採算がとれていなかったAFがコンコルド撤退を表明。メンテナンス費用などを1社ではまかないきれないと判断したBAも仕方なく撤退することにしたのだそうです。
そんなトリビアを聞いた後は、シートに座ってビデオ鑑賞。離陸から音速を超え、マッハ2に達するまでのバーチャル体験です。音速の壁を超えるときにはどんな衝撃波が?と思っていたけれど、じつは全然静かで気づかないものだったらしいとか、あのゆっくりとエレガントな着陸姿は、スペースシャトルも真似した三角の羽が稼ぎ出す大きな揚力のおかげとか、いろいろなことを学びました。

<写真左>なんと、JALも一時はコンコルドを購入する予定だったのだとか。その営業用に作られた、鶴マーク付きの模型。<中>1974年に発表された、この機の就航についてのプレスリリースについてたロゴ。かっこいい。<右>この博物館(Brooklands Museum)はモータースポーツと航空機の博物館。セナ時代のマクラーレンホンダがあったり、ブワッと垂直に浮き上がるので有名な戦闘機ハリアーの初期型モデルにはなんと乗り込むこともできるのです。ちゃんと小柄な人でもペダルに足が届く、親切設計でした。
燃料効率が悪くて環境にはなはだ悪く、空港のそばの住人には爆音が迷惑で、ビジネスにもなりにくいとなれば、つかのまの夢はおしまい、引退は当然のなりゆき……というのはどんなにわかっていても、帰り際にはやっぱりバイバーイ、おつかれさまと手を振りたくなるコンコルドでありました。(ファウンダー・アオキ)
●Brooklands Museum
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