更新日:2009年2月24日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

バスク式のお祝いケータリング料理



   バイヨンヌの町のど真中に、ゴシック建築のサント・マリー大聖堂がそびえ立っています。ここでわが子の洗礼式を行いました。

   式は結婚式の際にお世話になった神父様にお願いしました。あのときの経験上、覚悟はしていたのですが……事前準備の入念さは結婚式以上! わが家に神父様をお迎えしてのミーティングは計3回。子どもの洗礼を迎えるほかの両親たちとの懇談会なんていうのもありました。


洗礼式の引き菓子といえば「ドラジェ」が定番なのですが、私は自分らしく焼き菓子ボックスに。これを参列者の方々にお配りしました。双子にかこつけて、真中にハートを2つ。

   式の準備と平行して、これまた気合入れて行ったのが、お料理の手配です。式のあと、皆さんと我が家で食事会を行いました。このために費やした時間と労力も相当なもの!

   料理は迷うことなく、ミウラ氏(「バスクのアドレス帳」でもご紹介している「Francois Miura」)にケータリングサービスをお願いしました。妊娠中も彼のお店には頻繁に通っていたのですが、出産の際は出産祝いまでいただき、料理のみならずその優しいお人柄にも感激したのです。

   果たして、当日ミウラさんが用意してくださった料理は「素晴らしい!」の一言。私はオーブンでの温めなおし作業におおわらわだったため、写真を撮るヒマがなかったのが残念な限りです。バスクの海の幸、山の幸をふんだんに取り入れた創作小料理の数々は、ゲストたちからも大好評でした。


イベリコ生ハムとクリームチーズのトースト、フォアグラのナヴェット、仔牛の胸腺肉のエクレア、ヤリイカのファルシー、ホタテとズッキーニの串焼き、ラングスティーヌ海老の塩焼き……etc. 冷菜6品、温菜9品(しかも、これはあくまでも前菜、この後メインのお肉料理もあった)! あまりに素晴らしい料理の数々だったので、記念にリストを料理ノートにスクラップしておきました。

   お味もバスク的なら、量もバスク的な太っ腹ぶりでした(そして、お値段のリーズナブルさもハンパない、ということを付け加えておきましょう)。運ばれてきた料理の凄まじい量に、「人数、間違ってる?」と疑ってしまったほど。でも、デザートのガトー・オ・ショコラの数を数えてみると、確かに人数分だった……。

   またのイベントの際には、ミウラさんのお世話になりたい……と言うか、ミウラさんのケータリング料理を楽しみたいがために、催しを企画したい気分です。

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バスクならでは! レアールのお正月風景



   あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします(毎週火曜更新です)!

   という新年のご挨拶を、2008年末某日にいそいそ入稿中です。前回の記事に「日本帰国が頓挫してガックリ」と書いてた矢先、大学時代の仲良しが急遽こちらに遊びに来てくれることに。なんだか楽しいお正月を迎えられそうです。

   「欲しいものリクエスト、考えておいてね!」というお言葉に甘え、お正月アイテム(大好きな黒豆とか、乾燥三つ葉とか)も運んできてもらうことにしました。バスクの鴨でおいしいお雑煮をこさえて、ニワカお正月気分に浸ろうと思います。

   さて、掲載フォトは昨年の元旦に撮影したもの。バイヨンヌのレ・アール(場内市場)のお正月風景です。ちょっとした体育館サイズの建物がご覧のように人でぎっしり。一度入ったら身動き取れない状態です。

   視覚的には上野アメ横の人出風景みたい……? でも、聴覚的にはまるで立派なコンサート会場! 建物の中には、素晴らしい歌声(バスクの男性は美声の持ち主多し!)が響き渡っているのでした。


熱気ムンムンです。よく見ると、レアールの建物って合唱ホールにぴったりな造りなのですね。

   市民がこうして集結し、バスクの歌を合唱してるのです。響き渡る歌声は場内に留まらず、街全体に流れている……。すると歌声に導かれるかのようにさらに人が集まり、歌の輪に参加し、歌声はどんどん大きくなっていくという仕組み。入場すると、「さあさ、ご一緒に」とばかりに誰からともなく歌詞カードが回ってきます。

   昨年はじめて出くわしたこの光景(バイヨンヌに住んでいながら、お正月はパリか日本帰国が恒例だったので)、には心底驚きました。


合唱中も商店は普通に営業してるのが面白い。でもまさかこの素晴らしい歌声の中、「生ハム200gくださーい」なんて注文する愚か者(?)はいません。

   元旦の朝、市場に人々が集結して歌を歌うなんてすごすぎる! まだまだ世の中捨てたもんじゃないね。バスクに来るとそんな風に思えるよね。昨年一緒に元旦を迎えた友人がポツリとつぶやいているのを聞いて、ウンウンと頷いてました。

   今年も(正しくは「来年も」)、レアールにコンサートを聞きに行こう。こんなシーンを見せたら、友人の「ガイコクでお正月」気分もきっと盛り上がるハズ。そして、英気を養って日本に帰国してもらえるかも、なんて思います。

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素敵な年末年始を迎えるために



   今年最後の投稿です。おかげさまで今年も当ブログを継続することができました! 読んでくださってる方、コメントをお寄せくださる方々へ。今年1年間どうもありがとうございました。

   そして担当シロイシさんはじめcafeglobeの皆さまへ。大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

   今年も日本の雑誌で何度かバスク特集が組まれたようですね。家族や友人が必ず送ってくれるので、我が家にはいつのまにか特集記事がたまってました。なにせ小さな世界なので、顔見知りの人、馴染みのお店が紙面に登場してることがしばしば。読んでて最高に楽しいです。

   ただ住人の立場から率直に言わせていただくと、日本の雑誌特有のイメージづくりに妙な違和感を感じることもあり(写真や構成の成せる技?)バスクって、もっと“泥クサい”のですが……(この表現は、訪バスク歴10回の我が母の名言)!


バスクでいちばん好きな街はやっぱりサンセバ! 今年は泊りがけステイが恒例に。今まではひたすら“食”のためでしたが、今は“子ども服屋さんのハシゴ”がもっぱらの楽しみ。

   さて、年末年始の予定。クリスマスを終えたらスタコラ日本帰国、と意気込んでいたのですが、夫の都合でキャンセルとなりガックリきました。双子連れとなると、大人1人では物理的にどうしようもないのがツラいところです。

   「ひとりでも何とかならないものか」と、抱っこ紐ダブル使い(おんぶ&抱っこ)の練習をしてみたりもしましたが……絶対にムリ! そんな私を見てすまなく思ったのか、夫が年末にホテル滞在プランを計画しました。普段の彼なら嫌悪しそうな、派手なシャトーホテルのスイートルームです。

   よし、お城ホテルにこもって日本気分に浸ってみよう! 本や雑誌、それにミカンを持ち込んで、ダラダラ過ごそう。それにこういうホテルだったらNHK衛星放送が入るかもしれないし……。なんてことをつらつら考えているところです。


三日月とメリーゴーランド。

   皆様よいお年を! 来年もどうぞよろしくお願いします。

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ベビーカー用お散歩コース



   現在、私が励んでいるのが“お散歩コースの開拓”です。いまや大切な日課である、娘たちとのお出かけ。いかに快適にいかに楽しく過ごせるか。日々是探求中といったところです。

   何を隠そう、妊娠中に双子育児本を予習しながらいちばん億劫に思えたのが、“お散歩業”でした。玄関から車までの移動、車の乗り降り、双子ベビーカーの上げ下ろしや組み立て……etc。「めんどくさそー!」と思っていたのが本音です。


真冬でもできるだけ外気に触れさせたい。「寒い日は頭の防寒も忘れずに」という小児科医のアドバイスで、ニット帽をかぶらせた日。

   いざ育児が始まってみると、こんな軟弱な考えは消滅。確かに、着々と体重を増していく双子を抱えての移動は体力勝負だし、面倒な点も多々あります。

   でも、そんな苦労をカバーして余りあるほどお散歩の効用は素晴らしい! 散歩の影響がこんなにすごいとは、正直驚きでした。太陽の光、森林浴、川や海の音、もちろん町の騒音や人の声も、赤ちゃんの精神安定には欠かせない要素なのだ、と。


グズっていてもお散歩に連れ出した途端にぴたっと大人しくなるのが摩訶不思議。グズリの特効薬は散歩です。

   お天気、曜日、私の気分、所要時間などによってコースを変えてます。コース探しをしているうちに、ちょっとした穴場やお気に入りの通りも少しづつ増えてきました。スヤスヤ眠る娘たちの横で、しばし読書に耽る時間は今の私にとって唯一の贅沢な時間……。

   と、言いたいところなのですが。ビックリするほど、次々といろんな人が話しかけてくる! 双子のお母さん、ご自身が双子だという人、赤ちゃん大好きな年配女性方など。育児にまつわるいろいろな質問、アドバイス、はたまたご自分のお孫さんの自慢話など……。知らない人と果てしなく続くオシャベリに、散歩が中断することもしばしばです。


快晴の日はビアリッツの海沿いが定番コース。冬の平日昼間の海岸は人もまばらで、景色を独占できるような爽快感がいい!

   散歩中いきなり知らない女性から紙を手渡されたことも2回あり。「ベビーシッターいたします」という仕事探しメモでした。「うーん、積極的だ」と感心してしまった。まあ、これぐらいじゃないと仕事なんて見つからないご時世なのかもしれませんが。

   たかが子連れ散歩なのですが、フランスというお国柄、バスクという地方柄ならではのシーンも多々あって今のところ退屈知らずです。

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ノエル支度つれづれ



   毎年この時期になると焦燥感に駆られてしまいます。駆け足で年末が近づいて来てくる!

   まだ気分的にはちっとも気乗りしないのだけど……自分に“渇”を入れるためにもあえて師走の話題を。

   来週には街の中心にノエルのマルシェが立ちます。広場の片隅には、植木屋さんのモミの木コーナーも。ここ数年、我が家はここでモミの木を調達してます。出来るだけ枝ぶりの整ったものを、トップが真っ直ぐに伸びてるものを、とドングリの背比べで選びます。


師走モードの街角。

   日本では早々から飾って気分を盛りたて、クリスマスが終わると即座に片付けるけど、こちらは全く逆。直前に飾り、新年が明けてからもしばらくツリーを飾りっぱなしにしておきます。

   只今、どちらにしようと迷ってます。モミの木にするか、おもいきってプラスチック製のものを買うか。個人的にはやっぱりホンモノの木が好きなのだけど(あの独特のニオイも結構好きだったりする)、毎日落葉するトゲトゲの掃除が大変だし、娘たちが拾って口に入れちゃうのがコワい……。


いちばん小さめのサイズ、といっても家に持ち運ぶと結構大きいです。

   もうひとつ、12月特有の悩み。クリスマスディナー、何にしよう? 昨年までは自分たちが子役(いい年して、って感じでしたが)として、義親宅でご馳走食べてプレゼントもらって、と甘えっぱなしでした。

   でも、今年は自分たちも親になれたのでいよいよ世代交代。今年からは我が家でお祝いします。七面鳥料理に初トライしてみるか、それとも新たなるクリスマスの十八番料理をつくりあげてみるか。

   そしてケーキはどうしよう? 私の気分的には、おもいっきり日本風に“イチゴのショートケーキのクリスマスケーキ”にしてみたい気分なのですが……多分いえ絶対にムリ(夫の家族には全くウケないだろうし、そもそもこの時期のイチゴ入手は困難)!


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ワインの国の泥棒事情



   世の中にはいろんな泥棒がいるけれど、フランスには“ワイン泥棒”というのが存在します。夜な夜な人様のカーヴに忍び込み、ワインボトル(もちろん価値あるボトル!)を盗んでいくドロボーです。

   こんな泥棒が存在するなんて! 知ったときは驚きました。でも考えてみれば、ヘタな宝石などよりずっと高価なワインが存在するのだから、専門のドロボーがいたっておかしくない。それに、カーヴを所有するのが珍しくないお国なのだから、存在して然るべき泥棒なのです。

   知人で実際に被害に遭ってしまった人がいます。その方の場合、高級ワインを盗られただけ(それでも充分に悔しいはずだけど)で済んだので、まだマシなのだとか。性質の悪いドロボーの場合、盗り残すボトルを壁や床に叩き割って去っていくという悲惨な置き土産を残していくそうな……。

   掲載フォトは、義両親宅のカーヴ。もしここにワイン泥棒がやってきたら、舌なめずりするであろうお宝ワインも眠っています。そして、もしそれを盗られてしまったとしたら義父の怒りと哀しみはいかほどのものか……!


1年中、理想的な湿度・気温を保っている地下カーヴ。10平方メートルほどの蔵全体の壁面に手製の木製棚が据え付けられ、ずらりとボトルが並んでいます。初めてこの酒蔵を見たときは度肝を抜かれました。

   義父のワイン熱とワインへの投資の仕方は、飲酒という範囲を超越しています。飲むことはもちろん、コレクターになる道楽。長い年月と惜しまぬ手間ヒマをかけたコレクションです。

   そんな彼のコレクションの充実に一役買っているのが、ワインの競売。このエリアでは、ビアリッツのオークション会場で不定期に開催されます。

   面々たる銘柄が並ぶワイン・リスト。リスト片手に真剣な面持ちで競買する人々の様子。ボトルによっては、白熱バトルを繰り広げる競りの模様(ようやく決着がつくと、会場から思わず溜息が漏れる!)「ワイン1本にこんな大枚をはたいしまう!?」という高額プライス。毎度ながら圧巻されます。


私の両親がはじめてカーヴに案内されたときの懐かしフォト。今夜のワインセレクトに熱中している夫、撮影者は私の父。あの時の父の仰天ぶりが思い出されます。


蔵の真中を占めているのは、金属製のワイン棚。ここにはまとめ買い系ワインやデイリーワインが並んでいます。

   ところで、「写真撮影はご法度のハズ」と今までオークション中のカメラ撮影は遠慮していたのですが、前回のオークション中に撮影している人達を発見。次回参加の折りは、私も絶対に写真を撮ってこよう! このオークションの模様、いつか詳しくレポートできればいいナと思ってます。

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双子育児中です



   今、わたしの左腕には生後2ヶ月の“娘のひとり”が眠ってます。右手はPCのキーを叩きながら、目線はPC画面とバウンサー(ゆらゆら揺れる赤ちゃんイス)に座ってる“もうひとりの娘”を往復しながら、右足でバウンサーを揺らしながら、口であやしながら……とながら作業の入稿中。

   この夏、双子の女児を出産しました。いかにふたりの子どもにゴキゲンで過ごしてもらえるか、尚且つ自分たちの休息時間もキープできるかを模索しながら奮闘中です。(矢野社長がご自身のブログで紹介されていた「家事・育児のプロジェクト化」、まさに我が家の緊急課題!)


「双子の新生児は同じベッドに寝かせたほうが落ち着いてよく眠る」というのが定説。病院のベッドではもちろん、家でもしばらく実行してました。窮屈そうなのにスヤスヤ。

   双子育児、覚悟していたとはいえ相当ハードです。出産直後は「お菓子つくりは育休……」と諦めてました。でも、本当に好きなことのためなら時間(そして体力も)を捻出できてしまうもの。空き時間をやりくりしてちょこちょこ作り始めてます。

   それに今はいくら食べても太らない(ふつうの食事量ではフラついてしまう)幸せな時期。普段は敬遠してる高カロリーものも気兼ねなくイケてしまうのが、嬉しくもあり空恐ろしくもあり。今の私にとって、お菓子つくりは趣味と実益を兼ねたカロリー補強食といったところです。

   余談ですがフランスの職場(単に夫の職場が特殊なだけかも)では自分の子供誕生の際にもお菓子を配る習慣があるそう。「お菓子100人分くらい、作れそう?」と聞かれたときはさすがに「そんなのムリに決まってるでしょ!」と怒鳴ってしまった(結局、パティスリーで大量のタルトを調達してました)。


双子だからこそバウンサーは必需品。外食や旅先にも持ち運べるように、“軽量・折りたたみ式・ハンドルつき”がチョイスの決め手でした。

   お菓子つくりも再開できたので、このブログ連載の継続も何とかなりそうです。「食べる悦び&旅をする愉しみ」という2大テーマは変わらずに持続させるつもり。育児中だろうと、素敵なレストランに出かけたいし旅行だって満喫したい。そして娘ふたりともこの楽しさを分かち合えていけたら……、なんて思います。

   とはいえ、自分の人生に子育てという一大プロジェクトが加わった今、食と旅そしてもちろんお菓子つくりのスタイルも大きく変わっていきそうな予感。そんなわけで今後は、「子連れの食&旅」の話題もご披露していくと思います。これからもよろしくおねがいします……!

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バスクの春景色をお届け



   いよいよ春!

   窓から射し込む光が明るくなりました。どんどん日照時間が長くなってきました。何が嬉しいって、朝日が昇った後に朝食をとれるようになること。朝ごはんの時間が冬の何倍も楽しくなります。

   早春の頃のバスクの景色は本当に綺麗。ちょっと出歩くだけでも、目に入る景色は春うらら。牧歌的で生命力に溢れています。


我が家から徒歩10分でこんな景色が広がってます。

   早春の草樹の色はちょっとスモークがかったような不思議な緑。柔らかな白いお花が咲き乱れていて、ぼんやりと霞がかった色あわせ。今年は桜のお花見は出来なかったけれど、これが自分にとってのお花見かなぁなんて思えます。


赤い屋根と白壁とのコントラストがより際立ってくる季節。

   食卓にも春がやってきます。 マルシェの野菜が若草色に衣替えするまで、もう一息といったところ。アスパラガス、新じゃが、新たまねぎ、新キャベツと新もの一揃い、それに大好きなグリーンピースやそら豆……。

   私の大好きな料理に“ナヴァラン・プランタニエール”というのがあります。仔羊と野菜を煮込んだ春のお料理。バスクのおいしい仔羊と色鮮やかな春野菜を同時に楽しめる素敵なお肉料理です。そのほかにもこの時期のレストランのメニューにはプランタン(春)という文字が躍っていて、嬉しくなってしまう。

   でも家でつくるなら、もっとシンプルで野菜が主役な料理をたくさん作りたいなっていうのが本音。外で春の素敵なフランス料理も食したいけど、単純な野菜家庭料理も捨てがたい! 食事回数が足りない……と、春は欲張りな悩みが増える時期なのです。

   心躍る季節にむけて、バスクの旬素材や季節のお菓子をたくさんご紹介していきたいと思ってます。お楽しみに。

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フランス人が大好きな「ジャンボン・ド・バイヨンヌ」



「バスク6daysの過ごし方」
5e jour 11h00 ジャンボン・ド・バイヨンヌを買いに行く

   “旅のおみやげ”。これまた風習や国民性の違いが出ておもしろいなぁといろんな人たちに付き添ってて思います。

   特に日本人とフランス人のおみやげの買い方は対照的。日本人にとって、おみやげはヴァカンスの証、旅の勲章! ちらりと人に見せたくなるもの、ちょこっと人にあげたくなるもの……バスクだったら、リネンバスクのテーブルクロス、チョコレート、さくらんぼジャムなどが恰好のアイテムです。

   対してフランス人。彼らの頭の中にはヴァカンスをカタチで残す、っていう観念なんてサラサラないのでは? 職場におみやげを配る風習や気遣いは無用だし、旅先でのお買い物には(普段もだけど)ドライな感覚を持っていると思います。

   そんな彼らでも、目の色変えて買っていくおみやげがコレ! 『ジャンボン・ド・バイヨンヌ”(バイヨンヌの生ハム)』。イタリアはパルマの生ハム、スペインはイベリコ豚生ハムとお隣両国に名だたる逸品があるけれど、愛国意識高いフランス人にとっての生ハムといったら自国産バイヨンヌ生ハムなのです。


ふたりの真剣な様子に、お店のマダムも熱心に生ハムの種類の説明中。


壁にぶら下がる生ハム、エスプレットの赤とうがらし。カウンターにはチョリソなどの豚肉加工品類やフォアグラやパテの缶詰などなど。典型的なバスクのお肉屋さんです。

   バイヨンヌ生ハムとひとくちに言っても、本当にピンからキリまで。豚の質、熟成期間、そしてお店や職人さんによってランクや種類がいろいろあります。ガルビュールなどの煮込み料理専用の大味なジャンボンもあれば、イベリコ生ハムに勝るとも劣らない舌にとろける極上品も。

    「ジャンボン・ド・バイヨンヌ」だからおいしいという思い込みと早とちりは禁物なので、買い求める場合は必ず試食させてもらってから。説明をもとめれば、大抵のお店の人は喜んでレクチャーしてくれるし、その場で薄くそぎ切りしたものを振舞ってくれます。


見てください、このアツい表情! 語りだすと止まらないオジサンだった……。

   ただしバスクのお肉屋さんのご主人って、陽気を絵にかいたような人たちが多いので自慢の品々を語らせるとオシャベリが際限なく続いてしまうのが難点! 今回も生ハム300gを買うのにオシャベリが延々と続き(しかも話題は一環して生ハムなのだから大したもの!)1時間近くも経過してました。

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羊チーズ「オッソイラティ」をもとめて
バスクのファームを訪問する



「バスク6daysの過ごし方」。
4e jour 11h00 農家へオッソイラティを買いにいく

   バスク特産の羊乳チーズ、「オッソイラティ」。マルシェでなく、フロマジュリーでなく、ましてやスーパーなどではなく、農家を訪れて買う。“限定ゲスト”と楽しむ、我が家のスペシャルご案内プランです。

   限定ゲストの条件とは……おいしいチーズとおいしいパン、おいしいチーズとおいしいワインをこよなく愛する人たち。「この3つさえあれば今夜のディナー、他に何もなくていいから!」と言ってくれる人たち。チーズを味わいながらチーズのことを熱く語ってくれる人たち。


農家のお宅の住宅兼事務所兼フロマージュ売り場の一軒。広大な土地と膨大な数の羊を飼育している大きな農家でした。我が家から車でわずか15分足らずの距離なので、これから頻繁にお世話になりそうな予感。

   となると、日本人よりもフランス人と行く機会が多くなるのは紛れもない事実。だってやっぱりフランス人にとってのフロマージュって、彼らが愛して誇りに思ってる食文化そのものだから。しみじみとおいしそうに食べる様子、パンとワイン、チーズとワインを交互に味わっている姿は、絵になりすぎるくらい絵になるのです。

   原料である羊のミルク、それを生みだしている羊の群れ、そしてその羊たちを愛情かけて育てている農家の人たち。チーズが出来上がる環境丸ごとを見て、試食させてもらい、好きな分だけ買って帰る。すると食卓でそのチーズを味わう度に、“あの家のチーズの味”として大切に味わうことが出来ます。


全部で500頭の羊を飼っていらっしゃるという。放牧している羊とこうして羊舎にレストしている羊がいます。生後2週間ほどの赤ちゃん仔羊もたくさん! カメラを向けると、赤ちゃん羊たちがワーっと私の方へ群がってきました。


生産してらっしゃる5種類のチーズを試食させてもらいました。バスクにしては珍しく、シェーヴル(ヤギのチーズ)も。どれも本当に美味で、思わずたくさん買い込みたくなる! 生産者の方からならではの話をいろいろ聞けるのもファーム訪問の醍醐味。

   バスクの山道をドライブしていると、「フロマージュ売ります」の農家の看板があちこち目につきます。以前訪れて気に入った農家を再訪することもあれば、今回のように鼻をきかせて新たな出会いを求めるケースも。

   実はこの日も他の目的で車を走らせていたときに、私がすかさず看板を発見して(こういうことだけは動体視力が良いワタシ)、「寄ってみよう!」と盛り上がったのがきっかけ。


「将来は、鶏を飼育して生みたて卵を食べられるような生活をしたいと思ってるの!」とファーム生活に憧れているマリナ。今回の訪問に大喜びしてくれました。もちろん、お土産チーズもたくさんお買い上げ。

   どんなパンと食べよう? ワインは何にする? 帰りの道中は、すでにチーズとパンとワインの話題でもちきりに。そして車内はたくさん買い込んだチーズの香りで充満。急遽その日の夕食の献立が変更されたのは言うまでもなく!

    “チーズとパンとワインの三重奏ディナー”の模様、次回お届けします。


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義祖母ひさびさの登場! クリスマスの食卓風景



   フランスで過ごすクリスマスの食卓。イヴの晩にぱーっとご馳走を食べてハイおしまい、な日本とは事情がいささか違って、イヴの晩~クリスマス当日の朝そして昼食~翌26日も、と食事会が延々と続きます。全てが終わった頃には、五臓六腑がヘトヘトってことも!

   この家族行事、2年前まではパリで行っていたのですが(義両親はパリが本居でバスクがセカンドハウス、でも今はほとんど逆)、義祖母もバスクに移住したことをきっかけに昨年は初めてバスクで行いました。


毎年この日を迎えるたびに、今年もなんて早かったの!という思いに駆られてしまう。2007年もホントあっという間でした。


90歳にして初めてバスク住人となった義祖母、先月92歳のお誕生日を迎えました。老人ホームで出されるバスク料理・バスクの味付けは実は全く口に合わないようで、こういう家族の食事の機会をとても楽しみにしています。相変わらずシャンパンの飲みっぷりはスゴい!


アペリティフを頂きながらプレゼント交換の時間。毎年プレゼント選びには四苦八苦しているけれど、やっぱりこの時間はとても楽しい。

   ゆっくりアペリティフを楽しむのが大切なので、いつもよりもぐんと手間をかけたカナッペや酒の肴のお料理が数種類並びます。お祝いの日にお決まりのフォアグラも。当然、シャンパンの飲み量もいつもよりかなり多め!

   その後テーブルへ移動し、前菜・メイン・チーズ・デザート・コーヒーと家庭フルコースへ。ちなみに去年のメニューをざっとご紹介すると、スモークサーモンのサラダ、仔牛の煮込み料理、デザートはチョコレートのケーキといった具合です(もちろん全部義母の手作り)。


代々家に伝わるものから自分で買い集めたものまでと、義母の食器好き・コレクションの幅は相当なもの。招ばれる度にそのテーブル・デコレーションに感嘆してしまいます。ゆるい波型を描いた金縁のコレクションは、ドイツは『ローゼンタール』のオーダーもの。毎年クリスマスはコレと決まってます。

   それにしても、こうしてフランスでクリスマスを過ごすのも今年で7回目! ってことは日本のクリスマスをもう7年も味わってないのね……とちょっと寂しい。

   数年前、「クリスマスに日本帰国してもいい?」と夫にたずねたところ、「君は気安く考えてるかもしれないけどね、それは親族への『縁切り宣言』と受け止められるよ」と真顔で言われ、「エェーっ、そこまで!?」と、恐れ入ってしまいました。

   ノエル欠席、これは日本で言ったらお正月に夫の実家にご挨拶に行くのを放棄するのと同罪といったところ? いえ、ひょっとしたらもっと重罪なのか……。

   「クリスマスの食卓」がテーマのハズだったのに、なんだか脱線しすぎてしまいましたね! 次回、気を取り直して(?)クリスマスケーキの話題です。

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師走のバスクより、ブログ再開のお知らせ!



   長らく更新をお休みさせて頂いてました。その間に訪れてくださった方、コメント残してくださった方、再開を待っててくださった方、ありがとうございます! 再びどうぞよろしくお願いします。

   早いもので今年もNoëlの季節がやってきてしまいました。みなさん、クリスマスの予定や大事な人へのプレゼント、はたまたディナーやクリスマスケーキはお決まりでしょうか?

   わが町バイヨンヌのMarche du Noel(クリスマス・マーケット)も今週からスタートしてます。町のイルミネーションもちらほら点灯しはじめて、一気に師走らしさが増しました。(バイヨンヌのクリスマス・マーケットの模様は、こちらの過去記事をどうぞ!)。

   こういうフランスのイチ地方の小さな街のクリスマスは、多分皆さんが“ヨーロッパのクリスマス”から連想するイメージよりも遥かにジミで野暮ったいのでありますが、その野暮ったさがなんとも言えない魅力だったりもします。

   少なくともバイヨンヌ、フランスのごくフツーなごく庶民的なNoel気分を味わうにはもってこいの町と断言できます。パリや東京の華やかイルミネーションに見慣れた方こそ、一見の価値ありかも!?


ここ数年気に入っている、12月の週末の素敵な過ごし方。フランスを抜け出してお隣りスペインへ繰り出し、パラドールに宿泊します。建物やお部屋のインテリアが荘厳でクラシックなだけに、クリスマス気分が盛り上がります。

   そしてこの時期、庶民が最もイキイキしている現場といったら……それは食料品売り場。日本のお正月前のあのワサワサとした雰囲気と全く一緒ですね。フォアグラの瓶詰が山積みされ、チョコレート売り場の面積が数倍にも拡張され、お肉売り場には七面鳥やホロホロ鶏たちが見るも無残な姿でブラ下がっている……。

   それぞれの人が家族においしい料理を振舞いたい、楽しいクリスマスにしたいという思いでせっせとお買物に勤しむ姿は、やっぱり平和の象徴。例え食料品の値上げが問題になっていようとも(フランスもかなり深刻みたい)。

   私もそろそろ今年のクリスマスメニューを練らなくては! 次回もクリスマスの食卓の話題です。お楽しみに。

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簡単おもてなし料理の献立表



   前回に引き続き、ビュッフェ・パーティの模様を。お料理準備編です。

   献立は以下の通り。内容よりも、その凄まじい量にご注目ください!

バイヨンヌ生ハムのカナッペ
生ハム400gを入手。バゲットを薄くカリカリに焼いたものに、フロマージュ・フレ(あっさりしたクリームタイプのチーズ)を塗り、生ハムをのせました。よく行くレストランで出てくるアミューズのアイディアを拝借したもの。


日曜の朝9時から、肉製品をせっせと切ってる図。バスクのソーセージは酒の肴に重宝する一品です。エスプレットの唐辛子がきいたピリ辛なソーセージ。これを10本用意、アペリティフとして。

トルティーヤ
既製品のスペイン風オムレツを4kg用意。お湯で温めてカットするだけでよいので、パーティ料理にはもってこいなのであります!

生野菜のディップ
キュウリ、にんじん、赤ピーマン、プチトマトとディップソース2種。


お肉料理は日本風焼き豚に。肩ロース4kgを醤油、お酒、砂糖、葱ニンニク生姜に1昼夜漬け込んでおく。しかしお肉の量が全然足りなかったみたい、全くありつけなかった人もたくさんいた模様。


焼き始めの30分、背脂のおフトンで包んでしっとり焼きあげます。

冷凍食品P社のアペリティフいろいろ
忙しいフランス人が活用しまくっている冷凍食品ブランド。アミューズ類が豊富なので、こういうとき重宝します。はじめっからこれを出さず、手作りの料理と料理のあいだに紛れこますようにお出しするのが悪賢いコツ。「まさか、これも手作り!?」と、オメデタイ反応をしてくれる方もいました。

アンディーブのサラダ
アンディーブにフランス人が好きなカニのスリミをたっぷり加え、フロマージュブランとマヨネーズベースのソースであえたもの。

   そして、デザートは3種類を用意。次回、そちらをご紹介します!


うちひとつは大人も子どもも大好きな“果物のクランブル”。お手軽で、中身や分量を臨機応変に変えられるので、パーティには最適なお菓子だと思います。リンゴ1.5kgとプラムをひと口サイズに切り、隠し味にちょっぴり杏ジャムを入れました。クランブル生地をたっぷりふりかけてオーブンへ。

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総勢50名のビュッフェ・パーティを開く



   先月のとある週末、パーティを開きました。来客人数最高記録を更新。総勢45名(おとな30名、こども15名)という大人数でした。

   日にちを決め、張り切って友人たちに連絡を取り、出席確認を取ったまではいいのだけど……。45という数字を見ながら、私を襲いかかったのは「メニュー、どうしようっ」という焦燥感。


ホスト役の夫はワインのことしか頭にない! 食べ物よりもワインが足りなくなる事こそホストの面目丸つぶれって考え(私はやっぱり料理が足りない不安の方が大きかった)。マグナム瓶を大量に用意。ずらり並べた30脚のグラスは壮観でした。

   手持ちの料理本やノート、おもてなし料理本などを引っ張り出しながら、料理アイディアを探してみましたが。50人分の食事(我々とベビーシッターさんの人数の合計)となると、どれもこれも非現実的に見えてしまう。

   数年前に総勢30人のパーティを行ったことがあるのですが、そのときは若気の至り(?)でかなり気負ってしまい、料理教室をやっている叔母にメール相談したりしながら、マジメな料理をたくさん作ってしまったワタシ。

   丸鶏を茹でて中華風のチキンサラダを作ったり、キッシュを何台も作ったり、アペリティフのカナッペも全部手作りしたり。いざお客様到着の頃には、ヘトヘトになってました。


まずはアペリティフを数点。


宴も終盤、だいたいの皆さんがお帰りになった後。残った10名で飲みなおし&語りなおし。

   今回はあの時の反省を踏まえて、かなり手抜き方式に。お手本はずばりフランス人です。

   フランス人のおもてなし法を見ててよく思うのですが、日本人よりも肩の力が抜けてます。サラダとキッシュ、チーズとワイン、そしてリンゴのタルト。雑誌や料理本に出てくるようなリッパなフランス料理が出てくるわけでは決してない。でも自然体でサマになってる……。

   気合入れた料理を披露することではなく、人を自分の家に招んで食事することに意義がある。あの感性をちょっとは見習ったほうがいいかな、と私も考えるようになりました。

   パーティ開始は、日曜午後1時。準備開始は午前9時。ガーッと一気に準備して間に合わせました。そのドタバタな準備の模様は次回!

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大反対された、自主制作ウェディングケーキ



   ウェディング特集(?)、最終回は披露宴とウェディングケーキについて。

   私の今までの結婚式巡業の中、圧倒的に多かったのはシャトー・ウェディングです。フランスはなにせ古城がごろごろある国ですから。ゴージャスな雰囲気もさることながら、森に囲まれたロケーションってところも魅力的。夜になると森のフクロウの鳴き声が鳴り響き、光と人のさんざめく声……なんていう素敵なシーンが出来上がってました。

   ヴェルサイユのレストラン・ウェディング、パリのセーヌ河船上ウェディングなんていうのにも参加しました。都会には都会ならではの良さがあります。そして日本ではあまり考えられないけど、自宅ウェディングや別荘ウェディングもそう珍しいことではありません。

   ワタクシ共の披露宴も自宅ウェディング、義両親宅で行いました。義両親は奮起して、物置倉庫と化していた部屋に大がかりな改築を施工。家の中にバンケットルームをしつらえてしまいました! 「やることのスケールが違うね……」と私の両親はただただ唖然としていましたが。


17世紀の建物です。ある時はホテルとして、ある時はドイツ軍の駐屯宿として、あるときは製薬工場として使用されていたという、何代もの持ち主と歴史を垣間見てきた家。始まりはホテルというだけあって、中の造りはアパルトマン・ホテル形式です。夕方6時半から、家の外でカクテルを行いました。


夜の9時からスタートしたディナー。「あの物置倉庫が……!」と、この部屋の前身を知ってる人は皆驚きました。ここまで張り切ってくれた義両親に感謝です。

   出張料理人、出張給仕人、出張ミュージシャンの手配、シャンパンやワインの仕入れ。そして、テーブルや椅子、食器、クロス類などの小道具はレンタルしました。

   日本のホテルや式場ウェディングがフルシステム・オーダーなのに対し、これは単品オーダーの寄せ集め。数日前に慌てて気がつき、「お手洗いこちらです→」なんていう張り紙を自作したり(いまだにあの家には貼ったまま!)、本当に慌しかった。


“ピエスモンテ”にしました。クロカンブッシュ(キャラメルがけの小さなシュー)を積み上げた、クラッシックなウェディングケーキ。シューの中にはクリームを入れず、キャラメルも控えめに、あくまでピエスモンテはケーキカット用(とは言え、翌日にみんなでおいしく頂きました)。別途クリーム詰めのシューとチョコレートのお菓子を用意してもらい、盛り合わせデザートにしてもらいました。


ケーキカットの時の、おばあちゃんのうるうるな表情……。こんな素敵な写真を撮ってくれたM氏に感謝の気持ちでいっぱい。私たちの宝物写真であります。

   さて、ウェディングケーキ。日本では自主制作もアリですよね。何を隠そう、私も密かに憧れていました。思い出に残るお菓子作りになるに違いないと。

   ところが周りの人にこの意志を伝えたところ「花嫁がウェディングケーキを作るですって!?」と驚愕され(こっちでは有り得ないのかな)、「悪いこと言わないからプロに任せなさい。」と一掃されてしまいました。

   後から振り返ると、言うこと聞いて本当に正解でしたね……。てんてこ舞スケジュールの中さらにウェディングケーキを作るなんて大仕事があったら、パニックしていたに違いない! そして当日の私の顔はクマだらけのうえ、お菓子のことが気になって気になってドレス姿で厨房をウロチョロしていたハズ!

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大物フォトグラファーによる結婚フォト



   引き続き、ウェディングの話題です。パリジャンの結婚式、こてこてバスクな結婚式に続きまして、今回は不肖ワタクシ共の結婚式について。

   日本から来ていただく方の徒労を考えると、パリ挙式の方がいいのでは? とも思ったのですが、最終的にバスク挙式を選びました。いろんな方にこの地方に来ていただける良い機会とも考えたから。


挙式は夕方5時からバイヨンヌの教会で。


教会の庭で皆さんにお祝いの言葉をいただき、記念撮影。歩きまわる私にぴったりと張り付いてトレーンを持っていてくれたカルメンちゃん(親戚の子)。感想を聞くと「疲れたから、もう二度とやりたくない」だって……。

   今でこそフランス・バスクも知られるようになったし、私もこのブログをやっているし、説明する必要がなくなりましたが、当時は「ビアリッツ? あの英会話学校のオリジン?(Berlitzと誤解……)」とか、「バスクってスペインじゃなかった?」なんていう反応もフツーでした。

   そんなヘンピな(?)土地に、遥々日本からもお越しいただくにはどうしたらいいか? 結婚式っていうよりも“バスク誘致”、これに私はガンバりました。招待状に「バスク地方のご案内と旅程プランのご提案」なんていう自作プリントを同封したりして。今読み返すと、まるで3流旅行会社のパンフみたいで笑ってしまう!


着物美女も2名。後日、「日本人って、キレイで上品でスタイルもいいんだね。ビックリしたなー!」と何人のフランス人殿方に言われたことでしょう(「紹介しろ」と言うお声もチラホラ)。反対のイメージをお持ちだったってこと? イメージアップにかなり貢献したハズ。

   さて、掲載写真はすべて友人M氏撮影のもの。マガジンハウスの大物フォトグラファーに撮って頂けたという幸運な私たち! 彼の傑作アルバムには、フランス人達からも「格が違うね……」という賞賛と羨望の声が寄せられました。


友人として、仕事人として、そして料理人として(料理も天才肌)、尊敬している方。凛々しい袴姿で出席してくれました。“サムライ・フォトグラファー”としていまだに語りぐさです!

   実は地元の写真館にも一応撮影を依頼していました。でも催促の電話がかかってくるまで、写真を引き取りに行かなかったという……。それくらい、M氏の写真はケタ違いに素晴らしすぎた! 後日、「結婚式写真の焼き増しをオーダーしなかった、変わったカップル」と言う“町の評判”が我々の耳にも届いたのでありました!

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バスクの村の結婚式



   今回は私の結婚式巡業の中でも、とりわけ印象深かった「バスクの結婚」のお話を。

   「バスクの結婚」というのは「バスクで行われた結婚式」ではなく、「生粋のバスク人の結婚式」という意味です。ともに代々続くバスクの農家の家柄、家庭内公用語はフランス語ではなくバスク語、という2人でした。

   ちなみに、生粋の江戸っ子夫婦やパリっ子夫婦が実はそうたくさんいないのと同じく、純血バスク人同士のカップルもなかなかレアな存在のようです(スペイン側バスクには多そうですが)。


一目でそうだと分かる、まさに「生粋バスクの血」の顔立ちの女性です。

   彼らはすでに子どもが2人いる、"事実婚カップル"でした。法的に結婚しようとしまいと社会的に体裁的に、もちろん子どもにとっても、何らデメリットが発生しないフランスでは、事実婚カップルはたくさんいます。一緒に住み子どもを産んだ後、結婚する道を選ぶカップルも少なくありません。

   挙式は山バスクの小さな村、新婦の出身の村の教会で。この挙式が本当に素晴らしかった!社会的立場や体裁のためでなく、もちろん年齢のせいでもない、決断したから結婚したのね。これって"できちゃった結婚"の対極かも……。などと、式の間いろんな思いに耽っていた私です。

   披露宴は、村の小学校の体育館。中に入ったときは、正直言って面喰ってしまった。それまでフランスではごくフツーだと思ってた、シャトーなどでの"ハデ婚"とは全く違ってたから!


ささやかな村のお祭りといった雰囲気でした。バスクに生まれ、バスクで育ち、バスクの人と結ばれ、バスクで一生暮らす人たちがたくさんいる世界。彼らにとって、これほど安心で、居心地が良く、素敵な場所はないのだと思う。


バスクらしいアペリティフの数々。ふたりが一生懸命吟味したであろうことが分かる美味しさだった。生ハムで孔雀のオブジェ。


これまたバスクらしい、たくさんのトルティーヤ。トルティーヤはパーティにも重宝するお料理です。

   学校の子どもたちによる飾り付け、バスクらしいアペリティフの数々、村の人々が続々とお祝いに駆けつけてくる様子。どれもこれもが私にとっては、外国の風景、バスクの風景だった。「うーん、なんで私が此処に……?」という異邦人であることを痛感する感情もありましたけど。

   こうして写真を眺めかえしていると、あの日の私のカルチャーショック、でもほわっと心温まった事を思い出します。

   余談ですが、そもそも私がこちらで着物を着始めたきっかけは、頻繁にある結婚式出席のため。毎回衣装に頭を悩ませることに終止符を打ちたかった。しかしフランス人のウェディングといっても、ご覧のとおりスタイル・雰囲気・ドレスコードはぴんきりです。

   着物が似合う場とそうでない場があるので、見極めは重要。例えば、こういう結婚式に着ていってしまったら……悲劇です(想像しただけで冷や汗が)!

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ジューンブライド、大修道院でのウェディング



   6月といえばブライダルシーズン!ということで、私の得意(?)ジャンルである結婚式の話題を。

   「フレンチブライダルウォッチャー」なんていうふざけた職業があるとしたら、立候補したいほど。と言うのは冗談だけど、経験値はかなり高いほうだと自負しております!

   この数年間、本当にたくさんのウェディングに参列しました。改めて、ひーふーみーと数えたところ、15本もあって自分でもビックリ(“本”という単位を使いましたが、「フランスの結婚式って大掛かりな舞台みたい」という意味で、この数え方が私にはしっくりくる)。


新婦の家族がお住まいという町、イル・ド・フランスのシャンティイにて行われたウェディング。披露宴会場に使われたのは、なんと17世紀の大修道院。初夏の夕方の光でキラキラと輝く池、木立に囲まれた壮麗な建物。おとぎ話みたいな世界にうっとりでした。

   出席してきた結婚式のうち、ほとんどが6月。やはりジューンブライドは人気です。6月の3つの週末が結婚式で埋まる、なんていう怒涛の年もあったっけ……。まわりの方々がほとんど既婚者になったので、これにて私の“結婚式巡業”も打ち止め。今年初めて、結婚式の予定がない6月を迎え少しホッとしてます。

   これまでの巡業地は、バスクやパリはもちろん、ブルターニュ、シャンパーニュ、ロワール地方など。一般的に、新婦の出身地や縁(ゆかり)の土地で挙げるので、親戚・友人一堂が大挙して押し寄せ、泊まりがけもフツー。その土地独特の雰囲気、教会や聖堂、披露宴の会場、そしてお料理……土地と密着している結婚式は、どれも個性的で印象に残ってます。


そびえたつ石柱、高い天井、寄せ木細工の床、壁には重厚なタペストリー……修道院の素晴らしき内装を眺めながら飲むシャンパンの味は格別だった! この日は、祖母の遺品の着物を着用。キモノの話題を突破口に歓談した新郎友人方と。

   日本では、結婚式も都市一極集中になりがちですよね。こんな風に自然な形で各地に分散するのは、とても良いことに思えるのですが。先日、故郷の神戸で挙式・披露宴を行った藤原紀香サンは素晴らしき見本かも!?

   以前、夫の友人に「式場の打ち合わせでシャトーにいったら、日本人カップルの集団が下見に来てて驚いたヨ。なんでわざわざフランスで挙式するのだろう?」と聞かれて困ってしまった。決して彼は馬鹿にしてたのではないと思う。ただ、本当に奇異に見えるんでしょうね。「海外ウェディングというニッポン・カルチャーがあってネ、そういうビジネスがあってネ」と説明したのだけど、分かってもらえたかどうか……。


ずらりと並んだアペリティフ料理もお楽しみのひとつ。


アペリティフが終わり、着席ディナーへ。そしてその後、ダンスタイムが朝まで続きます(私はいつも2時がリミット!)

   さて、掲載フォトは今まで出席したウェディングの中で、最もゴージャスで最もインパクトがあったもの。息を呑むほど素敵だった……。

   しばらくウェディングの話題、続投します。次回は場所も雰囲気もがらりと変わり、バスクの結婚式の模様を。お楽しみに!

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『バスクの砂糖壷』、2周年!



   「cafeglobeでバスクとお菓子のブログを……」という嬉しいお話しを頂戴したのは2年前。当ブログ、2周年でございます!

   「とりあえず3ヶ月、様子見で」とスタートしたのですが、淡々と(と言いたいのは山々だけど時には冷や汗かきつつ)更新しているうちに春夏秋冬をグルリ2周させていただきました。読んでくださってる皆さまに改めて感謝です!


初回掲載の写真もこの場所でした。春のSaint Jean Pied de Port(サン・ジャン・ピエ・ド・ポー)。芽吹きの緑が眩しいです。

   実は当初、ブログが何であるかもよく掴みきれていなかった私。どうするか結構悩みました。ブログって日記スタイルにしなきゃいけないのかしらン、とか。単にバスクのガイドに徹すればいいのだろうか、とか。はたまたバスクとお菓子の話題はどのくらいの比率がいいのだろう、とか。

   ラッキーだったのは、当初折りよくcafeglobeのアオキさんとロンドンでお会いできたこと。細かいやり取りはメールで出来ていたワケだけれど、やっぱり直接お話しできたことの収穫は大きかったです。cafeglobeユーザーの方々のイメージをより具体的に掴む意味でも。

   数々の指針を頂戴したのですが、中でもいちばん私の心にグイっと引っかかったお言葉はズバリこちら(あまりにさりげなくおっしゃっていたので、ご本人は覚えていらっしゃらないと思いますけど!)
「内容はご自由にお任せします。でもブログとは言っても、“トイレの落書き”にしない方がいいと思う」。

   “トイレの落書き”!アオキさんの言葉抽出センスは本当に好きです。さすがcafeglobe設立者のおひとりだけあるワ、と私は唸ってしまいました。ピシャッと竹刀で背中を叩かれたかのような気分でしたね。この単純にして明快なガイドラインのおかげで、随分と気が楽に、尚且つやる気も頂けた気がします。

   以来、「トイレの落書きはダメ、トイレの落書きはダメ……」とブツブツ唱えながら更新してます。というのは嘘ですけど、いつも頭の壁にこのアオキ標語をぺたっと貼ってます。

   ちなみに『バスクの砂糖壷』ってタイトルは、私自身とても気に入っているし、いろんな方に誉めていただくのですが、これまた生みの親はアオキさんです!

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カフェオレボウルにバスクの食器、「蚤の市」の掘り出し物



   前回から引き続き、「蚤の市」「骨董市」の話題です。

   並んでいる商品は、家具、食器、レースやクロス類、台所用品、そして古本や誌やポストカード類、ポスター類など。商品の審美眼だけでなく、ディスプレー法にも売主それぞれの個性やセンスが垣間見られるのも、楽しいところです。


格子模様が特徴のバスクの食器。こちらは茶色と濃紺の組み合わせですが、赤と濃紺の組み合わせが最もポピュラーです。当然ながら、バスク料理にはこの上なく似合います。

   こうして、たくさんの売主による数多くのアイテムとそのディスプレー方法を見学すると、モノの置き方がいかに大切かってことを感じます。ひとつひとつの品はとても素敵なのに、ベタベタっと平面的に置いてる所は、お客さんが素通りしている。


酒好きとしては、杯(さかずき)類を見るのはとても好き! ハシゴを使ったディスプレーは、見やすいうえに商品が見栄えする素敵な方法だと思いました。

   対して、例え興味がないジャンルでも目の端に入った瞬間にフラーっと吸い込まれるような場所があります。自分がもし日本の雑貨屋オーナーだったら、商品調達とディスプレー技を盗むのに勤しむだろうなぁ、なんて夢想したりして。

   それにしても、興味ありげにじっくり観察し、品を手にあれこれディスカッションまでしてる割には、お財布の紐を緩めているお客さんはさほどいません。フランス人ってやっぱり堅実だワー、と感心せずにはいられない。確かに、「安い!」「かわいい!」と言って買っていたら、自分の家がガラクタ市になってしまいますからね……。

   物欲を掘り起こしに出かけるのではなく、見て触れて楽しんで日光浴をしに出かけるのが蚤の市。単なる娯楽として楽しむ方法を、私もようやく学習しはじめたところ?


いまや日本にかなりの数が流出しているらしい、カフェオレボウル。あと10歳、いや15歳若かったら私もコレクターになっていたかも? 自分のテイストにはややカワイすぎて、買うのはちょっと抵抗あり……。見るのは好きですが。

   以前はお財布の紐がかなり緩かった私。が、最近はだいぶ絞まり屋になりました。「どこに収納するの? 何に使うの? 他のものとの調和するの?」この3つの質問を自問するようにしております。

   すると、かなりのモノが却下される……。その代わり、“運命的な出会い”を感じたら、直感を信じて買うこと。そしてその直感は、せっせと通っていろいろ見ることによって養われます!


バスクの布もちらほら見かけます。

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バスクの村々で開催中、「蚤の市」と「骨董市」



   今の季節、車を走らせていると「骨董市」「蚤の市」の宣伝がよく目にとまります。市は1年中あるものとはいえ、春から初夏にかけてが旬! 週末には必ずどこかで催されていると言ってもいいくらい、雨後の筍状態なのです。

   アンティークや雑貨などがお好きな方ならば、「蚤の市」と聞けばすぐに思い浮かぶであろう、パリのヴァンヴやクリニャンクール。ああいう本格的な市に比べると、田舎のは規模も雰囲気もだいぶ違ってきます。

   まず、常時の市(決まった曜日、決まった場所に立つもの)は少なく、週末限定の不定期市が大半。そして、会場となるのは小さな村の役場前広場とか小学校の校庭など。日本の町内会のお祭りみたいなノリを想像していただければよいかと。


白壁にコバルトブルー色の窓枠。可愛らしいけど、村役場の建物です。白壁を這うように咲いてた藤の花、抜けるような青空、そして商品の「紫とブルーのストライプのデッキチェア」が見事に色のハーモニーを作り出していて美しかった!


小学校の校庭にて。古いポスター類は、それぞれの時代のデザインセンスが凝縮されていて眺めて楽しい。


食器のフルセットは、骨董市の定番。本当に気に入ったものが見つかれば、かなりお買い得な買物のはず?

   面白いのは、会場となる村の趣きや住人層によって内容やレベルが変わってくるところですね。なぜなら、ひとくちにバスクの村といっても様々だから。近隣の都会に暮らす人や、イギリス人のセカンドハウスが多い村もあれば、代々からのバスクの農家の人々が主流の素朴で堅実な村もある。はたまた、ヴァカンス期には住民よりも海水浴客で膨れ上がるヴァカンス村もある。

   それによって、お店を出す業者さんも、品物のテイストも、客層も変わってくるのは当たり前。「骨董市」なのか「蚤の市」なのか、はたまた「がらくた市」なのか。これは、ケースバイケースといったところです。

   いずれにせよ、村のローカルな雰囲気ごと味わえるのも田舎の市の楽しみと言えましょう!

   次回、女性好みな品々をセレクトしてご紹介します。お楽しみに。

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復活祭の食卓、義理親の猫さん初登場!



   先週は復活祭ウィークでした。

   義両親はバスクとパリの二重生活を送っているのですが、復活祭休暇は必ずバスクで過ごすのが通例。なぜなら、復活祭といえば仔羊料理だから。そしてバスクは言わずと知れたおいしい羊の産地なのです!


義母のテーブルコーディネートは本当にエレガントです。一番身近だけど、一番手が届かないお手本といったところ。一朝一夕で身につくものでないなぁ、と痛感してます。

   毎年、知り合いの農家の方が生まれて間もない小さな仔羊を届けてくれます。まだ草を食ベたことのない、お母さんのミルクしか飲んでない赤ちゃん羊のロースト。ふんわりした優しい香りとやわらかさ、そして独特の旨みがあるお肉です。

   「乳飲み子を食べるなんて殺生な!」っていう概念はひとまず置き(置かないとバスクの食生活なんて無理)、美味しくいただいてます。ただ、ちょっと困ったことがひとつ。イヤらしく聞えてしまいそうですが、よそでトウがたった仔羊が出てくると美味しく食べられないのです。

   仔羊肉の平均値を知る前に、バスクの赤ちゃん仔羊に味をシメてしまったわけで。「あ、この子もう離乳児だ。人間で言ったら幼稚園児くらいかな」なんて台詞を平気で吐く自分に、自嘲の思い……。

   それにしても、両親の連れてきた猫さんのこの日のコーフンっぷりと言ったら! 出来たら動画でお見せしたいくらい! 台所から漂う仔羊の匂いに、ソワソワと落ち着きがない。その様子があまりにおかしくって、私まで挙動不審になってしまった。そんなわけで、今回は料理ではなく猫さんフォト満載です。


「いいですねー。みなさんこれからお食事ですかー」。そろそろとテーブルに接近中。私は食事中でも猫さんばっかり追い回してました(行儀悪い!)


「ちょっと何コレ? この美味しそうな匂いは何なのよー!?」進入禁止の台所のドアの前でじっと佇む。ご覧の通りかなりの肥満ネコなので、厳しいダイエットを強いられてます。


待てど暮らせどお肉をもらえない……。哀愁漂う背中がなんとも愛おしい。彼との出会いは私のネコ苦手意識を払拭した大きな出会いでした!

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イチゴに思いを馳せながら、春のショートケーキつくり



   いよいよ4月に突入し、すっかり春ですね。皆さん、お花見を楽しまれましたか。こちら、今年の春はポカポカ陽気よりも、どんより花曇なお天気が優勢。雨降りがとても多いし、霰が降った日もありました。

   「春にバスクに行きます」ご報告を下さった方が数名いらっしゃいましたが……大丈夫だったかしら、とちょっと心配。お天気の良し悪しによって旅の印象って結構変わってしまいますもんね。

   さてさて4月といえば、もうすぐイチゴの季節。「まだかな、まだかな」と期待に胸弾ませてマルシェに通う、イチゴ月間です。例年の状況からすると、あと2,3週間ってところ。待ち遠しいです。

   本物のイチゴはまだなれど、せめて“イチゴのショートケーキ気分”だけでも味わいたくて作りました。イチゴを使わないイチゴのショートケーキです。日本で恩師に教わったブルーベリー・バージョンをイチゴ・バージョンにしたもので、「ショートケーキがないお菓子の国」に住んでいるからこそ愛着を持っているスイーツです。


ボンブ型ジェノワーズを7層にスライス。フレッシュ・チーズと苺ジャムとフリュイ・ルージュのリキュール入りのクリームを挟んだショートケーキ。「バラの花びらの砂糖漬けとピスタッシュ」で春っぽく。

   いきなり話題が飛びますが、今年の4月といえばこれを語らずには済まされない! いよいよフランス大統領選挙が月末に押し迫ってきました。連日連夜の合戦ぶりを目の当たりにして、決して政治フリークでない私だって、否応なしに興味が湧いてくる。

   先週は、マルシェに行けば左のロワイヤル陣営のビラが配られたし、ポストには右のサルコジ派のビラが入ってました。ラストスパート!って様相です。

   前回と今回の選挙戦とでは明らかに意味合いが違うってことはヒシヒシ感じます。この結果いかんによって、社会環境、労働の価値観・意欲、そしてこの国に居住する“ガイコク人”としての立場も、かなりの差が生まれそうな気配。いったい誰に軍配が上がり、フランスはどういう進路を進んでいくのか。ほんとうに見ものです。

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バスクの春とニーヴ川の散歩道



   三寒四温のお天気が続いています。小寒い日があれば、ポカポカを通り越して初夏のような陽気の日が来たり。はたまた、この地方特有の春の嵐(雨戸が壊れるのではと心配になるほどの暴風雨が吹き荒れます)が訪れたことも。

   それでも、春の手ごたえをしかと感じさせてくれる太陽の光明度!明らかに冬のボンヤリさが抜けきり、まるで生気を取り戻したかのよう。日が昇る時間も刻一刻と早くなってきてます。我が家の台所は西向きなのですが、朝食準備を朝日の光の中で行えるようになりました。

   いつもの散歩風景も、すっかり春の顔です。


ゆらりとしたカーヴを描きながら流れるニーヴ川。四季折々の自然の景色は、溜息もの。

   我が家の近所を流れているニーヴ川沿いの道です。この道を下るとバイヨンヌの町の中心へ辿り付き、上流へ進めば山バスクの奥へと導かれます。畑や雑木林や森、馬の放牧場などが続き、そのあいだを縫うようにバスク建築の古い民家が建っています。どの田舎風景もそれぞれに赴きがあって、絵心がある人ならきっと描きたくなるに違いないと思われるほど。こんな光景が20km以上も延々と続きます。


ただいまミモザが満開です。

   お弁当とたっぷりの水を担いで、この道で行ける限りまで歩くことに挑戦したことがあります。途中、絵本に出てくるような佇まいの農家を発見。庭にはたくさんの鶏が元気に飛び跳ねていて、見るからに健康そう(美味しそう)!案の定、「産みたて卵売ります」の看板が柵に架っていました。「卵ケース持参で来れば良かった……」と後悔したことは、言うまでもありません。


鶏どころか羊さんが突然登場することもあり。急に横から登場したのでビックリしました。

   ちなみにこの散歩コース、家族友人が日本から訪れた時に初日にご案内する場所でもあります。日本からヨーロッパの移動後、時差ボケが一番辛いのは夕方。その時間に散歩にご案内し、自然と田舎の景色に浸ってもらい、日本の生活のことはしばし忘れて頂く。するとその晩の熟睡は約束され、時差ボケ解消には効果テキメンのようです。

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ワイン保存には最適!? バスクの冬の湿度感



   今年の日本の冬は恐ろしいほど暖冬のようですね……。ここ数日、日本の友人や家族から受け取るメールに「まるで春みたいな陽気です」という文章が入ってるのが気になります。

   こちらの今年の冬のお天気は、周期的な激しいアップダウンもありましたが、だいたい平年並みの気候といったところ。


バイヨンヌの大聖堂の回廊で。

   日中の気温は10℃前後くらいです。この数値を見る限り、決して寒いとは言えないのですが……私にとっては、日本の寒冬よりもよっぽど寒く感じてしまいます。

   その原因は湿度! 冬でもかなり湿度があるため、空気中の冷気がカラダにじわーっと入り込んでくる感覚なんです。気温を上げる目的ではなく、除湿のために暖房をつけてる状態です。

   でも、湿度をとても気にするようようになったのはこの器具のせいもあり。


天気・曇り、夕方6時、湿度50%。

   こちら業務用のペン型温湿度計です。我々人間の温度管理のためでなく、我が家のワイン様のためにあります。大量のワイン在庫は地下倉庫に入れてるのですが、管理と消費量安定(?)の目的で、家の中のとある部分にも小さな酒蔵をこさえてしまった我々。定期的に計ってワイン様の健康診断をしているわけです。

   すると驚いたことに、我が家はワイン保管にとってかなり理想的な湿度を保ってることが判明。我々はワイン倉庫のような環境に暮らしているってこと? ちょっと複雑な気持ちになりました。

   そして今更ながらとても心配になったのは、和服の保管に関して。冬にこそカビ対策をしっかりしなければ……と。「キモノの虫干しは冬の晴れた日が理想的」が常識ですが、ここでそんなことをしたら、致命傷を与えてしまいそう。私はここでは、虫干しを初夏の爽やかなお天気日に決行しています(もちろん室内で)。

   ワインにキモノ、そして自分のからだのメンテナンス。どれも、きちんと出来るようになりたいものです……。そして、心から春が待ち遠しい!

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あの雑誌の影響? 2006年のバスク人気を振り返る



   『バスクの砂糖壷』2006年ラストの回です。嬉しいっ。ちょっとした仕事納めの気分です。つい先日も、友人から「今年もよく続いたねぇ」というメールをもらったばかりな私。正直言って、ネタに困って「うぅ、どうしよう……」と画面の前で固まってしまったこともありましたが……。気がつけばもう年末。

   それもこれも読んでくださった方、コメントくださった方、そしていつも温かくフォローしてくださるアオキさんはじめとするCafeglobe編集部の方々のおかげです。2006年もお世話になりました。どうもありがとうございます!


今年撮った猫さんコレクションから。バイヨンヌの町角で。


こちらはサン・ジャン・ピエ・ド・ポーで会った猫さん。

   さて、「バスク」をひとつのテーマとしてるブログを書いてる者として今年一番感じたこと。それはバスクを訪れる日本の人が急増したこと! これに尽きます。

   なんと言っても春に発売された『フィガロ・ジャポン』のバスク特集、あの影響が大きかったようですね。フィガロの誘導力ってやっぱりスゴい……と思い知らされました。私自身、大学卒業旅行はフィガロの「南イタリア」特集を握りしめてシチリアへ繰り出したクチなので、よーく分かります。

   なんて事をアオキさんに話したところ、「いやいや、『バスクの砂糖壷』だって多いに貢献してるんじゃない?」と、担当者らしい(?)ポジティブなお言葉を頂きました。そう思うことにしましょう。

   昨晩も、馴染みのレストランへ出かけると隣の隣のテーブルが若い日本人男性3人組だったのでびっくりしました。小さな店内で自分以外に日本人がいるなんていうシチュエーションは、数年前までは考えられなかったことなのです。

   「これからは食事中の会話内容に気をつけないとね……」とは夫の弁。日本語が通じるのは我々のみという状況に慣れきっていて、公共の場でも何でもアリな会話をしてるので。これを自制しないといけなくなるのは、残念といえば残念。

   でも私の方だって、隣から日本語が聞えてくる状況は新鮮で楽しい。フランス語が満ち満ちている室内で、日本語だけが耳に突き刺すように入ってくる。そのつもりはなくったって、ついつい彼らの会話を聞いてしまった!

   この地でこんなシチュエーションが訪れるなんて……ちょっと不思議。でも来年はもっと増えるかもしれない。そんなことを思いながら店を後にしました。

   それでは来年もどうぞよろしくお願いします! 皆さま良いお正月をお迎えください。

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肉食ウィークの始まりはじまり……



   バイヨンヌの町並みです。12月の夕方5時半、こんな感じの光です。ささやかながらもイルミネーションが点灯されて、師走ムードが高まってきました。やっぱり12月の雰囲気っていいですね。


お肉屋さんの軒先から。イルミネーションで夜空が蒼く明るく見えます。

   お肉屋さんへ行ったときのこと。お隣に並んでいたご婦人が、クリスマスから年始にかけて一家が消費するであろう肉を予約注文していました。これまた師走風景らしいなぁ、と始めは微笑ましく思っていたのですが……その凄まじい内容を聞き取っているうちに段々空恐ろしい気分に! 思わず、「一体、それを何日で何人で消費するのですか?」と聞いてみたくなってしまった。


   ロースト用の塊肉、パテ、ソーセージ、ブーダン類、バイヨンヌ生ハムetc.……。日本の標準家庭が半年くらい(いえ、もっと?)かけて消費するような肉量でした。この地の人達の日頃のお肉摂取量から見たら、驚くに値しないのかもしれないですが。

   私はお魚も好きは好きだけど、実は煮魚よりトンカツやステーキの方が好きっというお肉好きです。1週間肉料理が続いたって結構へっちゃら(但し、同時に野菜料理もしっかり食べるという条件つき)。しかし、私の肉好きっていうのはあくまで日本人レベルの肉好きなんですね。

   所詮私にとっては、お肉は野菜やお米と同様に数多くの食材の1つという次元。でもこちらの人はやっぱり肉がないと始まらない、肉があってなんぼの食事です。クリスマス・シーズンになると、毎年そんな風に痛感します。胃がおかしくなるとは行かないまでも、さすがに12月27日を過ぎた頃になるとしんどくなってくる。味覚ではなくカラダが、和食やベジタリアンな食事を要求しているのが分かります。

   そんなわけで只今わたくし、怒涛のクリスマス食生活を迎えるに当たって地味に質素な食生活を心がけてます。外食を極力控え、お菓子やデザート作りも小休止中。

   嵐が来る前の静けさ、そんなところです……。


今年もバイヨンヌの市庁舎前にクリスマス市がたちました。これはその案内パンフレット。

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政治討論会になるキケン大?ノエルの晩の話題



   こちらのクリスマスって、日本のお正月にかなり似ていると思います。もろん宗教的な意義という点では違うけど、過ごし方の精神的な意味合いという点において。「家族が集い、家族で祝う日」という点を何より重視している点が最大の共通点です。

   私は毎年夫の家族と過ごしている立場なわけですが、フランス人の普通のカップルに「どちらの家族と過ごすかで、モメちゃったりしないの?」とちょっとイジワルな質問をしてみると、夫の実家と妻の実家で1年おきに過ごすと答える人が大半でした。


昨年の写真から。クリスマスの日を一番楽しみにしていて、楽しむコツが分かっているのはおばあちゃんです。プレゼントを開けながらのこの笑顔!

   ところで、今朝のラジオで「今年のクリスマスの晩、食卓の話題は?」というアンケート結果を報告してました。1位は「今年1年の家族の出来事」、2位は「その日のご馳走の話」という回答。この辺までは、平和でほのぼのといった感じでフムフムと聞いていたのですが。

   次の回答を聞いて、思わず「出たぁ……」と心の中で叫んでしまった。「来る大統領選挙について」という回答が30%を占めたそうな。イヴの晩に、10家庭のうち3家庭の食卓で政治討論が繰り広げられるであろう、ということです。

   普段から政治討論には熱くなるフランス人だから、大統領選を控えて盛り上がらないはずはない。いよいよ各党立候補者も決まり、ここ最近のマスコミのヒートアップぶりもスゴいものがあるし、当然といえば当然かも。

   しかし、ちょっと嫌な予感がしてきた……。多分いや絶対、夫の家族も政治座談会を繰り広げるに違いない!

   思い起こせば3年前(もっと昔みたいに感じるのはなぜ?)の12月、小泉元首相が自衛隊イラク派遣を決めました。その年のクリスマスの朝食の食卓で、私はそれに対する日本人としての見解を義父に問われました。そして、それがきっかけで一家の食卓はまさに朝から生討論会になってしまったのです!

   なんとディベートは2時間以上続きました。しまいにはどうでも良くなり、ヨロヨロと台所から出て行った私のことすら、誰も気付いていなかったハズ……。

   今年は、ああいうことになりませんように。国際政治が話題の03年と違って今年はフランス国内政治なので、私はただの傍聴者として静かに見守りたいと思ってます!


現役バリバリで働いてる義父へのプレゼントは、シャツやネクタイなどの仕事服が定番。今年はロンドンで買ってきました。義母へは、本やCD、前もって日本で買っておいたものなど。日本の「箸置き」は、義母のお気に入りです。

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マイバッグ持ってスーパーへ、の新現象



   最近、地元の買い物シーンでちょっとした異変が見受けられるように。マルシェ用のマイバッグ持参の人をスーパーでも随分たくさん見かけるようになりました。マルシェへ籠を持たずに出かける人はいないのに、スーパーへは手ぶらで行くのが今までの悪しき習慣。ここにきてようやく、買い物=マイバッグ持参って発想に切り替わってきた様子です。

   と言うのも、ようやく(遅すぎなくらいだけど)地元のスーパーでレジ袋が置かれなくなりました。数年前から何度かそういう動きはあったものの、いかんせん中途半端で徹底されていなかったのです。


マルシェでは基本的にほとんどの野菜は裸のまま購入。籠バッグや布バッグは通気がいいのが良い点。

   中途半端っていうのは、「お願いしたらもらえる」状態のこと。時間がたてばすぐにいい加減になってしまい、いつの間にやら「もらい放題」状態に。もらえるものはもらってしまえっていうのが哀しい性だから、なくしたいものは取っ払わない限りなくす方法はないのですね。レジ袋完全撤廃、今度こそ定着するといいなと願ってます。


羽根がぽわんとついていたりする産みたて卵。朝市で卵を買うときは、卵ケース持参がマナー(忘れると、やれやれという顔で新聞紙に包んでくれる、または控えのケースに入れてくれます。その場合、次回ちゃんとケースをお返しするのもマナーです!)。冷蔵庫の卵ケースをそのまま持参している婦人達もよく見かけます。

   さてエコ問題。cafeglobeの記事の影響も多々あって、私もだいぶ気にかけるようになりました。とりあえずは一番日常的で改善の余地があると思われる問題、日々のごみは出来るだけ少なくしたい。

   普段の暮らしで痛感するのは、「食べる」行為がいかに膨大なごみを出しているかという事。で、料理をサボればサボるほどごみが膨れ上がっていくのは明らかなる事実。例えば冷凍キッシュなんかをたまに買ってみると、その過剰包装ぶりに驚いてしまう。たかだか直径20cmの1個のキッシュのために、紙箱、中袋、下敷きの紙、アルミケース、と嵩高いごみの出来上がり。市販のパイ生地を使えば、その箱とペーパー1枚と野菜クズ。そして自分で一から作れば、野菜クズがちょろっとだけ。手間とごみ量は見事に反比例していきます。

   マイバッグを持ってお買い物に出かける。パッケージされていない素材料を買ってきて普通に料理する。たいしたことではないけど、この繰り返しは日々のごみ減らしの微々たる一歩なのだと確信中です。

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おかげ様で復活の兆し、な発酵食品作り



   皆さん、先日(9月26日付)の「リビングフード Diet」ご覧になりました? ヤマショウさんが中間報告と題して、数々のお写真をデータ遍歴と供に披露してくださったアレです。画面の前で思わず「おォっ」と唸ってしまいましたよね?

   はっきり言って、ビッグシスター状態だろうとヤマショウさんは素がとってもチャーミングな方とお見受けしましたが、現在の凛!としたキレイなお姿はどなたの目をも釘づけにしたはず。リビングフード、おそるべしですね。

   何を隠そうワタクシ、LF連載開始直後にジューサーを購入してます(かなり影響されやすい性質なんで)。しかしいざ使ってみると、コップ1杯のジュースを作るのにものすごい量の洗い物が出ること、絞りがアマくて無駄が多いことに不満が募り(買った機種に問題あり?)、機械は既に納戸入りという情けない結果に終わりました。結局、おろし器を使った手絞りフルーツジュースを週に僅か1~2度ペースで飲んでます。

   こんな、リビングのリの字にも追いついていない私。しかし、ヤマショウさんのおかげで「朝ごはんにはフルーツを」を心がけるようになっただけでも小さな改革でした。前はフルーツっていえば、お菓子素材としての消費方法ばかりを考えていたので。「趣味の果物」「実益の果物」を分けて消費するようになりました。今の季節、アップルパイを焼いたとしても、朝には生のりんごも齧ってみよう。たったそれだけのことなんですけどね。まあ、せっかくフランスは果物に恵まれた国なんだし、フルーツの酵素をもっと積極的に取り込んでみようと。

   それからもう1つ。ヤマショウさんに俄然ヤル気を引き戻していただいたのが、「納豆」と「ヌカ漬け」への情熱。この2大ジャパニーズ発酵食品と白いご飯は私の食の原点ですから。どんなにおいしいパンとチーズがあろうと、代替品にはなり得ないんです。パリ生活ならいざ知らず、バスク暮らしで一番悩んだのがこれ。そして結局、自分で作るようになりました。


人肌温度で発酵後、室温で数時間「後発酵」させることによって、ふっくらとした味わいに仕上がります。発酵物って生き物なだけに油断できぬ存在。だけど上手に出来たときのおいしさ、そして自分で作った納豆への愛着はひとしお。

   料理ではなく食品作りなので、実験・研究が必要だし珍談悲談の連続です。特にヌカ漬けは毎日手をかけるペット状態になりますからね。家を空けることも多い身としては、泣く泣く捨てるという辛い思いも経験済み。でも心の痛手(?)もすっかり拭えたから、ヌカ床再デビュー狙ってみようかな。とりあえず、実家の母に「ヌカセット、また送ってー」と電話オーダーしておきました。

   その他の面では、私の食生活のLV率はかなーり低めです。ワインはたっぷり飲んでるし、外食といえばフレンチ(野菜や果物は加熱調理が基本なのでLV度は低い)な環境だし、お菓子をつくってるし……うじうじ。

   でもヤマショウさんも「小さな出来ることから少しづつ」とアドバイスして下さってます。そもそも食習慣って生活スタイルの一部、個人の生き方・価値観のパーツですもんね。自分らしさを崩さずに、取り入れられる部分を模索していけばいいのではないか、と。

   ヤマショウさんファンの皆さん、それから海外で私みたいに発酵食品作りに精を出している皆さん。一緒に頑張りましょうね。


私の納豆フェチぶりは近親者にはつとに有名な話。家族友人が送ってくれるとっておきの国産大豆で作ります。納豆つくり、私に言わせると成功の秘訣5割は素材の豆のおいしさが握ってます。

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バスクはピクニック・スポットの宝庫です!



   今回は普段とちょっぴり違うバスクの風景をお届けします。

   かのイッツァス村、古い美しい教会の横を通り過ぎ、Pas de Rolandの標識にむかってどんどん車を走らせると、山道にぶつかります。道幅が狭まっていくのと並行して、景色はどんどん荒々しい様相に。頂上まで上ると、下界とは全く違ったバスクの景色が望めます。


山の頂上から見下ろすスペイン側バスクの谷。非常にワイルドな風景です。

   山の名はArtzamendi「アルツァメンディ」、バスク語で「熊の山」の意味。名前もかなり野性的、でも実際には熊はいません。大昔は本当に生息していたのかも? 山から見下ろすと、羊の群れがあちこちに見え、首の鐘がカランコロンとこだまして聞えてきます。あちこちに馬も放牧され、草をはむはむしています。


正式には馬ではなく、馬とロバのあいの子のような動物。気が荒いとかで、あまりチョッカイを出さない方がいいらしい。

   ビュービュー風が吹く山の頂上に腰をおろして、お弁当を広げる。農家で直買してくるブレビ(羊乳のチーズ)とパン、そして水。登山用ナイフでチーズを切っては食べて、切っては食べる。大きな塊のブレビが見る見るうちに消えていく。おにぎりがそうであるように、青空の下で食べるチーズとパンも屋内で食べる時とまた違っておいしい。お弁当パワーはどこも一緒です。

   とは言え、月日が経って我が家のピクニック弁当も変貌しました……。「チーズとパン」は初年度だけで終わってしまった。一回、「おにぎり&卵焼き&お漬物」のお弁当をこさえたら、夫もおとなしく日本のお弁当派になってしまったので。で、あれ以来チーズ農家へ行く回数も、めっきり減ってしまったというゲンキンな我々です。


M夫妻ともハイキングへ出かけたときの貴重な写真。

   とにもかくにも、薫風香るこの季節は絶好のピクニック日和です! 皆さんも、お気に入りな場所にお弁当持って出かけてみませんか?

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ふるさと宅急便、日本の「干し野菜」



   日本の実家から小さな段ボール箱が届きました。開けてみると……日本野菜の乾物! 干し大根、干しレンコン、干しささがきゴボウ、それに赤とうがらし。母がせっせと野菜を切って、日本のお天道様の下で干してくれた自家製の干し野菜です。ぷーんと漂うゴボウの香りに、ひとりニンマリです。

    ゴボウってヨーロッパ在住(少なくともフランス在住)日本人にとっては憧れ野菜ナンバー1です。パリの日本食材店ではゴボウ1本が10ユーロくらいという値段で売られているし(日本から空輸されているんだから当たり前?)、成田空港でもお土産用に売っているそうですしね。いつか自家菜園なんかをやる日がきたら、真っ先にトライしてみたい野菜です(ここバスクでも、自家栽培している日本人の方がいます)。


干しゴボウ、水でもどすと生ゴボウと全く変らないおいしさと食感が甦ります。干し野菜って素晴らしいっ。


実家の庭で今年採れた鷹の爪。アジア人の食卓には欠かせませんよね。

    年末年始の過食飲みすぎ気味のからだに、日本の根菜類で作った煮物汁物を食べることが今から楽しみであります!

   2005年〆としてはナンだか非常に地味な話題になってしまい恐縮ですが……、今年このブログを読んでくださった方、コメントをくださった方、レシピをトライしていただいた方、本当にどうもありがとうございました。2006年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

   それではみなさま良いお年をお迎えください!

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バイヨンヌのクリスマス村&屋台のお菓子



   クリスマスも目前に迫ってきましたね。皆さんがお住まいの所はどんな師走模様なのでしょう?

   私の住む街の年末風景のひとつが、「Village de Noël(クリスマス村)」。11月から街の中心広場ではトンテンカンテンと工事が始まってました。12月に入ると仮設小屋が数十軒と建ち並び、1ヶ月間限定の小さな村が出来上がってます。


連日雨降りだったので、久々に晴れた日の午後はかなりの人出。

   街中では聖歌隊の合唱、馬車乗り、仮装パレードなどのミニイベントも日替わりで行われてます。週末ともなると、サンタクロースと子どものふれ合いスペースもあり。全てバイヨンヌ市の主催で行われ、住人には立派なプログラムまで送られてきたほどの気合の入りようです。

   そぞろ歩きしていると、いつにも増してスペイン語がたくさん聞こえてきました。スペイン側の人はこちらフランスへ、フランス側の人はあちらスペインへ、と国境を行き来しながらお互いのクリスマスムードを楽しんでいるわけです。これは国境をまたいでる地方の利点と言えます。

   スペインの影響は、屋台の食べ物にも色濃く出てます。なんといっても揚げ物率高し! 中でもチュロス屋は行列が出来ているほど、おとなも子どもも大好きな駄菓子であります。クリスマスマーケットで一番人気がチュロスっていうのは、この地方ならではの現象ではないかと。そんなわけで、クリスマス村はちょっぴり「揚げ物村」なニオイも充満していました……。


日本の遊園地でも売ってたチュロスがスペインのお菓子だってこと、ここに来て初めて知りました。フランスでもこんなに人気あるお菓子だったとは。


ドーナツのフランスバージョン、揚げ菓子「ベニエ」。これもグラニュー糖をたっぷりまぶして。


おとなのおやつもスペイン風に、「サングリアとタパス」。

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牛乳嫌いの人にこそ飲んでほしい、レ・クリュのおいしさとは?



   せっかく田舎暮らしをしているのだから、この土地ならではの食材、地元の素材を積極的に手に入れるようにしています。

   中でもとても嬉しい食材は、絞りたての牛乳。地元の酪農家の方が配達しに来てくれます。何十年も前から週に4回おいしい牛乳を運び続けている人として、この小さな界隈ではつとに有名らしい。注文方法も、欲しいときにpost itをぺたっとポストに貼っておけばいいという大らかさ。おいしい上に冷蔵庫に牛乳を切らすことがなくなって、本当にありがたい存在です。


当たり前ですが、生牛乳のウィークポイントは賞味期限の短さ。袋に詰められてから48時間以内に殺菌してあげないと腐ってしまうのです。よって都会へは流通されず、地元だけへの供給となります。

   lait cru(レ・クリュ)、訳して生牛乳。無殺菌状態で届くので、鍋に入れて加熱殺菌します。そのまま室温で冷ますこと数時間、すると上澄みが膜を張ります。これが生クリームの正体。スプーンでぐるぐるっとひと混ぜしただけで、バター化してくるほどの濃厚クリームです。牛乳でゆるめてあげて、やっと普通のホイップクリームの濃さに仕上がります。


火にかけたまま吹きこぼしてしまった経験は数え切れず……。懲りて、アラームつきの温度計を使うようにしてます。


上澄みクリーム。これは結構日持ちするので、溜めておいてお菓子に使うことも。苺の季節にこのホイップクリームを添えるのは、最上のデザートになります。

   こんなクリームを浮き上がらせてしまうほどの牛乳ですから、乳脂肪が高いことは間違いないんですが、だからといって味そのものがコッテリ脂肪なわけではありません。コクがあるのにキレがある、ビールの宣伝文句そのまんまですけど、まさにこの表現を使いたくなる爽やかな飲み口なのです。

   実は私、子どもの頃から大の牛乳嫌いで(牛乳はあくまで料理とお菓子の素材でしかなかった)コップでゴクゴク飲むなんて行為、死んでも無理!だったのですが、この年にして遂に出来るようになりました。出来るどころか、「おいしい」と素直に思っている自分がいます。バスクの健やかなる牛さんのおかげか、配達農家の方のおかげか。とにかく、牛乳嫌いを克服させてくれたのはバスクの生牛乳です。

   レ・クリュは、バスクに限らずフランスの酪農地方ならスーパーなどでも買えるはずです。滞在型の旅行で食材の買出しへ、なんて機会がありましたらお試しください。

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フランス流おもてなし、アペリティフ時間の効用



   今からン年前、初めてフランス人宅に食事招待されたときのこと。「フランス人のおもてなし料理、お手製デザートってどんなどんな?」という好奇心丸出しの私に衝撃を与えたもの、それは料理・デザートそのものではなく(とても素敵でおいしいものだったのだけど)、「アペリティフ時間」の存在です。

   居間に通され、ソファに座ってまずは軽くおしゃべり。そしてリキュール棚のコレクションを紹介され、知らない種類のいろんな講釈なども受けながら、好きなものをチョイスしました。アペリティフを飲みながら、軽いおつまみを頂いてると本当にゆったりしてきて、最初の緊張感も段々薄れていったのを覚えています。


先日我が家で行った食事会のアペリティフ用つまみの一部。スペインがご近所さんという場所柄、ハモン・セラーノ(スペインの生ハム)は必ず使うアイテムです。

   「とりあえずビール」でなくって、「とりあえずアペリティフ」で始まる時間。喉を潤す目的だけでなく、人と人の間の流れをも滑らかにするのが目的な時間。大人っぽくて素敵な時間の過ごし方ができます。私は今でもフランス人の家に招かれると少々緊張してしまいます。もう慣れた人たちですら、日本とは違うあのムードに囲まれるとどぎまぎしてしまう……。だから余計この食事前のリラックスタイムはありがたい。ソファに座って食前酒をちびちびやっているうちにようやく吹っ切れていく感覚。そして場が和んできたところで食卓に移動して食事が始まる、これがおもてなしの流れです。

   ちなみにこの素敵なアペリティフ時間、気持ちが良くなる要因はもう一つ。それは必ず男性がサービスしてくれること。ワインは言わずもがな、水を注ぐのだって男性の役目、そして男性がした方が数倍サマになる仕事。アペリティフも当然、男性がサーブした方がカッコいいに決まってます!


銀器をショコラティエに持ち込んで用意してもらった、とっておきの日用「チョコレート盛り合わせ」。


この日の酒量、大人6人でアペリティフにシャンパン2本、食事にワイン2本。メンツにしては結構おとなしかった夜。

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アンティーク、入手先のバリエーション



   前回に引き続いて、アンティークの話題です。ひとくちにアンティークと言ってもジャンルやランクは様々。いくつかのカテゴリーがあるので、ご紹介します。

   お値打ちものや出所がしっかりしている絵画、家具、食器類などが並び、買わずとも目の保養になるのが「Salle de vente(オークション会場)」。鑑定人のお墨付だし、初値(かなり割安)が決まってるので安心感があります。パリのオークションはあまりに高嶺の花レベルのようですが、地方ならだいぶ取っ付きやすい雰囲気です。土曜に展示会場で品をじっくりチェック、日曜にオークションに参加するという仕組み。ライバルが少なければ憧れの品を破格の値段でゲットすることも可能なので、我が家が最も利用している買い物方法、そして見に行くだけでも楽しい娯楽のひとつであります。


新品を買うのはちょっと躊躇してしまうような品もオークションでなら狙える。例えば「クリストフルのシャンパンクーラー」。かなり嬉しかった買い物の一つです。

   小さな町にも必ず2つや3つ存在するのが、「Antiquité(アンティーク店)」と「Brocante(古道具店)」。日本にもあるような、いわゆる骨董屋さんです。オーナーの趣味とスタイルによって、ピンキリです。だから自分の趣味とぴったりのお店が見つかるとかなり嬉しい。私はバイヨンヌのとあるオニイサン(このニュアンス分かって頂けるかな)のセンスが大好きで、買い物帰りに寄り道してはうっとりしてます。

   そして「Puce(蚤の市)」と「Vide grenier(屋根裏整理、ガレージセール)」は、週末に町の広場や公園で行われる青空骨董市。カフェオレボウルやアンティークのキッチン道具、味のある農作業道具など興味深いものが見付かる一方で、お古のパンツ(ズボンじゃなくって下着の方)とか、頭の部分がちぎれた人形とかホラーなものも。他人サマにとってのガラクタが自分にとっては宝物になり得るし、その逆も然り。まさに蓼食う虫も好き好きの世界です。


色と形で選ぶ、アンティークのジャム瓶。手前のはほんのりピンクのガラスだからレアものなんだとか(骨董市のおじさん曰く)。


蚤の市の「どれでも1ユーロ」箱の中で目にとまった「ガラスのレモン絞り器」。私の買い物はかなり実用主義かも?

   ところで、私は全く霊感を持ち合わせていない人間ですが、こういう古い物を見てまわると「物にも魂ってあるんじゃなかろうか?」という発想が頭をよぎります。見ただけでなぜか背筋が寒くなるような代物にだってお目にかかるし、ぱっと見ただけで「買って買ってぇー」と私を呼んでくれているような物に出会ったり、いいなと思った瞬間に他の人の手に渡ってしまったり……。物と人にも縁ってある、と思います。


最近やっと巡り会えた、木製のギザギザカッター(パイ・クッキーなど用)。スーパーで昔買ったプラスチック製のなんと色気のないこと……!台所のプラスチック製品は極力排除していきたいと考え中。

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買い物の楽しさ満載!蚤の市



   週末、地元の「蚤の市まつり」へ行ってきました。普段の骨董市よりも大きな催しということで、本日は有料システム。切符スタンドで2ユーロ払って入場します。青空の下、たくさんのテーブルがダーッと並び、その上には膨大な数のアンティークの品々。ゆっくり時間をかけて見る人の為に、簡単な飲食コーナーまで用意され、好き者にはもうたまらない雰囲気。このわくわく感は何に例えたらいいのだろう? 巨大なおもちゃ屋さんに入った子どもの心境?なんて思えます。


商品の80%は食器、グラス、カトラリー類。残り20%はオブジェ、布もの、道具など。

   新品の買い物は、今やパリだろうと東京だろうとロンドンだろうと、同じモノ、似たようなモノを簡単に手に入れられてしまう時代。やっとこさ手に入れました!みたいな満足感や優越感といった喜びが徐々に薄れてきてしまってるような。それにひきかえ、アンティーク探しは本来の買い物の楽しさが残っている最後の砦! 何が見付かるだろう?という期待に応えてくれる、一期一会の出会いがごろごろ転がっている貴重な場です。


趣味や探しているジャンルとは違っていても、とにかく「見る」のが楽しい骨董市。欲しいものが見付かっても、何食わぬ顔で値段を聞くことが肝心です。とはいえ夫曰く、私はすぐに目にハートマークが輝いてしまうのでバレバレだとか……。

   ンーそれにしても、と骨董商いの人たちの雰囲気を眺めながら思う私。なんで同じ職業の人というのは万国共通の匂いがあるのだろう?と。パリの蚤の市の人も、ロンドンのポートベローの人も、東京は乃木神社や新井薬師の人も、はたまた此処バスクの骨董屋の人も、顔かたちこそ違えどまるっきり同じ空気を湛えているのです。お客がが品を手にとり眺めている様子を、椅子に座りながらじーっと観察している時の目の色なんか全く一緒。こちらの方こそ品定めされているようでドギマギしてしまうことがあります。

   決して親近感を感じさせてくれるタイプとは言えないけれど、この場にはやっぱりこの微妙な存在感が一番適切なのかも。アンティークを物色しているときに「何かお探しですか」なんていう接客ほど野暮なものはないはずだから……。

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夏の終わりの果物3種



   いよいよ9月、夏も終盤。まだまだ陽気は夏、だけど日の光に秋が見え隠れし始めたこの季節こそバスクのベストシーズンであります。

   この時期にお目見えする素敵な果物3種をご紹介します。「レーヌ・クロード」、「ミラベル」、そして「ミュール」。どれもなかなか素敵な名前だと思いませんか? 少なくとも初めて耳にしたときに「おフランスな名前だこと。」と妙に感心してしまった私です。

   レーヌ・クロードは、すももの一種。ちょっとくすんだ黄緑色をしているのですが、この色が何とも綺麗なのです。日本の梅の実のような冴え冴えした黄緑ではなく、ちょっと枯葉色を混ぜたような渋い黄緑というか。秋を予感させてくれる素敵な色です。お味の方は外見のイメージに反して、びっくりするくらい甘くてねっとり。もぎたての熟れたレーヌ・クロードには、天然ジャムのようなコクがあります。


バイヨンヌのお気に入り骨董屋で見つけた、コンポティエ(果物皿)に盛りました。買った当初から、レーヌ・クロードをイメージしていたので一人ご満悦中。

   ミラベルもこれまた美しい色をしたフランスらしい果物です。金柑を彷彿とさせる金色、つるつる輝く大きさも金柑サイズの実。プラムの一種でアルザス・ロレーヌ地方が有名な産地ではありますが、バイヨンヌの朝市でも地元育ちの美しいミラベルが見つかります。こちらもレーヌ・クロードと同じく、熟れているものはねっとり濃厚なおいしさです。


こちらはセネガルはダカールの市場で買った木のボウルに入れました。

   そして夏の終わりの小さな果実といえば、ミュール。英語のブラックベリーです。バスクの山のそこかしこにトゲトゲの蔦を伸ばしながら群生中。今はまだラズベリー色をしていますが、これから少しづつ少しづつ太陽を浴びながら黒く色づいてきます。そこら辺を散歩しながらでも、ひょいひょいとミュールのつまみ食いができてしまう、これは9月ならではの楽しみです。本格的にボウルを担いで山奥に行けば、元手ゼロのおいしいジャムの材料を摘むことだって可能です。


柳みたいに垂れ下がった枝に、たくさんのミュールが実ってます。トゲトゲは手に刺さると結構痛いので、摘むときは慎重に。

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おおらかな、マルシェのお花



   バスクの町や村には、都会で見かけるようなスタイリッシュなお花屋さんはあまりありません。手土産のブーケを買う場合などは別にして、お花を買う場所としても私はマルシェ(市場)を愛用しています。

   といっても、マルシェにお花屋さんが出店しているわけではなく、農家の人が兼業としてお花を売っている場合がほとんどです。野菜とお花、卵とお花、フロマージュとお花。不思議な組み合わせ同士が並んで売られています。だから、売られているお花は旬の果物や野菜と一緒で、本当に季節のものだけ。畑や牧場のそばにある庭や敷地に咲いていたであう、おおらかな自然な花たちです。


たくさんの青野菜の中、紅一点売られていたお花の束。

   バケツに入れられた一束のお花を選び出すと、ささっと手軽に包んでくれます。新聞紙や包装紙、ときには週刊誌をびりびり破ったもので。くしゃくしゃっとしたその無造作感が私はとても好きです。お花屋さんで買う時の高揚感とはまた違うあたたかい気持ちになれるのです。


はっとするほど美しかった、ばらのブーケ。でもお花屋さんのそれに比べて命がとても短いのです……。


こちらのご夫婦はお花をメインに、兼業(?)でじゃがいもやカボチャを売っています。

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自分の暮らす土地を紹介する、ということ



Cafeglobeでたまに連載されている「世界の街で聞いてみた」シリーズ、ご覧になっていますか? 5月のお題は「海外からの友だち どこに連れてく?」で、ガイドブックや観光ツアーとはまた違う、その土地に住んでいる人ならではの生情報やパーソナルな思い入れを垣間見ることが出来ました。

先週、日本の某雑誌の「バスク特集」取材のお手伝いをしたのですが、これがまさにこのお題を与えられたようなものでした。目的や趣旨は絞られていたものの、友だちだろうと取材だろうと「どこに連れてく?」という一大テーマはさして変わらず。数日間という限られた時間の中で、この地方らしい魅力を伝えてくれそうな場所を駆け巡りました。


黒サクランボのジャムバスク布のテーブルリネン、チョコレートなどバスクの名産品いろいろ。取材先のあちこちでお土産を手渡してもらえて嬉しかった。バスクの人は太っ腹だ!

お店もたくさん訪れました。普段から馴染みのある好きな店をセレクトしたのですが、取材だからこそ聞ける説明や話をお店の人から直接聞くのは新鮮で楽しかった。そして取材班の方が満足して下さっている様子を見るとやっぱり嬉しくなって、あらためて自分の住んでいる地方の長所を再確認できたような気がします。

住み慣れてしまうと、魅力を忘れてしまいがちになるし、無い物ねだり病も始まってしまう。そんなときこそ、誰かを自分の土地に案内するのは効果的なのかもしれない。新鮮な感動よ再び、という心境になれます。「どこに連れてく?」は自分自身に再発見をもたらしてくれるお題でもあったのでした。


マカロンはパリだけの名産品にあらず。地方には地方ならではの素朴なマカロンが存在します。

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スローなバスクのスローなイベントとは?



今週のフランスは異常に暑い! 全国各地で30度以上を記録、所によっては35度以上のところも。こちらバスクも例外ではなく、一気に真夏陽気がやってきました。ヨーロッパにも確実に押し寄せている温暖化の波を感じる今日この頃です。

そんな暑い暑い土曜日、行ってきました「スローフード」イベントへ。

すっかり世の中に定着した感のある「スロー」という言葉、そしてその流れの発端を作ったとも言えそうなスローフード運動。Slow Food協会なるNGOが、食文化とその継承、そして次世代への食育のために、様々な活動を行っていることはご存知の方も多いかと思います。今や日本各地にも支部が出来ているスローフード協会、もちろんバスクにも支部が存在します。


小さな漁港の広場がイベント会場。照り付ける太陽の下、バスクの特産品が並んでました。


フロマージュ各種。木箱の感じが和菓子屋さんみたい。葉っぱにくるんだものは柏餅みたい。

そのバスク支部初の試みのイベントがあると聞き、会場となったCiboureという小さな港町の広場へ出かけました。パラソルの下にスタンドが並べられ、バスク特産品が一堂に会しておりました。黒豚のハムやパテなどの加工製品、魚のパテやテリーヌ、とうがらし、フロマージュ、地ビール、リンゴ酒etc.……自由気ままに試飲試食させてもらえるし、もちろん買うことも。


アペリティフによさそうな魚製品4種のお土産セット。鱈のすり身、サーディンのマリネ、ニジマスのすり身、そしてアンキモ。


バスク料理のお漬物的存在の青とうがらし。魚料理の口直しに使われます。

一見すると、日本のデパートの「特産品フェア」にも似ているイベント。でもスローフードたる大きな特徴は、生産者との直接交流の場であること。スタンドに立って商品を紹介しているのは、毎日その食品を汗と誇りと愛情でもって作り続けている生産者ご本人たちなのです。生産者の顔を見る、生産者とおしゃべりする、それによって消費者に何かを感じてもらおう。それが今回のイベントの第一の目的なのでした。

陽気なムードも、生産者方の明るい笑顔も、おいしい試食品も、とっても良かった。しかし、一番私が気に入ったもの、それはスローフード協会バスク支部の団体名称Bizi Ona。バスク語で「素晴らしき人生」という意味なのです。さすが元来スローである土地柄、ちょっとキザなほど余裕のある名前ではありませんか!?

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バスク名物・サクランボをおいしく食べる方法



サクランボの季節がやってきました! みなさん、もうご賞味されましたか? そして、サクランボがバスクを代表する果物だってご存知ですか?

山バスクにあるイッツァスという小さな村は、黒サクランボの産地として有名です。ここのサクランボで作る黒サクランボジャムが、ガトーバスクのフィリングとして使われているのです。


手前がバスク特産の黒サクランボ。むんずと鷲づかみして好きな分量だけ買い求めます。

黒サクランボの「黒」って一体?と、私も見るまでは疑問だったのですが、実際見ると本当に黒いんです。アメリカンチェリーの色が赤7黒3比率とすると、イッツァスのサクランボの色は黒7赤3比率という色。黒光りした赤とでもいうか……。とにかく独特の魅力的な色をしているサクランボです。そして見かけの色だけでなく、お味と香りもぎゅっと濃縮したような旨みがあるのが特徴です。


こちらは普通のサクランボ。濃い赤が美しい。

黒だろうと赤だろうと、おいしいサクランボをデザートにするには、まずは「生食」に限るのではないでしょうか。これがデザート?と言われたら身も蓋もないのですけど、ぷっくりと熟れたサクランボこそ6月の最高のデザートだっ!て本気で思ってます。一つだけ私が守っているポイントは、温度。冷たく冷やしてしまったものより、ちょっと暖かめの室温に戻すこと。そんなサクランボこそが美味なのですね。木にいたときのその温度、自然に近い形の温度が一番いいのかな、なんて思います。


ジャムの色も黒赤い。

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プロバンスとは対照的、バスクの布



今回はバスクの布をご紹介します。7本のラインが入ったとてもシンプルなデザイン。同じ南仏でも、東はプロバンス地方の女性的なプリント柄とは対照的です。プロバンスの布地がつるっとしなやかなのに対し、バスクの布地はキャンバス地を彷彿させる厚手のコットンでできています。

ビアリッツやサン・ジャン・ド・リュズなどの海辺のレストランには、マリンカラーのクロスがとても似合います。サンサンと輝く太陽の下、青と白の爽やかなクロスの上にお料理が並べられれば、そこは完璧なまでに海のリゾートの雰囲気が!


ビアリッツの港沿いのお魚レストランにて。お皿にのっているのは、定番デザートの一つ、ヌガー・グラッセです。


初夏らしく華やかな色合いのテーブル・ディスプレイがされていました。海辺の別荘なんかに似合いそうな。

このバスク織、分厚い頑丈なコットンなので、ざぶざぶ洗っていくうちに独特の風合いが出てくるのが気持ちいい。柔軟剤などは使わずに、あえてそのごわっとした木綿の感触を楽しみたくなる布です。買うと必ず「はじめてのご使用前に一晩水につけてすすぎ洗いをして下さい」というメモ書がくっついてきます。こうすると油やワインの染みも洗い落ちやすくなるのだそう。

毎日使ってじゃぶじゃぶ洗えるテーブルクロス。白と生成り色がベースのシンプルな色使いなら、和食テーブルにも違和感なくマッチするところもグーなのであります。


我が家の普段使いクロス。珍しく薄地なので、アイロンが楽で重宝しています。

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フランス家電事情・その1



冷蔵庫、オーブン、炊飯器などなど。その国の食卓事情やデザインセンスを覗き見るには、家電製品をチェックしてみることが一番手っ取り早いと思う。いつも見慣れている電化製品も、違うお国のものとなると全く違ったモノに見えて興味深いものです。

我が家に遊びにやって来る日本からの友人たちも、台所に集まっては「へー」だとか「ふーん」だとか、ヨーロッパ家電製品チェックに余念がない。私も逆に日本へ里帰りした際に、日本の電化製品を見たり使ったりするだけで、あー日本にいるのねぇと思えてくる。

そんな訳で我が家にある家電製品をちょこちょことご紹介していきながら食卓文化について考察していこう(ンな大げさな)なんて考えました。今回はこちらで普通に使われている「電気湯沸かし器」です。夫が独身時代から使っていたものですが、今や私にとってもなくてはならない「やかん」です。1.5リットルの水をわずか1分以内に沸騰させる瞬発力がすごい。待つことなくお茶やコーヒーを入れたりお料理の準備に取りかかれるスグレモノなのです。


ティファール製の電気「やかん」。お茶道具を用意しているそばからお湯が沸いてくれます。

もちろん、240Vというヨーロッパの高電圧あってこその電化製品ではあります。少々パワフルすぎて、これでお茶をすぐに入れると舌をやけどしてしまうというのが難点といえば難点……。おいしい温度が60~80度という日本茶を入れるにはちょっと高温すぎてしまいます。

さてバスクという土地柄、家電製品一つ買う場合でもスペイン側へも物色しに行く環境ですが、お隣スペインの家電製品コーナーもなかなか特色があって興味深いのです。何よりも一番目につくのはすごい種類の「揚げ物機」! 魚介のフライやコロッケがおいしいお国ならではのラインアップです。日本の炊飯器ほどのサイズの機械の中に食材を入れスイッチをまわせば熱々のフライが揚がる仕組みになってるようです。うーん使ってみたいーっ、と思ってすでに4年越しですが、躊躇します。だって手軽な揚げ物のおいしさにはまってしまう自分が恐いですから……!


ズラリ一列に並んでいる愛用の家電製品たち。

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