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食卓のお気に入り
2008年1月29日
1月後半といえば、すでに日本の書店のお菓子本売り場は「チョコレート本」が溢れている頃ですね!
実は私はこの類の本を一度も買ったことがないし、バレンタインに手作りチョコって経験もない人(チョコレートケーキを作って家族と味わってた)。男性に贈るならお店のチョコレートでしょ、と若い頃から冷めたマインドの持ち主でした……(皆さんはどちら派?)
所変わってフランスの本屋さん、この時期にショコラ本が特別扱いされるという現象はありません。バレンタインは女性からではなく男性が贈り物を、という慣習らしいし(“らしい”って言うのは我が家には全く縁のない慣習なもので)ましてチョコレートがその手段に使われる習慣とは無縁のようです。
そもそもフランスって1年365日チョコレートの日。私に言わせると“総国民ショコラ狂”って感じのお国柄なので、ショコラ本はいつでも充実しているし通年安定した売れ行きを見せてるわけです。
私がチョコレート本に開眼したのも実はフランスに来てからです。今回、私の『お菓子図書室』(いがらしろみさんのCafeSweets連載名から拝借!)の中からご紹介するのはこちらの3冊。フランスの大御所パティシエお三方、ピエール・エルメ氏、クリストフ・フェルダー氏、そしてジャン=ポール・エヴァン氏のショコラ本です。

左から、エルメ氏著『Mes desserts au chocolat』、フェルダー氏著『le Chocolat de Christophe Felder』、エヴァン氏著『 Délices de chocolat』。エヴァン氏の本は最近日本語版が出ましたね。私はこのエクレア写真に一目惚れ! ジャケ買いでした。
それぞれスタイリッシュな写真と立派な装丁にクラス感が漂ってます(本のお値段もそれなり)。クローズアップ写真が多いので、眺めてるとカカオの香りが迫り寄ってくるような気分に……。
ページをめくると3氏それぞれの個性がたっぷり味わえます。同じテーマ本なれど、アプローチの仕方そして各氏のショコラという素材の捉え方を感じられるところがひとつの見所。そして“ショコラは芸術”と感嘆せずにはいられない!

いつからか習慣化するようになった我が家の“今月のおすすめ本コーナー”。その月にふさわしいお気に入りの料理本や写真集を並べてます。お客さんも眺めていかれるので、会話の糸口になったりして結構楽しいです。
次回、この3冊に共通して登場するお菓子をピックアップしてみます。お楽しみに!
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2007年8月28日
みなさん、炭酸水はお好きですか? ちょっと前のcafeglobeのvoteでも、「じわりじわりと人気が続いてる炭酸水、どんなタイプが好き?」というお題が出てましたが。
私はフランスに来た当初はあまり得意でなかったのに、飲み慣れていくうちにすっかり好きに転じていました。今やミネラルウォーターといえば、家でも外でも炭酸水派です。
バスクを含むフランス南西部エリアで最もポピュラーな水、我が家で愛飲しているのがこちら、『ogeu』。ピレネー山麓にある、Ogeu les Bainsという谷間から湧き出る天然水です。

ご当地ビールならぬご当地炭酸水です。フランス南西部にお越しの際はお試しください!
フランスに数ある天然炭酸水の中では、かなり軽めな味に入ります。シュワシュワっと広がる爽やかさと程よいミネラル度が、消化を助ける効果があるそうな。
そのままゴクゴク飲むのはもちろんのこと、ちょっとしたカクテルをつくったときに水本来の味を実感します。これぞ、ogeu効果。

我が家の冷蔵庫のドリンクコーナー。シャンパン、白ワイン、炭酸水、そしてカルピス(ogeuで作るカルピスソーダ、おいしいっ)。
レモン汁とハチミツで天然ハチミツレモンソーダ。果物のコンポートを作ったときのシロップを割ったフルーツソーダ。それから、日本から大事に抱えてきた梅酒(いまや機内に液体持込できなくなってしまったので悲しい)でつくる梅酒ソーダ。
どれも、今の季節にぴったりな飲み物です。
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2007年8月10日
家電製品売り場で「ソルベティエール(アイスクリームマシーン)」のコーナーをはじめて覗いたときは、「さすが!」と嬉しくなりました。ヨーロッパ各国メーカーからいろいろ出ているので、種類の多さはかなりにのぼります。
レストランで使用するような業務用に近いものから、もうちょっと家庭的なものまで幅広いラインアップ。どれも容量はたっぷり大きめという点は共通です!

段々ふんわり感を増してくるクリーム。するっと爽やかな口溶けです。
さて、ソルベティエールの仕組みとは? 冷却装置で冷やしながら、羽根が電気回転することによってクリームを撹拌する仕組み。すると、クリームは空気をたっぷりと含みながらフンワリ柔らかく冷え固まってきます。
夫のおばあちゃんの少女時代には、夏の田舎の別荘で一家総出のアイスクリームつくりは最高のイベントだったそうな。木の樽に氷を入れて手動のハンドルでぐるぐる廻す、情緒豊かなソルベティエール! もちろん、牛乳は搾りたて卵は産みたて、そして夏の氷は贅沢品。アイスクリームというお菓子のステータスが、うんと高かったことが偲ばれる話です。

一晩寝かせたアングレーズ・ソース。これをマシーンに投入します。
時は流れ冷凍庫が当たり前になり、巷にはアイスクリーム製品が溢れ、まるで常備食品状態。
でもソルベティエールを使ってみると、気がつきます。ほかの多くのお菓子と同じくアイスクリームも作りたてが最高のおいしさであるってことに。出来上がった瞬間、スプーンでとろっと掬いあげるときのおいしさ、喜び!これは、おばあちゃんが体験してたものと同等に違いないと。
このおいしさを知ってほしくて、そしてソルベティエールを啓蒙(?)したくて、家族や友人が遊びにきたときに作ってみることがあります。台所でおしゃべりしながら(みんなマシーンから離れない!)待つこと30分。口に入れた瞬間の皆さんの表情を見るのは、私の密かな楽しみです。
次回も“ソルベティエール啓蒙活動”の続きを。「生ミルクのバニラアイスクリーム」のご紹介です!
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2007年8月03日
久しぶりに、我が家のリキュール棚に新顔が加わりました。「Crème à la fraise des bois(木イチゴのクレーム)」。
カシスの産地として知られるブルゴーニュのリキュール・ショップで買ってきました。最初は定番のクレーム・ド・カシスを買うつもりで店に入ったのに、ずらり並んだ各種フルーツのクレームを見た途端、一気に心が揺らいでしまう。

先日作った「苺マカロン」用のクリームにも早速入れてみました。
「できたら、いろいろ味見してみたいのですけど……」とダメモトでお願いしてみたところ、店の主人がニッコリ顔で冷蔵庫の中から開封済みボトルを取り出してきてくれた時は嬉しかったです。
何でも頼んでみるものですね! たかだか1本のお酒を買うときでも、しつこいくらいに貪欲になった方がフランスの人は喜んでくれる節があるな、と思います。レジ台の上にプラスチックのコップを並べ、深紅色のお酒を次々と味見させてくれました。ご本人も一緒に全種類飲んでたのには笑ってしまったけど……。
どれもフルーツの芳香さがまろやかに漂ってました。「お菓子にイチバン使えるとしたら」という視点で、フランボワーズと苺の中間の風味の「木いちご」をチョイス。苺やフランボワーズ使いのデザートの隠し味に使ってみたいと思います。
そしてもちろん、白ワインやシャンパンと割ってキールにも! 今年の夏のアペリティフに大活躍しそうです。
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2007年5月18日
最近、マカロン本と並んで本屋さんの料理本コーナーを賑わせている流行りコンセプト……それは「verre(グラス)」。料理を「お皿にではなくグラスに盛りつけてみよう」という提案です。
書店を徘徊すると、同一テーマの新刊本をたくさん発見。「グラスでデザート」「グラスで夕食」「グラスでお料理」……などなど。中身もタイトルも瓜2つならぬ瓜6つな本が平積みされておりました。
余談ですが、フランスの料理本は1冊ヒットが出ると、二番煎じ的なソックリ本がダダダッと続きます。コレ、前々から気になっていた現象なんですよね。共倒れしないのだろうか? と余計な心配をしてしまう。日本の料理本の方が、ずっと個性的でテーマが豊富だと思います。(料理本好き人間のつまらぬひとり言)
私もかなりの「グラスデザート」愛好者です。シャンパンフルート、ワイングラス、タンブラーなど手持ちのグラス類はバンバンとお菓子にも使用してます。ただし、シャンパン・フルートを使うのは要注意! 冷蔵庫からの出し入れの際に、ガシャガシャガシャーン!とハデに割って涙をのんだことが……。
そこで「ちゃんとしたデザート専用のグラスが欲しい!」という願望がフツフツと沸いていました。購入したのがこちらのデザートクープです。

厚さ0.8mm、重量100gという超軽量で繊細なつくりは、持つだけでパリンと割れてしまいそう。だけど信じられないほど強靭なのがウリ、という不思議なガラス。
昨年ヴェネチアはムラノ島でオーダーしました。イタリア人セールスマン相手に値段交渉をガンバったとは言え、かなり勇気のいる買物だった! 「元を取るべく、ガンガン使わなきゃ」と思ってます。これを使いたいがためにデザートつくる機会が増えそうです。
というわけで次回、苺のクープデザートのご紹介です。

食器棚の一部公開。収集つかなくなりそうなので、最近食器を大幅にリストラしました(それでもギューギュー詰めですが……)。趣味じゃないモノ、絶対に使いそうにないモノは潔く放出、蚤の市に出店するという友人に託すことに。
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お作法道具の仲間入り、おばあちゃんからの「銀のケーキサーバー」
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2007年3月27日
日本にいた頃よりも圧倒的に使用頻度が高くなった道具、アンティークショップやよそのお宅でも一目置くようになった道具。それは「ケーキサーバー」です。自分で作ったお菓子をひとつひとつお皿にサーブすること。これってお菓子つくりの最後を締めくくる、大事なお作法。そう思えるようになったから。
お茶に招かれたりすると、フランス人女性のお作法はさすがサマになってるワ、と感心することがよくあります。とても自然で女性らしく、身についた手つき、仕草。お菓子文化の濃さ、豊かさって、お菓子そのものよりもこういうところに滲み出るものだと思います。
ただいま私が愛用している「お作法道具」は、夫のおばあちゃんからの贈り物です。昨年のクリスマスプレゼントに頂きました。数年前まで、お茶の時間に招かれる度におばあちゃんがお菓子を取り分けてくれていたあのケーキサーバー! その様子は、優雅とか何とかっていうレベルを卓越していて、おばあちゃんの手の一部みたいでした。

サーバーを使いたいがために、シンプルな焼き菓子を焼きたくなる。
彼女自身、いったいルーツはどこまで遡るのか分からないと言うほど、何世代かに渡ってる古い製品です。文様などが一切ないシンプルさ、媚びないデザインなところが気にいってます。
そして、おばあちゃんからの銀製品はどれもこれが特徴なのですが、マットな光沢感がとても温かい。ピカピカな新品の銀製品だとどうも気後れしそうになるのですが、使い込んだ銀製品はとっつき易さを感じさせてくれる。銀製品こそ、しまいこまずに日々使ってこそ価値が出る。使っていてしみじみそう思います。
今までアンティークショップなどで見て廻ったこともあったけど、なぜか運命的な出会いには巡り逢わなかった。そこへ来て、おばあちゃんが使っていたサーバーが今、私の手元に! 銀のスプーン同様、このケーキサーバーも日々せっせと使って、これから少しづつ自分の手、自分のお菓子に馴染ませていくつもりです。
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2007年3月09日
料理の道具って、奥が深いですよね。鍋、泡立て器、ヘラひとつの作りやデザインを見ても、決まるまでにどれだけの試行錯誤が繰り返され、どんな人が携わったのだろう……? と、考えてしまいます。
そんな風にモノ作りに対して一考させられる道具、職人さんやメーカーさんに感謝したくなる道具、使う度に嬉しくなる道具というものは確かに存在する! そう思います。
先月ドイツで買ってきたミルクパンが、まさにそんな道具。
農家の方から配達してもらってる牛乳、レ・クリュ(生牛乳)を沸かすための鍋です。牛乳を殺菌消毒する、この単純にして盲点が潜む作業。週に数回行う作業のため、専用鍋は長年の探し物でした。温めるだけなら、どんな鍋だっていい。探し求めていたのはプラスαの機能です。

なんでもっと早くこのメーカーをチェックしなかったのだろう、と悔やまれるほど素晴らしい満足度。
条件その1、注ぎ口のキレの良さと鍋の軽さ。煮沸消毒したミルクを、鍋から保存瓶にジャーッと移し入れる作業には、無駄な重量感は不要なので。条件その2、材質・洗いやすさ。なぜなら、バスクのレ・クリュはやたら濃い。濃い牛乳が冷めるとどうなるか? バターに近いような濃い乳脂肪膜が鍋の表面にベッタリ。食洗機に入れると、熱でタンパク質がこびりついてしまうから始末悪いのです。条件その3、デザインはカワイイよりカッコイイやつを。
ル・クルゼ、クリステルといったフランス大御所メーカーものも経て、ようやく辿り着いたミルクパンは、ドイツのWMFもの。結構、長い道のりだった(そして投資額もひそかに馬鹿にできない……)。
ステンレスだけど、1リットルをヒョイっと難なく持てるほどの軽さ。持ち手がグリップタイプなので注ぎがラクチン。1滴も逃さないほどのキレの良さ。そして、あの厄介な乳脂肪の膜がツルンと一枚布のように剥がすことが出来る!
初めて使ってみた時、ムムム……と唸り声をあげたくなるほど感動してしまった、あまりに使い勝手がよくって。この鍋の開発者の方は“生牛乳を沸かす”作業をご存知の方に違いない! 私は、そう確信しています。

届けてくれる酪農家の方は、ほとんど殺菌せずに飲んでいると聞いてビックリ。長年の飲用でカラダの免疫が出来てるのでしょうね。我が家では弱火でじっくり、70度前後で煮沸殺菌して愛飲してます。
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2006年11月21日
こちらで何度も登場願っている夫の祖母。十八番レシピ、無数の料理本やレシピ本、使い込んだ古い型etc.……彼女にプレゼントしてもらったものは、かけがえのない物ばかりです。
中でも一番嬉しかった贈り物がこちらの品。私にとってまさに家宝的な存在です。古い古い銀のデザート・スプーン。結婚のお祝いでした。もう、これを受け取ったときの感激を何と表現したらよいやら! 箱を開けたとき、柄にもなく目元がちょっとウルってしまった私です。

持ち手の部分には貝殻が彫られています。それも1個1個微妙に異なるのが味わい深い。白いナプキンもおばあちゃんからの贈り物です。
おばあちゃん自身も、結婚のお祝いに譲り受けたそうです。贈り主は、彼女のことを本当の孫のように可愛がってくれたという彼女の祖母の姉にあたる人。その方のお嫁入り道具のひとつだったのか、イニシャルが刻まれています。
ピカピカな光ではなく、マットな光沢感。奥深いところから大人しく楚々と発光している輝きが好きです。ヒヤっとしているのに温かい。そして独特の丸みフォルムに特徴があります。6本それぞれ曲線具合が微妙に異なっていて、職人の手によって1つ1つ作られたものであることを物語ってます。
初めてこのスプーンを使ってみたときは衝撃でした。やおら口にしてみると(確か、我が家でのデビュー作はババロアだったと思う)同じデザートでも明らかにグレードアップしたかのような口ざわり! お箸が、材質や品質によって口に運んだときの感覚が見違えるほど変わることってありますよね、あれと同じです。
フォークやナイフは口に運んでさっと引き下がるのに対し、スプーンは口の中に直接まったり触れる部分が大きいので、モノによってかなり味と食感に差が出ます。割り箸と上等な塗り箸の差、それくらいの差がただの金属スプーンと本物の銀のスプーンのあいだにはある。このスプーンは、私の銀製品やカトラリーに対する意識や見方を変えたほどです。
あまりに気に入っているし、あまりに美味効果があるので、仕舞い込まずに普段にも愛用してます。120年以上ものあいだ、どんな人達がどんなデザートを口にしてきたのだろう。最初の持ち主だった女性、そしてそれを引き継いだおばあちゃんは、このスプーンのためにどんなデザートやお菓子を作ってたのかしら。そして、こんな異国からの孫嫁にこんな素敵なものをプレゼントしてくれたおばあちゃんの優しさにありがとう。と、いろんな思いに耽りながら年に数回キュッキュッと磨くことも忘れていません。

じゃーん、おばあちゃんの結婚式の写真。まるで往年の美人女優のような美しさで、見る度にうっとりしてます。
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真夏は白ワインを愛飲中。そしてお気に入りのワイングッズあれこれ
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2006年8月01日
夏真っ盛りですね。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。こちらもすっかり夏です。それなりに、暑いです。が、クーラーなしでも何とか凌げている程度ですから、これで文句を言ったらバチが当たりますね。
気温の上昇と反比例して、赤ワインの出番がぐっと減りました。代わりに白ワインが食卓にのぼる回数が増えてます。夏の白ってやっぱりおいしい!
言うまでもなくフランスはワイン王国であって、おいしいワインがうんうん唸るほど存在して、あらゆるシーンでワインが登場するお国。前にも書きましたが、フランス生活に少々へこたれた時、どんなにワインの皆々様に力づけてもらったことでしょう……。ワインは私にとって、単なるお酒という立場を越えた美味なる栄養ドリンク剤です。
友人知人などが遊びに来たときも、どこでどんなワインを開けるかっていうのは、もてなしの大事なパーツです。だから、1滴も飲めないっていう方だと「ハテ、どうしよう」と困惑するし、とても哀しい。
私の夫は、下戸の人との食事は記憶に残らない、というヒドい人です。「何年前にここに○○さんと来たよね」なんて想い出話をふってみても、「誰それ?」と忘却の彼方! そのくらい食事の共有感が欠落してしまうってことなんでしょうね。反対に、ワインを存分に分かち合ったお相手のことは、何年経とうと初対面だった方だろうと、事細かにしっかり記憶に残っているようです。彼はかなり極端なケースですが、ワインには場の連帯感みたいなものを強める要素が確かにある、と思います。
さてさて、我が家の愛用ワイングッズをご紹介します。トップ3は、ライヨールのソムリエ、ドロップ・ストップ、そしてワイン・セーバー。

ソムリエと言えば有名なライヨールですが、地名であってブランド名ではありません。複数のメーカーものが出回っています。

ワイン・セーバー。これのおかげで惰性でダラダラ飲むことは減ったかも。「もう飲めない」と思ったら勇気を出して詮をする。真空にして酸化を防ぐので翌日もおいしく飲める。
ドロップ・ストップは、帰省時の日本土産にも重宝する逸品です。安くて(さすがボルドーで買うと激安)、軽くて、抜群の機能性。今のところ、これより優秀な滴垂れ防止グッズを見かけたことがない。白ワインは平気として、赤ワインがテーブルクロスにボタっと垂れると、染み抜きがすごく厄介ですよね。ドロップ・ストップのおかげでそんな面倒がなくなりました。今回調べて分かったのですが、デンマーク生まれの国際特許品だそうです。この機能美、北欧生まれと知って妙に納得。

「ドロップ・ストップ」。直径7.5cmの丸いシートをくるっと丸めて差し込むだけ。

使い終わったら水でさっと洗って、冷蔵庫にマグネットでぺたっと貼れる点も便利。
次回、白ワインにぴったりのアミューズ・ブーシュをご紹介します。お楽しみに!

こちらは頂き物の、ワイン温度計。なかなか使いこなせていませんが。
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只今じっくり解読中、おばあちゃんの古い料理本&大昔のレシピノート
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2006年4月21日
先日、夫の祖母からとてつもない贈り物を受け取りました。段ボール1箱。中身は料理本、お菓子本、レシピノート、そして愛読していた料理雑誌のバックナンバー。60年以上もの料理歴がぎっしり詰まった重量感です。
昨年秋に元気に90歳のお誕生日を迎えたものの、まるでそれがきっかけとなったかのようにガクっと体力が衰えてしまったおばあちゃん。足腰が弱くなるってことは自炊生活が出来なくなること、自炊生活を諦めることは生活の舞台を変えることを意味するわけで……。家族の説得に応じ、遂に老人ホームに入居しました。
台所に立てない。お菓子を作りたくても体がついていかない。始めはこの現実を認めるのがあまりに辛くて、ヤケになって全部処分することも考えていたようです。でも、この類の本を異様に珍重する日本人の孫嫁(ワタシのことです)が頭に浮かんだらしく、丸ごとドサっとプレゼントしてくれました。印籠を渡されたような気分です。大切に大切にしたいと思います。
本棚から1冊づつ出していく作業中、「これはすごく良い本」「こっちはまあまあ。何だか大事なヒントを隠している感じね」と、使い込んだ人ならではの楽しいコメントも披露してくれました。

料理本は、一番古いのが1947年刊行もの。その他は50~70年代ものが大半です。どれも今の本と違ってハンディサイズ。写真は少ないけれど、その分1枚1枚が一写入魂という感じで素敵です。

『ELLE』誌の1957年刊行本。見てるとワクワクする。写真よりも逆にイメージが膨らむのは何故でしょう? イラストパワーってすごいなと思わずにはいられない本。
手書きノートは全部で7冊。うち2冊は、彼女の母上が使っておられたお料理ノート。19世紀末の手書きレシピ……。日本は日清~日露戦争の時代か。その頃、私の曾婆サマは何を作っていたのだろう? 肉なんて食べていたのだろうか? ご馳走は何だったのだろう? てな具合に、あれこれ思考回路を繋げて行くと非常に感慨深いものがあります。

これが夫の曾祖母のレシピノート。万年筆の美しい筆跡が19世紀を物語っている。
一緒に作ったもの、食べさせてもらったもの、そして読んだだけでは想像も出来ないような未知のもの。興味深いレシピが満載です。イマドキ風なお菓子ではないけれど、そのイマドキでないところに私は妙に心踊らされます。中でも、今一番惹かれるのはイースト菌を使ったブリオッシュ生地で作るパン菓子類。おばあちゃんのお菓子作りの中で、欠かせない存在となっているジャンル、そして私がこれからぜひ自分の中に取り入れたいと思ってるジャンルであります。レシピを読んでいるだけで頭の中にあのおいしそうなイメージがムクムクと膨らんでくる。

実はおばあちゃん、本の出版を夢見ていた! 叶わずに終わってしまったけれど……。これはそれの準備のために書いた原稿。一生懸命自分でタイプしたそうです。いわば厳選された十八番レシピの数々。

ノートの中身は料理4割お菓子6割。それにしても、革張りノートってしっかり残るし、いい味出してます。私も今度ノートを新調する際は革にしよっと!
おばあちゃんのノートは、読んでいてとにかく楽しいです。決して美しく読み易い訳ではないのですが、そこがいい。表紙が喪失してしまっていたり、雑誌の切り抜きがベタベタっとセロテープで貼ってあったり、油や卵の染みがそこら中に飛び跳ねている。でも、美しい装丁本を眺めるときとは全く違った、温かな創作意欲をかきたててくれるノートです。失敗したり、スランプになったり、自分らしさを考える時に眺めたいノートです。これからじっくり解読して、自分なりの解釈も加えて、新たな発見をしていきたいと考えてます。
次回、おばあちゃんのノートから、解読済みお菓子レシピをご紹介します!
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2006年3月28日
渡仏して数ヶ月が経った頃、夫が買ってきたのがこちらの書物。
Larousse(ラルース/フランスの辞書辞典専門出版社)の『ガストロノミック辞典』。電話帳サイズ、そしてそれ以上にズドンと重たい。ABC順に、食の知識がびっしりと詰まってます。

上は2001年版、下は古本屋で買った1953年版。昔のは、写真の数こそ少ないけど中身はゴージャス。
とにかくフランスでの食生活・自炊生活は、何もかもが目新しかったし、知らないことが多すぎた。漠然として持っていた知識は自分の頭の中のイメージに過ぎなかったってことがよく分かったし、ここで自分らしく快適な食生活をしていくことがそう簡単でなさそうってことも最初の数ヶ月でひしひしと実感した。
外食するたび、一緒に食材を買出しに行くたび、夫を質問攻めにしたもんです。最初のうちは喜んであれこれ教えてくれましたが、そのうち疲れてしまったのか、「これ読んで自分で勉強して頂戴ね」ということか。
確かにこのラルースのおかげで、夫をたじたじさせる回数はぐっと減った。その回答が何となく腑に落ちず、モンモンとした気持ちを抱える機会も減った。そして、訳もわからず片っ端から料理本を買う回数もかなり減った(とはいえ、いまだに「雰囲気買い」はしてしまうけど……)。よって、夫のこの買物は大正解だったと言えましょう。
ちなみに、ガストロノミック辞典にはワイン知識はほんのさわり程度にしか書かれていません。「私、飲む人」をそろそろ卒業すべく、今度は「ワイン辞典」を読んでみよっか、と考え中です。

さすが牛さんの国、牛肉の部位の切り方が日本と違うし、マニアック。この図解入り説明は非常に助かります。

でもラルースより素晴らしいのは実はこちらだったりして。渡仏前に、東京で料理教室をやって35年の叔母が渡してくれたお料理ノート。「愛」の詰まった宝物です!

野菜・果物の品種マニュアルはとても為になる。産地、収穫時期、味と香りの特徴などがリストされています。
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アンティークのル・クルーゼ鍋、こんな形と色してます!
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2006年3月07日
「わー、いいお鍋!」っていうのがこの鍋を見たときの第一印象。これ実は、今住んでる家の前の持ち主の遺品です。今生きていらっしゃればおそらく90歳くらいの女性。その方が亡くなって、娘さんが家を売りに出した。お母様が使っていた調理道具の幾つかを「良かったら使ってあげてね」と残していってくれた物の1つです。
喜んで頂戴して、煮物・汁ものと料理全般に重宝しました。すっかり自分の鍋として手に馴染んできた頃、ふと鍋底の裏に刻まれた文字(かすれて読みにくい)を読んで驚く。なんとLe Creusetと刻まれていた! 色と形が現在のラインアップと違うので、長い間ちっとも気がつきませんでした……。嬉しくなって、ますます愛着が湧いてきたのは言うまでもなく。今は専ら、ご飯鍋として活用させてます。

「ココットロンド」の変形ラインアップ、「ママ」シリーズ。耳の形と底の丸みに特徴があります。前の人はどんな料理を作っていたのでしょう?
こちらは、70年代のル・クールゼ社発行のレシピ・ハンドブック。古本屋で見つけました。昔は購入者向けにこういうサービスがあったんですね。巻頭ページには、当時のラインアップがずらりと紹介されていてとっても興味深い。色使いに時代感が溢れていて、見ているだけで楽しくなります。橙色は「火山色」、オレンジは「かぼちゃ色」というネーミングも個性的です。その他、黄緑、茶色、そして目にも眩しいターコイズ色など。

最近、昔のシリーズの復刻版も売り始めているル・クルーゼ。ターコイズ色を復活させてくれたら、おもわず買ってしまいそうな予感……。
レシピのページをめくると、これまた時代を感じさせる料理が満載です。狩猟料理、煮込み料理、グラタンなどなど。鳩やウサギは当然丸ごと、カエルの足(48本!)の煮物、じゃがいものグラタン(3kg!)、そのボリュームに驚いてしまう。今やフランス家庭料理も、すっかりライト志向になっていますが、私はこの60~70年代のコテコテなボリューム感もかなり好き!と言いつつ、読むだけでなかなか実行にうつしていないのでありますが……。

表紙を飾っている料理は、右上から時計まわりに「イカのトマト煮込み」、「りんごのグラタン」、「鶏のスペイン風」、「うさぎのテリーヌ」。
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ルノートル氏の70年代本、ジェイミー・オリヴァー本、料理本つれづれ
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2006年2月07日
Cafeglobe読者の方々の中にも少なからずおられるだろうと思います、料理本収集を趣味とするお仲間が。私もまぎれもなくそのひとりです。パタっと停滞する時期もありますが、波がやってくるとドドドっと新たに購入してしまう有様です。
こうしてブログでレシピを掲載している身でナンですが、私自身はネットでレシピ検索というのをやった経験がほとんどありません。いまやネットで料理検索は当たり前の時代になっているし、まわりでも上手に活用している人はたくさんいるのに、すっかり取り残されているというか、別にやろうともしていない自分……。
なんでだろう?って改めて考えてみると、やっぱり本には本にしか出せないおもしろさがたくさんあるから、としか言いようがない。絵本や写真集やデザインブックを眺めるのと同じように、料理本をぱらっと開いたときそこに流れる空気を感じ取るのが好きです。

最近夫が古本屋で見つけてきてくれた、’78年刊行、大御所ルノートル氏の若かりし頃の本。フランスのお菓子本は今のよりも昔の本の方が勉強になって好きです。

中の写真は、家庭科の教科書みたいでこれまた楽しい。巻頭ページに載っている家庭用のお菓子作り道具一式の写真。この時代で既にスタンド式のミキサーやフードプロセッサーなどが揃っていたのか……としみじみ。
料理本っていうと料理を作った人のイメージが一人歩きしがちですけど、料理を作る人、スタイリングをする人、写真を撮る人、デザインする人、そしてそれをまとめる編集の人、の合作なんですよね。それぞれの人の仕事ぶりが良くって、みんなのセンスが一つにびしっとまとまっているのが、私が思わず買ってしまう料理本です。

年末に、親戚の方にプレゼントされた本。フランスの料理本最大手のMarabout社刊、アイルランド出身の人気料理研究家Trish Deseineのチョコレート本です。2002年のWorld Gourmand Cookbook Award受賞本。

Maraboutの本はスタイリング、デザインにかなり力が入っていて、「ムード」作りがすごく上手いと思う。chocolathélapie「ショコラセラピー」とは、用語作りも上手いなぁ。
ちなみに最近ちょっと気になるのは、フランス語圏、ドイツ語圏といろんな本屋へ出かけても、料理本コーナーに山積みになっているのが料理界のアイドルことジェイミー・オリヴァーの本ばかりって点。彼の活躍ぶりは確かにすごいけど、料理本の世界にまでブランド画一化がすすんでしまうのはちょっと寂しいなぁと思う今日この頃です。

好きな料理研究家のひとり、上野万梨子さんのWafumi本、最近購入してみました。フランスの食材+日本の調味料でつくる和食、来客時にでも挑戦してみたいと思います。
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※お断り
Cafeglobeの判断により、断りなくコメントやトラックバックを削除させていただくことがあります。ご了承ください。
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