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日本の果物の中で私がいちばん好きなのは、白桃! 数年前の夏、一時帰国中に八ヶ岳に滞在したおりは、まるで数年間分の恨みを晴らすかのように堪能しました。日本の桃は「水蜜」ですね。品種改良と手間ヒマの賜物、って味がします。
それにに比べると、バスクの地元産の桃は野趣ただよう果実の味。原種のまま、なにもイジられていないような、山で採れる山モモです。香りは高貴なほどに桃なのですが、食べるとカリカリと音がたつ食感。はじめて食べたときは「これが桃のご先祖さまか」と、妙に納得してしまいました。

うぶ気の濃さもかなりワイルドな桃です。
山モモはほかのストーンフルーツといっしょにマリネにしたり、野菜感覚にサラダ風に食してます。ちなみに私は日本人の習性でどうしても皮をむかずにはいられないけど、フランス人は桃も皮ごと手づかみで山ザルのごとく食ベる人が多いみたい……。
スーパーマーケットに行けば、もうちょっと“進化”した桃が売っています。日本の水密レベルにはあと一歩だけど、山モモよりはずっと甘みもねっとり感も増しているのでデザート向き。お値段が手頃なので、惜しげもなく桃のコンポートを作ることが出来ます。
桃のデザートは、過去記事でいくつかご紹介してますのでご参考までに!
つるんと湯むきするのが楽しい、「桃のコンポート」>>
ペリゴールの想い出、「桃のテリーヌ」>>
簡単、天然シロップのおいしさ「桃と葡萄のマリネ・カクテル」>>
というわけでここ数年、加熱処理しておいしく食べる方法ばかりを探求していて、フレッシュを堪能するための桃は半ば諦めていたのですが……ありました、スペインに! サンセバスチャン在住の友人にとっておきの店を教えてもらいました。
完熟食べごろフルーツが1個1個キレイに陳列している様子、店員さんがいつも果物の状態に目を光らせている様子、世界各国の選り抜き食材などが置いてる様子はまさに“バスクの紀伊国屋”とでも呼びたい雰囲気。さすがに、ここで売られている桃は日本の水密レベル並み! 去年の夏は、桃を買いたいがためにサンセバスチャンに何度も足を運んだほどでした。

カクテル好きな方なら、桃と聞けばすぐにお分かりのカクテルです。
あまりにおいしい桃なので、「この桃があれば、アレをお家で作ることが出来る!」と去年我が家に小さなブームを引き起こしたカクテルがあります。次回レシピのご紹介です、お楽しみに。
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カテゴリ: バスクのアドレス帳
2008年7月22日
当ブログを読んでくださってる方の中には、この夏のヴァカンスまたは秋の旅行シーズンにバスク旅行を計画中の方もいらっしゃるかも?
そこで今回は「バスクのアドレス帳」の更新情報です。と言うのも、過去にオススメしたアドレスに、僅か2年ほどで随分と様変わりしてしまったお店が2軒あり(残念ながらダウングレード)。わざわざ足を運んでいただいてガッカリさせてしまったら申し訳ないので……。

お料理がおいしくって、経営も軌道に乗っているお店にはそういうオーラが感じられる! 逆に、「うーん、この店そろそろキケンかも……」ってニオイもありますね。
まずは、こちらのお店。さりげなくバスク風な料理が味わえる、カンボ村のおすすめの店>>
以前は私も大好きでプライベートやアテンド、それに日本から友人知人が来たときも安心して通っていたのですが、マダムの経営方針がすっかり変貌してお料理のレベルが大幅にダウンしました。
おいしい自家製のパイ生地だったのを、ひと口でそれと分かる業務用冷凍パイ生地を使用するようになっていたり、牛肉や仔牛の内臓をフランス国内産でなくEU圏某国産のものを使うようになってたり(これは、フランスのレストランではかなりのマイナスイメージ)。
実はこのお店、数年前に改装したのですが多分それが影響しているのではないか、と。「改装するとレベルが落ちる」という飲食店ジンクスがありますが、どうやら当てはまってしまったみたいです……。
お次は、こちらのお店。ハンサムな人が作る、美的センス溢れる料理>>
ビアリッツの住宅街にあるミシュラン1つ星店でしたが、経営が芳しくなかったのか去年あたりから閉店のウワサが流れてました。案の定今年のミシュランで星も失い、そろそろ店じまい(または売却)も現実化しそうな勢いです。たとえお料理がおいしくても、軌道に乗っていなければレストランの気運も下がってしまうのね……という哀しいお手本かも。
今回は必要に迫られて(?)ネガティブ情報だけにとどめておきますが、抹消アドレスに代わって新規に加えたいアドレスもちょこちょこ発掘中の今日この頃。今後に乞うご期待、といったところです。
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カテゴリ: バスク地方について
2008年7月15日
街がすっかり夏モードに入りました。バスクのそれぞれの町や村がお祭りやイベント、そしてヴァカンスシーズン本番に向けて色めきたってくる頃です。
町の中は、バスクのテーマ色である赤・白・緑でいっぱい。陽射しを浴びてトライアングルの旗が白壁にひらひらと影を写し出す様子は、夏のバスク特有の光景です。
5、6年前と比べてみても、バスクの夏のヴァカンス人口は明らかに増えてます。直行便の増加にによって欧州各国からの人たちも増えているとは言え、ヴァカンス客の大半を占めているのはフランスの人たち。フランス国内でも、バスク地方は今静かなブームなのです。

有名な「バイヨンヌ祭り」ももうすぐ。
その証拠に、フランス国内のガイドブックに異変が起きてる! 以前は、「フランス南西部アキテンヌ地方の中の一部分、バスク」という扱いでした。ところがここ1、2年で続々と「ペイ・バスク」単独のガイドブックが発刊されるように。日本でいったら、九州の一県に過ぎなかった宮崎県がにわかにクローズアップされている現象に似ているかも?
そして、夏になると各料理雑誌で「バスク料理特集」記事が組まれるようになったのも、ここ数年の興味深い現象。紹介されるのは、海の幸料理、生ハムやとうがらしを使ったお料理、チョコレートにガトーバスク、と毎度ながら紋切り型の内容ではあるのですが……。

バイヨンヌのニーヴ川沿いのビストロ。夏のかきいれ時を前にして、テーブルや椅子を新調するお店も多し。とにかく赤が多い!
そういえば以前、散歩中に料理雑誌の撮影現場に出くわしたことがあります。ロケ場所はビアリッツの漁港、防波堤をバックにして砂浜にバスク織りのクロスがスタイリングされてました。撮影していたお料理は「ヤリイカと赤ピーマンのア・ラ・プランチャ」。
スタイリストらしき女性とフォトグラファーの男性がああでもないこうでもないと言いながら撮影している様子は、見ていてかなり楽しいものがありました。。もちろん、私以外にも野次馬がたくさん。その後数ヶ月、某有名雑誌の中にあのときのカットを発見したときは、思わずニンマリしてしまいました(もちろん雑誌も買いました)!
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自家製コンポートで、「アンズのチーズクリームタルト」
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昨年のアンズの季節に「真空保存のアンズのコンポート」>>のレシピご紹介をしたところ、たくさんのコメントやご質問を頂戴しました。掲載しといてこんなこと言うのもナンですが、あまりリアクションを期待していなかったので正直言って驚きました!
と言うのも、日本ではフレッシュなアンズの存在価値というか普及度がどうもイマひとつなんですよね。お菓子に使うアンズといえば、缶詰かドライが主流。私も日本では缶詰をよく使ってました。
でもよく考えてみれば、日本は“お取り寄せ天国”。たとえご近所のくだもの屋さんで見つからなくたって、生産地から直買できる手段はいくらでもあるハズ。そしてお菓子やジャム作りが好きな人たちにとっては、フレッシュなアンズは心くすぐられるくだものなのだと思います。

このコンポートを作り始めるようになってから、冬にもアンズのお菓子を楽しむようになりました。このタルトも季節はずれの頃によく作ります。
私のアンズお菓子ファイルの中から今回の掲載フォトは「アンズのチーズクリームタルト」。フランス風アンズのタルトはアーモンドクリームを入れるのが定番ですが、これはウィーン風にフレッシュチーズと一緒に焼き込んだものです。
数年前、夏のヴァカンス先オーストリアのとある小さな町のコンディトライで出会ったお菓子です。時期はまさにアンズの収穫期。アンズ街道とでも呼べそうなアンズ畑が連なる道沿いに無人販売スタンド(10キロ単位くらいで売ってる!)がたくさん並んでました。そんな印象的な景色と共に、旅の想い出となったお菓子です。

アンズの酸味をおだやかな風味のチーズクリームが受けとめた味。

ウィーン菓子の定番、シュトロイゼル(クランブルのこと)をトッピング。これもまたアンズのおいしさを引き立てる素敵なマジックです。
レシピ完成までにいちばん苦労したのは、チーズクリームの再現。フランスのKiriクリームチーズを使ってみると、どうもオーストリアで食べたチーズの風味とはかけ離れてしまう……。微妙な塩気がアンズの味とバッティングする感じだし、こってり感がアンズとはミスマッチ。そこで、ふだんよく作ってる“フォンテーヌブロー”(フロマージュブランと生クリームを水切りしたデザート)を焼きこんでみたところ、かなり近いお味になりました!
アンズのお菓子に関しては、フランス菓子よりもウィーン菓子のセンスのほうに心酔しています。私のアンズのお菓子レパートリーのほとんどはこのお国でひらめきを得たものばかり。オーストリアを訪れるたびに、目を皿のようにして(?)アンズのお菓子を捜し求めています。
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初夏のマルシェは目にもおいしい! オレンジ、ピンク、赤、黄色……カラフルな果実がずらりと並んでる姿はまさに百花繚乱。見てるだけで気分が高揚してきます。
自国産の果物がこれだけ種類豊富に揃うこと。そして日本のフルーツ価値観と比べると、比較にならないほど贅沢に堪能できること。フランスの食事情の何もかもが素晴らしいっ、なんて誉めちぎる気は全くありませんが、夏の果物三昧な生活は“豊かなフランス”を見せつける説得力があります。

Cambo村のマルシェにて。たまに自分の町以外の朝市に出かけてみると、観光気分(?)で楽しめます。
桃、ネクタリン、プラム、アンズ。初夏のストーンフルーツはどれも魅力的ですが、“お菓子素材”としていちばん楽しみなのはアンズ。毎年、ジャムやコンポートをせっせと作るのが季節仕事です。
6月も後半に入ると、「今年のアンズはおいしいかしら? 旬の週はいつ?」と、ソワソワした気分になります。なぜならアンズは、年によって時期によって産地によってもかなり味の差が出る果物。朝市の人に「今週が買いどき? それとも来週まで待ったほうがいい?」とプロのご意見を必ず求めることも、この数年で学んだことのひとつです。
初めてフランスで迎えた7月、果物売り場にアンズが山積みされているのを見たときはちょっとした感動を覚えました。売り場には人がたくさん集まっていて、みんな1つ1つ指でプニュっとはさみながらセレクションにいそしんでる!
初心者だった私は最初はおそるおそる数百グラムだけ買って帰り、迷わずコンポートをつくってみしました。クリームオレンジ色だった果肉が、シロップの中で光り輝くオレンジ色になった時の感激といったら。味見をしてみて、冴えざえとした酸味と芳香の良さにさらにびっくり……。
あのはじめてコンポートをつくった日を皮切りに、わたしのアンズ好き・アンズのお菓子研究はまだまだ発展・進化中といったところ。そんなわけで、次回の話題はアンズを使ったお菓子です。
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