更新日:2008年2月26日

バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

わが町バイヨンヌのご案内法

「バスク6daysの過ごし方」。
3e jour 9h00 バイヨンヌの朝市へでかける

   ゲスト滞在中にマルシェの日がぶつかると、「一緒にどう?」と誘ってみることにしてます。いわば、参加自由型のオプショナルツアー。朝がよっぽど苦手な人か、食べることへの興味が薄めな人(滅多にいないけど)以外は、皆さん大喜びで来てくれます。

   今回みたいにフランス人の友人と行くと、自分たちの町のマルシェとの比較感想などを教えてもらえて面白い。スーパーと違って朝市の品揃えや値段などは地方によってかなり違うので、しばし主婦談義で盛り上がったりするわけです。

   ロワール地方に住むニコラとマリナは、「うちの地方は葱っていえばポワローだけど、バスクは葱の種類がすごく多いっ。しかも安いねぇ」と、驚いてました。なるほど言われてみればバスクは葱の種類が豊富。私は西洋料理、日本料理、中華料理用にと葱を数種類使い分け出来てるほどです。

   買い物途中なにやらニコラとマリナが騒ぎ始めたかと思ったら、隣で野菜を選んでた男性が超有名なテレビ司会者だったそう。私はフランスのテレビにはかなり疎いので、分からなかった……。

15:00 昼食後、バイヨンヌ散策へ

   とりあえずバイヨンヌの町へ散歩にでかける。これもゲストがあったときのお決まりごと。


本屋さん、古本屋さん、ショコラティエ、パン屋さん、オーガニックスーパーなど。商店が並ぶ「エスパーニュ通り」。

   どんな町だって「住めば日常」になるように、今の私にとってもバイヨンヌはごく日常のごく見慣れた町。遠くからやってきた人から見れば非日常な風景も、私の目にはもはや毎日の風景です。

   だからご案内するといっても、特別に何かを見せるとか観光ガイド的なことを説明するなんて気の利いたことは一切してません。ただテクテクと町全体を歩いてまわるだけ。もちろん途中で目ぼしいオミヤゲ候補などを提案することは忘れませんが。


2人に会う度にバイヨンヌ・チョコレートを贈っていたせいか、彼らもすっかりここのショコラのファンになってくれた模様。「どの種類の板チョコを何枚買っていくか」を2人で一生懸命相談している様子が微笑ましかったです。

   それでもバイヨンヌという町はフランス人にも日本人にもとても評判がいいんです。それぞれの人がそれぞれの感性や視点でバイヨンヌの町の良さを見つけていってくれるので、案内役としてもラクなので助かります。

   「川が流れてる町っていいよね」って言う人、「生活感が漂ってて、住み心地よさそうな町だね」という人。そしてみんな最後に「いい町だよね」って言ってもらえます。多分、お世辞じゃないと思う……(と思いたい)!


他の町へはすべて車移動が基本だけど、バイヨンヌへは徒歩でいけるのも気持ち良い。冬の暖かな日光を浴びながら、ニーヴ川沿いに歩いていける最高のお散歩コース。

この記事のURL | コメント (2) | トラックバック (0)


“バスクのラデュレ”、優雅なサロン・ド・テ

「バスク6daysの過ごし方」。
2e jour 16h00 サロン・ド・テでティタイム

   犬も歩けばカフェにあたる国、フランス。どんな田舎の小さな町にいっても、カフェなら必ず数軒は見つかる。そんなカフェの国でこんな珠玉のサロン・ド・テがある町はちょっと嬉しいし誇らしい。

    地元でとても気に入ってるサロン・ド・テがこちら、 『Miremont(ミルモン)』。お茶やショコラに、フランス菓子。そしてちょっと古くて優雅な調度品……大好きなモノが一堂に会したような空間です。ティサロンらしからぬ(?)特徴といえば、窓の外に広がる大西洋の海。ビアリッツの海岸の高台というロケーションに建つティサロンです。


エレガントなインテリアは女性同士のオシャベリの恰好の舞台。でも以外とおひとり様男性客も多く、コーヒーをすすりながら物思いに浸る殿方をよく見かけます。

   ここでよもやま話に耽ったり、お菓子談義に熱中したり、一緒に過ごす数日間の予定などを話すのは至福の時間。一度ここにご案内した人に「どこ行きたい?」と質問すると、判で押したように「あのサロン・ド・テにまた行きたい!」というリクエストが返ってきます。

   1872年創業のビアリッツの老舗のお菓子屋さんが経営してます。棚に陳列しているのは、エクレアやミルフィーユ、フルーツのタルト各種、ムースを使ったお菓子……いわゆるフランスらしいお菓子たち。それにお土産用のチョコレートも充実。もちろんガトーバスクやベレーバスクなどの地方菓子、シンプルな焼き菓子やブリオッシュなども揃ってます。


ここの“ショコラ・ショー”は飲み心地あっさりタイプ。クリーム好きの方なら、“クレーム・シャンティイ付き”でオーダーすることもお忘れなく。お菓子屋さんなので、さすがにプシューっのボンベ式クリームではなく、本物のおいしいホイップ・クリームがついてきます。

   でもフランス人のお茶時間ってわりと遅め(夕方5時~6時頃)なので、しっかりお菓子を味わってしまうとディナーを楽しめなくなるのが辛いところ。私はワインと食事そして食後のデザートこそいちばん楽しみたいクチだから、ここではお菓子はパス。ショコラだけで満足するようにしています。

お店情報
Miremont
1 bis place Georges Clemenceau
Biarritz


つづく

この記事のURL | コメント (4) | トラックバック (0)


バスク6daysの過ごし方、モデルプラン

   うちは遠方からの泊りがけゲストの多い家。今まで一体何人のゲスト達を迎えたことでしょう……。週ごとに入れ替わり立ち代わりで来客が続いて、「シャンブル・ドット(民宿)」状態の年もあったほど。

   以前、日本の友人(シゴトのできる女、そして人のシゴトもコンサルできる女!)が遊びに来てくれたとき、「私はこうして案内してもらってるからラッキーだけど。『バスクの砂糖壷』に過ごし方のモデルプランみたいなのを載せたらいいんじゃない?」というアドバイスをもらったことがありました。

   「うーん、なるほどね」と思いつつ、なかなか実行できるチャンスがなかったのですが……先日ニコラ&マリナが遊びに来たときのプランがとっても充実していたナ、と自画自賛中なところなのでサンプル起用してみることにしました!

   そんなわけで、これから数回にわたり「バスク6daysの過ごし方」を抜粋してご紹介していきます。プライベート観光なのでちょっと日記風。そして行動プランはかなりゆったりめです。もちろん、ところどころに“おいしい話題”を織り込むつもり!お楽しみに。

2e jour
11h00 ゆっくりブランチでスタート

   前夜遅くのTGV到着だったので、旅の疲れをゆっくり癒してもらうことが一番のおもてなし。これは日本から飛行機で到着のゲストならなおさら。たっぷり休んでもらった後、朝・昼食兼用のブランチでスタートするのがお決まりです。

   その後はお客様到着日のイベント(!)“おみやげタイム”。皆さん腕によりをかけた珍品美味を持ってきてくれるので、嬉しい限り。地元オルレアンでレストランから買い付けたというフォアグラ、リヨンのソーセージ、そしてサヴォアのフロマージュ2種。前の週にリヨン、サヴォア方面に旅行していたということで、まるで“フランス物産展”土産みたい。いただくのが楽しみ!

15h00 ビアリッツ散策へ


冬の快晴の日の海岸。散歩をするなら、高台の方からスタートしてこの景色を眺めながら海岸に下りていく散歩コースがオススメ。

   青空がとても美しい日だったので、ビアリッツへ海を見にいく。冬の太陽に誘われるように、そぞろ歩きをしている人たちがとても多い。こんなに寒い日でも太陽が出ていると、カフェのテラス席はどこも満席。みんなコートの襟をたてながらコーヒーを飲んでいる。寒がりの私には耐えられないので、『サロン・ド・テ』へ。


「こんな高い波を見るのは生まれて初めて!」と、海のない地方からやってきた2人は大ハシャギ。この日は、うまく波に乗れてるサーファーを一人も見ることが出来なかったほどでした。


つづく

この記事のURL | コメント (3) | トラックバック (0)


「オランジェット」のレシピを比較研究してみました!

   「Orangette(オランジェット)」はオレンジとカカオの香りとビターな甘みを楽しむチョコレート。まさに大人のため、大人だからおいしく感じるチョコレートです。

   前回ご紹介したフランス大物パティシエ3名のショコラ本の中から、オランジェットのページをご覧に入れます! 達人たちの思い入れ、こだわり、そして個性をちょっぴりでも感じていただけたら。


ジャン=ポール・エヴァン氏の『Fruits enrobés』。氏のチョコレートのファンの方なら、この写真だけで「あっ、エヴァンだ」ってお分かりかも? オレンジ以外にもジンジャーのコンフィで作ることもオススメしてます。

      ジャン=ポール・エヴァン氏の凛とした美的感がが伝わってくるオランジェット。ブルーのガラス皿にのせられたスタイリング、それが正方形の版型とあいまって素敵な写真。この本の中で、1、2を争うくらい気に入ってるページです。


クリストフ・フェルダー氏の『Orangettes italiennes』。ものすごいアップ写真、オレンジの色が目にまぶしい!

   氏が今まで食べた中で最高のオランジェットは、ヴェネチアの有名レストラン『Cipriani』のものだったそう。「皮に果肉をほんの少しだけ残したコンフィが素晴らしかった」と語ってます。で、ご自分もそれを意識した作り方にして「イタリエンヌ」と命名しているわけです。

   コンフィのレシピの中で、シロップに使う水をわざわざ「ミネラルウォーター」指定しているところがミソ。やっぱり違うの? コンフィ作り好きとしては、とても気になる! そして使用チョコレートはもちろんカカオ70%を指定してます。


ピエール・エルメ氏の『Ecorces d’agrumes confites』。エルメ本の特徴、背景ブラックのマクロ写真が迫力満点。「柑橘類のコンフィ」ということで、ルビーのグレープフルーツ、オレンジ、そしてレモンのコンフィを紹介してます。

   私がこの本で密かに愛読してるのは、エルメ氏の「テンパリング解説」。大型本2ページを割いて文章ぎっしりでレクチャーしてます。いろんな本・著者のテンパリング説明文を読んできたけど、彼の解説ほど分かりやすかったものはない! 天才とは人に教えるのも上手なんだワ、と唸ってしまった。

   以前、何度も失敗して“テンパリング・スランプ”に陥ってしまった時に彼のこの解説をじっくり読んで再挑戦したところ、あっさり復活できた経験があるのです。以来私にとってこの本はテンパリングのおまじない本。

   こんな殿上人の後に紹介するのもナンなのですが、不肖わたくしも『オレンジの丸ごとコンフィ』と『オランジェット』をご紹介してますので、ご参考までに。オランジェット検索で初めて訪れてくださった方も多かったようで、たくさんの反響をいただきました! バレンタインの候補にもどうぞ。

この記事のURL | コメント (8) | トラックバック (0)


※お断り
・Cafeglobeまたは著者の判断により、断りなくコメントやトラックバックを削除さ せていただくことがあります。ご了承ください。
・当ページの「コメント」に掲載されている「投稿者」名は、Cafeglobeの登録メン バー名と同一人物とは限りません。


マテスク里佐プロフィール

バックナンバー
わが町バイヨンヌのご案内法 (2月26日)
“バスクのラデュレ”、優雅なサロン・ド・テ (2月19日)
バスク6daysの過ごし方、モデルプラン (2月12日)
「オランジェット」のレシピを比較研究してみました! (2月05日)


カテゴリ
お菓子の話
お菓子の話(レシピつき)
バスクのアドレス帳
バスク地方について
バスクの暮らし
パティスリーBasque
ヴァカンス・旅行
食卓のお気に入り
外で食べたおいしいもの
料理の話(レシピつき)
今週の食材


月別アーカイブ
2008年05月
2008年04月
2008年03月
2008年02月
2008年01月
2007年12月
2007年09月
2007年08月
2007年07月
2007年06月
2007年05月
2007年04月
2007年03月
2007年02月
2007年01月
2006年12月
2006年11月
2006年10月
2006年09月
2006年08月
2006年07月
2006年06月
2006年05月
2006年04月
2006年03月
2006年02月
2006年01月
2005年12月
2005年11月
2005年10月
2005年09月
2005年08月
2005年07月
2005年06月
2005年05月