更新日:2008年1月29日

バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

ショコラ本、大物パティシエの豪華な3冊

   1月後半といえば、すでに日本の書店のお菓子本売り場は「チョコレート本」が溢れている頃ですね!

   実は私はこの類の本を一度も買ったことがないし、バレンタインに手作りチョコって経験もない人(チョコレートケーキを作って家族と味わってた)。男性に贈るならお店のチョコレートでしょ、と若い頃から冷めたマインドの持ち主でした……(皆さんはどちら派?)

   所変わってフランスの本屋さん、この時期にショコラ本が特別扱いされるという現象はありません。バレンタインは女性からではなく男性が贈り物を、という慣習らしいし(“らしい”って言うのは我が家には全く縁のない慣習なもので)ましてチョコレートがその手段に使われる習慣とは無縁のようです。

   そもそもフランスって1年365日チョコレートの日。私に言わせると“総国民ショコラ狂”って感じのお国柄なので、ショコラ本はいつでも充実しているし通年安定した売れ行きを見せてるわけです。

   私がチョコレート本に開眼したのも実はフランスに来てからです。今回、私の『お菓子図書室』(いがらしろみさんのCafeSweets連載名から拝借!)の中からご紹介するのはこちらの3冊。フランスの大御所パティシエお三方、ピエール・エルメ氏、クリストフ・フェルダー氏、そしてジャン=ポール・エヴァン氏のショコラ本です。


左から、エルメ氏著『Mes desserts au chocolat』、フェルダー氏著『le Chocolat de Christophe Felder』、エヴァン氏著『 Délices de chocolat』。エヴァン氏の本は最近日本語版が出ましたね。私はこのエクレア写真に一目惚れ! ジャケ買いでした。

   それぞれスタイリッシュな写真と立派な装丁にクラス感が漂ってます(本のお値段もそれなり)。クローズアップ写真が多いので、眺めてるとカカオの香りが迫り寄ってくるような気分に……。

   ページをめくると3氏それぞれの個性がたっぷり味わえます。同じテーマ本なれど、アプローチの仕方そして各氏のショコラという素材の捉え方を感じられるところがひとつの見所。そして“ショコラは芸術”と感嘆せずにはいられない!


いつからか習慣化するようになった我が家の“今月のおすすめ本コーナー”。その月にふさわしいお気に入りの料理本や写真集を並べてます。お客さんも眺めていかれるので、会話の糸口になったりして結構楽しいです。

   次回、この3冊に共通して登場するお菓子をピックアップしてみます。お楽しみに!


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デザートに焼き菓子に、「自家製レモンのコンフィ」

   冬になると「オレンジのコンフィ」を仕込むのがここ数年のお菓子行事でしたが、この冬は「レモンのコンフィ」です。


汁を使った後の皮が何個か溜まったらまとめ作りスタート。つやつやと輝くコンフィを見てると、これを使って作ってみたいお菓子がいろいろと思い浮かんでくる!

   レモンといえば昨年の夏のこと。イタリアからの帰り道、コートダジュールのMenton(マントン)の街に立ち寄りました。ここはフランスの中でも、芳しきプロヴァンス産レモンの産地として有名な土地。

   近くのとある村に宿を取りました。夕食には、葉付きのレモンを香ばしくローストしたものがお肉の横に添えられていて、お口直しにレモンのソルベ、そしてコーヒーのお供にはもちろんレモンのコンフィ……。爽やかな香りとすがすがしい黄色が随所に散りばめられていて、村の素敵な雰囲気とともに印象に残ってます。

   地中海育ちのレモンは、ライムを彷彿とさせるキリっと凛々しい香りがしました。同じレモンでも土壌や品種によってこんなに違う! それがとても新鮮だったし、柑橘類の種類の豊かさを実感できたような気がします。

   考えてみると実はフランスなどよりも日本の方がずっと柑橘の種類が豊富なんですよね。伊予柑、夏みかん、甘夏、柚子、きんかん……それぞれ独特の芳香を持つ柑橘。オレンジやレモンにこだわらず、使いこなせばきっと素敵な楽しみ方がたくさんあると思うんです。皆さんもお好きな香りの柑橘でお試しを!


定番のチョコレートがけに使用する場合は、触ってベタつかない位まで乾かします。冬の乾燥した日なら半日ほどこうしておけばOK。時間短縮の場合は低温のオーブンで。

●「レモンのコンフィ」作り方

材料
レモンの皮……数個分
グラニュー糖……皮の重量の約90%
水……グラニュー糖の重量の約50%

1.汁を取った後のレモンの皮の薄皮の部分をスプーンで取り除く(この状態で冷蔵保存して溜めておく)。
2.ほうろう鍋にグラニュー糖と水を入れ、火にかける。充分に煮立たせたら火を止めレモンの皮を入れる。そのまま一晩休ませる。
3.皮だけ取り出し、再びシロップを煮立たせる。皮を戻して再び休ませる。
4.2~3の作業を3~4回繰り返す。
5.シロップごと瓶に入れて保存する。

Memo 私が使用してる自家栽培レモンは完熟摘み取りで皮が柔らかいため、皮の下茹はしていません。皮が硬めの柑橘をお使いの場合は、適度な柔らかさになるまで茹でてから2のステップへどうぞ。コンフィは皮の存在感を感じられる噛み応えもひとつの美味しさ(お好みや使用目的にもよりますが)だと思うので、茹で時間はほどほどに!

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レモン大豊作にうれしい悲鳴!

   ここ最近レモンの使い道を考える日々です。義両親の庭で育ったレモンがドッサリと届くようになったから。そう、レモンって二度成りの果物なのです。夏の収穫が8月末に終わりホッと一息ついたのも束の間、11月にはもう実をつけ始めました。そして立春の頃まで収穫が続きます。


全部で3本の木、それぞれ個性的な実をつけるところも愛着が沸きます。「これはあの木の実だな」と分かるようになりました。こちらはゴツっとした感じの皮、大きくずっしり重たいレモン。

   特に今年の冬はもの凄い! 夏のそれに勝るとも劣らない収穫量を見せています。今年のバスクの天候はしっかり寒いながらもサンサンとした冬の太陽に恵まれているからかも。

   私は普段からお菓子・料理にレモンを多用するクチなので、無駄にしてしまうってことはないのですが。うーん、さすがに今冬の収穫量は少々もてあまし気味……。


こちらは1本だけ品種が違うレモン。皮の色、ジュース、香りにかすかに柚子に似たものを感じさせてくれる柑橘です。ミカンのような薄くてつるんとした皮なので、これでコンフィを作るとしっとり柔らかく仕上がるところが好き。焼き菓子よりもデザートの飾りなどに愛用してます。

   で、ついに私もデビューしました、レモン風呂! これは昨夏レモンについて書いた際に、カリフォルニア在住のこけし様のコメント(樹齢60年以上のレモンの木を栽培されてるそう)から拝借した素敵なアイディア。柚子風呂ならぬレモン風呂、今年の冬の贅沢な使い道です!

   でもこうしてせっせと新たな消費法を模索しているあいだにも、レモンの木は豊作を続けているわけで。実はつい昨日も再び30個のお届けがあって、嬉しい悲鳴をあげてしまいました。

   というのも、先月クリスマスにプレゼントしたコレをエラく気に入ってもらえたらしく、箱にびっしり詰めたものをあっという間に食べ終わってしまったそうです。要は「また作ってね」というリクエストってこと……。

   コレとはこちら、レモンのコンフィです。


キッチンの作業台がふさがってしまうほど大量に作ったのですが、プレゼントや年末年始の来客時のお茶請けとして完食することができました。爽快!

   次回レシピのご紹介です。お楽しみに!

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フレンチバスクへ、新たなエアラインが参入

   遅ればせながら、あけましておめでとうございます。バスク発のおいしい話題&お菓子や料理のこと……今年もたくさんお届けできたらないいなと思ってます。ご愛読のほど、どうぞよろしくお願いします!


今年も日本からのビジターの方々が増えそうな予感!?

   新年初回はプラクティカル情報から。今年、日本から訪バスクをお考え中の方は必見です!

   フレンチバスクの空の玄関である『ビアリッツ空港』。年末年始にかけて、フライト事情がガラリと変わりました。バイヨンヌ自宅出発→ビアリッツ・パリ便→空港で5時間の待ち時間→パリ・成田便→リムジンバス……と、door to doorでほぼ24時間かけて里帰りする身にとっても多いなる関心事です。

   今までエアーフランス社の独占市場でありましたが、昨年末でもってパリ・シャルル・ド・ゴール空港(以下CDG)~ビアリッツ便は全便運行停止となりました。これによって、同社によるパリ便はオルリー空港のみの発着となってます。

   エアーフランスに代わって、CDG~ビアリッツ便の運行をスタートする航空会社は『easyJet』社。ヨーロッパ在住の方またはヨーロッパ移動をよくされる方なら、利用したことはなくてもその名に聞き覚えはあるハズ。欧州内ローコスト航空会社として、『Ryan Air』に次ぐポジションを占めているエアラインです(それにしても、easyJetとエアーフランスの間で何かしらの事前合意があったのだろうな、としか思えない展開)。

    easyJetの運行開始は2月の予定です。試しに4月あたりのフライトをチェックしてみたところ、片道運賃は30~40ユーロ(税・空港チャージ込み)ほど。これは、いままでのエアーフランス価格の約7割オフとかなり割安です。

   私がいちばん懸念していたのはチェックイン荷物の許容重量でしたが、料金を払いさえすれば最高50kgまでは可能とのこと。日本からドッサリ持ち運んでも大丈夫(いまだにプチ引越し状態なので……)と、ひとまず安心しました。

   とは言え就航開始は来月なので、まだまだ蓋をあけてみないと分からない事態も多々あるかも? 暫定的なフライトまたは季節限定便で終わってしまうなんて事態は避けて欲しいな、と個人的には思っているのですが。

   また詳しい新情報などが分かったら、お伝えしていくつもりです。とりあえず、バスク入りのフライトに関しては事前によくお調べ&ご検討をおすすめします!

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ショコラ本、大物パティシエの豪華な3冊 (1月29日)
デザートに焼き菓子に、「自家製レモンのコンフィ」 (1月22日)
レモン大豊作にうれしい悲鳴! (1月15日)
フレンチバスクへ、新たなエアラインが参入 (1月08日)


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