更新日:2007年12月25日

バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

2007年のバスク人気を振り返る

   2007年最後の投稿です。今年1年『バスクの砂糖壷』を訪れてくださった方、コメントくださった方、ありがとうございました! そして担当シロイシさんはじめとするcafeglobeの皆さま、ありがとうございました。

   システム上、私自身はブログのページビュー数を毎回知ることは出来ないのですが、時々シロイシさんから「○月○日の記事は、数字がすごく良かったです」とご報告をいただきました。叱咤激励されると同時に、「なるほど、こういう内容だと数字が上がるのね……」と興味深いものが!

   さて、昨年に倣って最終回は「2007年バスク人気を振り返る」。結論、 “静かなるブーム”は続いてます。

   今年の目玉ニュースは、バスクが北欧と結ばれたこと。ノルウェーのオスロ、デンマークのコペンハーゲンとの直行便が開通。今までは欧州は近隣諸国のビジターが大半でしたが、こうして遠くからもアクセス可能となりました。おかげで早速コペン在住の友人が遊びに来てくれたし(おミヤゲの可愛さにビックリ!)、私も近いうちにぜひ訪れたいと思ってます。

   そしてこれは先日レストランのスタッフから聞いた話。なぜかロシアのニューリッチ層にバスク旅行が密かに人気を呼んでいるのだそう。デラックスホテルに宿泊、日中はスパを堪能、連夜星つきレストランへとバブリーなお金の使い方をする人々らしく、その経済効果に街も注目しているそうです。

   もちろん日本人ビジターも増えました。旅慣れた方々、レンタカーで動き廻るフットワークの軽い方々が主流であった今までと違い、ブームの影響で団体旅行もチラホラあった模様。

   ついには私にまで現地添乗員なるおシゴト依頼がきてしまいました。もちろん(といっては失礼なんですけど)お断りさせていただきましたが。その他、ここではちょっと言及できないアヤしい依頼が時々舞い込むように。これはブログ開始当初は予想だにしていなかった四次効果(?)です……。

   では、現地係員ならぬ現地住人として来年もバスクからお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

   皆さま、良いお年を!


12月のビアリッツにて著者夫撮影。年に2、3枚しか撮ってもらえない写真の1枚がこの出来(でもブログ掲載にはちょうどよい)。来年の抱負のひとつは「彼にもカメラの基本操作を学んでもらうこと」 !

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吟味したマロン・グラッセと「ブッシュ・ド・ノエル」

   昨年のNoelでは、25日お昼の部を我が家が主催しました。ハテ、あの日私はどんなメニューで臨んだのかしらン? 前夜のシャンパンがカラダに残留状態での準備だったし、相変わらずバタバタだったし、写真撮ってる余裕なんてありませんでした。

   唯一お客様が到着する前にカメラに納めておけたのはお菓子だけ。2種類用意しました。ひとつは昨年、義祖母に直伝してもらったクリスマス菓子「くるみペーストのブリオッシュ」。(このお菓子にまつわるエピソードとレシピは、こちらの過去記事をどうぞ>>)。本来こちらはクリスマスの朝食にいただくお菓子です。

   もうひとつ用意したのは、お馴染みブッシュ・ド・ノエルです。夫は「お菓子2つは大変だからブリオッシュだけで充分だよ」って言ったのだけど、「ウーン、それだと私の気が済まないのよ!」と主張してせっせと作ってしまいました。自分がシェフの時は、自分の定番クリスマスケーキだってやっぱり欲しい。そしてそれはやっぱりブッシュ・ド・ノエルなのです。


大学生時代にお教室で習って以来、10ウン年のお付き合いのお菓子です。ジェノワーズにチョコレート・バタークリームというシンプルな組み合わせだけど、飽きないおいしさ、何度でも食べたい大好きなレシピ。デコレーションで雰囲気をガラリと変えることができるのも、このお菓子の魅力のひとつだと思います。夫の家族にもとても好評だったのでホッ。

   ここで私がハタと悩んだのは、ケーキの糖度について。私がフランスで口にするブッシュ・ド・ノエルを激甘に感じてしまうってことは、彼ら(特に祖母!)にとって私のはピンぼけな甘さに感じられてしまうってこと。

   かと言って、お気に入りのレシピをイジるのは絶対にイヤ! そこで私が取った打開策はシロップです。これは日本人仕様の甘さ控えめなお菓子をフランス人仕様にマイナーチェンジさせたい時に、私が使う常套手段。

   生地をホワっとしっとりさせる程度のシロップ塗りが好みですが、この日は念入りにたっぷりジュワーっと染み込ませることに専念しました。お酒好き一家なので香りづけのブランデーの量を増やすことも忘れずに。すると香りが甘みを補強してくれて、だいぶ彼ら好みの濃厚風味なお菓子に変貌させることができるんです(この影の努力、みんな分かってくれてるかな……)。


実は昨年の今ごろ、お気に入りのマロングラッセを探し求めてバスクのショコラティエ数店のマロングラッセを食べ歩いて比較研究してみました。、栗の品質・口触り・甘み具合・グラサージュの美しさなどなど、お店によってかなりお味に違いがあることがよーく分かって興味深かったです。

   あとはやっぱりNoelですから、マロングラッセをアクセントに。日本の御節に栗きんとんがマストアイテムであるように、フランスのクリスマスにもマロンは欠かせない存在です。

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義祖母ひさびさの登場! クリスマスの食卓風景

   フランスで過ごすクリスマスの食卓。イヴの晩にぱーっとご馳走を食べてハイおしまい、な日本とは事情がいささか違って、イヴの晩~クリスマス当日の朝そして昼食~翌26日も、と食事会が延々と続きます。全てが終わった頃には、五臓六腑がヘトヘトってことも!

   この家族行事、2年前まではパリで行っていたのですが(義両親はパリが本居でバスクがセカンドハウス、でも今はほとんど逆)、義祖母もバスクに移住したことをきっかけに昨年は初めてバスクで行いました。


毎年この日を迎えるたびに、今年もなんて早かったの!という思いに駆られてしまう。2007年もホントあっという間でした。


90歳にして初めてバスク住人となった義祖母、先月92歳のお誕生日を迎えました。老人ホームで出されるバスク料理・バスクの味付けは実は全く口に合わないようで、こういう家族の食事の機会をとても楽しみにしています。相変わらずシャンパンの飲みっぷりはスゴい!


アペリティフを頂きながらプレゼント交換の時間。毎年プレゼント選びには四苦八苦しているけれど、やっぱりこの時間はとても楽しい。

   ゆっくりアペリティフを楽しむのが大切なので、いつもよりもぐんと手間をかけたカナッペや酒の肴のお料理が数種類並びます。お祝いの日にお決まりのフォアグラも。当然、シャンパンの飲み量もいつもよりかなり多め!

   その後テーブルへ移動し、前菜・メイン・チーズ・デザート・コーヒーと家庭フルコースへ。ちなみに去年のメニューをざっとご紹介すると、スモークサーモンのサラダ、仔牛の煮込み料理、デザートはチョコレートのケーキといった具合です(もちろん全部義母の手作り)。


代々家に伝わるものから自分で買い集めたものまでと、義母の食器好き・コレクションの幅は相当なもの。招ばれる度にそのテーブル・デコレーションに感嘆してしまいます。ゆるい波型を描いた金縁のコレクションは、ドイツは『ローゼンタール』のオーダーもの。毎年クリスマスはコレと決まってます。

   それにしても、こうしてフランスでクリスマスを過ごすのも今年で7回目! ってことは日本のクリスマスをもう7年も味わってないのね……とちょっと寂しい。

   数年前、「クリスマスに日本帰国してもいい?」と夫にたずねたところ、「君は気安く考えてるかもしれないけどね、それは親族への『縁切り宣言』と受け止められるよ」と真顔で言われ、「エェーっ、そこまで!?」と、恐れ入ってしまいました。

   ノエル欠席、これは日本で言ったらお正月に夫の実家にご挨拶に行くのを放棄するのと同罪といったところ? いえ、ひょっとしたらもっと重罪なのか……。

   「クリスマスの食卓」がテーマのハズだったのに、なんだか脱線しすぎてしまいましたね! 次回、気を取り直して(?)クリスマスケーキの話題です。

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師走のバスクより、ブログ再開のお知らせ!

   長らく更新をお休みさせて頂いてました。その間に訪れてくださった方、コメント残してくださった方、再開を待っててくださった方、ありがとうございます! 再びどうぞよろしくお願いします。

   早いもので今年もNoëlの季節がやってきてしまいました。みなさん、クリスマスの予定や大事な人へのプレゼント、はたまたディナーやクリスマスケーキはお決まりでしょうか?

   わが町バイヨンヌのMarche du Noel(クリスマス・マーケット)も今週からスタートしてます。町のイルミネーションもちらほら点灯しはじめて、一気に師走らしさが増しました。(バイヨンヌのクリスマス・マーケットの模様は、こちらの過去記事をどうぞ!)。

   こういうフランスのイチ地方の小さな街のクリスマスは、多分皆さんが“ヨーロッパのクリスマス”から連想するイメージよりも遥かにジミで野暮ったいのでありますが、その野暮ったさがなんとも言えない魅力だったりもします。

   少なくともバイヨンヌ、フランスのごくフツーなごく庶民的なNoel気分を味わうにはもってこいの町と断言できます。パリや東京の華やかイルミネーションに見慣れた方こそ、一見の価値ありかも!?


ここ数年気に入っている、12月の週末の素敵な過ごし方。フランスを抜け出してお隣りスペインへ繰り出し、パラドールに宿泊します。建物やお部屋のインテリアが荘厳でクラシックなだけに、クリスマス気分が盛り上がります。

   そしてこの時期、庶民が最もイキイキしている現場といったら……それは食料品売り場。日本のお正月前のあのワサワサとした雰囲気と全く一緒ですね。フォアグラの瓶詰が山積みされ、チョコレート売り場の面積が数倍にも拡張され、お肉売り場には七面鳥やホロホロ鶏たちが見るも無残な姿でブラ下がっている……。

   それぞれの人が家族においしい料理を振舞いたい、楽しいクリスマスにしたいという思いでせっせとお買物に勤しむ姿は、やっぱり平和の象徴。例え食料品の値上げが問題になっていようとも(フランスもかなり深刻みたい)。

   私もそろそろ今年のクリスマスメニューを練らなくては! 次回もクリスマスの食卓の話題です。お楽しみに。

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バックナンバー
2007年のバスク人気を振り返る (12月25日)
吟味したマロン・グラッセと「ブッシュ・ド・ノエル」 (12月18日)
義祖母ひさびさの登場! クリスマスの食卓風景 (12月11日)
師走のバスクより、ブログ再開のお知らせ! (12月04日)


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