更新日:2008年5月27日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

図書館ルセット、「真空保存のあんずのコンポート」




   シロップでコトコトと煮た「あんずのコンポート」。お鍋で作るのが一般的ですが、あるとき別の作り方に辿り着きました。バイヨンヌの図書館の古い料理本の中で見つけた、画期的なルセット!

   どこが画期的かと言うと、その加熱処理の仕方。生のあんずを瓶にギュー詰めし、そこへシロップを注ぎ込みます。そして瓶ごとコトコトと煮ます。こうすると、あんずは直火ではなくやんわりと加熱される。そして瓶の中が真空化することによって、長期・常温保存が可能になる仕組み。


こういう脱気殺菌をする場合は、必ずゴムのパッキン付き保存瓶で! ル・クルーゼの大鍋は、料理鍋というよりも、保存食つくり鍋として活躍してます。

   だから木箱買いしても、もう安心。たっぷり作って、安心して常温保存できるのですから! あんずの持ち味である香りと甘酸っぱさを、ギューっと閉じ込めた感じです。

   庭に果樹があって何十キロの収穫があるような、保存食つくりのベテランのような人たちが使うルセットだと思われます(本の中で紹介されていたのは、あんずではなく桃のコンポートだった)。


蓋を開けた瞬間、7月の香りがぱっと漂う! あんずが大好きな夫のおばあちゃんへの差し入れとしても重宝してます。「冷蔵庫で冷たーく冷やしておくの。眠れない夜に頂くと、最高よ」とのこと。これぞシンプルにして究極なコンポートの味わい方かも。

   以来、我が家の貯蔵棚には1年中、あんずの瓶詰めが並んでます! フルーツの種類がすっかり少なくなった冬の時期、扉を開けると思わず頬が緩んでしまう。缶詰めの果物にも、見向きもしなくなりました(香りレベルが違いすぎる……)。

   暗い冬にぽっと一筋の夏の光りをそそいでくれるようなコンポート。「アリとキリギリス」のアリさんを想い出しながら、今年の夏もせっせと作るつもり。


杏仁の香りがお好きな方へ。種をカナヅチで叩き割って核を取り出し一緒に煮れば、ほんのり杏仁の香り漂うコンポートが出来上がります。ホンモノの杏仁のアロマの上品なこと! 一試の価値ありです。私は1瓶だけ作って、「杏仁ミルクゼリー」専用に。

●「真空保存のあんずのコンポート」

ゴムのパッキン・金属の口金付きの保存瓶(フランス製Le Parfait)
あんず……瓶のサイズに応じて、適量

シロップ(作る分量に応じて、量は適宜調整します)
水……1リットル
グラニュー糖……400g

1.縁までしっかりと煮沸消毒した瓶を用意し、ゴムのパッキンをあらかじめ取り付けておく。
2.洗って水気をふいたあんずの実を半分に切り、種を取り出す。
3.種のついてた凹んだ部分を下向きに、瓶の中にあんずを詰める。出来るだけ隙間が出来ないようにぎっしりと詰めること。
4.シロップを作る。鍋にグラニュー糖、水を入れ、混ぜながら砂糖を溶かす。沸騰したら弱火にして、10分間軽く沸騰させる。
5.4の熱々のシロップを、3の瓶の6分目まで流し入れる。しっかりと密閉させる(ゴムパッキン部分に水分が付着した場合は、きちんと拭っておく)。
6.瓶がすっぽりと入る大鍋に湯を沸かし、瓶を入れる。90℃のお湯の中で、30分間加熱する。お湯から取り出してそのまま冷まし、冷暗所で保管する。

コメント (15) | トラックバック



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Kuniさま、
はじめまして。
アフリカのパリ、数年前の今ごろに
訪れました!マンゴー三昧な至福な数日間を過ごした思い出が。ほんと美味しかった!保存してご家族に食べさせたいって気持ちよーく分かります。(私は、段ボールでフランスまで輸送しました!)
しかし、コンポートが生には及ばないであろうことは何となく想像できます。コンポートは北国フルーツ向きなので・・・。

yaxiziさま
はじめまして。
お試し中とのこと、ありがとうございます。
あんず、日本でもなかなか人気ある果物なんじゃないの!と再確認中です。
もっともっと流通すればいいのに、と思います

投稿者 マテスク : 2007年07月24日 05:35

あんずを購入して、コンポートのルセットを
探していてお邪魔しました。この作り方を参考に
させていただいて、いま鍋で煮ています。
仕事場でもらってきた瓶もちょうどLe Parfait
でした(笑)

余談ながら、以前友人から里佐さんの本を借りた
ことがありまして、あんずのコンポートついでに
このページも見付けることができて、ちょっと
得した気分でうれしいです♪

投稿者 yaxizi : 2007年07月24日 00:38

はじめまして。いつも楽しみに読んで、作っています。
現在「アフリカのパリ」と呼ばれる都市に住んでいますが、当地はマンゴーの旬まっさかり。日本の家族に食べてもらいたくて、りささんのレシピを参考に、コンポートにしてみました。残念ながら味は生のものには遠く及びませんが、夏休みに日本に持って帰れそうです。
ありがとうございました。

投稿者 Kuni : 2007年07月22日 01:26

笹ユリ(林 陽子) さま
はじめまして。
皮はむかずにお使いくださいませ!


投稿者 マテスク : 2007年07月18日 04:54

はじめてお便り差し上げます。いつも楽しみに読ませて頂いています。
長野産のあんずをデパートで見つけたので、早速コンポートを作ってみたいと思います。皮はむいてからシロップと煮るのでしょうか。買ったケースに、シロップ入り保存ビンごと煮ると良いとのマテスクさんと同様な説明書がありビックリしましたが、皮については書いていないのです。

投稿者 笹ユリ(林 陽子) : 2007年07月17日 15:31

lemilemiさま
日本には確かにフレッシュの黄桃は
見つかりませんね。
私はフランスでも、ついつい白桃
ばかり買い求めてしまってます。

投稿者 マテスク : 2007年07月15日 21:14

マテスク・りさ 様

お返事頂戴致しまして、ありがとうございました。
このような場でお返事頂けるというのは大変嬉しいですね。
「桃」(白桃」は確かにもったいない!話です。(笑)
以前フランスに行きましたときに黄桃がありました。
日本でもあると嬉しいですが・・・。
今回の杏のお菓子も美味しそう♪本もお出しになっているようですので、早速拝見させて頂きます。
この時期、バスクは良い気候なのでしょう。
羨ましい限りです。また、書かせて頂きますね。
ありがとうございました。

投稿者 lemilemi : 2007年07月13日 10:31

りょさま
すでにお試しいただいたのですね。
ありがとうございます!
確かに、キッチンがサウナ状態に
なりますね(笑)。

lemilemiさま
はじめまして。
そうなんですよね、日本ではフレッシュの
流通が少ないのが残念ですね。
ひとつ書き留めさせていただくのは
身の堅さは、普通にお鍋で煮るコンポートとさほど変わりません(フランスの杏に限っての経験ですが)。実崩れるすることはありません。
「たくさんのフルーツを冷蔵・冷凍させずに保存させる」が目的のコンポートですので
旬に箱でたくさん手に入った果物でお試しに
なるのが一番かと。
桃は、日本の高級な桃でやるのは贅沢すぎるのでは!?っていうのが、私の個人的な意見です!


投稿者 マテスク : 2007年07月13日 04:47

こんにちは。初めてメールさせて頂きます。
コンポ-ト、あまりに画期的で是非作りたいと思い、即印刷しました。生で詰めてそれを瓶ごとだなんて!!身がしっかりしていそうで美味しそうですね。
しかし、東京ではなかなか杏がお高いのが難点です。
教えて頂いたやり方だと、あとはどんな物で出来るでしょう?
桃はもちろんですが、ソルダム類、洋梨?いろんなものに挑戦してみたいです。
いつも楽しみに読ませて頂いていますので、これからも頑張ってくださいませね。

投稿者 lemilemi : 2007年07月12日 11:51

りさ様

お返事ありがとうございます!
素材が手に入ったらぜひ挑戦してみます。

投稿者 じゅり : 2007年07月11日 23:22

里佐さんの本を参考に、杏を3キロ買い込んで作ったばかりです。香り、酸味、歯ざわりが絶妙に残っておいしいですよね。そのまま食べたり、マフィンに入れたり、お弁当の隅に入れたり、すごくつかいでがあって、あっという間になくなりそうです。作っている最中は汗ダラダラで参りましたが(笑)。

投稿者 りょ : 2007年07月11日 22:03

じゅりさま
こんにちは。
6分目~七分目にしておくと、杏が出す水分によってシロップ量は9分近くになります。
フランス製のこのパッキンつき瓶は、そもそも脱気保存専用瓶です。金属の留め具を留めることによって圧力で空気を押し出す仕組み(ものすごく力がいります、そして開封のときも)。1年以上の保存も可能。今のところ腐敗の失敗経験はゼロです。

鮎さま
こんにちは。
洋なしはこの方法、向いてると思います。リンゴはどうでしょう?

なおみさま
はじめまして。
どんな瓶か見てみないとちょっと分からないのですが・・・パッキンの素材は問題ではないと思います。重要なのは「瓶が金属留め具付き」、脱気保存専用であることです。
保存瓶には、「ただ保存するのが目的の瓶」と「保存食を作るための脱気専用瓶」があります。前者でこの方法で作るとキケンですのでご注意くださいませ!

投稿者 マテスク : 2007年07月11日 17:04

はじめまして。
いつも更新を楽しみにさせていただいております。

質問ですが、ゴムのパッキンはシリコンゴムのものでもOKでしょうか?

投稿者 なおみ : 2007年07月10日 20:39

お~ これはすごい!!
こんな作り方があるんですね
私は 洋ナシとリンゴを煮て保存しています
今年は この方法で作ってみようかな  

           鮎

投稿者 鮎 : 2007年07月10日 13:44

こんにちは!

目からウロコ。。。
とっても合理的なコンポートですね!
ただひとつ質問なのですが、あんずはぎゅうぎゅう詰めにしても、シロップが6分目だと中に空気は残りますね?
真空になるのは、煮ている時に脱気されるのですか?
熱処理されるから残っても問題ないということでしょうか?

投稿者 じゅり : 2007年07月10日 11:57


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