今回は私の結婚式巡業の中でも、とりわけ印象深かった「バスクの結婚」のお話を。
「バスクの結婚」というのは「バスクで行われた結婚式」ではなく、「生粋のバスク人の結婚式」という意味です。ともに代々続くバスクの農家の家柄、家庭内公用語はフランス語ではなくバスク語、という2人でした。
ちなみに、生粋の江戸っ子夫婦やパリっ子夫婦が実はそうたくさんいないのと同じく、純血バスク人同士のカップルもなかなかレアな存在のようです(スペイン側バスクには多そうですが)。

一目でそうだと分かる、まさに「生粋バスクの血」の顔立ちの女性です。
彼らはすでに子どもが2人いる、"事実婚カップル"でした。法的に結婚しようとしまいと社会的に体裁的に、もちろん子どもにとっても、何らデメリットが発生しないフランスでは、事実婚カップルはたくさんいます。一緒に住み子どもを産んだ後、結婚する道を選ぶカップルも少なくありません。
挙式は山バスクの小さな村、新婦の出身の村の教会で。この挙式が本当に素晴らしかった!社会的立場や体裁のためでなく、もちろん年齢のせいでもない、決断したから結婚したのね。これって"できちゃった結婚"の対極かも……。などと、式の間いろんな思いに耽っていた私です。
披露宴は、村の小学校の体育館。中に入ったときは、正直言って面喰ってしまった。それまでフランスではごくフツーだと思ってた、シャトーなどでの"ハデ婚"とは全く違ってたから!

ささやかな村のお祭りといった雰囲気でした。バスクに生まれ、バスクで育ち、バスクの人と結ばれ、バスクで一生暮らす人たちがたくさんいる世界。彼らにとって、これほど安心で、居心地が良く、素敵な場所はないのだと思う。

バスクらしいアペリティフの数々。ふたりが一生懸命吟味したであろうことが分かる美味しさだった。生ハムで孔雀のオブジェ。

これまたバスクらしい、たくさんのトルティーヤ。トルティーヤはパーティにも重宝するお料理です。
学校の子どもたちによる飾り付け、バスクらしいアペリティフの数々、村の人々が続々とお祝いに駆けつけてくる様子。どれもこれもが私にとっては、外国の風景、バスクの風景だった。「うーん、なんで私が此処に……?」という異邦人であることを痛感する感情もありましたけど。
こうして写真を眺めかえしていると、あの日の私のカルチャーショック、でもほわっと心温まった事を思い出します。
余談ですが、そもそも私がこちらで着物を着始めたきっかけは、頻繁にある結婚式出席のため。毎回衣装に頭を悩ませることに終止符を打ちたかった。しかしフランス人のウェディングといっても、ご覧のとおりスタイル・雰囲気・ドレスコードはぴんきりです。
着物が似合う場とそうでない場があるので、見極めは重要。例えば、こういう結婚式に着ていってしまったら……悲劇です(想像しただけで冷や汗が)!
とってもシンプルだけれど気負わない感じの結婚式もあるんですね。写真だけ見ると同窓会のような雰囲気さえ感じます。気軽なだけにいろんな人に祝福してもらえそうな感じがステキですね。
着物ってそうなんですね!?着物ってそちらでいうすごい改まった格好なんでしょうか??逆に浴衣っていうのはどうなんでしょうか???