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ウェディング特集(?)、最終回は披露宴とウェディングケーキについて。
私の今までの結婚式巡業の中、圧倒的に多かったのはシャトー・ウェディングです。フランスはなにせ古城がごろごろある国ですから。ゴージャスな雰囲気もさることながら、森に囲まれたロケーションってところも魅力的。夜になると森のフクロウの鳴き声が鳴り響き、光と人のさんざめく声……なんていう素敵なシーンが出来上がってました。
ヴェルサイユのレストラン・ウェディング、パリのセーヌ河船上ウェディングなんていうのにも参加しました。都会には都会ならではの良さがあります。そして日本ではあまり考えられないけど、自宅ウェディングや別荘ウェディングもそう珍しいことではありません。
ワタクシ共の披露宴も自宅ウェディング、義両親宅で行いました。義両親は奮起して、物置倉庫と化していた部屋に大がかりな改築を施工。家の中にバンケットルームをしつらえてしまいました! 「やることのスケールが違うね……」と私の両親はただただ唖然としていましたが。

17世紀の建物です。ある時はホテルとして、ある時はドイツ軍の駐屯宿として、あるときは製薬工場として使用されていたという、何代もの持ち主と歴史を垣間見てきた家。始まりはホテルというだけあって、中の造りはアパルトマン・ホテル形式です。夕方6時半から、家の外でカクテルを行いました。

夜の9時からスタートしたディナー。「あの物置倉庫が……!」と、この部屋の前身を知ってる人は皆驚きました。ここまで張り切ってくれた義両親に感謝です。
出張料理人、出張給仕人、出張ミュージシャンの手配、シャンパンやワインの仕入れ。そして、テーブルや椅子、食器、クロス類などの小道具はレンタルしました。
日本のホテルや式場ウェディングがフルシステム・オーダーなのに対し、これは単品オーダーの寄せ集め。数日前に慌てて気がつき、「お手洗いこちらです→」なんていう張り紙を自作したり(いまだにあの家には貼ったまま!)、本当に慌しかった。

“ピエスモンテ”にしました。クロカンブッシュ(キャラメルがけの小さなシュー)を積み上げた、クラッシックなウェディングケーキ。シューの中にはクリームを入れず、キャラメルも控えめに、あくまでピエスモンテはケーキカット用(とは言え、翌日にみんなでおいしく頂きました)。別途クリーム詰めのシューとチョコレートのお菓子を用意してもらい、盛り合わせデザートにしてもらいました。

ケーキカットの時の、おばあちゃんのうるうるな表情……。こんな素敵な写真を撮ってくれたM氏に感謝の気持ちでいっぱい。私たちの宝物写真であります。
さて、ウェディングケーキ。日本では自主制作もアリですよね。何を隠そう、私も密かに憧れていました。思い出に残るお菓子作りになるに違いないと。
ところが周りの人にこの意志を伝えたところ「花嫁がウェディングケーキを作るですって!?」と驚愕され(こっちでは有り得ないのかな)、「悪いこと言わないからプロに任せなさい。」と一掃されてしまいました。
後から振り返ると、言うこと聞いて本当に正解でしたね……。てんてこ舞スケジュールの中さらにウェディングケーキを作るなんて大仕事があったら、パニックしていたに違いない! そして当日の私の顔はクマだらけのうえ、お菓子のことが気になって気になってドレス姿で厨房をウロチョロしていたハズ!
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引き続き、ウェディングの話題です。パリジャンの結婚式、こてこてバスクな結婚式に続きまして、今回は不肖ワタクシ共の結婚式について。
日本から来ていただく方の徒労を考えると、パリ挙式の方がいいのでは? とも思ったのですが、最終的にバスク挙式を選びました。いろんな方にこの地方に来ていただける良い機会とも考えたから。

挙式は夕方5時からバイヨンヌの教会で。

教会の庭で皆さんにお祝いの言葉をいただき、記念撮影。歩きまわる私にぴったりと張り付いてトレーンを持っていてくれたカルメンちゃん(親戚の子)。感想を聞くと「疲れたから、もう二度とやりたくない」だって……。
今でこそフランス・バスクも知られるようになったし、私もこのブログをやっているし、説明する必要がなくなりましたが、当時は「ビアリッツ? あの英会話学校のオリジン?(Berlitzと誤解……)」とか、「バスクってスペインじゃなかった?」なんていう反応もフツーでした。
そんなヘンピな(?)土地に、遥々日本からもお越しいただくにはどうしたらいいか? 結婚式っていうよりも“バスク誘致”、これに私はガンバりました。招待状に「バスク地方のご案内と旅程プランのご提案」なんていう自作プリントを同封したりして。今読み返すと、まるで3流旅行会社のパンフみたいで笑ってしまう!

着物美女も2名。後日、「日本人って、キレイで上品でスタイルもいいんだね。ビックリしたなー!」と何人のフランス人殿方に言われたことでしょう(「紹介しろ」と言うお声もチラホラ)。反対のイメージをお持ちだったってこと? イメージアップにかなり貢献したハズ。
さて、掲載写真はすべて友人M氏撮影のもの。マガジンハウスの大物フォトグラファーに撮って頂けたという幸運な私たち! 彼の傑作アルバムには、フランス人達からも「格が違うね……」という賞賛と羨望の声が寄せられました。

友人として、仕事人として、そして料理人として(料理も天才肌)、尊敬している方。凛々しい袴姿で出席してくれました。“サムライ・フォトグラファー”としていまだに語りぐさです!
実は地元の写真館にも一応撮影を依頼していました。でも催促の電話がかかってくるまで、写真を引き取りに行かなかったという……。それくらい、M氏の写真はケタ違いに素晴らしすぎた! 後日、「結婚式写真の焼き増しをオーダーしなかった、変わったカップル」と言う“町の評判”が我々の耳にも届いたのでありました!
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今回は私の結婚式巡業の中でも、とりわけ印象深かった「バスクの結婚」のお話を。
「バスクの結婚」というのは「バスクで行われた結婚式」ではなく、「生粋のバスク人の結婚式」という意味です。ともに代々続くバスクの農家の家柄、家庭内公用語はフランス語ではなくバスク語、という2人でした。
ちなみに、生粋の江戸っ子夫婦やパリっ子夫婦が実はそうたくさんいないのと同じく、純血バスク人同士のカップルもなかなかレアな存在のようです(スペイン側バスクには多そうですが)。

一目でそうだと分かる、まさに「生粋バスクの血」の顔立ちの女性です。
彼らはすでに子どもが2人いる、"事実婚カップル"でした。法的に結婚しようとしまいと社会的に体裁的に、もちろん子どもにとっても、何らデメリットが発生しないフランスでは、事実婚カップルはたくさんいます。一緒に住み子どもを産んだ後、結婚する道を選ぶカップルも少なくありません。
挙式は山バスクの小さな村、新婦の出身の村の教会で。この挙式が本当に素晴らしかった!社会的立場や体裁のためでなく、もちろん年齢のせいでもない、決断したから結婚したのね。これって"できちゃった結婚"の対極かも……。などと、式の間いろんな思いに耽っていた私です。
披露宴は、村の小学校の体育館。中に入ったときは、正直言って面喰ってしまった。それまでフランスではごくフツーだと思ってた、シャトーなどでの"ハデ婚"とは全く違ってたから!

ささやかな村のお祭りといった雰囲気でした。バスクに生まれ、バスクで育ち、バスクの人と結ばれ、バスクで一生暮らす人たちがたくさんいる世界。彼らにとって、これほど安心で、居心地が良く、素敵な場所はないのだと思う。

バスクらしいアペリティフの数々。ふたりが一生懸命吟味したであろうことが分かる美味しさだった。生ハムで孔雀のオブジェ。

これまたバスクらしい、たくさんのトルティーヤ。トルティーヤはパーティにも重宝するお料理です。
学校の子どもたちによる飾り付け、バスクらしいアペリティフの数々、村の人々が続々とお祝いに駆けつけてくる様子。どれもこれもが私にとっては、外国の風景、バスクの風景だった。「うーん、なんで私が此処に……?」という異邦人であることを痛感する感情もありましたけど。
こうして写真を眺めかえしていると、あの日の私のカルチャーショック、でもほわっと心温まった事を思い出します。
余談ですが、そもそも私がこちらで着物を着始めたきっかけは、頻繁にある結婚式出席のため。毎回衣装に頭を悩ませることに終止符を打ちたかった。しかしフランス人のウェディングといっても、ご覧のとおりスタイル・雰囲気・ドレスコードはぴんきりです。
着物が似合う場とそうでない場があるので、見極めは重要。例えば、こういう結婚式に着ていってしまったら……悲劇です(想像しただけで冷や汗が)!
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6月といえばブライダルシーズン!ということで、私の得意(?)ジャンルである結婚式の話題を。
「フレンチブライダルウォッチャー」なんていうふざけた職業があるとしたら、立候補したいほど。と言うのは冗談だけど、経験値はかなり高いほうだと自負しております!
この数年間、本当にたくさんのウェディングに参列しました。改めて、ひーふーみーと数えたところ、15本もあって自分でもビックリ(“本”という単位を使いましたが、「フランスの結婚式って大掛かりな舞台みたい」という意味で、この数え方が私にはしっくりくる)。

新婦の家族がお住まいという町、イル・ド・フランスのシャンティイにて行われたウェディング。披露宴会場に使われたのは、なんと17世紀の大修道院。初夏の夕方の光でキラキラと輝く池、木立に囲まれた壮麗な建物。おとぎ話みたいな世界にうっとりでした。
出席してきた結婚式のうち、ほとんどが6月。やはりジューンブライドは人気です。6月の3つの週末が結婚式で埋まる、なんていう怒涛の年もあったっけ……。まわりの方々がほとんど既婚者になったので、これにて私の“結婚式巡業”も打ち止め。今年初めて、結婚式の予定がない6月を迎え少しホッとしてます。
これまでの巡業地は、バスクやパリはもちろん、ブルターニュ、シャンパーニュ、ロワール地方など。一般的に、新婦の出身地や縁(ゆかり)の土地で挙げるので、親戚・友人一堂が大挙して押し寄せ、泊まりがけもフツー。その土地独特の雰囲気、教会や聖堂、披露宴の会場、そしてお料理……土地と密着している結婚式は、どれも個性的で印象に残ってます。

そびえたつ石柱、高い天井、寄せ木細工の床、壁には重厚なタペストリー……修道院の素晴らしき内装を眺めながら飲むシャンパンの味は格別だった! この日は、祖母の遺品の着物を着用。キモノの話題を突破口に歓談した新郎友人方と。
日本では、結婚式も都市一極集中になりがちですよね。こんな風に自然な形で各地に分散するのは、とても良いことに思えるのですが。先日、故郷の神戸で挙式・披露宴を行った藤原紀香サンは素晴らしき見本かも!?
以前、夫の友人に「式場の打ち合わせでシャトーにいったら、日本人カップルの集団が下見に来てて驚いたヨ。なんでわざわざフランスで挙式するのだろう?」と聞かれて困ってしまった。決して彼は馬鹿にしてたのではないと思う。ただ、本当に奇異に見えるんでしょうね。「海外ウェディングというニッポン・カルチャーがあってネ、そういうビジネスがあってネ」と説明したのだけど、分かってもらえたかどうか……。

ずらりと並んだアペリティフ料理もお楽しみのひとつ。

アペリティフが終わり、着席ディナーへ。そしてその後、ダンスタイムが朝まで続きます(私はいつも2時がリミット!)
さて、掲載フォトは今まで出席したウェディングの中で、最もゴージャスで最もインパクトがあったもの。息を呑むほど素敵だった……。
しばらくウェディングの話題、続投します。次回は場所も雰囲気もがらりと変わり、バスクの結婚式の模様を。お楽しみに!
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悪い予感が的中してしまいました。
心待ちにしていたイッツァス村の黒さくらんぼが、今年は不作。不作どころか、何十年に一度あるかどうかの凶作年! 初夏の訪れを告げる果物だけに、そしてフランス・バスクを代表する果物だけに、暗澹とした気分にさせられるニュースであります。
理由はもちろん、異常気象。今年の春は、お日様が光り輝く日が極端に少なく、明らかに日照不足。そして連日激しく雨が降り、ときには強烈な嵐が吹き荒れました。ニュースで見て心配してくださった方もいましたが、バイヨンヌでは洪水によって死者も数人出ました。あの日、夫の知り合いは通勤途中に乗用車ごと水の渦に巻き込まれ(!)、ギリギリのところを消防隊員によって救助されたとか……。

昨年の写真から、青空と真っ赤なサクランボ。今年はこういうお日様の光がとても少ない。うーんこのままでは、2007年の葡萄の出来、ワインの出来も危ういかも。
それでも「ひょっとしたら少しは……」と淡い期待を抱いて、昨年お世話になった農家の方に電話してみたところ、「今年の出来はお話しにならんよ」という答えが返ってきました。
人の命すら落とすような強雨だったのだから、か弱いさくらんぼの実が大打撃を受けるのは当たり前。実りの時期を目前にして、ボロボロの傷モノになってしまったそうです。
我々消費者側は、「今年はあの黒さくらんぼが食べられないのね」と残念がるだけでおしまい。のん気なもんです。しかし、生産者側である農家の方々の立場を考えると、本当に気の毒。皆さん酪農業との兼業なので、これによって生活を脅かされる心配はないと思います。しかし、かなりの痛手であることは間違いないし、お天道様商売のつらい宿命を感じます。
そんなわけで去年スタートした私のさくらんぼジャム作り、今年はお休み。スーパーに行けば、他の地方のさくらんぼを手に入れることが出来ますが(バスクほど不作ではないにしろ、同じく出来が悪い)、浮気する気にならない!
イッツァス村の黒さくらんぼが、来年こそ元気に実をつけてくれますように……!

昨年はさくらんぼの大当たり年だった! 12kgのさくらんぼで大量に作り上げたジャムとコンフィ。「いくら何でも作りすぎでしょ」と実は反省していたのですが、今となっては「豊作年にたっぷり作っといて正解!」と思います。天候不順が当たり前の時代になってしまったのだから……。
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カテゴリ: パティスリーBasque
2007年6月12日
半年程前、ガトーバスクに関してあるショッキングな話を耳にしました。
私にこの話を教えてくれたのはマダム・ボネ。彼女はイッツァス村の民宿レストランの女将であると同時に、どこの国のどの町にも必ずひとりはいるであろうオシャベリ大好き、いわゆる“ウワサと情報の玉手箱”的な女性。
同業者の景気の話題、どこどこで起きた交通事故のこと、今年の農作物の出来具合、そしてもちろん人の噂も……。次から次へと地元情報を提供してくれるわけです。そうそう、最近は「あなたのおかげかしらー、ニッポンのお客さんが増えたわねぇ」とご機嫌顔で言われました。
普段私は、「ハー、へぇ、そうですか」と適当に相槌をうつのが精一杯(彼女にとってはかなり物足りない相手に違いない)。そんな私が、この話には「ウンウン、それでそれで」と珍しく反応を示したものだから、マダム・ボネはいつになく嬉しそう。目を輝かして語ってくれたのです。
「一部の政治家やおエライさん達の中でガトー・バスク協会なるものを作ろうという動きがあるのよ。ガトーバスクを村興しや自分達の功績材料に利用しようっていう魂胆なワケ。それだけならまだ許せるとして、彼らが何を企んでいるかアナタ想像できる?」
ううん、と首を横にふる私。
「なんと、ガトーバスクを1つに統一しようっていうの! あなたも知っているように、ガトーバスクはお店によってだいぶ違うでしょう? それを、1つのルセット、1つの味にしようと。生地やクリームはもちろん、焼き時間や生地とクリームの比率なんかまで細かく決めようじゃないかって。(途中トークは略)……ファーストフードじゃあるまいし! 全く何て愚かなことを思いつくのかしらね!」
この辺まで一気にしゃべり終わった頃には、彼女は仕事中で私は食事中ということも完全に忘れ、おしゃべりに夢中というか興奮状態。彼女の弾丸トークは、我々が前菜を食べている間中ずっと横で続きました。

豊かな個性を強調することこそ地方菓子の魅力なのに。没個性のガトーバスクだなんて……想像しただけで虚しい。
最後にマダム・ボネが吐き捨てるように言った台詞はこれ。
「お菓子のことを何も分かっちゃない、ジイサマ連中の考えそうなことよ!」
パチパチパチ、と手を叩いて賛同しました。ホント、ジイサマ方の愚かな計画が頓挫するように願うばかりです……(まあ十中八九、頓挫すると思いますけど)!
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カテゴリ: パティスリーBasque
2007年6月08日
新しいカテゴリーをたてました。名付けて「パティスリーBasque 」。バスクのお菓子にまつわる温故知新なストーリー、楽しいエピソード、そして私の主観的思い入れや発見などを綴っていこうと思います。
バスクの有名お菓子といえばガトーバスクなわけですが、他の無名(?)地方菓子も少しづつご紹介していくつもり。
お菓子屋さん、パン屋さん、レストラン、マルシェ、はたまた民家にも「ガトーバスク売ります」の看板……。バスクにはガトーバスクがひしめいている! そんな、よりどりみどりなお店ガイド・試食レポートも入れていきたい(ただし太る事だけは勘弁願いたいので、ゆっくりペース遵守で)。

もうすっかり目が慣れてしまった私でも、お菓子屋さんの前を通りかかると「どれどれ今日のお顔は……」と必ず覗いてしまう。ガトーバスクの焼き色、質素な佇まいは、お菓子の原点を教えてくれるような気がする。
単なるお店案内や情報の羅列、ましてや「おいしい、おいしくない」などと評論ぶるつもりは全くなし(私の好みレベルなどは言及してしまうと思いますが)。なぜならお菓子は食にとどまらず、文化、風土、暮らしそのものなのだから。味だけでなく、お菓子の背景も感じることによって楽しく広がる世界だから。
バスクのお菓子をすでに味わったことのある人、まだ一度も口にしたことのない人、日本のお菓子屋さんのを味わったことある人、フランスの地方菓子に興味がある人、そして正直言ってあまり口に合わなかったナという人……etc。お菓子の経験値・知識量・好みのレベルに関わらず、楽しんでいただけますように。そんな願いを込めて、お届けしていこうと思ってます。
次回もガトーバスクのお話しです! お楽しみに。
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晩春から初夏にかけて、私がマルシェで毎週せっせと買い求める野菜はグリーンピース。毎年、お初ものが登場した週は心が躍ります。その喜びレベルはイチゴがお目見えした時と同じくらいと言ってもいいほど。それくらい私はグリーンピースが好きなのです。
ただでさえ好きなのに、幸運なことにバスクはグリーンピース栽培が盛んな土地ときている!これを知ったときの嬉しさ、理解してもらえるでしょうか? 日本で慣れ親しんできた素材、大好きな素材の現地産が手に入ることって、本当にありがたい。

こうまで美しく健康的な野菜だともはや鑑賞に値する。京都で買った竹籠に入れて。
バスクの農家のグリーンピース、これがまあ素晴らしい。要は本当の採れたて、ものすごく新鮮だということ。直前にパチンパチンとハサミで枝を切ったであろう元気さ。ハリとツヤがあってつるつる(お化粧品の宣伝文句みたい)。枝まで元気にピンと伸びていて、さやを開けば弾けるようなの青い香り、豆の酵素パワーを感じます。
初めてこれでお豆ご飯を作ったときは、驚きの感動でした。青豆ごはんという食べ方を教えてくれたのは日本ですが、私にグリーンピースの真の味を教えてくれたのはバスクです。

青豆ごはんの次によく作るのは、「春の野菜のパスタ」。青い野菜を取り合わせ、バイヨンヌの生ハム、バスクのチーズと一緒に。ローカル産物だけで料理を作ると嬉しくなります。
グリーンピースと言うと、忘れられない台詞があります! 発言主はイギリスの美人料理研究家ナイジェラ・ローソン。料理番組で「ワタシ、グリーンピースをさやごと買って料理するって行為が信じられないのよ。何の意味があるのかしらね?」と言いながら、冷凍豆をザザァーっとお鍋に放り込んでました……。
いやはや、ビックリしましたです。いえ、私はアンチ・冷凍グリーンピースではありません。あれはあれでメリットがたくさんあると思います。それにアンチ・ナイジェラでもありません、念のため。
料理番組(特にイギリスの)がエンターテイメント性をも重視してるってことはよーく分かります(実際、他の国の番組より楽しい)。だから、ひょっとしたら御本人の台詞ではなく、番組制作者側が用意した台本を読んだだけなのかもしれない。だけどこの台詞にはカチンときてしまいましたね、野菜好き人間としては!
「フレッシュの野菜を使うことに何の意味があるの?」と問われたら、驚くというより哀れみを感じてしまう。彼女にバスクのグリーンピースをぜひ食べてもらいたいものです(逆に「青クサくておいしくないわね」と言われたりして……)。
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カテゴリ: 外で食べたおいしいもの
2007年6月01日
1ユーロ=160円台という円安状態が定着していますね。ビジネスや経済面での影響はさておき、プライベートでフランス旅行に来られる方にとってはいささかキツいレートですよね……。日本なら1000円で席にゆっくり座ってランチが楽しむことができますが、こちらで6ユーロで着席ランチにありつくことは到底無理なのですから。
私が移住した頃は、なんと1ユーロ=90円という時代でした。くーっ、あの頃に貯金をユーロに換金しておけば、たっぷり利殖できたのに……! なーんて、どうしようもないことを考えてしまいます。
なんでこんな話題で始めたかと言いますと、先日のピレネー山麓旅行中にとびきり安くてとびきりおいしい、素晴らしいレストランに出会ったから。まずはそのメニュー内容をご覧くださいまし(そして、お値段の予想を)!

ウサギ肉とフォアグラのテリーヌ。おいしさの秘訣は、下に敷いてある赤キャベツの甘酢漬け! こってり&さっぱりのハーモニーが素敵だと、食がとってもすすみます。

付近の川で「ニジマス売ります」の看板を見かけたので、「ニジマスがおいしい土地なのだな」と判断してオーダー。案の定、すばらしい鮮度でした。ムニエルの間には、フェンネルの蒸し焼きとソース。奥にはピラミッド型のお米。普段あまりフェンネル好きでない私ですが、気がついたらお米、そしてパンにからめながら最後の1滴までいただいていた!

チョコレート・ガナッシュの上に、筒型のオレンジ・バニラのアイスクリーム、そしてオレンジソース。チョコレートとオレンジの組み合わせを見ると、頼まずにはいられない性分でして。
ほんとに素敵なランチでした。そしてこれが〆て20ユーロ! こういう「安くてうまくて感じが良い」お店に偶然出会ったときって、心底嬉しくなります。そして、「偉いなぁ、頑張って欲しいなぁ」と働く人たちに尊敬の念を抱かずにはいられなくなります。
で、ここで一言お断りしておきたいのは、20ユーロは現レートで円換算すれば3200円。だけど、現地の物価感覚から大雑把に言わせてもらえば、2000円感覚だということ。そして、フランスの田舎には(さすがに都会では無理です)、2000円でこんなお食事をさせてくれるお店がまだまだ見つかりますってこと。要は、これが言いたかったんです……。

Barbazan(人口380人)なる小さな村の中の1軒、『Hostellerie de l'Aristou』。テラスでの食事がとても気持ち良い空間でした。田舎という土地柄、そしてご主人が厨房、奥さんがサービス、高校生くらいのお嬢さんもお手伝い、という“家族チーム”のお店だからこそ実現可能のお値段。
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