更新日:2008年5月27日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

苺のフォンテーヌブロー・クープ




   先月、記事の中で「ショートケーキのないお菓子の国」という書き方をしたところ、cafeglobeのしろいしさんから「ショートケーキって日本のお菓子なんですか?」という質問をいただきました。


「いちごのショートケーキ」、グラス版。

   そうです、こちらのフツーのお菓子屋さんには苺のショートケーキは存在しません。これはフランス菓子ではなく、ニッポンのお菓子。食べたことないのだから当然、フランス人にはウケないお菓子です!

   以前、友人宅で総勢10人くらい(ニッポン人は私だけ)でお茶をしたときのこと。お盆に並べられた『Sadaharu Aoki』の美しきお菓子たちを、ひとりづつ好きなものを選ぶことに。ヘーゼルナッツやピスタッシュ、チョコレートを使ったものあたりから消えていく……彼らのチョイスを観察するのは、なかなか興味深かったです。

   そんな中で、「いちごのショートケーキ」が日の丸国旗のごとく、ぽつねんとした佇まいに見えてしまった。で、これを嬉々として選んだのはもちろん私ひとり……。私にとっては、懐かしさが先にたつ、和スイーツみたいな感覚なんですよね。

   「苺ショートケーキを、フランス人にウケさせる」は、私のちょっとした課題テーマです。先日、おもてなしの日に作ってみたのがこちら、「苺のフォンテーヌブロー・クープ」。とても評判が良かったです。もちろん、日本人も大好きな味です(でなきゃ、私だって作りません)!


私はグラス・デザートが大好き。おもてなし時、お料理もお菓子も作って(そして掃除もして)となると、さすがにかったるい時もあり。そういう時、ちゃちゃっと作れて、手抜きをバレさせない(?)のがグラス・デザートだと思う。いわば自分の救済策!


生地は、ふわふわジェノワーズを避けて、シュワっと軽いけどしっかり焼いたビスキュイ生地。


バターたっぷりは平気なのに、ホイップ・クリームたっぷりのお菓子には拒否反応を示すフランス人は多い(これまた興味深い現象だと思う)。そこで、クリームはフロマージュブランを使った「フォンテーヌブロー」にしてみました。

さて、「“フォンテーヌブロー”って何?」という方、次回ご紹介いたします!
お楽しみに。

コメント (8) | トラックバック



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へ~。ショートケーキ論、面白く拝見させて頂きました。ショートケーキは私も日本のケーキかとずっと思っていましたが。
というか、「”苺の”ショートケーキ」というと、日本の物というスタンスでいました。大体、ショートケーキという品物は、ショートニングを使っている、スポンジケーキだと思っていたので、その名がついているものかと。
それをアレンジした、不二家論に一票!(笑)

私も、最初、ホイップした生クリームたっぷりのお菓子がないのが不思議でした。ムースやババロア、ガナッシュなど、リキッド状の生クリームがこれでもか!って使われているお菓子は沢山なのに(笑)

で、やはり、苺のショートケーキが食べたくなって作った時も、フランスの生クリームの油脂分が低い事に驚いたり。日本でショートケーキというと、45%位のクリームを使ってしっかりとした生クリームでしたが、35%なので、最初は泡立たなくてびっくりしましたよー。

後は、初めてタルトタタンを頼んで付け合せのクリームがサワークリームだったのにも驚いたのを覚えています。

たかが生クリーム、されど、生クリーム、お国事情なのか、面白いですね~。

私は生クリームフェチ(?)で、箱からそのまま飲んでも良いくらい、好き(笑)

投稿者 沖楽 : 2007年06月21日 21:36

mochidangoさま
はじめまして。
コメントありがとうございます!
フランスの生クリームの瓶には
「クリームは油よりカロリーが
低いんです!」みたいなアピール文句が
書いてあって、可笑しくなります。
クリームの方が太るものっていうイメージ
が強いようですね。
なるほど、不二家の創設者が取り入れた
お菓子だったのですね!

投稿者 マテスク : 2007年06月10日 17:17

はじめまして、アメリカ在住のお菓子好きです。ときどきサイトを拝見させていただき、おいしそうな写真とお話に魅了されております。実はすでにレモンクリームサンドのカトルカールのレシピも試しています。おいしかったです!ありがとうございます!!バナナパンケーキも作りましたよ。ひっくり返すの失敗しましたが。。。

ショートケーキ、というか、生クリームがフランス人にウケないとは面白いですね。ところで、ショートケーキの由来の話ですが、不二家の創設者の藤井林右衛門氏がアメリカのいわゆるショートケーキ(アメリカでいうビスケット(=いわゆる英国のスコーン)にイチゴなどのベリーとクリームをサンドしたもの)をスポンジ好きの日本人向けにアレンジしたとか。

投稿者 mochidango : 2007年06月10日 09:09

nounoursさま
個性的な3都市の移動生活、食生活も
3パターンが出来上がるということ
でしょうか!?
犬を見る喜び、私もフランス生活の美点に
真っ先に挙げます!30分散歩したら
5、6匹は会えますもんね。

Lucyさま
詳しいご解説、ありがとうございます。
ビスケットに苺のソースって組み合わせは
確かにおいしそう。
だけど、ショートケーキが
アメリカ生まれってことを認めたくない
自分がいます(苦笑)。
アメリカのお菓子への偏見を取っ払う
アメリカ旅行が出来たらいいのですけど、
まだそういう味には出会ったことが
ないのです。。。

harimoguraさま
一人旅でいらっしゃるのですね。
ビアリッツからバルセロナ、これは
確かに直行はありません。一度、サンセバや
ビルバオまでスペイン入りしてから、
電車または飛行機移動になるはずです。

Naokoさま
ありがとうございます!
お菓子はお国スタイルも好みも見事に
違いますよね。それぞれのオイシイ部分、
いいとこ取りをして出来上がったのが
日本のお国柄と味覚だと思います。

投稿者 マテスク : 2007年05月23日 15:08

遅ればせながら2周年おめでとうございます。わたしはお菓子を食べる方が専門ですが、いつも楽しみに読んでいます。
たしかにヨーロッパではあまり"生クリーム"のケーキをみかけず、特にイギリスではほとんどが日本人には懐かしい"バタークリーム"だったのを覚えています。流通に問題があるのかと当時は考えていましたが、単に好みの問題なのでしょうか。フランスでは、友人が卵は食べず、パンも外のかわだけ食べて中は丸めて捨てるにもかかわらず、ケーキをがっつり食べてました。「ケーキが食べたいから卵は食べない」とよくわからないことを言っていましたが、貧乏性の日本人には全部ありがたくいただくのがいいのにと思ってしまいました。(笑)

投稿者 Naoko : 2007年05月23日 08:45

はじめまして。来月、バスクへの一人旅を考えています。日本にはあまり情報が無く、インターネットで検索していたらこちらのホームページにたどりつきました。以来、楽しく拝見させてもらっています。お菓子は作るのも食べるのも大好きなのでワクワクしています。ショートケーキは日本のお菓子なのですねえ・・・。
ところで、私事で本当に申しわけないのですが、ビアリッツからスペイン・バルセロナまでの行きかたについて困っています。もし、知っておられたら教えてもらえませんか?よろしくお願いします。

投稿者 harimogura : 2007年05月23日 00:19

厳密に言うとショートケーキは日本のものではないと思われます。アメリカ南部には古くから'Strawberry Shortcake'と言うお菓子があります。日本のショートケーキは憶測でしかありませんが、これの変形と思われます。

アメリカ南部のショートケーキの古い形は南部特有のビスケットを使います。これにイチゴを煮込んだソースと重めのホィッピングクリーム(と時にはアイスクリームも)を添えます。日本のものはこのビスケットをスポンジにしたものと思われます。

このオリジナルのビスケットで作るショートケーキと甘酸っぱいイチゴのソース、重めのクリームのコンビネーションは絶品です。機会があったら作ってみてください。ビスケットはショートニングを使うことがキーです。

投稿者 Lucy : 2007年05月22日 23:07

本当ですね。ヨーロッパに住んでいると時々いちごのショートケーキがむしょうに懐かしくなります。ずっと、もしかするとアメリカのお菓子なのではと思っているのですが、判明したらお知らせします。

フランスだとこれに近いものはフレジエでしょうか。なるべく軽いのを、と思ってあちこち(パリで)のフレジエを試しています。

次回のレシピを今からとっても楽しみにしています。

ここ数年ロンドン、パリ、ドバイの3か所を移動し続ける生活で、おいしいいちごの季節に新鮮なものが手に入ることばかりではなく、里佐さんのいちごの写真を拝見しただけでいちごの香りを思い出してしまいました。

あちこちのいちごを食べてみて、ピンからキリまで味と香りの違いに驚くとともに、市場で獲れたての野菜や果物が手に入れられることの幸せがもしかすると一番大切かも、などと思っています。

今週末はパリなので、市場とよその犬観察(食べ物と同じくらい好き)に精を出してきます!

投稿者 nounours : 2007年05月22日 17:36


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