更新日:2008年5月27日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

おばあちゃんからの贈り物、銀のデザート・スプーン




   こちらで何度も登場願っている夫の祖母。十八番レシピ、無数の料理本やレシピ本、使い込んだ古い型etc.……彼女にプレゼントしてもらったものは、かけがえのない物ばかりです。

   中でも一番嬉しかった贈り物がこちらの品。私にとってまさに家宝的な存在です。古い古い銀のデザート・スプーン。結婚のお祝いでした。もう、これを受け取ったときの感激を何と表現したらよいやら! 箱を開けたとき、柄にもなく目元がちょっとウルってしまった私です。


持ち手の部分には貝殻が彫られています。それも1個1個微妙に異なるのが味わい深い。白いナプキンもおばあちゃんからの贈り物です。

   おばあちゃん自身も、結婚のお祝いに譲り受けたそうです。贈り主は、彼女のことを本当の孫のように可愛がってくれたという彼女の祖母の姉にあたる人。その方のお嫁入り道具のひとつだったのか、イニシャルが刻まれています。

   ピカピカな光ではなく、マットな光沢感。奥深いところから大人しく楚々と発光している輝きが好きです。ヒヤっとしているのに温かい。そして独特の丸みフォルムに特徴があります。6本それぞれ曲線具合が微妙に異なっていて、職人の手によって1つ1つ作られたものであることを物語ってます。

   初めてこのスプーンを使ってみたときは衝撃でした。やおら口にしてみると(確か、我が家でのデビュー作はババロアだったと思う)同じデザートでも明らかにグレードアップしたかのような口ざわり! お箸が、材質や品質によって口に運んだときの感覚が見違えるほど変わることってありますよね、あれと同じです。

   フォークやナイフは口に運んでさっと引き下がるのに対し、スプーンは口の中に直接まったり触れる部分が大きいので、モノによってかなり味と食感に差が出ます。割り箸と上等な塗り箸の差、それくらいの差がただの金属スプーンと本物の銀のスプーンのあいだにはある。このスプーンは、私の銀製品やカトラリーに対する意識や見方を変えたほどです。

   あまりに気に入っているし、あまりに美味効果があるので、仕舞い込まずに普段にも愛用してます。120年以上ものあいだ、どんな人達がどんなデザートを口にしてきたのだろう。最初の持ち主だった女性、そしてそれを引き継いだおばあちゃんは、このスプーンのためにどんなデザートやお菓子を作ってたのかしら。そして、こんな異国からの孫嫁にこんな素敵なものをプレゼントしてくれたおばあちゃんの優しさにありがとう。と、いろんな思いに耽りながら年に数回キュッキュッと磨くことも忘れていません。


じゃーん、おばあちゃんの結婚式の写真。まるで往年の美人女優のような美しさで、見る度にうっとりしてます。

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鮎さん
はじめまして。ご愛読&コメントありがとうございます!
お祖母さまの着物がいくつも譲られるなんて素敵、お手元に残って本当によかったと思います。私は祖母からの着物は1着です、これまたスプーン並の宝物です。お互い、大切にしつつ楽しみたいですね。

erisekiさん、りょさん、 marilleさん
おばあちゃんフォトへのコメント、ありがとうございます。
りょさんのコメントを読んで思いましたが、西洋の銀に相対するものが日本の漆かも、ですね。偶然にも赤ちゃんスプーンの話題がおふたりから出ましたね。漆と銀、どちらも絶対に赤ちゃんはおいしく感じてくれるはずですよね。marilleさん、マイオールドスプーン見つかると良いですね。
りょさん、恥ずかしいほどのお褒めのお言葉、ありがとうございます(汗)。


投稿者 マテスク : 2006年11月22日 16:04

里佐さん、こんにちは。
お祖母さまのお写真、気品と意思のある眼差しで、本当におきれい。

本物の銀器は毎日使うことこそが最良のお手入れ方法だと聞いています。ぜひこれからも毎日お付合いしていってください。買って手に入れることはできないもの(品質の面でも、つながりの面でも)ですから。
実家の道具や祖母の着物を見ていると、技術は進歩していくのに、本当の良品はだんだん手に入らなくなっていくなあと、とみに思います。

余談ですが、私の実家は赤ちゃんに離乳食を食べさせる時に銀のスプーンを使う習慣です。私もそうして育ててもらったはずなんですが、my銀スプーンはどこに行ってしまったのだろう・・・。

投稿者 marille : 2006年11月21日 17:53

お匙も、それにまつわるエピソードも、お祖母様
のお写真も、全てにうっとりです。

うちは食洗機に入れられる素材のものしか使って
ないからなあ。でも、先日、出産祝いに、離乳食
用にと漆のお匙をいただきました。大切に使いたい
と思っています。

今は赤ちゃんの顔に湿疹が出てしまって、私が
卵と牛乳をひかえるように言われ、理佐さんの
レシピのおいしい焼き菓子を我慢しております。
本も買ったのに(泣)。本は、レシピも写真も
エッセイも充実していて、とても良かったです。
全部のレシピに挑戦してみたい、と思った料理本
は初めてです。

投稿者 りょ : 2006年11月21日 15:44

素敵な贈り物ですね。ありきたりですが、こういうものはお金では買えないものだと思います。
おばあさまの写真、とってもきれいですね~☆
ヴェールの感じもレトロで。

投稿者 eriseki : 2006年11月21日 14:06

始めまして 鮎です 
1年くらい前から 読ませていただいています

スプーン素敵ですね
今の日本は そういった事が少なくなりました..

昨年から 友人に着付けを教えてもらってます
私の祖母は 一生涯着物で通した人でした
そんなわけで 私の元に一つ、また一つと
祖母の物が増えてきました

私が着物に興味を持たなければ そのうち
捨てられていたかもしれません

里佐さんのスプーンもいずれ 沢山の思い出と
ともに 受け継がれていくんでしょうね
私の着物達も 誰かに譲る日が来るのかな~

それでは また   

投稿者 鮎 : 2006年11月21日 12:12


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