更新日:2009年7月28日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

グリュイエール村で食べたラクレットとクリーム・デザート




   ヴァカンスも残すところ帰途につくのみ。後ろ髪を引かれる思いでザルツブルグを後にし、オーストリアとドイツを横切り、スイスに入国しました。旅籠町に選んだのは、Gruyèreグリュイエール。そう、あのグリュイエール・チーズのグリュイエールへ行ってきました。


ホテルの窓から望むグリュイエールの景色。8月とは思えないほど、空気がひんやり。夜に散歩しようと思ったけど、セーター1枚では凍えてしまいそうだった。

   豊かな緑、なだらかな山、そして赤い屋根の家々……。ん? パッと見、バスクの景色とちょっと似てるような。でも目を慣らしてからじーっと見直すと、明らかに違うんですね。まずは緑の色。グリュイエールの緑は冴え冴えとして目に眩しい。これに比べると、バスクの緑はこっくり深い色してます。そして、広がる大地にゆっくり動いている動物たち。バスクは圧倒的に羊さんの国ですが、グリュイエールは当然、牛さんだらけでした。

   夕食は「Raclette(ラクレット)」をチョイス。「溶けた」(過去形)チーズ・フォンデュよりも、「溶けたばかり」(現在完了形)のラクレットが私は好き! ドンと塊チーズが運ばれ、器具の台の上にのせられます。熱によってジワジワ溶けはじめた表面を木べらでザッと拭い取って、めいめい皿へ。茹でたジャガイモ、ハム、きゅうりや小玉ねぎのピクルスと供にいただきます。


伝統的には、焚き火の前で溶かして食べるものだったそうな。きっともっともっと美味かっただろうな、と想像。今の時代は、電気プラグを繋げるだけ……。

   単純明快にして、後を引くおいしさ! とろりと溶けた部分もいいけど、端のお焦げ部分も捨てがたい。1つの塊を分かち合って食べる感覚も、お鍋感覚で楽しい。箸、ではなく木べらがどんどん進む味です。「チーズはおいしいし体に良い。でも太るのよね、これが」と、普段は極力控えてる身なので、余計においしく感じてしまう。でも、これでは普段の我慢が帳消しですよね……。


デザートの「グリュイエールの生クリーム」。日本のお風呂桶ミニチュアみたいな容器に入ってきた。黄色ががった色のとっても濃厚なお味で酸味もかすかに感じる。この日の乳脂肪摂取量、ハンパないかも。

   こぐれさんが「ごはん日記」の欧州旅行編で「日本食を恋しいとは思わなかったけど、帰国した途端むやみに食べたくなる」と書かれてましたが、私も全く同感です。旅先では日本食のことは完全に忘れてました。

   なのに家に帰った途端、付き物が落ちたかのように和食を欲してしまうのは何故? こうして数々の食べ物写真を眺めていても、「連日よくもまあ……」と自分でも呆れてしまう。帰宅してしばらくのあいだ、日本食のおいしさを噛み締めたことは言うまでもありません!

   これにてヴァカンス報告2006、お終いです。読んで下さった方、コメントくださった方、ありがとうございました。次回から今まで通りのバスク時間に戻ります。

コメント (7) | トラックバック



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gomaさん
はじめまして。コメントおよび、ラクレット情報いろいろありがとうございます!焚き火で食べさせてくれるところがあるのですねー。次回はぜひ焚き火限定で狙います。

kazさん
あの機械、日本でも使えるんですね(変圧器使用?)。ひとつ屋根の下にラクレットマシン3台(笑)。日本でそんなお宅、他にないでしょう。そこまでしっかり設備が整っていたらチーズにも気合を入れたくなるお気持ち分かります!
ちなみにフランスでは1人前ミニプレートのラクレットマシンが一般的なようです。
kazさんの栗のペースト、gomaさんのメレンゲ。どちらも非常に好みな予感・・・。カロリー気にせずにぺろっですね、きっと。

れいままさん
こんにちは。スイス=ハイジの世界。これはもう定番ですよね。私もスイスの山風景を見る度に思い出してます。

Yokoさん
お久しぶりです!秋も深まってきたことですし、ぜひぜひまた再開しましょう、うまい店巡り。気になるところありますか?

こまつさん
こんにちは。コメントありがとうございます!
お菓子つくりが楽しく出来る季節到来ですね。イチジクのタルト、思い出していただいて嬉しいです。

投稿者 マテスク : 2006年10月09日 15:37

こんにちは。はじめまして。
バスクの砂糖壺、いつも楽しく拝見しています。
スイスに住んでいるので、今回珍しくスイス(しかもフランス語圏)が登場して嬉しくなってコメントを書き込ませて頂くことにしました。

スイス、本当に牛だらけですよね(笑)。スイスに来た当初に出かけた先で、すごい牛だらけだ、と驚いていたら、スイス人の友達にこのエリアはそんなでもないだろう、なんてことを言われて「は~、さすが」なんて思った記憶があります。

グリュイエールで食べるチーズはまた格別に美味しいですよね。私はフォンデュも好きですが、ラクレットももちろん好きです。チーズの種類も違うので、それぞれに楽しんでいます。ちなみにラクレットはraclerから来ているそうで、fondue同様、名前で食べ方がわかるというのも面白いなあと思いました。

そうそう、「焚き火の前で溶かして食べる」食べ方は、冬にどこかの山のシャレーなどで、実際に火を焚いたかまど(?)のようなところでちゃんと炙って食べさせてくれるところ、まだありますよ。ちゃんと半月形のチーズを使って。一回分を削り取ってからまた火にくべるので、待ち時間は若干長くなりますが、それはそれでまた一興、といった感じでしょうか。

そしてグリュイエールクリーム(またの名をダブルクリームといいます)、フルーツと一緒ももちろん絶品ですが、スイスの伝統的なデザート、メレンゲと一緒に食べるとこれまたとても美味しいですよ。最初は「え?メレンゲ?」と思っていた私でしたが、初めて食べた時はなかなかに衝撃的でした。クリームに砂糖が入っていない分メレンゲが甘くなっているんですが、これを一緒に食べた時のハーモニーはもうたまりません。いつか試してみてください。
でも、栗のペーストと一緒にはまだ食べたことがないなあ。聞いただけで美味しそうなので、いつか是非!と思っています。

長くなってしまってすいません...
これからも楽しみにしています!

P.S.ちなみに、ラクレットチーズはスイスのチーズ屋さんなら大抵のところに売っていますよ。ローカルなチーズ屋さんには結構質のいいものがおいてあると思います。そちらも是非お試しを。

投稿者 goma : 2006年10月09日 04:54

里佐さん
お久しぶり。無花果の美味しい季節です。久しぶりに無花果タルト作りました。最高に美味しいタルトが出来ました.ただしアーモンドクリームは、カロリーが高そうなので、カスタードクリームに、アーモンドパウダーをいれました。これもまたよし・・・いま、無花果のワイン煮にこってます。おかげでケーキ作りに色々挑戦してます。
これからは、りんごの季節、アップルトルテ・・・・・お友達が、楽しみにまってます。
あとになりましたが、バカンスのブログ楽しく見せていただきました。次は、何かと三日にあげくみてます。楽しみにしてます。れいこ

投稿者 こまつ令子 : 2006年10月08日 19:58

里佐さん
お久し振りです。
バカンス記、とても楽しく読ませてもらいました。
夏のバカンス、わたしにはあまり関わりのない言葉ですが、里佐さんの旅行記でまた旅行熱が再発してしまって困ってます。
10月末から2週間ほどお休みをもらってるので
どこかに行ってしまおうかな~と考え中。
また、近いうちご飯食べに行きましょうね。

投稿者 Yoko : 2006年10月06日 21:19

里佐さん、こんにちは!
”ヴァカンス報告2006”毎回、本当に素敵な
写真と知的な文章、楽しませて頂きました。
ぜひ、紀行文として出版されては・・・。

結婚する相手もいないうちから、ハイジを見て育った私は「新婚旅行は絶対スイス!!」と決めていました。
ベルンではありましたが、もちろんラクレットは
新婚旅行で頂きました。
本当においしくて、今でもテレビなどで眼にするとつばを飲み込んでしまいます。
あれから5年たってしまいましたが、スイスをなつかしく思い出させてくれて、里佐さんに感謝します。定年後(25年後)にもう一度ゆっくりスイスを夫婦で旅したいというのが今の夢です。

投稿者 れいまま : 2006年10月06日 10:29

こんにちわ!いつも楽しく拝見させていただいております。着物姿のりささんも素敵でした。私も和服大好き!とはいってもまだ自分では着れず、呉服屋さんに着せてもうらうばかりですが・・・。 結婚式におよばれの時は必ず和服と決めています。ヴァカンス紀行も楽しく拝見させておりましたが、引き続きバスク時間も楽しみにしております。私も仕事が一段落つき、来月に迫ったバスク旅行の下準備をつめていきたいです。
料理の仕事をしているので、密輸?できる楽しい食材を探そうと、真空パックの機械をトランクに入れようかと企んでいます。 先日友人がイタリアから絵本に出てくる様な、ころりとしたフレッシュポルチーニを密輸(笑)して来てくれたのですが、丁寧に紙に来るんでジップロックに入れてきてくれたのですが、やはり長時間のフライト中に・・・。湿ったポルチーニになってしまい残念でした。でもそのお気持ちが嬉しくてありがたくリゾットにしていただきましたよ。11月のバスクは何がありますか?気候は暖かいのでしょうか?
今から楽しみでーす!!

投稿者 Tomoko : 2006年10月06日 09:49

きゃーー、りささん!
グリューエール行かれたんですね!
で、ラクレット♪ おいしいですよねぇ。

あのラクレットに惚れた我が家族は、あの重ーい機械を購入して送りました…
はじめは1台、今では、両親、妹、私 各家庭に一台ずつあります。
今この3家庭は同じ建物に住んでるので、
なんと一つ屋根の下に3台のラクレット機がある状態。

でもね、問題はチーズなのです。
東京で買うラクレットチーズは、形が四角くてやりにくいんですよね。
だからスイスに行った際は、無理やりグリューエール村に寄り、
丸ごとチーズを買ってきたり、とうちはラクレットにかなりいれこんでおります。

デザートですが、、、、
秋、今頃になると栗のペーストがでてきます。
これがめちゃくちゃおいしいんですよー、
特にあの桶にはいった生クリームと一緒にいただくと。
(でもあの生クリームたっかいですよねー)
是非機会があったら秋頃にも行ってみてください。


投稿者 kaz : 2006年10月06日 08:49


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