更新日:2008年5月27日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

ザッハ・トルテだけにあらず! ウィーン菓子の魅力




   ウィーン菓子っていうと、皆さんどんなイメージを持たれるでしょう? クラシカルでものすごーく甘そうなお菓子、正統派すぎて時代遅れなお菓子を想像される方が多いのでは。そもそも「ザッハ・トルテ」のイメージが強烈すぎるのよね……。かく言う私がまさにそんな偏見もってました。3年前初めてオーストリアを訪れるまでは。

   旅をすると「百聞一見に如かず」ってことがたくさんありますよね。それが旅の醍醐味のひとつだと思うのですが。初めてウィーン菓子を実体験した時ほど、この諺を戒めとして感じたことはなかったです。


丸型やトイ型をカットしたものが多い。これが少々、野暮ったくて甘ったるいお菓子に見える一因なのかも……でも口にすると、びっくりするくらい軽やかなものが多い。去年苦労したので、本で予習してドイツ語菓子名をインプットしていきました。注文がぐっとラクになるし、お店の人も親切にしてくれます。

   当然、フランスのお菓子と全く違います。甘さレベル、素材、おいしさのポイント、そしてスタイル、全ての面において。違うのだから、どっちがおいしいと判定を下すのは理に適っていないって思う。ただ1つ言えるのは、フランスのお菓子はいろんな刺激を与えてくれて、好奇心・探究心を満足させてくれる存在。それに対し、ウィーン菓子は自分の味覚ストライクゾーンにビシっと入ってくる存在、伝統や格式の深みを教えてくれる存在です。


バート・イシュルにある老舗コンディトライ「ツァウナー」。お茶の時間はもちろん、朝も夜もかなりの混み具合のティールーム。地元のご婦人方がそれはそれはおいしそうにケーキ(1人平均2個)を楽しんでました。ウィーン菓子とともにある暮らし、素敵。


私が愛してやまないトプフェン(オーストリアのフレッシュチーズ)を使ったチーズケーキ。軽やかでみずみずしく、絶妙な上品さ。自分にとってのチーズケーキの理想形の味はコレだ!と確信。

   ウィーン菓子がもたらした一番の収穫は、「自分にとってのおいしい」をはっきり認識できたこと、その理由を確認できたこと。フランス菓子の中で自分が共感できない部分、それがウィーン菓子を食べることによってクリアになります。

   私のお菓子の恩師もこの夏、オーストリアのお菓子探訪旅行にいかれました。ほんとは現地で合流したかったのですが、1週間のズレでお会いできず……残念。ウィーン菓子をいただきながらのお菓子談義、いつか実現させたいものです。


明日は出発という晩、名残惜しくてツァウナーのカフェにてトドメの食事を。スープと肉料理をしっかり食べた後、デザート1点お菓子3点を注文。フランスでこんなことしたら病気になりそうですが、ウィーン菓子なら楽勝。

コメント (8) | トラックバック



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Mioさん
はじめまして!読んでくださって、そしてコメントどうもありがとうございます。
ツァウナーに行かれた方からコメントいただけるなんて!分かち合えたみたいで嬉しいです。
オーストリア、魅力的ですよね。いつか秋や冬のオーストリア(寒そうですけど)も訪れてみたいと思ってます。

投稿者 マテスク : 2006年10月03日 07:33

初めまして。いつも楽しくブログを読ませていただいています。今年の夏初めてオーストリアに行き、たまたま立ち寄ったツァウナーの記事があるのを見て思わず書き込みしてしまいました。そこで過ごしたお茶の時間は優雅でとっても素敵なものでした。伝統が醸し出す独特の雰囲気に満ちていました。
ウィーン菓子は見た目が地味で野暮ったく感じる時もあるけれど、どこかほっとするような味わいですね。フランス菓子と比較するのは理にかなっていないという里佐さんの意見に私も賛成です。
フランス好きでフランスを旅行することが多いのですが、今回の旅行でオーストリアも大好きになってしまいました。

投稿者 Mio : 2006年09月30日 23:46

hippiさん
主食はほとんどケーキ!分かります。あそこでないと味わえないお菓子、雰囲気がありますもんね。東京近郊でウィーン菓子のお店、といえばどこなのでしょう?おすすめ店あったらぜひ教えてください!

aki.jさん
フランス菓子の甘さ強度に驚かれたのですね。小さいのにぐぐぐーっとこたえますからね。私も食べきれないお菓子はたくさんあります。で、家で自分の強度に補正して作るって感じでしょうか。
トプフェンとクヴァルク。フランスのフロマージュブランを使って、何とかあれに近づいたものを作れたら・・・と思ってます。


投稿者 マテスク : 2006年09月27日 18:15

私はドイツ在住なので、ウィーン菓子とは少々違いますが、確かにフランス菓子とドイツもしくはオーストリアなど、あの辺りのお菓子の味は違いますよね。特に甘さの強度。
昨年ベルギーに行った際、町のパティスリーのショウウィンドウに並んだケーキの繊細で美しいことに感動し(まるで東京のデパ地下に戻った気がした)、夕食前だったのに思わずお店に入って、プラリネクリームの挟まった小さなエクレアを注文してしまいました。ところが、、甘さ控えめのドイツ菓子に慣れた私の口と胃にその甘さは重かったらしく、その小さなエクレアを主人と二人で分けたにも関わらず、二人ともどもギブアップ。いつもは2倍の大きさのドイツ流クーヘンやトルテを平げているのに、とびっくりしました。要は小さい分、甘さは2倍ってことかな?
ところでトプフェンは、ドイツで言うクヴァルクのことです。確か英語ではホワイトチーズと言ったような。フランスにもないですか?アプリコーゼンをマリレンというように、トプフェンはオーストリアでの呼び名なんですね。
私もチーズケーキを作るときは、日本でのクリームチーズがあまり見当たらないので、クヴァルクで作ります。ドイツではこのケーキがよくありますよ。

投稿者 aki.j : 2006年09月27日 07:15

おととし、カフェ巡りをメインにウィーンを訪れました
主食はほとんどケーキでしたよ(笑

でも、あのカフェの雰囲気、好きです
東京も多くのカフェが出来ましたけど、あの歴史ある趣がなんともいえません

投稿者 hippi : 2006年09月26日 20:20

kamiさん
まあ、ゲルマンの国にお住まいだったのですね。ラテン国にいるとかなり魅力も感じます。でも窓拭き大嫌いですから住むのは大変かも(笑)。
窓の話はよく聞きますが、カーテンも苦情の対象ですか!!
オーストリアの湖遊覧船のトイレは、フランスの病院のそれよりも清潔でした。頭下がりますね。

れいままさん
はじめまして。ブログご愛読&本ご購読、そしてコメントありがとうございます。
食べること大好きという方に読んでいただいてるのは、とても励みになります。
甘いもの我慢、頑張ってくださいね!
こちらこそこれからもよろしくお願いします。

投稿者 マテスク : 2006年09月26日 18:22

里佐さん、はじめまして!
毎回楽しく読ませて頂いています。
ヨーロッパ大好き&食べること大好きな私にとって
里佐さんのブログは何度読んでも飽きません。
去年だされた本も購入しました。

オーストリアは1度夏行きましたが、本当にすばらしいところですよね!
次回、主人と行きたい所ベスト1です。
特にザルツカンマーグートとインスブルックには絶対に・・・。
とはいっても、ただいま第二子妊娠中。
しばらくは子育てに専念です。
ヨーロッパはもちろん、甘いものは我慢の日々ですが、里佐さんの素敵なブログで楽しませて頂きたいと思います。
これからもよろしくお願いします。

投稿者 れいまま : 2006年09月26日 10:15

里佐さん
私はゲルマン系の国で人生の半分(って程、大袈裟なモノではないのですが)を過ごしたので、カトリック・ラテン系の国の文化、食べ物の華やかさには憧れがあり、里佐さんの文章を読むと自分の中では当たり前に思えていた事柄が新鮮に感じられます。ゲルマンの国(ドイツもオーストリアも)システマティックで暮らしやすい反面、家の窓を拭いていない、カーテンが洗われていない(!)というだけで、苦情の書面が送られてくることもあります。今はヨーロッパと日本とアメリカの中間の様なイギリスに住んで、また違う文化が楽しいです。

投稿者 kami : 2006年09月26日 06:22


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