更新日:2008年5月27日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

ヴェネチアで食した、あのフレンチ王道デザート




    フライパンの中にはたっぷりの黄金色ソース。この中に、クレープが一枚づつすべり込み、みるみるうちにソースを吸ってぽってりと膨らんでくる。焦げた砂糖とバター、そこにオレンジとコニャックのハーモニーが幾重にも重なった香り……。

   ダイニングルーム全体がこの豊満な香りで満たされ、ほかのテーブルの人々の視線が一斉にこちらを向きました。まだ料理をお楽しみ中だった方にはちょっとハタ迷惑だったかも。でもとても羨ましそうな表情でこちらを凝視してきた人も多数いたことも付け加えておきましょう!


分量は全て目分量。何十年、何百回と作ってきたプロならではの勘。


しっとりおいしそうに焼きあがったクレープが運ばれ、期待が高まる。

   砂糖をフライパンに入れた瞬間から最後の1枚がすべり込まされるまでの所要時間、約15分。固唾を飲んで見守った「シュゼット儀式」はうっとりするほど素晴らしく、最後まで飽きさせない楽しさ。そして何より、今まで食べた全てのクレープ・シュゼットをひれ伏させるおいしさでした。

   しかしシュゼット儀式って、かなりエンターテインメント性があるものなんですね。照れずに堂々と魅せるためにはそれなりの熟練が必要そう。大好きなデザートなので自分でも作りますが、じゃあお客様に作ってる様子をお見せ出来るかっていうと恥ずかしくてダメです。ひとり台所にこもって黙々と作る方を選びます。


この宿の顔的存在の名物給仕長が作ってくれました。彼自身がとても楽しそうに作ってくれるところが最高。

   もはやこういうテーブルでのエンターテインメントは時代遅れでかっこ悪いのか、または手間ひまがめんどくさて敬遠されるのか。残念ながらフランスのレストランでこの儀式に立ち会ったことは一度もありません。恥ずかしがらずに、めんどくさがらずに、もっとやってくれたらいいのに。ラテン濃度フランス人の1.4倍(私の勝手に弾き出した数字です)なイタリア人を見習って欲しいと思います。

   次回、ヴェネチアと言ったらこれでしょう、な買物の話題です。


広げたクレープをソースの中で泳がせた後、器用にフォークで四つ折にしていく。


最後にコニャックを注ぎ、フランベ!な瞬間。

コメント (6) | トラックバック



このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.cafeglobe.com/mt-tb.cgi/750

morisobakoさん
コメントありがとうございました。確かに、クレープシュゼットとロンドンは何か縁遠いものを感じますね!
シュゼット、今年の3月10日付けに保存食で作るバージョンをご紹介してますのでよろしければご参考になさってください。市販のビターマーマレードでもトライできます。グランマルニエはマストアイテムです!

yukoさん
私もソースパンで作ってた頃もありますが、クレープパンはなにせ軽いので同じ鉄でもぐっと作りやすくなりますね。連続作業なので腕がラク。
洗わずに紙でさっと拭くだけです。お店の人にも「絶対に洗ってはダメですよ!」と念を押されましたから。

kazさん
まあ、kazさんもそしてご両親もお好きな地方なのですね。宿でお上品な日本人夫妻をみかけましたがひょっとして?
我々は3年前にオーストリア横断旅行中にたまたま通って知りました。楽園に辿り着いたような(大袈裟?)気になるほど気持ち良いエリアですね。人生に旅が許される限り、何度でも訪れたい場所です。

投稿者 マテスク : 2006年09月19日 15:15

りささま
 クレープシュゼット。初めてその存在を知ったのは、イタリアでした。
 卒業旅行で訪れたフィレンツェにて。
 我々仲良し食いしん坊4人組がデザートも終えようとしたころ、
 うやうやしく、隣のテーブルに運ばれてきたクレーシュゼット一式。
 その儀式を我々はお茶のオーダーも忘れ、口をあけて見守りました。
 終わる頃、誰からともなく、
 ウェイターのおにーさんに「あれはなに?」、
 答えを待たずに、「私たちにもあれを」。
 確かお店の人に「やっぱり?そうでしょうとも!」とかなんとか言われた記憶が…

なーんてことを思い出しながら読んじゃいました。なつかしい。
あれからしばらくクレープシュゼットがメニューにあるたびにオーダーしていましたっけ。

オーストリアの旅のお話、楽しみにしています。
ザンクトカンマーグート、うちの父の大好きな土地なので、結構な回数通っています。
(両親はほぼ毎年行っている!)
いいところですよねぇ。

投稿者 kaz : 2006年09月19日 09:19

クレープシュゼットの香りがなんだかこちらまで伝わってきそうです!!おいしそうっっっ。今、クレープパンを探してます。お料理教室の先生はソテー用に使ってました~。お料理用とクレープ用2つ欲しいなっ。鉄のクレープパンは使用後洗わずに汚れをふき取る方がいいと聞いたことがありますが、どのようにお手入れしてますか??

投稿者 yuko : 2006年09月17日 16:45

マテスクさん、こんにちは!
ほんとに読んでるだけでヨダレが~!って、美味しさがひしひしと伝わってきました。
クレープシュゼット、ロンドンではたぶんお目にかかる率ゼロでしょうね。最後に食べたのは東京の六本木ヒルズにできたハイアットホテルのカフェだったかな。でも儀式はありませんでしたね。

「食べたいものは自分で作れ!」がロンドン在住日本人のモットーなのですが、もしよかったらマテスクさん流クレープシュゼットのレシピを教えていただけませんでしょうか? ずうずうしくてすみません。あ、でもマテスクさん流も目分量なのかしら・・?

投稿者 morisobako : 2006年09月16日 08:57

kamiさん
こんにちは。
ベルギーいかがでしたか?ドイツで大集合っていうのも面白そうですね。
そろそろ涼しい季節、お菓子の季節ですね。ようやく私も妄想から脱して、やる気が出てきた頃です。

投稿者 マテスク : 2006年09月15日 17:00

里佐さん
もう読んでいるだけで興奮っ!!してしまいました。先日ベルギーで美味しいクレープを食べて満足していたのですが、この記事を読んだらヴェネチアまで飛んで行きたくなりました。来夏のバカンスはドイツで親戚一同集まる予定なのですが、無理矢理ヴェネチアを推薦しようかしら・・・。里佐さんのブログを読んで、いつも妄想を膨らませています(笑)

投稿者 kami : 2006年09月15日 02:12


※名前とメールアドレスは必須です。このメールアドレスは公開されません。


保存しますか?




※お断り
・Cafeglobeまたは著者の判断により、断りなくコメントやトラックバックを削除さ せていただくことがあります。ご了承ください。
・当ページの「コメント」に掲載されている「投稿者」名は、Cafeglobeの登録メン バー名と同一人物とは限りません。


マテスク里佐プロフィール

バックナンバー
わたしのガトーバスク (5月27日)
パート・バスク作りの秘訣とは? (5月20日)
カスタードと黒さくらんぼジャム、2つの正統派フィリング (5月13日)
追悼、おばあちゃんとお菓子の想い出 (5月06日)
春の献立、「パイ皮包みの仔羊料理」 (4月29日)
“小嶋ルミさんレシピ”のシュークリームに初トライ! (4月22日)
目玉焼きトーストの朝ごはん (4月15日)
バスクの春景色をお届け (4月08日)
ふらりとスペイン・バスクへ
でもアレをお忘れなく!
(4月01日)
フランス人が大好きな「ジャンボン・ド・バイヨンヌ」 (3月25日)


カテゴリ
お菓子の話
お菓子の話(レシピつき)
バスクのアドレス帳
バスク地方について
バスクの暮らし
パティスリーBasque
ヴァカンス・旅行
食卓のお気に入り
外で食べたおいしいもの
料理の話(レシピつき)
今週の食材


月別アーカイブ
2008年05月
2008年04月
2008年03月
2008年02月
2008年01月
2007年12月
2007年09月
2007年08月
2007年07月
2007年06月
2007年05月
2007年04月
2007年03月
2007年02月
2007年01月
2006年12月
2006年11月
2006年10月
2006年09月
2006年08月
2006年07月
2006年06月
2006年05月
2006年04月
2006年03月
2006年02月
2006年01月
2005年12月
2005年11月
2005年10月
2005年09月
2005年08月
2005年07月
2005年06月
2005年05月