カテゴリ: バスク地方について
2006年2月28日
明日から3月、春はもうすぐそこ(と思いたい)! こんなに春が待ち遠しく思えた年は初めてです。今年は例年にまして寒かった。日本やドイツでまとめ買いしておいたウールタイツが大活躍してくれました(余談ですけどドイツ製のタイツってものすごく優秀)。

大好きな花、チューリップ。春を一足先に届けてくれます。

籠の中身は、ほうれん草とアネモネ。青菜が少ないヨーロッパ野菜の中で、ほうれん草は貴重な存在。毎週忘れずに買ってます。
さてさて、バスクの気候についてご案内します。
まずは春夏秋冬の四季。これはあるようでないような……。山の色の変化、緑の芽吹き、自然のうつろいを見ていると確かに四季は存在するのですが。こと気候に関すると、4つに分類することができません。年によって、週によって、日によって、そして時間によって、あまりに差がありすぎるから。「カプリス=気まぐれ」という言葉こそ、バスクの気候を語るときのキーワードなのであります。
大西洋からの海風、そしてピレネー山脈という雲の関所。この影響でお天気がコロコロと変ります。気温の変化も然り。日中に気温がぐんぐん上がって汗ばむほどの陽気だったかと思うと、夕方には革のコートを引っ張り出すなんてことも。
フランスのガイドブックを見てみると、こんなアドバイスが載っていました。「バスクの天気に関しては、バスクに行ったことのある人の説明にいちいち耳を傾けないように。もしくは全部を信じ、その対策を講じること」。うーん、この突き放し感、フランス人。
春から夏に向けて、ヴァカンスでおいでになる方へ。平均気温は「東京よりちょい寒い、パリよりちょい暖かい」くらいを目安に。そして、「カプリス対策」をお忘れなく! レインコートとまではいかなくても、風よけをしてくれる服をお持ちくださいね。女性ならウールのカーディガンやストールが1枚あれば、きっと役にたってくれるはず。これが私からの日本人的なアドバイスです!

市場の採れたてラディッシュはスーパーで売ってるものと雲泥の味の差がある野菜のひとつ。これだけで、立派に酒の肴になれるおいしさです。
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東ヨーロッパ生まれのシンプルなお菓子、「りんごのトルテ」。
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カテゴリ: お菓子の話(レシピつき)
2006年2月24日

フォークを入れるとほろりと崩れる生地。まったりと煮えたりんご。焼きたても、数日後りんごがねっとり落ち着いてきた頃も美味。

東ヨーロッパはルーマニアやポーランドでよく作られる家庭菓子だそうで、ルーツはオーストリア菓子とのこと。だから「トルテ」。フランスの「ガトー」とは違った魅力が溢れてます。
初めてこの「りんごのトルテ」を口にしたのは随分前、義祖母のお茶のテーブルにて。正直いってそのときの印象はとても薄かったのですが(おばあちゃん、ゴメンね)、彼女にとっては思い入れの強いお菓子だったらしく後日作り方レッスンを施してくれました。なのに私ときたら、書き留めメモをどこかへなくしてしまい、はるか忘却の彼方にしていたという……(おばあちゃん、もっとゴメン)。
先日その「りんごのトルテ」に義母のテーブルで再会、おいしい記憶が甦りました。前回お話したように、母から娘へ伝える家庭料理が多いので、義母宅と義祖母宅で同じものを口にすることが多々あります。「私の味と、母(娘)の味、どちらがおいしいかしら?」と判定を求められるのには参ってしまうけど、心の中で密かにふたりの味を比較してしまっていることは確か。
りんごを煮る、生地を揉みこむ、型に敷く。ごく普通な作業だからこそ、それぞれ個性たっぷりのお菓子に仕上がります。今回義母の作り方を見学させてもらったところ、彼女のほうがりんご煮も生地作りも時間をかけてじっくり丁寧に作っていることが分かりました。このお菓子は、その「じっくり丁寧」が吉と出るお菓子。
生地作りには、へらも泡だて器も使っていません。大事な道具は自分の手の平、そして自分の目。今の状態で焼いたほうがおいしいのか、もうちょっと捏ねたほうがいいのかは、目で見て手で触っていると分かります。
フードプロセッサーやミキサー使いがすっかり定番になった今、生地をぺたぺたと触るのは本当に懐かしい感触。気持ちが良くって無心になれる。子どもの頃は、この感触を純粋に楽しみたくってお菓子つくりをしてたんだっけ……なんてことを思い出させてくれるお菓子です。
●「りんごのトルテ」作り方(26cmテフロン加工の丸型1台分)
薄力粉……300g
バター……200g(室温にもどしてやわらかくしておく)
砂糖……100g
りんご……7~8個(いちょう切りにする)
バニラシュガー……適量
カソナード……大さじ4~5

1.テフロン加工のフライパンにりんごを入れ、水分を飛ばすようにして炒める。しんなりしてきたところでバニラシュガー、カソナードを加えて煮る。形は残りつつも、水分はしっかり飛んでいる状態で火を止める。

2.ボウルに薄力粉、砂糖を入れて均等に混ぜ合わせる。この中にバターを入れ、手でもみこみながら混ぜ合わせる。

3.手に全く生地がつかず、ツルンとつきたてのお餅のようにまとまるまで。

4.3の生地を少量づつ取り分けて麺棒で伸ばし、型の内側に貼り付けていく。底、サイド、蓋の分量を考えながら。

5.底・サイドが終わったら、1のりんごを平らに敷きつめ、残った生地で蓋をする。200度に予熱したオーブンで約30~35分焼く。
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西洋版おフクロの料理「ズッキーニのチーズ・スフレ」
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カテゴリ: 料理の話(レシピつき)
2006年2月21日
「おフクロの味」をご紹介します。義祖母と義母にしょっちゅうご馳走になってる「チーズ・スフレ」。ヨーロッパ流・簡単卵焼きです。
彼女たちの料理の大きな特徴は、ネガティブな意味20%ポジティブな意味80%において、とっても保守的な点。私みたいに料理の本を見て新しいものを作ってみたり、アジア系から西洋系まで世界の味をさまよったり、調味料をあれこれ試したりってことがほとんどありません(義母の台所戸棚には使われた形跡のないキッコーマン醤油瓶が1本……)。これじゃレパートリーが広がらないね、っていうのがちょっとイジワルな私の意見。
裏返したポジティブな面は、家の味がしっかり守られるところ。料理は他人やプロから教わるものではなく、母から娘へ伝えるものっていう意識が根底にある。私が今作っている料理と、会ったことのない曾祖母たちが作っていた料理はもはや比較にならないほど様変わりしているはずだけど、彼女たちの場合は脈々と受け継がれてるのです。ヨーロッパと日本では、時代背景が全く違うから当然と言えば当然なのですが、やっぱり「家の味」があるっていいなぁと思えます。
そんな訳で、只今がんばってます。何をといえば、自分の母の味を忘れないこと、そしてヨーロッパ版おフクロの味も教わること。どちらの母も、シミつきの古いレシピノートがいい味出してます。
次回、おフクロのお菓子スペシャリテをご紹介します!お楽しみに。

義母のテーブルセッティングはいつも完璧で、サーブの仕方も女主人としての貫禄がサマになってます。これを身につけるのはン十年の経験がいると思う。

カロリーアップですが、サワークリームを添えると美味! 日本のより濃度はゆるめです。

この日のお次メインは仔羊のローストとじゃがいも。ドンって感じの一点主義料理はわたしのおフクロとは正反対……。
●「ズッキーニのチーズ・スフレ」作り方
大きめのスフレ型(または耐熱容器)1台分
卵……4個
サワークリーム……約1カップ
おろしチーズ(グリュイエールなど)……100g
小麦粉……大さじ1
ズッキーニ……1~2本(サイコロ切りにする)
黒胡椒……適量
1.スフレ型にバターをうすくぬる。
2.ボウルに卵をときほぐし、それ以外の材料を上から順に加えてよく混ぜる。塩は入れないほうがチーズの味がひきたつ。
3.180~200度に予熱したオーブンに入れ、約20分焼く。焼きたてをサーブして、好みでサワークリーム(分量外)を添えていただく。
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カテゴリ: バスクのアドレス帳
2006年2月17日
「バスクのアドレス帳」、ホテル編。ビアリッツに引き続いて、バイヨンヌのホテルをご紹介します。
今回改めてガイドブックでバイヨンヌのホテル情報を調べてみたところ、驚きの発見。なんとバイヨンヌ、ミシュラン掲載のホテルが一軒もない! 別に高級ホテルでなくたって、ちょっと小奇麗で感じの良いホテルとか、コストパフォーマンス良しのホテルなど1~2軒載っているのが普通なんですけどね。この町に関して載っているのはレストラン情報のみ……。「食事と観光だけ楽しんで、素通りした方が良さそうですよ」っていうのがミシュランの裏メッセージ?なんて、私は深読みしてしまいました。
バイヨンヌはビアリッツと違って、とても古い町です。町の中心には16世紀だ17世紀だの建築がゴロゴロ残っています。もちろん中身は時代に沿って改装を続けていますが、床が傾いてる建物なんかもザラです。それはそれで非常に趣はあるのですが……ホテルとなると水周りとか全体の清潔感が気になりますよね。都会の素敵なホテル、味気はなくても機能性がいいチェーン系ホテルなどに慣れている方々、少なくともCafeglobeユーザー層の方々には、バイヨンヌのプチホテルはちょっとキツい可能性ありです。

町の中心を流れるニーヴ川。この横にマルシェが立ちます。

聖堂前のカフェ広場。ビアリッツに比べると観光客は少なめ、夏でもわりと落ち着いてます。

ショコラティエが並ぶPort-Neuf通りから望む聖堂。
そんな中で私が責任もってご紹介出来るのは、下記の近代的ホテル2軒のみ。結婚式に来てくれた日本の方々が使った2軒で、どちらも感想はグーでした。安心して泊まっていただくことが出来そうです。部屋の値段などの詳細はWebサイト、またはお問い合わせの上ご確認ください。
Hôtel Loustau
1 place Republique
61400 Bayonne
tel. 05.59.55.08.08 fax 05.59.55.69.36
email info@hotel-loustau.com
http://www.hotel-loustau.com/
バイヨンヌ駅のすぐそばなので、電車でパリから移動される方にはおすすめです。町へも歩いてすぐです。町の全景とピレネー山脈を見渡せる立地がポイント。
Best Western Le Grand Hôtel
21 rue Thiers
64100 Bayonne
tel. 05.59.59.62.00 fax 05.59.59.62.01
email infos@bw-legrandhotel.com
http://www.bw-legrandhotel.com/
日本のガイドブックにもよく紹介されている一軒。町のど真中にあります。観光案内局やバス停にも歩いて行けるので、レンタカーなしでバスク地方のあちこちを巡りたい方に便利です。
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カテゴリ: バスク地方について
2006年2月14日
今から500年程前(日本は徳川幕府開幕頃です)、チョコレートの原料であるカカオがメキシコからスペインに伝わります。当時はもちろん今みたいなチョコレートとしてではなく、南米に古くから伝わる手法で作られた健康食品のようなものでした。
良質の健康食品を作るためには、カカオ以外にもう1つ重要な材料がありました。香辛料です。香辛料は当時、ユダヤ人の医者や薬草の売人だけが取り扱うことが出来る貴重な素材でありました。
ところが、スペインの王様たちはユダヤ人を追放してしまいます。結果ユダヤ人は散り散りに移住。現在のスペイン側バスクに移住した人、そしてここバイヨンヌに移住した人……。それでも離れ離れになったユダヤ人同士の交流は続きました。そんなユダヤ人の交易のおかげで、カカオ健康食品がフランス側バスクに伝わったのです。
健康食品はいつしか美味なるチョコレートに洗練されていきます。そしてバスク地方はヨーロッパにおけるチョコレート交易のメッカとなっていくのでした。
折もおり19世紀半ば(日本は幕末、ペリー来航の時代です)、スペイン皇女がナポレオン3世に嫁ぎます。ナポレオンは彼女のために、当時ただの小さな漁村であったビアリッツに別荘を建てました。チョコレートが大好物だった妃はバスクのチョコレート職人達を優遇、あちこちにチョコレート工房が建ち始め、生産高はぐんぐん伸びました。こうしてバスクのチョコレート文化は絶頂期を迎えます。それまで極一部の階層しか口にすることが出来なかった魅惑の味は、庶民の口に届くまでになりました。めでたしめでたし……。
以上が、バスク地方が「フランス・チョコレート文化発祥の地」となるまでのストーリー。時代と政治、そして人々のロマン……チョコレートにもたくさんの歴史が詰まっているんですよね。そしてその歴史を語る上で、バスクが重要な地点をマークしているわけです。
それにしても、こんなに贅沢なチョコレートが巷に溢れる時代、それを味わうことが出来てしまう私たちって何て幸せ者なのでしょうね?

そんな訳でバイヨンヌは「チョコレートの町」として知られています。小さな商店街にはショコラティエが何軒も。

町中にあるチョコレート工房。ガラス張りなのでいつでも気軽にチョコレート作業が覗けます。もちろん中に入ってじっくり見学することも可能。

工房の横に貼ってある、とても有名な広告ポスター。大手チョコレートメーカー・Menier社の1893年のもの。
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おばあちゃんのお菓子「ガトー・オ・ショコラ」、1つのレシピで2つのお菓子に。
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カテゴリ: お菓子の話(レシピつき)
2006年2月10日
Cafeglobeの先輩方、こぐれひでこさんと渡辺葉さんもハマっておられるご様子のお菓子つくり。嬉しいのは、おふたりがすでにアレンジを楽しまれているところ。こぐれさんはカトルカールに入れる副素材の変化を、渡辺葉さんは基本素材の配合の変化を、とアレンジ方法が違うところが楽しい!と思いました。
そこで、銘打ったのが「Cafeglobe流お菓子つくり三者三様」。シンプルなお菓子には、こんな3通りの楽しみ方があるってことのサンプルです。
*こぐれさん流……副素材を変える楽しみ
*渡辺葉さん流……基本配合を変える楽しみ
*マテスク流……配合そのまま、作り方を変える楽しみ
というわけで私の提案は、作り方そのものをガラっとアレンジする楽しみ方。同じレシピでも、作り方を変えることで口どけや甘みの感じ方が変化します。
それを実感していただくのにぴったりなお菓子をご紹介します。再三登場の夫祖母に伝授してもらった「ガトー・オ・ショコラ」。一度作ったら頭に入るような、覚えやすいレシピです。
おばあちゃん直伝の作り方だと、ねっとり濃厚フランス人好みなデザート仕様に。対して私の作り方だと、お茶の時間にさくっといただく焼き菓子タイプに。レシピは同じ、なのにそうとは思えないほど全くタイプの違うガトー・オ・ショコラが出来上がります。
一粒で二度おいしいレシピ、お好みとシチュエーションによってお試しを。

おばあちゃんはガナッシュを塗って仕上げます。半世紀以上のあいだ、今まで何台このお菓子を作ってきたのでしょう……。

「長生きしたらチョコレートはうんざり」と言いながらもガトー・オ・ショコラ作りは止めることのないおばあちゃん。1日に何種類もお菓子を教えてくれた熱意に感謝です。

こちらが私バージョン、軽い口当たりです。シワのないキレイな肌に仕上がるので、敢えて粉砂糖でお化粧はしません。冷たいアングレーズソースを下に流すのがおすすめの食べ方。
●「おばあちゃんのガトー・オ・ショコラ」作り方
(直径18cmマンケ型1台分)
卵……2個
グラニュー糖……100g
クーベルチュールチョコレート(ビター)……100g
バター……100g
薄力粉……50g
おばあちゃん直伝の作り方
1.バター、卵は前もって室温に戻しておく。型にオーブンペーパーを敷く。
2.チョコレートを湯煎にかけて溶かし、バターの半量を加えてなめらかに溶かす。
3.別ボウルに残りのバターを入れ、グラニュー糖を加えて泡立てる。卵を溶いたものを2~3回に分けいれて混ぜ、ふるった粉も加えて粉気がなくなるまで混ぜ合わせる。
4.3に2を加え、全体をなめらかに混ぜる。
5.型に流し、200度のオーブンで15~20分焼く。中までしっかり火を通さずにやわらかめの状態で出すのがポイント。粗熱が取れてから型から出す。
私の作り方
1.型にバターをぬって粉をはたいておく。(ともに分量外)
2.チョコレートを湯煎にかけて溶かし、バター全量も加えてなめらかに溶かす。
3.卵を卵黄と卵白に分ける。卵黄にグラニュー糖の半量を加えて、白っぽくなるまで泡立てる。1に加えてなめらかに混ぜる。
4.卵白にグラニュー糖の残り半量を少しづつ加えながら泡立てる。ツヤのあるメレンゲになったら、2に2回に分けて加え、泡を消さないように丁寧に混ぜる。
5.薄力粉を少しづつふるい入れながら、混ぜ合わせる。
6.型に流し、210度のオーブンで20~25分焼く。熱いうちに型から出す。
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ルノートル氏の70年代本、ジェイミー・オリヴァー本、料理本つれづれ
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カテゴリ: 食卓のお気に入り
2006年2月07日
Cafeglobe読者の方々の中にも少なからずおられるだろうと思います、料理本収集を趣味とするお仲間が。私もまぎれもなくそのひとりです。パタっと停滞する時期もありますが、波がやってくるとドドドっと新たに購入してしまう有様です。
こうしてブログでレシピを掲載している身でナンですが、私自身はネットでレシピ検索というのをやった経験がほとんどありません。いまやネットで料理検索は当たり前の時代になっているし、まわりでも上手に活用している人はたくさんいるのに、すっかり取り残されているというか、別にやろうともしていない自分……。
なんでだろう?って改めて考えてみると、やっぱり本には本にしか出せないおもしろさがたくさんあるから、としか言いようがない。絵本や写真集やデザインブックを眺めるのと同じように、料理本をぱらっと開いたときそこに流れる空気を感じ取るのが好きです。

最近夫が古本屋で見つけてきてくれた、’78年刊行、大御所ルノートル氏の若かりし頃の本。フランスのお菓子本は今のよりも昔の本の方が勉強になって好きです。

中の写真は、家庭科の教科書みたいでこれまた楽しい。巻頭ページに載っている家庭用のお菓子作り道具一式の写真。この時代で既にスタンド式のミキサーやフードプロセッサーなどが揃っていたのか……としみじみ。
料理本っていうと料理を作った人のイメージが一人歩きしがちですけど、料理を作る人、スタイリングをする人、写真を撮る人、デザインする人、そしてそれをまとめる編集の人、の合作なんですよね。それぞれの人の仕事ぶりが良くって、みんなのセンスが一つにびしっとまとまっているのが、私が思わず買ってしまう料理本です。

年末に、親戚の方にプレゼントされた本。フランスの料理本最大手のMarabout社刊、アイルランド出身の人気料理研究家Trish Deseineのチョコレート本です。2002年のWorld Gourmand Cookbook Award受賞本。

Maraboutの本はスタイリング、デザインにかなり力が入っていて、「ムード」作りがすごく上手いと思う。chocolathélapie「ショコラセラピー」とは、用語作りも上手いなぁ。
ちなみに最近ちょっと気になるのは、フランス語圏、ドイツ語圏といろんな本屋へ出かけても、料理本コーナーに山積みになっているのが料理界のアイドルことジェイミー・オリヴァーの本ばかりって点。彼の活躍ぶりは確かにすごいけど、料理本の世界にまでブランド画一化がすすんでしまうのはちょっと寂しいなぁと思う今日この頃です。

好きな料理研究家のひとり、上野万梨子さんのWafumi本、最近購入してみました。フランスの食材+日本の調味料でつくる和食、来客時にでも挑戦してみたいと思います。
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カテゴリ: バスクのアドレス帳
2006年2月03日
「バスクのアドレス帳」レストラン編です。
旅の想い出ってかなり食に影響されるところ大ですよね(少なくとも私はそう)? あの日あの店であんな料理食べたよね、っていうおいしい想い出は旅に付き物だと思ってます。
よって、バスク旅行に来た方の想い出作りの参考になりますようにという願いを込めて。その他の方にも、フランス田舎のレストラン風景やバスクごはんのイメージをお楽しみいただければ、と思います。
初回、選んだテーマはずばり「星つき」。滞在中に1回くらいは奮発しちゃおう!という方を想定しました。
いかにもっていう素朴な地方料理レストランではなく、初回に敢えて「星つき」をもってきたのは、何もこういう店ばかりを推奨するのが目的だからではありません。「田舎でこそ星つきレストランにジャンジャン行くべし」っていうのが私の個人的な意見だからです。だってパリや東京で、こんな値段でこんな内容の食事なんて絶対に出来ませんから。そもそも価格相場、場所代、食材ルートが違うでしょうし。内容・雰囲気をトータルに考えたらすっごくリーズナブル!っていうのが田舎の星つきレストランの素晴らしさです。
フランス側バスクに6軒ある1つ星レストランのうち、今のところイチオシなのがこちらの「ムーラン・ダロッツ」。現在のシェフが就任したのは3年ほど前、就任2年目にして早くも星をゲットしてしまったというスピード出世型、天才肌タイプの料理が味わえます。肩に力が入っていないけど、本能的にすごく計算されているような料理が、さらさらっと出てきます。

ビアリッツから8kmほど内陸に入ったアルカングという静かな村の中。小川が流れ、牛が草をはむ緑の丘に囲まれたロケーションです。こういう場所は空気もおいしい。

庶民的なベニエ(ドーナッツ)も彼の手にかかると上品なデセールに。いちご、バニラアイスクリームと組み合わせ自体はシンプルなんだけど、1つ1つのレベルがとっても高い。
この店の居心地のよさは不思議なアンバランス感。そのカギを握っているのは、シェフが若くて美形、サービスを担当している男性方も美形、と美しい男性のみの独特の世界である点。お分かりになりますよね? 芸術方面でいかんなく発揮される、フェミニンで繊細な彼らの美的センス。料理の盛り付け、花の生け方ひとつ取っても、なーんか一味違うセンスの良さが滲み出ているわけです。だから「農家→インテリアまでもコテコテ田舎スタイル」という単純さはなく、内装はしっとり、だけどカッコよくまとまっています。

17世紀のバスク農家建築。古い小さな木の扉を開けると、外見のイメージとは違う空間が広がってます。庭(野菜やハーブを植えている)やテラス席も素敵です。
あまりに気に入ってる店なので、やたらと長くなってしまいました。興味持たれた方はぜひお足運びを……! そして予約は必ずお忘れなく(行く!と決めたら出来るだけ早くの予約をおすすめします)。

Moulin d’Alotz
chemin Alotz Errota
64200 Arcangues
tel./fax 05.59.43.04.54
休 火曜 水曜
昼夜 50ユーロ(ワイン代含まず)
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