更新日:2008年5月27日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

バスクからパリへの道のり、ボルドーの葡萄畑も通過します




   以前パリ~バスクの空の便についてはちらりと書かせていただきましたが、今回は私たちが普段通っている陸路について。一体パリから何キロ離れているのかといいますと、800キロ。東京~山口県の距離に値します。高速を時速130kmペースで走り途中何度か休憩を入れ、およそ8時間のルートです。

   ボルドー、ポワティエ、トゥール、オルレアン。バイヨンヌを出発してからパリに到着するまでに通過する大きな街々です。そのあいだを埋めて広がる緑の景色、視界を横切ってく小さな町や村の姿を眺めながら進んでいきます。こうしてジワジワ北上していくと、地方ごとに風景ががらりと変化していく様子が分かります。どの地方にもその地方らしい景色があって、例えば助手席でウトウトしていてふと目覚めたときに、窓の外を見ると「あぁ今あの辺を走ってるのね……」って察しがついてくる感覚です。


高速道路から見えるボルドーの葡萄畑。ボルドーはボルドーだけある、と納得できる範囲の広さです。

   背の高い松林が続くランド地方の平野を通り抜け、1時間半もするとボルドーへ。ひたすら続く葡萄畑の景色を堪能できます。葡萄畑に見飽きてきた頃、ポワトゥ地方に入ります。なだらかな丘が連なる地方で、春は菜の花畑、夏はひまわり畑、今ごろならじゃがいも畑、と豊かな農作物風景、それに牛や馬の放牧風景が重なって見えます。それが一段落つくと、トゥールの街並みが見えてきてロワール地方へ突入。田園風景がひときわ美しくって、太陽がキラキラしている日なんかは溜息モノです。おっだいぶ都に近づいてきたゾ、と思えてくるのもこの辺です。

   いくら景色がきれいでも、やっぱり「花より団子、景色より団子」は健在でして、移動の楽しみのひとつも食事になってきました。前はサービスエリアのサンドイッチとかで適当に済ませてましたが、ここ最近ちゃんとした食事を取る習慣がついてます。そうすると移動がずっと楽に感じられるんです。バイヨンヌ~パリ間のちょうど中間地点、高速からほど近い村に質素だけど感じのいいホテルレストランを見つけて以来、一晩宿を取って1泊2日の移動にしたり、早朝出発で昼食をゆっくりとる方式にしてます。


この日は、昼食休憩でした。ワインはハーフボトルを頼んで運転予定者は一杯、残りは助手席予定者が飲むという仕組みで。

   ちなみに写真でご紹介するこちらのレストランのお食事内容、前菜&メイン&チーズかデザート、で〆て17ユーロ! これでモトが取れてるのかしらね?といつも余計な心配をしてしまうほど、コストパフォーマンスの高さが素晴らしいお店です。


食材豊かなポワトゥ地方の料理は野菜もたっぷりで本当においしい。前菜のファルシィ(野菜の詰め物料理)は代表的な地方料理のひとつです。


ジビエ(狩料理)が盛んなポワトゥ地方、メインはウサちゃん……。リアルな姿がどうにもダメで自分では料理できないけど、料理済みのものなら平気で食べている私であります。


とどめはフロマージュ。カマンベール以外は全てシェーブル(山羊チーズ)という素晴らしいラインアップ、ポワトゥはシェーブル天国なんです! シェーブルに目がない私は、ここではデザート抜き。

   イル・ド・フランスに入ればパリはすぐそこ。手前50km付近はまだまだ田舎風景だというところで、突如向こうに現れて見えるパリの大都会の姿は、「壮観」であります! 地方が特別なのではなくパリが特別なのね、ってこれを見ていつも思います。

   パリにはバスクでは得られない利点がたくさんあります。貴重な日本食材をまとめて買いに行くのもこのときですし、見たいもの、やっておきたい事がたくさん出てきます。都会の空気をせっせと吸いこみ刺激を受け、そしてまたこうしてバイヨンヌへ帰ってきます。

   数日間のパリ滞在の後のバスクって、正直いって時計が止まっちゃったように見えてくることがあります。でもここに戻ってくるとフーっと深呼吸が出来て、そしていつの間にか自分もそのリズムにのっかっている。まるで生活自体がヨガのような、そんなところが地方暮らしの良さでしょうか。

コメント (2)



Junkoさん、こんにちは。
パリは良くも悪くも「特別」、本当にその通りですね。バスクにはパリに一度も行ったことがないフランス人だってたくさんいます。私にとってはちょっと衝撃でした。
ご主人のフランスびいきにバスク旅行が貢献したとは良かったですね!多分ご主人の場合もパリが「特別」で、他の地方も気に入ってくれるかも?そして徐々にパリの良さも分からせる、という段階作戦でいかがでしょう?

投稿者 マテスク : 2005年12月01日 15:46

里佐さん、こんにちは。
 パリへの道のりのお話、私も留学時代に何度か友人の車に乗って、当時住んでいたエクス・アン・プロヴァンスからパリまで8時間かけてぶっ飛ばしたことを思い出します。フランスはやはり陸路がいいですね。プロヴァンスの乾いた大地を抜けて、コート・ドールのなだらかな葡萄畑に差し掛かるたび感動したものです。
 パリはよく「フランスにありながらフランスでない」と言われますね。パリはやはり良くも悪くも『特別』なんですね。ちなみにうちの旦那は留学していたこともあって大のスペインびいき。数年前にフランスを知ってもらおうとパリに連れて行ってもいまいち感銘うけず。ところが先々月のバスク旅行でたちまちフランスびいきに!(しめしめ) これも魅力あふれるバスクのお陰ですね。

投稿者 Junko : 2005年11月30日 22:04


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