更新日:2008年5月27日

バスク地方の暮らしとお菓子のレシピ「バスクの砂糖壺」


バスク地方は、フランス南西部~スペイン北部に広がる緑と水のゆたかな土地。お菓子とおいしいものが大好きなマテスク里佐さんのオーブンからは、今日も甘くて香ばしいいい匂いが立ち上っています。里佐さんがバスクで出会い・学んだお菓子やお料理、そして人々の暮らしの様子について、レシピとともにお届けします。

文=マテスク里佐
   

秋のお菓子行事、マロン拾い




   春の筍と秋の栗。笑っちゃうくらいに日本的な食材のお宝が義両親宅の庭に眠ってます。5年前までは「スーパーで選ぶもの」と思っていた私ですが、いまや出刃包丁・手袋・ビニールの三点セットを握ってガサガサと裏山に分け入る姿(なんかコワい……)もサマになってきたみたいだし、目利きも出来るようになりました。

   この栗の木、私がやってくるまでは忘れ去られたように毎年ただ落ちていく実が放置されていたのだとか。義母はショコラティエで売ってるマロングラッセには目がないけど、生栗から作るほっこりしたおいしさにはあまり興味がないようで。数あるお菓子素材の中でも別格扱いなほど栗好きな私にとって、ちょっと耳を疑ってしまうような話。一人嬉々として収穫している私は半分感心半分呆れられている模様です。でもきっと栗の木さんだって喜んでくれているハズ。


撮影時期9月。ビルの3階建て高さくらいある巨木です。不調な年もあったそうですが、健康を取り戻して健気に実をつけてくれています。ずっと元気でいてね、と願わずにはいられない。

   若草色のイガが茶系に染まり、自らの実の重さに耐え切れなくなってきた頃が、栗拾いの絶好のタイミング。落下が始まったら、出来るだけ日をあけずに拾って実を取り出します。地面に放置されている時間が長ければ長いほど、虫食い率が高くなるし栗の実の新鮮さが失われてしまうのです。


まぶしい朝日に照らされて輝く栗の実。熟れて新鮮な栗は、パカっと簡単に取り出すことが出来ます。トゲの痛さは強烈なので、工事現場用のゴム手袋が必需品。

   落下のピーク時になると、拾ってるそばからガサガサッとすごい音をたててイガが落ちてきます。音がした方向へ走り寄って、取り出すほやほやの栗の実は、感動的なほど美しい。すべすべしっとりのマロン肌、そしてどっしりとした充実感を指に感じます。


2時間くらいの栗拾い労働の成果がこちら。ぷっくり膨らんだ栗の実って本当にかわいいです。

   日本にいる時は甘露煮を丁寧に作るのが秋の恒例お菓子行事でした。今は収穫量が量だけに、いちいち皮をむいていたら腱鞘炎になりかねないので、一気に大鍋で茹でる方法にシフト。柔らかく茹でた実をスプーンでくり貫いてからストックしてます。

   ところで、お菓子業界に「和栗」「洋栗」という言葉があるようですが、栗の洋と和の違いってそんなにある?と正直疑問に思う私です。店で売ってるグラッセとかペーストなどの加工品の味は、確かに洋的な「濃ゆさ」がありますが、生栗、少なくともバスクに育つこの1本のシャテニエ(栗の木)のほくほくな素朴感は、祖国のそれと全くと言っていいほど似通っているのですが。もちろん栗ごはんにしても、違和感ゼロです。


くり貫いた状態で冷凍。この作業すらめんどくさくなってしまったときは、茹で栗丸ごと状態で冷凍。蒸かし直して裏ごしすれば、お菓子に必要なほっくり感は充分甦ります。


くり貫いた身に牛乳と砂糖、時にはバニラを加えて煮上げるマロンペースト。市販品より「和栗」な味に仕上がります。

コメント (6)



hijiriさん、こんにちは。
オランダとドイツの栗の話、興味深く読ませていただきました。地域によって木の種類に違いがあるっていうことですね。今度ドイツで栗のお菓子を見つけたら味見してみようと思います。せっかく栗ごはん作って、似ても似つかない味になるのってちょっと悲しい・・・。

投稿者 マテスク : 2005年10月16日 18:36

お久しぶりです。

>栗の洋と和の違いってそんなにある?と

オランダで普通に購入する栗は栗御飯にしても全然似ても似つかないものになった記憶があります。ドイツへで栗拾いしても同じ。
この時期はどこどこのお店のは日本のに似ている、あそこのはダメ、と友人と情報交換に余念がなかったものでした。

種類も「和」と「洋」以外にも色々あるのかな?


投稿者 hijiri : 2005年10月15日 09:10

もかさんも栗拾いの想い出がおありなのですね。ほんと、初めてやってみるとちょっと感動しますよね。収穫作業って楽しいです。日本のスーパーで売っているサイズよりちょっぴり小ぶりの大きさです。朝市で売られている地元の栗を見てみると、大きさは売っている人によってマチマチ。木によってだいぶ違うのでしょうね。

投稿者 マテスク : 2005年10月15日 04:39

うわぁ~栗拾い、懐かしい~~~~。
子供の頃東京から埼玉へ引っ越して初めて栗拾いをした感激を思いだしました。豊な林はもう消えてしまいましたが輝く栗に実の美しさに変わりはありませんね。
所で実の大きさはどんなものですか?小さい頃山栗というのは売ってるものに比べてずいぶん小さいとのだなと思った記憶があります。
それにしてはバスクは素敵な所そうですね。いつか行かなくては!

投稿者 もか : 2005年10月15日 03:53

nonちゃんも確か栗好きでしたよね。筍狩り一緒にやりましたね!その後の「不思議ミーティング」も覚えてる?今となってはナンだか楽しい想い出です。


投稿者 マテスク : 2005年10月12日 05:22

りさちゃん、こんにちは!
栗の季節ですねー♪
んまー、筍のみならず、栗まであったんだ!
手作りのペースト、おいしそう。。。
もちろんモンブランにも変身するのよね?ああ、いただきに行きたいです。

投稿者 non : 2005年10月11日 21:22


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