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先日、お菓子の本の撮影を行ってきました。
「前作と雰囲気を変えてみよう」というアイディアのもと、今回選んだ撮影場所はバスクの山奥深く入ったところ。詳細地図上でも一番小さく載っているSouraideという小さな村です。
辺り一帯に見えるのは山山山、緑緑緑……。牛乳1本、バゲット1本買いに行くのにも、車を15分走らせなければいけない人里離れた土地。そんな所にぽつねんと建つ一軒家を丸ごと借りて、泊り込みでの集中作業。まさに「お菓子合宿」な数日間でありました。

遠くに見渡せる隣村の丘と、斜面に広がる広大な庭。洗濯物を干せば、まるで洗濯洗剤のコマーシャルみたいなシーンの出来上がり。
合宿初日の大仕事は、お菓子の材料・道具の搬入。鍋、フライパン、たくさんのボウルと数々の道具、膨大な量の基本材料(牛乳6リットル、卵60個エトセトラ)。そして引き続き、編集者さんが調達した食器、テーブルクロス、小道具などの搬入も。必要なものが揃ったら、私の仕事はひたすらお菓子制作に集中するのみ。あとは、本のイメージに沿ったスタイリングが作りこまれ、撮影がされていきます。

お菓子合宿の「トレーニングルーム」はこちらの台所。スペースがたっぷりあったし、電気ではなくガスコンロだったので助かった。
「普段のお菓子」と「本のお菓子」の違いを一言で表すとしたら「作りこみ具合」。出来上がったお菓子をどう演出するか。撮影場所、食器、添える小道具、布、そしてその選び方と見せ方によって、ガラリとお菓子の雰囲気、メッセージが変わってきます。お菓子の作り手がいて、それを一つのイメージに作り上げていくプロがいる。いろんなエッセンスの融合が一冊の本になります。世の中には既にたくさんのお菓子本が存在するけれど、次々に新たな本が生まれる理由のひとつだと思います。同じお菓子、同じレシピだろうと、それをどういう絵心で捉えるかで全く印象の違うお菓子の世界が生まれるはずだから。

スタイリング、写真、編集・レイアウト、さらにはおいしい和食作りまで、と一人何役もこなしてしまう森さん。そのパワーとスピード感は驚きです。

布小物の待機ルーム。クロス類は、すべて「バスクの布」で統一しました。折ジワを消すためのアイロンがけも必須な仕事。
去年に引き続いて2冊目のお菓子の本の撮影でした。1冊目の時ほどの緊張こそなかったけど、まだまだ修行が足りない面を痛感した今回のお菓子合宿。とりあえず無事に終了してホッと胸をなでおろし中です。
仕事の余韻はひとまず忘れ、今週は自分の台所でゆっくり気ままにお菓子を作る喜びに浸りたいと思います!

暖炉がある食堂。出来上がったお菓子はひとまずこちらに移動して、撮影待機。
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カテゴリ: お菓子の話(レシピつき)
2005年9月27日
昔から好きだったけど、フランス暮らしでその好き具合にさらに拍車がかかった果物「イチジク」。ねっとり濃厚、ぷちぷち感が楽しめて、香り豊か。春~夏の爽やかな果物とは別格な存在感があります。もぎたての熟れたイチジクは本当においしい。数年前、庭にイチジクの木が実るお宅にお邪魔したときには、興奮してまるで飢えたクマのようにイチジクの実をもいで食べました。
旬の時期が短いうえに傷みやすいので、楽しめる期間は8月末~9月のわずかな間。バイヨンヌの市場には、皮が黄緑色した柔らかくて小ぶりなもの、濃い紫色で身が引き締まったもの、同じく紫色で大ぶりなもの、と3種類のイチジクが見つかります。私が好んで使うのは、二番目の種類。色がはっきりしていて美しく、皮にハリがあるので火を通しても身崩れしないので、お菓子やデザートに一番使いやすいから。

本日のマルシェでの収穫物。来客予定の前日だったので、この日の買い物量はかなり多めでした。潰れないように大切に持ち運んだ、タルト用のイチジク。
デザートならポルト酒のコンポート仕立てに。お菓子なら定番タルトに。レパートリーをもっと増やしたいと思いつつも、毎年この2つのメニューで落ち着いてしまってます。
●「イチジクのタルト」作り方(24cmタルト型1台分)
<タルト生地>
バター……75g(室温にもどして柔らかくしておく)
粉砂糖……45g
卵(小)……1個(室温にもどしておく)
薄力粉……150g
<アーモンドクリーム>
バター……80g(室温に戻して柔らかくしておく)
グラニュー糖……55g
卵……1個(室温にもどしておく)
アーモンドプードル……80g
コニャック……小さじ2
薄力粉……20g
ベーキングパウダー……小さじ1/2
イチジク……約15個
<タルト生地をつくってねかせる>
1.バターをクリーム状にして、粉砂糖を入れて練り混ぜる。溶いた卵を3回に分け入れ、なめらかに混ぜ合わせる。
2.粉をふるい入れ、ひとまとまりになるまでよく混ぜる。
3.ラップに包んで、一晩ねかせる。
<アーモンドパウダーをつくる>
1.バターをクリーム状にし、グラニュー糖を入れてよく混ぜる。溶いた卵を3回に分け入れ、なめらかに混ぜ合わせる。
2.アーモンドプードル、コニャック、粉とベーキングパウダーを合わせてふるったものを順番に加え、混ぜ合わす。冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
<仕上げ>
1.タルト生地をタルト型よりひとまわり大きいサイズに伸ばす。型にぴったりと敷き詰め、余った生地はナイフで切り取る。フォークで底に穴をあけてから、アーモンドクリームを平らに流す。半分に切ったイチジクをぐるりと並べる。
2.180度のオーブンで45~50分ほど焼く。

「ルビー色」のイチジクの身。イチジクをたっぷりのせたいのでアーモンドクリーム少なめ、甘味も控えめにしました。

来客時のお菓子作りも、あまりお客様の嗜好など気にせずに自分がそのとき作りたいもの、ハマっているものを作ってしまってます。そっちの方が自分も楽しめるし、おいしいものが出来上がる気がするので。
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前回に引き続いて、アンティークの話題です。ひとくちにアンティークと言ってもジャンルやランクは様々。いくつかのカテゴリーがあるので、ご紹介します。
お値打ちものや出所がしっかりしている絵画、家具、食器類などが並び、買わずとも目の保養になるのが「Salle de vente(オークション会場)」。鑑定人のお墨付だし、初値(かなり割安)が決まってるので安心感があります。パリのオークションはあまりに高嶺の花レベルのようですが、地方ならだいぶ取っ付きやすい雰囲気です。土曜に展示会場で品をじっくりチェック、日曜にオークションに参加するという仕組み。ライバルが少なければ憧れの品を破格の値段でゲットすることも可能なので、我が家が最も利用している買い物方法、そして見に行くだけでも楽しい娯楽のひとつであります。

新品を買うのはちょっと躊躇してしまうような品もオークションでなら狙える。例えば「クリストフルのシャンパンクーラー」。かなり嬉しかった買い物の一つです。
小さな町にも必ず2つや3つ存在するのが、「Antiquité(アンティーク店)」と「Brocante(古道具店)」。日本にもあるような、いわゆる骨董屋さんです。オーナーの趣味とスタイルによって、ピンキリです。だから自分の趣味とぴったりのお店が見つかるとかなり嬉しい。私はバイヨンヌのとあるオニイサン(このニュアンス分かって頂けるかな)のセンスが大好きで、買い物帰りに寄り道してはうっとりしてます。
そして「Puce(蚤の市)」と「Vide grenier(屋根裏整理、ガレージセール)」は、週末に町の広場や公園で行われる青空骨董市。カフェオレボウルやアンティークのキッチン道具、味のある農作業道具など興味深いものが見付かる一方で、お古のパンツ(ズボンじゃなくって下着の方)とか、頭の部分がちぎれた人形とかホラーなものも。他人サマにとってのガラクタが自分にとっては宝物になり得るし、その逆も然り。まさに蓼食う虫も好き好きの世界です。

色と形で選ぶ、アンティークのジャム瓶。手前のはほんのりピンクのガラスだからレアものなんだとか(骨董市のおじさん曰く)。

蚤の市の「どれでも1ユーロ」箱の中で目にとまった「ガラスのレモン絞り器」。私の買い物はかなり実用主義かも?
ところで、私は全く霊感を持ち合わせていない人間ですが、こういう古い物を見てまわると「物にも魂ってあるんじゃなかろうか?」という発想が頭をよぎります。見ただけでなぜか背筋が寒くなるような代物にだってお目にかかるし、ぱっと見ただけで「買って買ってぇー」と私を呼んでくれているような物に出会ったり、いいなと思った瞬間に他の人の手に渡ってしまったり……。物と人にも縁ってある、と思います。

最近やっと巡り会えた、木製のギザギザカッター(パイ・クッキーなど用)。スーパーで昔買ったプラスチック製のなんと色気のないこと……!台所のプラスチック製品は極力排除していきたいと考え中。
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週末、地元の「蚤の市まつり」へ行ってきました。普段の骨董市よりも大きな催しということで、本日は有料システム。切符スタンドで2ユーロ払って入場します。青空の下、たくさんのテーブルがダーッと並び、その上には膨大な数のアンティークの品々。ゆっくり時間をかけて見る人の為に、簡単な飲食コーナーまで用意され、好き者にはもうたまらない雰囲気。このわくわく感は何に例えたらいいのだろう? 巨大なおもちゃ屋さんに入った子どもの心境?なんて思えます。

商品の80%は食器、グラス、カトラリー類。残り20%はオブジェ、布もの、道具など。
新品の買い物は、今やパリだろうと東京だろうとロンドンだろうと、同じモノ、似たようなモノを簡単に手に入れられてしまう時代。やっとこさ手に入れました!みたいな満足感や優越感といった喜びが徐々に薄れてきてしまってるような。それにひきかえ、アンティーク探しは本来の買い物の楽しさが残っている最後の砦! 何が見付かるだろう?という期待に応えてくれる、一期一会の出会いがごろごろ転がっている貴重な場です。

趣味や探しているジャンルとは違っていても、とにかく「見る」のが楽しい骨董市。欲しいものが見付かっても、何食わぬ顔で値段を聞くことが肝心です。とはいえ夫曰く、私はすぐに目にハートマークが輝いてしまうのでバレバレだとか……。
ンーそれにしても、と骨董商いの人たちの雰囲気を眺めながら思う私。なんで同じ職業の人というのは万国共通の匂いがあるのだろう?と。パリの蚤の市の人も、ロンドンのポートベローの人も、東京は乃木神社や新井薬師の人も、はたまた此処バスクの骨董屋の人も、顔かたちこそ違えどまるっきり同じ空気を湛えているのです。お客がが品を手にとり眺めている様子を、椅子に座りながらじーっと観察している時の目の色なんか全く一緒。こちらの方こそ品定めされているようでドギマギしてしまうことがあります。
決して親近感を感じさせてくれるタイプとは言えないけれど、この場にはやっぱりこの微妙な存在感が一番適切なのかも。アンティークを物色しているときに「何かお探しですか」なんていう接客ほど野暮なものはないはずだから……。
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カテゴリ: 外で食べたおいしいもの
2005年9月16日
パリの友人、フィリップ&ジメナ夫妻が我が家に5泊6日で遊びに来ました。パリではしょっちゅうフィリップの手料理(夫の方が料理もお菓子も100%担当というカップル)、しかもとても素敵なおいしい料理をご馳走になっている私たち。「ここは頑張って手料理でもてなさないと。しかし5日連続はプレッシャーだな」と一人あーだこーだ考えていたのですが……。
私の心配は徒労に終わったのであります。「ミシュラン見せてくれる?」と聞かれてハイと手渡すと、バスク地方のレストラン評価を熱心に研究し始めたフィリップ。彼の旅の目的は、私の手料理なんかではなくってバスクのおいしいレストラン巡りだったという訳でして。そうなれば話は早い! 私もちょっとホッとして、4日間のレストラン巡りの計画をみんなで楽しく立てました(初日の晩はちゃんと和洋折衷料理でもてなしました、念のため)。

山あいの小さな村、St-Etienne de Baigorry。観光地として有名な村ではなく、「ただの普通の」村ってところがまたいいのです。あるのは牧歌的な風景、教会、惚れ惚れするほど透明な川、そしてミシュラン掲載のホテル・レストラン一軒。
バスクのおいしいごはん巡り4日間。初日に我々が向かったのは、バイヨンヌから60キロ山奥に入ったバイゴリという名の小さな村の中の一軒。澄んだ美しい川で捕れるぴちぴちとしたニジマス料理、そして川のせせらぎの横のテラス席というのがここの目玉。特に夏場の昼時に訪れる店としては、バスクのワン・オブ・ザ・ベストかも。

前菜の「燻製ニジマスのカルパッチョ」。川魚っておいしい……としみじみ思える味。
海辺のギラギラした空気とは違う、川沿いのまろやかな陽光。そして地元ならではの食材に舌鼓。都会のおいしさに慣れている二人も大満足の様子に、こっちまで嬉しくなっちゃいました。

金融コンサルタント&弁護士という組み合わせの夫妻。でも今年の夏のバカンス期間は「7週間」だって……。
川の幸の後は、海の幸、山の幸、それにスペイン側も絶対に押さえないと……という調子で過ぎていった日々。バスクの食巡り、それも食に同レベルの情熱を傾けてくれる人と一緒なら6日間なんて短いくらいです。

「おいしい料理においしいワイン」。フランス生活がちょっとシンドくなったときも、これに何度励まされたことやら。ワイン万歳!
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カテゴリ: お菓子の話(レシピつき)
2005年9月13日
お菓子もそろそろ「衣替え」の季節。ちょっと気温が下がった途端に、ぬくもり感のあるお菓子が恋しくなってきました。
秋の衣替えシーズンにぴったりなお菓子はなんといっても「タルト」です。真夏のつるんとしたデザートをTシャツに例えるとしたら、タルトはさしずめ「長袖シャツ」のような存在。サブレ生地をぴちっと型に敷き、アーモンドクリームを丁寧に作り、香り豊かな季節の果物を並べていく。きっちりこなしていく作業の一つ一つが、なんだか久しぶりで楽しい……! 着飽きてしまった夏服をしまい、今年お初の秋服に腕を通したときみたいな気持ちよさ。
お菓子で感じる季節感、皆さんもぜひ体感してみてください。

タルト生地の型敷きは「白シャツのアイロンがけ」のようなもの?これだけは「きちんとキレイ仕上げ」をモットーにしております。急いでるときは作りません!
果物の色、香り、味、そしてリキュール使いによって、いろんな表情のタルトがうまれます。今日は何色を着ようかしら~?な感覚で、個性たっぷりお好みに仕立ててみて下さいね。

ヨーロッパのケーキ皿というと、28センチサイズが標準。私が普段作るお菓子にはいささか大きすぎる……。
●「ぶどうのタルト」作り方(20cmタルト型一台分)
<タルト生地>
バター……50g(室温にもどして柔らかくしておく)
粉砂糖……30g
卵……½個(室温にもどしておく)
薄力粉……100g
<アーモンドクリーム>
バター……80g(室温に戻して柔らかくしておく)
グラニュー糖……70g
卵……1個
卵黄……1個
アーモンドプードル……80g
マルサラ酒(好みで)……大さじ1
薄力粉……20g
ベーキングパウダー……小さじ1/2
ぶどう……1房くらい
<タルト生地をつくってねかせる>
1.バターをクリーム状にして、粉砂糖を入れて練り混ぜる。溶いた卵を3回に分け入れ、なめらかに混ぜ合わせる。
2.粉をふるい入れ、ひとまとまりになるまでよく混ぜる。
3.ラップに包んで、一晩ねかせる。
<アーモンドクリームをつくる>
1.バターをクリーム状にし、グラニュー糖を入れてよく混ぜる。溶いた卵を3回に分け入れ、なめらかに混ぜ合わせる。
2.アーモンドプードル、マルサラ酒、粉とベーキングパウダーを合わせてふるったものを順番に加え、混ぜ合わす。冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
<仕上げ>
1.タルト生地をタルト型よりひとまわり大きいサイズに伸ばす。型にぴったりと敷き詰め、余った生地はナイフで切り取る。フォークで底に穴をあけてから、アーモンドクリームを平らに流す。ぶどうの粒を並べる。
2.180度のオーブンで50分ほど焼く。
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いよいよ9月、夏も終盤。まだまだ陽気は夏、だけど日の光に秋が見え隠れし始めたこの季節こそバスクのベストシーズンであります。
この時期にお目見えする素敵な果物3種をご紹介します。「レーヌ・クロード」、「ミラベル」、そして「ミュール」。どれもなかなか素敵な名前だと思いませんか? 少なくとも初めて耳にしたときに「おフランスな名前だこと。」と妙に感心してしまった私です。
レーヌ・クロードは、すももの一種。ちょっとくすんだ黄緑色をしているのですが、この色が何とも綺麗なのです。日本の梅の実のような冴え冴えした黄緑ではなく、ちょっと枯葉色を混ぜたような渋い黄緑というか。秋を予感させてくれる素敵な色です。お味の方は外見のイメージに反して、びっくりするくらい甘くてねっとり。もぎたての熟れたレーヌ・クロードには、天然ジャムのようなコクがあります。

バイヨンヌのお気に入り骨董屋で見つけた、コンポティエ(果物皿)に盛りました。買った当初から、レーヌ・クロードをイメージしていたので一人ご満悦中。
ミラベルもこれまた美しい色をしたフランスらしい果物です。金柑を彷彿とさせる金色、つるつる輝く大きさも金柑サイズの実。プラムの一種でアルザス・ロレーヌ地方が有名な産地ではありますが、バイヨンヌの朝市でも地元育ちの美しいミラベルが見つかります。こちらもレーヌ・クロードと同じく、熟れているものはねっとり濃厚なおいしさです。

こちらはセネガルはダカールの市場で買った木のボウルに入れました。
そして夏の終わりの小さな果実といえば、ミュール。英語のブラックベリーです。バスクの山のそこかしこにトゲトゲの蔦を伸ばしながら群生中。今はまだラズベリー色をしていますが、これから少しづつ少しづつ太陽を浴びながら黒く色づいてきます。そこら辺を散歩しながらでも、ひょいひょいとミュールのつまみ食いができてしまう、これは9月ならではの楽しみです。本格的にボウルを担いで山奥に行けば、元手ゼロのおいしいジャムの材料を摘むことだって可能です。

柳みたいに垂れ下がった枝に、たくさんのミュールが実ってます。トゲトゲは手に刺さると結構痛いので、摘むときは慎重に。
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カテゴリ: バスク地方について
2005年9月06日
「中世祭り」。夏の間、私の住む街バイヨンヌで行われたお祭りの一つです。開催され始めてから15年くらいとのことなので、この地方にしては新しいお祭りのはず。大規模なものではなく、ちょっとした町興し的なイベントと呼ぶのがふさわしいようなお祭りです。
中世らしさを醸すのに一役買っていたのが、街の通りに敷かれた藁。これだけで道りがちょっといつもと変わって見えます。そしてお祭りにつきものである仮装。食べ物の屋台の人は中世の農民の衣装をまとい、お土産屋の人は中世の騎士の扮装をしながらのパフォーマンスです。もともと歴史が古く16世紀の建物がそのままたくさん残っているような街なので、違和感なく「時代村」に変身しているところはバイヨンヌならでは、でした。

出店がずらっと並んだ教会そば広場。夏休みの子どもたちで賑わっていました。

昔風の素朴なパンやお菓子などの実演販売。食べ物スタンドの中でいちばん長い行列が出来ていたところ。
中心広場の見学はそこそこに切り上げ、私たちが向かったのは普段から顔を出すことの多い1本の通り。アンティーク店が数軒並ぶ、いわばバイヨンヌの「骨董通り」です。道端にもテーブルを出して、この日はちょっとした青空骨董市の雰囲気でした。

家具、食器や小物、古本なども。店主の趣味によって、店の個性はさまざまです。
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皆さんの「砂糖壷」には何色の砂糖が入ってますか? 我が家が常備している砂糖は、白のほかに、ベージュ1色、黒2色。カソナード2種類と沖縄の黒糖です。お菓子作りには圧倒的に白い砂糖の出番が多いとはいえ、黒い砂糖にしか出せないおいしさも捨て難く。
クレームブリュレのぱりんと割れるキャラメルはカソナードならではの香りだし、和のデザートには黒蜜のコクがたまらなくおいしい。精製度が低い分、黒い砂糖には独特の旨みがあります。それに、「ミネラル豊富」という健康キャッチフレーズにも心くすぐられます。

昔から日本の家族がお取り寄せしている、沖縄黒糖。このじんわり感はカソナードにはない旨み。沖縄の食事処の真似をして、小さな壷に入れてお茶請けにしてます。
白い砂糖は純度が高いので、どこの国で買おうとほとんど同じもの。日本のグラニュー糖とフランスのグラニュー糖にはもちろん大した差はありません。その点、黒い砂糖はサトウキビの原料に近い状態なので、生産地や加工した場所によっても風味や粒子の大きさが変わってきます。沖縄黒糖とひと口に言ってもいろんなタイプが存在するけれど、カソナードも然り。メーカーによって様々だったり、お隣の国ベルギーで買い求めたカソナードはフランスのとはびっくりするほど違ったものであったり。ある意味、白い砂糖より奥が深く、あれこれ試してみるのが楽しい素材ではあります。

「ベルギーのカソナードは旨い!」というフランス人の知人の薦めで、ブリュッセル訪問の際にもスーパーへと走りました。フランスのそれがパラパラと乾いた感触なのに対して、ベルギーのカソナードは日本の三温糖みたいな「しっとり」感を持っています。
ただし、おいしいからといって白い砂糖の代用として使うことはあまりしません。たっぷり使うと、コクがクドさに、香りがクセに感じられてしまいます。白い砂糖の1~2割くらいで代用してみるとか、焼き菓子の上にぱらぱらっと振るのに使うとか。黒砂糖はあくまでもアクセントに、というのが上手な使い道って思います。

友人に教えてもらって以来すっかりはまっている「豆乳ゼリー」。カソナードと沖縄黒糖両方でトライした黒蜜ですが、軍配はもちろん沖縄黒糖の方に上がります。蜜にしたときの味のパンチが全然違う。
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