カテゴリ: ヴァカンス・旅行
2005年8月30日
お菓子研究家のいがらしろみさんがバスクへ「お菓子一人旅」に訪れました。私がお会いした時点で既に、バイヨンヌの主なお菓子屋、チョコレート屋を制覇済みだったところはさすがと言うべき。ガトーバスク、マカロン、ショコラ……。バスクの甘いものを一つ一つまるで音楽を聴くかのように「フンフンふん」といった調子でチェックしていく様子は、見ていてとっても気持ちよかったです!
「実際に食べてみなきゃ分からないもんね」というスタンスは私も大賛成。見知らぬ土地のお菓子こそ、既成イメージやお菓子の外見にまどわされずに「まずは自分で感じてみる」ことが大事だと思うので。感動な発見、ちょっとがっかりな発見、といろいろ出てくるけど、それら全部ひっくるめて大切な旅の肥やしになります。

お馴染み「ガトーバスク」。こんな風に素朴なディスプレイの方が似合うお菓子です。

バスクのベレー帽をイメージしたその名も「ベレー」というお菓子。ぴょこっと飛び出したバニラのさやが可愛い。
こういう風景に、こういう文化があって、こういうお菓子を作っているのね。そうやって自分で感じることによって、そのお菓子が自分の頭の中のお菓子ノートに刷り込まれるみたいな感覚。旅に出るごとに、自分のお菓子メモリー量が増えていくのはとっても満足感があります。だから、お菓子好きな人は必然と旅好きなのかも。
今ごろ、ろみさんの頭の中の「バスク菓子」ページはかなり充実しているはず?
●いがらしろみさんのBlogはこちらから>

一日の締めくくりはビアリッツのサロン・ド・テにて。ショコラに生クリームをのっけるろみさん。暑くて私はコーラを頼んでしまった。気合が違いますね、気合が。
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日本の「パフェ」とは別物、フランスの「パルフェ」とは?
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カテゴリ: お菓子の話(レシピつき)
2005年8月25日
「パルフェ」、ご存知ですか? この時期、レストランのデザートメニューにちょくちょく登場するデザートです。綴りはParfait。音が似ているので「パフェのことかしら」と想像する人もいると思いますが、実際にはフランスの「パルフェ」と日本の「パフェ」は別物です。
パルフェは、大雑把に言ってしまえば「アイスクリームもどきなデザート」。果物のソースをしいたお皿に載せてサーブされます。見かけも味も確かにアイスクリームっぽいのだけど、一口食べれば舌ざわりが微妙に違うことに気がつかれるはず。卵に対して生クリームが多めな配合なので、ふんわり感が勝ってます。

先日レストランで注文した「フランボワーズのパルフェ」。果物のピュレを加えれば、こんな風に綺麗な一色染めに仕上がります。
基本材料は、シロップと卵黄と生クリーム。一気に作ってポンと冷凍庫に入れるだけ、ケーキ型に入れて固めるので見栄えが良くって、おもてなしになかなか重宝するメニューです。
魅力的なのは、アイスクリーム作りよりぐんと楽な点。アイスクリームはクリームを冷やしながら空気を入れていくので、マシーンで作るか、何度も冷凍庫から出してはかき混ぜる必要があり。パルフェは作る段階でしっかりと空気を入れてから、急速に固めてしまうだけ。それなのに冷凍庫に入れてもカチカチにならず、程よいクリーミーさを保てるデザートです。
合わせる果物はお好みで。以前ご紹介した「杏のコンポート」や「桃のコンポート」を使いこなすのにも、おすすめ。もちろん缶詰の果物などでもおいしく作ることができます。忘れずに添えて欲しいのが、ソース! とろっと溶け出したクリームにソースをからめて食べる瞬間がクライマックスですから。おいしいフランス料理にソースがつきものであるように、おいしいデザートにだってソースは必須パーツなのであります。
●果物の「パルフェ」 作り方(プリン型6~8個分)
●<パルフェ>
シロップ……水40cc+グラニュー糖40g
卵黄……2個
生クリーム……200cc
好みのリキュール……小さじ1~2
果物のコンポートまたは缶詰の果物……適量
●<ソース>
果物のコンポートまたは缶詰の果物……適量
好みのリキュール……適量
1.果物のコンポート(パルフェ用)を小さな角切りにする。
2.生クリームにリキュールを加え、氷水につけながらピンとツノが立つくらいまで固く泡立てる。この中に1の果物を入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫に入れておく。
3.ボウルに卵黄を入れて軽くハンドミキサーで混ぜる。
4.シロップを作る。グラニュー糖と水を小鍋に入れて弱火にかけ、かき混ぜながら沸騰させる。そのまま1~2分沸騰させ続けた熱いシロップを、3のボウルに少しづつ垂らし入れながら、高速で泡立てる。
5.シロップを全部入れ終わってからも、冷めるまでそのまま高速で泡立てる。冷めてきたら、氷水につけながらさらに泡立て続ける。
6.2の生クリームの中に5のクリームを一度に加え、氷水につけながらきれいに混ぜ合わせる。型に流し入れて冷凍庫で冷やし固める。
7.ソースを作る。果物のコンポート(ソース用)をミキサーでピュレ状にして、コンポートのシロップとリキュールを適宜加えて溶きのばす。
8.サーブする30分ほど前にパルフェを冷蔵庫に移して柔らかくしておく。お皿にソースを流した上にパルフェを盛る。

冬には柑橘類でも。私がよく作る「オレンジのパルフェ」。オレンジとクリームの組み合わせは、結構ハマります。
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真夏らしい風景のひとつ、トウモロコシ畑。日本でも見たことがある懐かしい景色が、バスクにも広がってます。強い陽射しの下、濃い緑のつやもよく元気よく育ったトウモロコシには、大地の生命感がたっぷり。

麦わら帽子が似合いそうな、真夏の風景。
こんな景色に影響されてか、最近トウモロコシを使ったお菓子や料理が気になっています。トウモロコシを挽いた粉で作る、料理、お菓子、そしてパン。どれも古くから伝わる極シンプルな食べ方なので、素っ気ないほどの味わいが逆に新鮮に感じられるようになりました。
いつもの粉屋さんで、小麦粉と一緒に買ってきたトウモロコシの粉。まず作ってみようと目論見中なのが、先月ベネチアでも何度か口にした「ポレンタ」です。粉と水を練ってぐつぐつ煮るという、料理の原点のような料理です。北イタリアのスペシャリテとはいえ、オリジンはローマ時代にまでさかのぼるという料理なので、ヨーロッパのあちこちで作られています。もちろんバスクでも。

お祭りで売られていた、とうもろこしの粉で作ったバスクの伝統的なパン「メテュール」。お店の人のペイザンヌ(農民)・ルックと、ギンガムチェックのクロスがぴったりでした。
ぽってりと固まったポレンタを切り餅サイズに切って、焼いたり揚げたりして料理の付け合わせに。もちもちした食感が肉料理によく合います。初めて食べた時は、実は特においしいとも思わなかったけど、あら不思議、一度目よりは二度目、二度目よりは三度目、と口にする度に段々と好きになってきました。
地元の図書館の本で調べてみると、フランス南西部にはこのポレンタがベースの古いお菓子レシピが幾つか見付かりました。「粉と水を練ったものを焼く」。どこの国でもそれぞれの粉を使って作られている庶民のお菓子。華やかなフランス菓子とは違う、こういうペイザンヌ菓子の素朴なおいしさも見つけていきたいと思ってます。

当たり前だけど、「インスタント・コーンスープ」色してます。これがあれば、クリームコーンスープも簡単に作れるかも(フランスにはクリームコーン缶がないので)?
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フランスとは一味違う、オーストリアの生クリームのおいしさ
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カテゴリ: ヴァカンス・旅行
2005年8月18日
バカンス中でも、私たちの大きな楽しみを占めるディナーの時間。胃を疲れさせずに、連日きちんとしたヨーロッパ食事をおいしく頂くための私の工夫はいたって単純。夕食の時間までにできるだけお腹をすかせておくこと、それだけ。「空腹は最上のソース」なんて諺がありますけど、まさにあれです。そんな訳でバカンス中は昼食パスがしょっちゅうです。

世界中からの観光客でひしめく夏のベネチアですが、ときにはひっそり静かな情景も目にすることができました。
その代わり、お茶の時間を充実させます。普段は紅茶派の私をも、すっかりコーヒー味の虜にしてしまうのがイタリアのカプチーノ。やっぱりその国で口にするその国の味は特別おいしく感じられます。

イタリアン食器ブランドといえばこれ。ホテルの食器も「リチャード・ジノリ」で統一されていました。
そして、オーストリアの素敵な飲み物「アイス・カフェ」。バニラアイスクリームの上からたっぷりのアイスコーヒーを注ぎ、トップにホイップクリーム(もちろん無糖)が盛られています。

ジャーン、これがオーストリアのアイス・カフェ。乳脂肪分が低いさらっとしたクリームなので、すぐにタラタラと溶けてきます。
2年前に初めてオーストリアを訪れた際、普通のアイスコーヒーだと思って注文したのが出会いのきっかけ。生クリームたっぷりのパフェもどきが運ばれてきたので驚きました。このおいしさにまた出会いたくてこの国に再びやってきたと言っても過言ではない、今年の夏のオーストリア訪問(ちょっと馬鹿みたいだけど本当です)。
それにしても、オーストリアの生クリームのおいしさといったら……! フランスのクリームとはまた一味違う、もっとみずみずしいような、ミルクに近いような、口の中ですっと溶けていくやさしい口どけをもつ生クリーム。その証拠に、30度を超す暑い一日でも、カフェのお客の半分以上がこのアイス・カフェを飲んでいるという楽しい光景を目にしました!

世界遺産に登録されているハルシュタットの町。清潔感と透明感に溢れる景色がたくさんあるオーストリア。
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簡単、天然シロップのおいしさ「桃と葡萄のマリネ・カクテル」
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カテゴリ: お菓子の話(レシピつき)
2005年8月15日
バカンスの自分への大切なお土産は、「ヒントやインスピレーション」を頂いてくること。お菓子やデザートそのものに感動するというよりも、ちょっとしたディテールに心を動かされます。果物の切り方だったり、お皿の大きさだったり、サーブされたときの温度感だったり。大きいスケジュール帳を持参して、印象に残ったポイントを簡単にメモしています。デジカメ記録も便利は便利だけど、やっぱり言葉の力も偉大なので。

箱入りの桃を買ったはいいけど、じつはあまりおいしい桃ではなかった……。そんなときはマリネしてあげれば再生できます!
今回のバカンス中、なぜか心のアンテナにひっかかったのが「フルーツ・カクテル」。ホテルの朝食のビュッフェによくある、大きなガラス鉢に入った色とりどりの果物パンチ。缶詰の果物と甘ったるいシロップだけのちょっと寂しいカクテルもあれば、苺や桃、メロンも贅沢に入った素敵なカクテルもあり。たかがカクテルされどカクテル、なんて思いました。
自分で今回作ってみたのは、「桃と葡萄の2色カクテル」です。わざわざシロップを作るまでもなく、果物と砂糖をマリネするだけで天然のおいしいシロップがじわじわと出てきます。ガラスボウルに入れて冷蔵庫で冷やしておけば、目覚めすっきりの朝食に。果物に合ったリキュールを少々垂らしておけば、夜の気楽なデザートにも。水分たっぷりの果物がぴったりなので、お好きな果物でお試しあれ!
●「フルーツのマリネ・カクテル」作り方
1.好みのフルーツ適宜を食べやすい大きさにカットしてガラスボウルに入れる。
2.レモン汁少々をふりかけて色止めする。砂糖をお好みの量まぶしながらスプーンで静かに和える。水分が出てきたら、再度レモン汁と砂糖適量をふりかけて味をととのえ、ラップして冷蔵庫に入れてマリネする。

桃のねっとり感と葡萄の皮のはじける食感。異なる食感の果物を組み合わせるのがカクテルのおいしさです。
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カテゴリ: ヴァカンス・旅行
2005年8月11日
夫と、夏のバカンスへ出かけてきました。バスクを離れひたすら東へ東へと車を走らせた先は、フランスはプロヴァンス地方、北イタリア、そしてオーストリア。
普段の暮らしからかけ離れた風景と空気に浸ってのんびりする。そしてその土地の料理を楽しんで味わうこと。これがいつもながらの私たちの旅の目的です。

バイヨンヌから9時間ドライブの末に辿り着いたのは、コーダジュールの山の上。ニースとモナコの中間にあるラ・テゥルビという小さな町。夕食前の時刻、ホテルのまわりを散歩してプロバンスの香りを堪能しました。

ミシュラン2星レストランを抱えるホテル「シェ・ジェローム」での朝ごはん。お部屋は極々質素だけど料理とサービスは一流という、そのギャップがフランスの田舎らしい魅力だと思う。
大きな街を訪れる場合でも、宿は付近の小さな町や村にあるこじんまりした静かな所を選びます。観光地のど真ん中に身を置くことよりも、その土地の人たちの生活空間の中にひっそりと溶け込んでいるホテルに泊まるのが好きです。
心地よいホテルでの大きな楽しみは「朝ごはん」。朝からぱりっと糊のきいたクロスがかかったテーブルで食べる朝食こそ、非日常的で贅沢な時間という気がします。バゲットやクロワッサン、バターにジャムや蜂蜜、ヨーグルト、果物、そしてカフェオレやミルクティ。朝ごはんはシンプルな食べ物の組み合わせだからこそ、お国柄や宿のテイストが詰まっているように思われて、とても興味深いのです。

ベネチアの喧騒から離れ、船上バスで20分のリド島にあるホテル「クワトロ・フォンターネ」。従業員の人たちの暖かいサービスが素晴らしい! 中庭の大きなプラタナスの木の下で食事をします。

「クワトロ・フォンターネ」の朝ごはん。パンの他、焼きたてのおいしい「カトル・カール」発見! ヨーロッパ女性のこのお菓子の食べ方を観察してみると、「5ミリくらいに薄くスライスしてジャムをのせる」食べ方をたくさん見かけたのが印象的でした。
余談ですが、ヨーロピアンが初めて日本の純和風朝ごはんを目にすると、少なからずショックを受けるみたいです。朝からスープに焼き魚!?と。彼らのスタイルを考えると、驚くのも無理ありませんが。そう考えると「朝ごはんは食文化の象徴」と言っても過言ではない、なんて思います。

オーストリアのザルツカマーグード地方(ザルツブルグ近くの湖水地方)の宿の窓辺から。湖のエメラルド色は溜息もの!

オーストリアの朝ごはんはちょっぴりドイツ風。さまざまな穀物入りのパンに、ハム・野菜・チーズと栄養満点な食事が出来上がりです。
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カテゴリ: バスク地方について
2005年8月08日
皆さんの町には、お祭りがありますか?
夏といえばお祭り、お祭りといえば夏ですね。バスクも7~8月は行事のピークを迎えます。毎週末、どこかの町で何かの催しものが行われているといった状況。地元の人に観光客も加わり、どこもなかなかの盛況ぶりです。
いろいろ見てみると、こちらのお祭りの種類は大きく分けて3つ。キリスト教の祭日にちなんだお祭り事、町や村で伝統的に行われているイベント、そして食べ物の収穫祭。

ブラスバンドの青年も、黒Tシャツに赤いバンダナ。
サン・ジャン・ド・リュズに出かけた際にたまたま出くわしたお祭りは、「聖ヨハネの日のお祭り」。このお祭りのシンボルカラーは赤と黒、ということで赤黒ルックで身をつつんでいる人々をたくさん見かけました。お祭りにありがちな屋台の出店はなく、あるのは音楽隊のパレードと広場で行われるダンス。そしてそれをカフェに座ってゆっくり眺める。そんな落ち着いた大人ムードなお祭りでした。

広場のカフェはどこもぎっしりでした。冬の閑散とした雰囲気がウソみたい……。

カラフルな漁船が浮かぶサン・ジャン・ド・リュズの港。ここからは観光船も出ています。
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カテゴリ: 外で食べたおいしいもの
2005年8月04日
先日の義両親宅でのディナーは格別でした。まずテーブルコーディネートが「おっ」という感じ。義母はこういうコトにとっても気を使う人なのですが、いつもよりも一段と美しくセットされていました。
普段は嫁のたしなみとして(?)台所に入ってお手伝いをするところですが、「今日はスュルプリーズ(サプライズ)料理だから、台所に入らないでね」とのお達しが。
すっかりお客様状態でテーブルに待機し、いざ食卓に運ばれてきた品を見ておおいに納得。山盛りのキャビア! そういえば、先月ふたりはロシア旅行に出かけていたっけ……。

どうやって盛ろうか考えた末に、思いついたアイディアだとか。銀の野菜皿に氷をはり、キャビアのボウルを置いています。
冷えたキャビアを、ほわっと温かいブリニ(そば粉入りのロシア風クレープ)にのせていただく、そのおいしいことといったら……。魚卵好きにはたまりません。高カロリー・高コレステロールは承知でも、ブリニにバターをちょっと塗りながら食べるのも感動の美味。
チョウザメの卵を塩水に漬けたものを熟成させたのがキャビアの正体。トリュフ、フォアグラ、キャビア。世界の3大珍味と言われる食材の中、やっぱりこれが一番魅力的!と再確認した夜でした。

メインはスズキのカルパッチョ。つけ合わせの野菜は、にんじんとズッキーニを蒸したもの。

義母の作るお菓子の中で一番好きな「杏のタルト」。生の杏をのせて焼いてあります。
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カテゴリ: お菓子の話(レシピつき)
2005年8月02日
みなさんには、忘れられない味ってありますか? 「あの日あの場所で食べたあの一皿」の強烈な想い出というもの。食べ物とそのときの記憶がダブって甦るもの。私にとってのそれが、今回ご紹介するデザートです。
3年前の6月の猛暑の中、フランス中西部ペリゴール地方のあるレストランでいただいた「桃のテリーヌ フランボワーズソース添え」。体が異常に熱く感じて仕方なかったので、このテリーヌのひんやり感が涙ものにおいしく感じました。それもそのはず、その数時間後に体温を計ってみると40度近く、後で判明したことですが病名はなんと水疱瘡……! いい年して水疱瘡に、しかも旅先で発症するなんてちょっと悪夢でした。

デザートのお皿はグリーンベースのものがあると重宝します。果物の色を引き立ててくれるから。
強烈な想い出と一緒に、デザートのおいしさもしっかり記憶に残ったという一例です。そして記憶を頼りに、自分のデザートレパートリーに加わった一皿です。
前回ご紹介した桃のコンポートを、香りの移ったシロップごとゼリーに仕立てます。色の濃淡があるとゼリーから透けてきれいなので、黄桃と白桃を使っていますが、もちろん白桃だけでも、または他のコンポートやフレッシュな果物を使ってアレンジして頂いても。お好みと手に入る果物によってアレンジしてみて下さいね。
●「桃のテリーヌ」作り方(18×8cmパウンド型1台分)
桃のコンポート……3~4個
粉ゼラチン……15g(水100ccでふやかしておく)
桃のコンポートのシロップ……300cc
1.ゼリー液を作る。コンポートのシロップを火にかけて温め、火を止めてから、ふやかしたゼラチンをちぎり入れて溶かす。そのまま置いて粗熱を取る。
2.型の中に、はみ出るくらい大きく切ったラップを貼り付ける。
3.桃を10等分くらいのくし形に切り、半量を型の中に敷きつめる。
4.ゼリー液の1/3量程を注ぎ、冷蔵庫に30分ほど入れて冷やし固める。
5.固まったところで、残り半量の桃を並べた上から残りのゼリー液を注いで、2時間以上冷蔵庫でしっかりと冷やし固める。
6.ラップごと引き上げて取り出し、1cm幅に切ったもの2枚を縦に並べて(大きな台形にして)サーブする。好みでフランボワーズソースを添えていただく

コンポート作りにこそ、酸の影響を受けないル・クルーゼのほうろう鍋。
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