カテゴリ:
お菓子の話(レシピつき)
2005年06月23日
お菓子作りを趣味とする者として、師として尊敬する人は少なからず。フランスで私が「お菓子の教祖」として仰ぐ人物は、夫の祖母。彼女のお菓子作りの姿は、レシピ以外の大切なこともたくさん教えてくれます。ここまでお菓子作りを心から愛し、日々の喜びとしてしている人はいまだかつて会ったことがないかも。レシピや技術も大切、だけど一番大事なのは自分がいかに楽しんで作るかってこと! そんなメッセージを伝えてくれます。
今年御年89歳にして、パリのアパルトマンで週に3~4回せっせとお菓子を焼き続けているおばあちゃん。その1ヶ月の小麦粉消費量は数キロ単位! 小さな体で真剣な表情で作っている様子はとてもいとおしい。お菓子を失敗してしまったときに浮かべる悔しそうな表情も、相当の熟練者ぶりなのです。

作り慣れているお菓子でも、ちゃんとレシピノートを広げて作ってます。
そんなおばあちゃんが日常的に作っているのは、シンプルなバターケーキ。ご近所の方に配るため、そして自分の朝食用に、と生活の中に染み込んでいるお菓子です。
彼女のレパートリーの中から今回ご紹介したいのは、私も何度もご馳走になった「杏のカトルカール」。缶詰の果物なら、一年中楽しむことができます。果物を型に敷き詰め、生地を流し込んでじっくり焼き上げます。丸型でもよし、角型でもよし、果物はなんでもござれ。そして型出しがちょっと無様になってもくよくよしない。次は何の果物で作ろうかな。そんなラフでおおらかな気持ちがこのお菓子のおいしさに繋がります。

いよいよ流し込み。「おいしければいいのだけど……」とおまじないの言葉も忘れずに。
生地のレシピは以前ご紹介した「レモンのカトルカール」と全く同じ、卵を計量して同分量の砂糖、粉、バター。ただし今回はスポンジ風の作り方ではなく、いわゆるバターケーキ風の作り方。やわらかくしたバターの中に材料を順次入れていく方法です。簡単なようでいて、実はこちらの方法の方が失敗しやすい。成功の秘訣はなんといってもバターのやわらかさです。冷蔵庫から出したての硬いバターで作ると分離してしまいます。
おばあちゃんの家にいくと、いつでもバターが冷蔵庫ではなく食卓の上にぽんと放置されています。室温でぽってりとクリーミーになったバターがあれば、常時バターケーキ作りにとりかかれる訳です。「だって、せっかく作りたいのに待つなんて嫌でしょ」とは彼女の弁。むむむー、おばあちゃんのお菓子魂は本当にすごいのです。

ベランダのテーブルへ!
●「杏のカトルカール」作り方(18cm丸型1台分)
杏のシロップ煮……1缶
卵……全重量の1/4(18cm丸型で2個が目安)
砂糖……卵と同分量(全量の1/4)
小麦粉……卵と同分量(全量の1/4)
バター……卵と同分量(全量の1/4)
1.杏は汁気を切っておく。
2.バター(分量外)を型に多めに塗る。杏をぎっしりと並べる。
3.前もって充分にやわらかくしておいたバターの中に、砂糖、卵を順次なめらかに混ぜていく。あらかじめふるっておいた粉を加え、丁寧に混ぜ込む。
4.型に流し込み、180~200度のオーブンで50分~1時間焼く。
コメント (12)
ひさしぶりにこのレシピに戻ってカトルカールをつくりました。ケーキづくり初心者の私ですが、このお菓子には何回も挑戦中。今後もつくるたびに、おばあちゃまのご冥福をお祈りします。
投稿者 bluepines
: 2008年07月23日 20:14
miholantaさん、作っていただいたのですね。オーブンを使うのが楽しい、お菓子作りに最適な季節がやってきましたね。これからどんどん楽しみたいと思ってます。私も、毎回何を作ろうか、どのレシピで作ろうかで結構悩みますが。
投稿者 マテスク
: 2005年09月20日 22:04
里佐さま
ようやく杏のカトルカールを作ることができました。里佐さんの本に載っていたガドーバスクを作ろうか(ドライイチジクをそのために昨日買って来たので)はたまたカトルカールにしようか悩み、とりあえず、すぐできそうな(寝かせる必要のない)こちらにしました。
生地がたりなくて(杏も足りなかったのですが)、18cmの型に流し込んだあとで、15cmのに移し変えたので、ちょっと杏が生地に沈み込んでしまったような感じになってしまいましたが、まぁ、成功でしょう。やさしい甘さと食感ですね。
投稿者 miholanta
: 2005年09月20日 13:06
easyspacerさん、はじめまして。
コメント、トラックバックありがとうございます!
生の杏が手に入るのなら、自家製の杏のシロップ漬けも作れます。
ちょうど近々アップしようかな、と思っていたテーマですのでチェックしてみて下さい。
これからもどうぞよろしくお願いします。
投稿者 マテスク
: 2005年07月03日 17:17
はじめまして!!
バスクの日差しが感じられるとても素敵なブログで、少し前より読ませてもらっていました。
仏文科卒でなぜか在米です。
カトルカールのレシピをおかりして、トラックバックまでさせてもらいました。 どうぞよろしくお願いします。
レポート、とても楽しみにしています♪♪^^
投稿者 easyspacer
: 2005年07月03日 02:37
marilleさん、あの青チェックのバターはバスクでも売ってます!私も結構愛用者です。そうですかー日本に帰られてしまうのですね。同僚の方も寂しがることでしょうが、最後に良い思い出をたくさん作っていって下さいね。日本に帰られても引き続きお菓子作りを楽しんで下さい!
yukoさん、本見て下さっていてありがとうございます!バスクもいつかぜひ遊びに訪れて下さいね。私的には9月がお薦めシーズンです。
もかさん、お菓子にリキュールをたらして食べる食べ方、ヨーロピアンですねー。よくこちらの男性がその食べ方してます。ちょっと乾いてしまったお菓子も甦るのだとか・・・。
投稿者 マテスク
: 2005年06月27日 03:12
里佐さん、昨日杏のカトルカールを作ってみました。今回は計りも買い替え、成功!!!
イチゴのスープを作るつもりで手に入れたグランマルニエを冷蔵庫で冷やしておいたカトルカールにたらして朝ごはんにしました。とっても暑いので冷たい杏が、あぁっ、おいしい!!食べながら次は何の果物で作ろうか、とわくわくしました。素敵なレシピをどうもありがとうございます!!!
投稿者 もか
: 2005年06月26日 23:00
はじめまして。以前からバスク地方に興味があり、里佐さんの本を偶然見つけ毎日のように眺めてました。たまたまこちらのサイトを見つけ感激して思わず書き込みしてしまいました!いつかバスク地方を旅行したいと思っております。杏は私も大好きなので是非、さっそく杏のカトルカールをつくりたいと思います。
投稿者 yuko
: 2005年06月26日 18:53
マテスクさん、こんばんは。
写真でおばあ様が使っているバター、私の家のと同じで、ちょっとびっくりしました。てっきりブルターニュ周辺のローカル商品だと思ってました・・・。最近はナントも暑くなってきたので、焼き菓子は苺タルト以来作っていないのですが、今ならバターも短時間で柔らかくなりそうですね(祖母からgourmandeのDNAを受け継いだ私、冬場はバターをビニールで包んで手で温めてます)。
実は7月上旬に日本に帰らなければならなくなり、来週末は所属研究所で「今まで皆ありがとうパーティ」です。デザートは、マテスクさんのレシピのどれかを選ぶ予定ですが、どれも皆に食べてもらいたくて、目移りしてしまいます。
投稿者 marille
: 2005年06月26日 05:59
miholanntaさん、レモンのカトルカール3回!も作って頂けたとは!
果物は、缶詰だったら桃とか洋なしでも。生の果物でも出来なくもないですが、水分が多いと生地がぐしゃっとしてしまいます。あとは適度に酸味がある果物の方が美味しい。私は水分が抜けた(別の言い方「干乾びた」)リンゴでお気楽に作ったりもします。まさに家庭のお菓子ですね。
みきさん、こんにちは。仮住まいの時に作りたくても作れないもどかしい気持ち、私も何度か経験あるので分かりますっ。いつか落ち着いたら、ぜひいろいろ作って楽しんで下さい。
投稿者 マテスク
: 2005年06月24日 15:12
ちょっとチェックできなかった間に続々と更新されていますね!まとめ読みも読みたいものだとあっという間です。
あのレシピもこのレシピも作りたいけれど、今は学生で仮住まいなのでそうもいかず・・。レシピを大切に保存しています。
おばあちゃんのこだわり、素敵ですね。経験の積み重ねには、どう頑張っても勝てないものってありますね。とくにお料理やお菓子作りの微妙なさじ加減は真似ができない!というわけでいつも作ってもらってばかりです。
今後の更新も楽しみにしてます!
投稿者 みき
: 2005年06月24日 14:58
里佐さま
昨晩ちょうど、レモンのカトルカールを作ったところでした。これで3回目です。すっかりお気に入りになりました。
ステキなおばあちゃまですね。一緒に作られることもあるのかな?ちなみに私の祖母は手打ちうどんが最高なんですよ。
こちらのカトルカールも近々挑戦したいと思います。他にどんなフルーツが合いそうですか?缶詰の方がいいのかな?生よりも?缶詰だったら、ピーチとかパイナップルかな?
投稿者 miholanta
: 2005年06月24日 05:09
※お断り
・Cafeglobeまたは著者の判断により、断りなくコメントやトラックバックを削除さ
せていただくことがあります。ご了承ください。
・当ページの「コメント」に掲載されている「投稿者」名は、Cafeglobeの登録メン
バー名と同一人物とは限りません。 |