更新日:2005年11月15日

おしゃれはバッチリ、海外旅行もひと通りしたしワインも焼酎もそれなりわかった。そんな私たちだからこそ、次に挑戦すべきは「オシゴトのスキル」。HR(人材)トレーナーの道を歩き始めた著者が、上司や部下とのコミュニケーション術、天職の探し方、そうは言っても弱っちゃったときの元気アップ方法……などなど、どんな職業の人にも必ず役に立つテクニックや情報をおすそわけします。

文・写真=Mari

   

知っているようで知らない自分のこと、周りのこと

   今日はチームビルディングについての3回目のエントリーとなりますが、そもそも皆さん、同じチームやプロジェクトのメンバーである同僚、先輩・後輩もしくは上司がどんな性格で、どんな行動パターンを持っているかって知っていますか?

   周りを見回してみると、縁の下の力持ちタイプもいれば、人をグイグイ引っ張っていくのが得意なタイプ、芸術家肌もいれば、左脳でものを考える人もいますよね。でも、口では「色々な人がいる」とは言うものの、いざとなると「同じ会社にいるんだし、同じ仕事しているんだし、何より同じ日本人なんだから」と、「自分の考え・価値観」を標準にして、「かくあるべし」と自分の意見を他の人にまで押し付けてしまう人は意外に多いものです。

   そして、更に言えば、自分がどういう風に仕事を進めていて、他者にどのような影響を与え、どういう思考で問題を解決していくか、などについて深く自己分析する機会って案外少ないですよね。

   そこで登場するのが、MBTIやDiSC、エニアグラムなどのテストによる性格診断ツールです。聞いたことはある、もしくは、受けたことがあるという方もいらっしゃると思います。日本企業ではまだ体系的にチームビルディングに生かしているというところは少ないようですが、アメリカなどの企業では多くが採用して、その効果が認められています。心理学の研究結果を基にしているので、血液型よりも、より科学的でより実用的な性格診断ツールと言えそうです。

   これらのツールを使う目的は、まずは自分を理解し、次に他者(チームメンバー)を理解することで、違いを生かして、お互いの弱みを補完し合い、強みを伸ばし合っていくことで共有する目標を達成することなので、診断結果だけを見て、相手の性格を決め付けたり、苦手意識や偏見を持ったり、自分と合う・合わないで相手を判断することではありません。

   そして、これまでの「一人の突出したリーダーとその他大勢の部下」という構図ではなく、スタッフの一人一人が自分の強みや持ち味を発揮しながらその役割を果たし、チーム全体として機能していくという点においては、前回のファシリテーションと組み合わせることで更なるチームビルディング効果が期待できそうです。

   このツール、チームビルディングだけではなく、たとえば「どうしても今の仕事が合わない、でも何が向いているのか分からない……」という方のキャリアプランニングに役立てることができたり、営業担当者には個々のクライアントへのアプローチの仕方が分かったりと、一度受けて損はない性格診断ツールなのです。

   というわけで、チームビルディングに関するあれこれを3回にわたってご紹介してきましたが、いかがでしたか? 組織で働くというのは、気も使うし、思い通りに行かないことも多いし、楽しいことばかりではないけれど、やはり人と一緒に何かを作り上げたり、やり遂げたりするのって達成感もやりがいも大きいですよね。使えるスキルやツールは活用して、少しずつでも自分の会社ライフをより快適なものにしていきましょう。

※各ツールの提供方法などについての詳しい内容については、ご自身の判断と責任の下で、提供する団体に直接お問い合わせ下さいますようお願いいたします。


最近読んだ中では結構ハマった1冊、『なぜあなたのチームは力を出しきれないのか』。普通のビジネス書と違い、フィクションのドラマ仕立てになっているので、展開が気になってスイスイ読めちゃいました。MBTIについても少し触れられています。以前にご紹介した「あなたのチームは機能していますか?」と併せて読むのがオススメ。

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チームビルディングに必要なファシリテーションスキルとは?

   前回のオフサイトミーティングに関するエントリーを読んだ方の中には、「う~ん、うちみたいな旧態依然とした会社じゃ、社内ミーティングと言えば、声の大きい人か権力のある人の“鶴の一声”が総意になっちゃうか、皆が言いたいことを言ってまとまらないか、最後まで意見が出ないまま終わっちゃうかのどれかなんだけど、どうしたらいいの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。確かに、参加者が「招集」がかかったかのごとく、嫌々集まるミーティングならば、それがオフィスの中であっても外であっても、お金と時間とエネルギーのムダ遣い以外の何ものでもないですよね。

   そこで今日は、チームビルディングに必要なスキルであり、今新たなミーティング手法、そしてリーダーシップの形として注目されている「ファシリテーション」についてお話します。

   ファシリテート(facilitate)とは、元々は「促進する」「手助けする」という意味なのですが、私がこの言葉を知ったのは、アメリカ留学中。たまたま州判事の方の話を聞く機会があり、そのときに彼が判事という仕事について「中立的な立場で検察側・弁護側の双方の意見を偏ることなく聞きだし、陪審員が正しい判断を下せるようにファシリテートすることだ」と説明したときでした。

   つまり、判事が裁判を効率的に進行させるように、ビジネスミーティングにおけるファシリテーションとは、単なる司会役を超え、活発なディスカッションを促すために、自ら質問をしたり、問題提起を行ったりするコミュニケーションのこと。各メンバーの個性や能力を引き出しながら、全員に参加意識を持たせるような場作りをする、かなり高度なコミュニケーションスキルが必要とされます。そして、このようなスキルを持つ人材を育て、「ファシリテーター」として活躍させる企業が日本でも増えてきているのです。

   でもこのスキル、欧米から入ってきた新たなスキルのように見えて、実はコンセンサスを重視する日本の製造業などでは元々備わっていたものですし、これまでのマッチョリーダーの、多様な価値観を認めない「黙って俺について来い!」型リーダーシップを否定し、人を育て、チームワークを重視した新たなコミュニティ型リーダーシップを実現するものとして、とくに女性リーダーには受け入れやすいと言われているのです。

   ということで、今の会議の進め方に疑問を感じている、もしくは自分らしいリーダーシップを発揮したい!というリアルキャリアの方には心強いファシリテーションスキル。悩める私たちの救世主になるでしょうか!?


ファシリテーション型リーダーシップについて書かれた「ボスを目ざすサメとリーダーを目ざすイルカ」。女性リーダー必読の一冊です。

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オフサイトミーティングのススメ

   先日、社員全員で半期に一度の「オフサイトミーティング」なるものに参加してきました。オフサイトミーティングとは、オフィス以外の場所で終日、もしくは泊りがけでチームビルディング(組織としての機能をアップさせること)を行うもので、内容は売り上げ目標の設定やミッション策定などのマネジメントに関する事柄についての議論から、「好きな言葉」「尊敬する人物」など直接的には仕事に関係ないけれどもお互いを知るのには良い材料についての話し合い、はたまたグループに分かれてのゲームまで、半分オフィシャルで、半分カジュアルな社内ミーティングのことを言います。

   社員全員で旅行と言えば、いわゆる温泉で飲んで歌って騒いで、若手の幹事は大忙し、というような、カジュアルには見えるけれど、しかし管理職と一緒なので気は抜けない「社員旅行」しか知らなかった私には目からウロコの経験でした。このオフサイトミーティング、時間もコストも有効活用しながらモチベーションの向上が期待でき、チームを率いる立場にいらっしゃる方にはとってもおススメです。

   知っているようで知らなかった同僚の意外な、それもいい一面を見ることができたり、オフィスから遠く離れた自然の多い場所で、ざっくばらんに話し合うことで「そう感じていたのは私だけじゃないのねー」と共通の問題意識を共有できたりと、居酒屋での飲み会でも会議室での社内ミーティングでも話せないようなことが話せちゃうところが、このオフサイトミーティングのいいところなのです。

   そして、私が今回有意義だったなぁと思うのは、参加者同士がお互いにお互いのよいところと今後改善してほしいと思う点について率直に話し合ったことです。これには、上司への遠慮も部下への気兼ねもありません。という訳で、小心者の私も最初は、よいところはスルーで、改善点でここぞとばかりに色々言われるのではないかと内心ドキドキしていたのですが、そこは皆さんオトナで、うーむ、やっぱりそうかーと思うこともあれば、ほぉ、そんな風に見られてたのねーと思うことまで自分に対する「気づき」も多く、やはりよいも悪いもフィードバックされることは必要だと実感しました。

   もちろん、改善すべき点については、今後の自分の課題として、さっそく期限付きのアクションプラン策定です。反省だけならサルでもできるのです(古いっっ)。とは言え、このウィークポイントの指摘しあいは、ヒエラルキーの強い日本の会社では難しいのかもしれませんが、逆にここまでお互いが対等な立場にならないと組織の活性化も何もないような……。

   とにかく、このオフサイトミーティング、楽しく、かつ学ぶこと多しの2日間でした。チームのやる気がなくってどうしよう……とお困りのリーダーの方は、是非ご検討くださいませ!


ミーティングの最後はやはり乾杯!このように眺めのよい部屋での一杯はおいしかったです。

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