今日はリーダーシップスキルの3回目ですが、以前にご紹介したロッシェル・カップさんの著書の中に「リーダーとは時としてチアリーダーの役割を担う」というような一文があったのですが、指導する立場に立ってみると確かに、以前のような知識や技術の授受だけではなく、精神的なケアやサポートをしないと人は育たないんだということがよく分かります。
そこで、今日は部下と上司のコミュニケーション方法としてOne on One、つまり一対一のミーティングを持つことをおススメしたいと思います。
と言っても、学生時代のような「放課後、体育館の裏にちょっと来て」とは違いますから、まずはミーティングの前に、その目的を明確にしておくことが必要です。
そして、その目的とは、One on Oneは「あなたには問題があるから」ではなく、「お互いにとってよりよいコミュニケーションのために」あるものであり、あなたは最初から最後まで「聞き役」であり、「相手の中にある答えを引き出す役」であるということです。ですから、他に誰もいないことを利用して、問いつめたり、説教をしたり、「ズバリ言うわよ!」とばかりに日ごろの鬱憤を晴らす時間では決してないのです。
回数として望ましいのは週に1度、30分程度ですが、無理な場合は、最低でも月に1回は行うとよいと思います。場所は会議室などのオフィシャルな場でもよいですが、たまにはカフェでお茶でも飲みながら……など、要は相手が話しやすい雰囲気を作ってあげることがキモです。もちろん、「聞き役」に徹するからには、以前にご紹介したアクティブ・リスニングで陥りやすい罠に気をつけながら、EQ、Iステートメント、パラフレージングなどのコミュニケーションスキルをフル動員して臨みましょう。
また、話す内容は色々あるかと思いますが、私の場合は、まずは前回ご紹介した早見表を一緒に見ながら、相手のそれぞれのタスクに対する成長レベルに関して、お互いが合意するまですり合わせを行った後、次のミーティングまでのゴールを設定し、日々のアクションプランを立てます。その他にも、困っていることや今後やってみたいことなど、問題や情報をざっくばらんに共有しています。
「えー、何だか大変そうだし、人の話を聞いてばっかりじゃストレス溜まりそう……。」と思われるかもしれませんが、終わった後、相手に「いやー○○さんに話を聞いてもらってスッキリしました! やるべきことが分かって、光が見えてきた感じです。ありがとうございます!」なんて清々しい笑顔で言われれば、「やってよかったなぁ」と思うハズです。
そう、人を育てるのは難しいけれど面白い! 面白いけど難しいのです。さぁ、あなたもチアリーダーになったつもりで、部下を応援しましょう!
Go!Fight!Win!

インターン最後の日ということで、当社で学んだことについて社内プレゼンテーションをしていただきました。こういう機会を上が積極的に与えてあげることも必要ですね。
前回は、タスク毎に相手のモチベーションとスキルを判断して、自分のリーダーシップ・スタイルを変える「状況に応じたリーダーシップ」をご紹介しましたが、何となくでもコンセプトは理解できましたでしょうか?
今日はさらに詳しく、どのようにして相手の状況を見て行くかについてお話します。
「状況に応じたリーダーシップ」では、部下の成長のレベル(Development Level)を4つに分けて、それぞれD1レベル~D4レベルと呼んでいます。もちろん、これも「タスク毎」のレベルですので、Aさんはあるタスクに関してはD1だけれども、別のタスクに関してはD4レベルということは大いにあり得ることを覚えておいて下さい。
以下では、それぞれのレベルとリーダーシップのスタイルについて説明していきますが、スタイルについてはあくまで「目安」として、最終的には自分がやりやすく、なおかつ効果的な方法を見つけてみて下さい。
●D1レベル:やる気は高いが、スキルは低い場合
手取り足取りの指導型
(目標と役割を明確にし、具体的に過去の事例などを見せる。タイムラインを徹底し、優先順位をつけさせる。ただし、あくまで指導・指示するだけで、命令はしない)
●D2レベル:やる気が低く、スキルも低~中程度の場合
コーチング型
(D1レベルと同等程度の指導をしつつ、やる気が上がるよう、精神的サポートも積極的に行う。目標を明確に設定させ、まめにフィードバックを与え、目先の業務に捕われることのないよう、全体図を見せる)
●D3レベル: やる気は見せたり見せなかったり、スキルは中~高程度の場合
サポート型
(やり方については徐々に任せるようにし、指導の回数は減らす。引き続き、賞賛・励ましによって自信をつけさせるようにする。また、自主性を持たせるため、自分で考え出したアイディアを、監督の下に実施させる)
●D4レベル:やる気もスキルも高い場合
お任せ型
(裁量を与え、信頼し、問題解決を自分で行わせ、最後の責任まで持たせる)
もちろん、上司としては、D1レベルから一気にD4レベルに上がって欲しいところですが、そこは生身の人間相手ですから、常にやる気満々、自信たっぷり、スキルもうなぎ上り、という訳ではありません。そこで、D2やD3の段階を利用して、部下と上司がしっかりコミュニケーションをとっていくことが大切と言われています。
では、次回はその部下とのコミュニケーションの取り方についてお話したいと思います。

前回ご紹介した「One Minute Manager」には、このような部下の成長レベル早見表もついています。私もこれを手元に置いて、大いに活用中。
トリノ冬季オリンピックが始まりましたねー。私が注目しているのはやはり、フィギュアスケート。華麗な演技と同時にイケメンチェックもしなくっちゃ。
さて、そのスポーツの世界では「名プレーヤーは必ずしも名コーチに非ず」と言われていますが、ビジネスも同じで、どんなに実務能力が優れている人でも、人を育てる管理能力がそれに比例するとは限らないのが現実です。
旧来の年功序列型企業では、これまで女性がマネジャー職の対象となることが少なかった。一方ベンチャーなどは平均年齢が低くて昇進は早いけれども、体系立ててリーダーシップに関するスキルを学ぶ機会が与えられていないことが多いようです。そういった理由でお手本となる人も少なく、部下への接し方や指導方法が分からない、コミュニケーションが上手くいかない、業務が回らないという優秀な女性の声を多く聞きます。
また「私はマネジャーじゃないからリーダーシップなんて関係ないわ」という方でも、ユニークな後輩の指導・育成に頭を悩ませているという方は多いのではないでしょうか。
私も現在3人のインターンの方を指導する立場にあり、どうしたら彼女たちに気持ちよく仕事をしてもらうかは日々の課題でもあります。
そこで今日は私も活用している「状況に応じたリーダーシップ(Situational Leadership)」についてお話します。
●「人」ではなく「タスク」毎にモチベーションとスキルの高さを判断する
よく新入社員などに対する評価として「Aさんは使えるけど、Bさんは使えない」などと言いますが、実際にはBさんにだって強みや得意分野はあり、サポートの仕方によってはいくらでも伸びる可能性はあります。Aさんだっていつもいつもモチベーション高く、すべてのタスクを完璧にこなすスキルを持っているとは限らないのです。
ですから、状況に応じたリーダーシップとは、文字通り相手の状況に応じて自分のリーダーシップやコミュニケーションのスタイルを変えていこうという考え方です。
ここで重要なのは、相手の状況とは、相手の人格や性格ではなく、その「タスク」に対するモチベーションとスキルの高さを指すことです。つまり、まずは「使える部下かどうか」ではなく、「~さんはこのタスクに対して充分なモチベーションとスキルがあるか」を判断して、その答えによって指導方法を柔軟に変えるのです。
これによって、どんな年齢や価値観・経験値の相手でも幅広く対応でき、きめ細かい指導が可能になるというわけです。
では、その相手の状況の見分け方とそれに適したリーダーシップスタイルについては次回お話します。お楽しみに!

こちらが「状況に応じたリーダーシップ」について詳しく書かれたケン・ブランチャードのベストセラー「One Minute Manager」。和訳版はこちらから。