前回、EQを高めるために必要な3つのことの1つとしてご紹介したのが「自分と相手の思いに気づく」ことでした。今回は、とくに「自分の思いへの気づき」について考えてみます。
●自分の感情を鏡に映して客観視し、コントロールする
「人を思いやる気持ちを大切に」と教育されてきた私たちですから、相手の気持ちに気づきましょうというのは納得がいきやすいと思います。でも、自分の思いに気づくってどういうこと? 自分のことなんてわかっているよ、と思われるかもしれません。
たとえば仕事上のことで怒りがこみ上げてきたとき、不安に駆られたとき。とっさに嘘をついたり、攻撃的になったり、取り乱したり……と衝動的な言動や行動に走ってしまうのは、自分の思いに十分に気づけていないからなのです。これは、自分の感情を鏡に映して客観視し、コントロールするための重要なスキルです。
●怒っている自分に自分で声をかける
まず、自分がどのようなときに怒りや不安などの負の感情を抱きがちか、普段から認識しておきましょう。そうすることで、いざそのような場面に遭遇した際、もう一人の自分が「はい! そこで大きく深呼吸して~!」とか、「ほら、この前の失敗を思い出して~!」と冷静に次の行動を判断してくれるというわけです。
私の場合、強い負の感情を感じていると気づいたら、(周りに気づかれないように)軽く目を閉じ、鼻から大きく息を吸ってふぅぅ~っと口で吐くというヨガの腹式呼吸で気持ちを静めます。その際に、真っ白な空気が鼻腔から入って、頭の中のもやもやと黒くよどんだ空気を口から押し出していくようなイメージをします。そうすると頭の中がリセットされて、かなり余裕を取り戻せるようになるのです。ヨガの精神は、意外と職場でも役に立つことが多いんですよ。
●「ありがとう」の一言で……
気づいておくべき自分の思いは、怒りや不安など負の思いだけでなく、喜びや幸せと言った正の感情も含まれます。
EQ的観点からすれば、喜びや幸せは、回りの人と積極的に分かち合うべき。でも、いつも一緒にいる家族や同僚が相手だと「わざわざ言葉にしなくても、私が喜んでいることは分かってくれているだろう」と期待してしまいがち。さらに、苦手な相手に対してはその感情すら認めたくない気持ちのこともありますよね。そのようなときはどうしたらよいでしょうか?
わが社のEQの天才、元気社長に聞いてみたところ、どんなに些細な事でも「ありがとう」と言ってみることから始めるといいそうです。そうすると、相手の反応はどうあれ、自分の気持ちに変化が現れ、認識できる自分の正の感情が少しずつ増えてくるとのこと。最初は難しいかもしれませんが、エネルギーがハイポジティブのときに試してみると効果がありそう。Practice makes perfect(習うより慣れろ)でぜひチャレンジしてみて下さい。
これはコミュニケーションだけでなく、自分の精神衛生上もとても役に立ちますね。私はうれしいことがあると、心の中で大袈裟なくらいに喜びます。そうすると幸せな時間が長く感じられるんですよ。お試しあれ!

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